世界観については新シリーズであること・サトシ引退(サトシはきっとTVに映らないだけで旅してると信じてる)などからサトシが絡むような話は新アニポケでも出てこないと考え、新アニポケとゲーム版が合わさった世界観を描いていくつもりです。
ただ、もしかしたら話の展開上、劇場版のキャラクターなどを出すかもしれない為、その部分だけご理解をお願いします。
①始まりの出会い
──────あの日。
故郷のヒオウギシティを旅立った時に幼馴染みのヒュウと誓った『世界一のポケモントレーナーになる』という夢を成し遂げる為、俺はこれまでポケモン達と一緒に頑張ってきた。
全ジムバッジ制覇。
イッシュリーグ・ヒガキ大会優勝。
この調子でチャンピオンリーグにも出場したかったが、こちらはリーグ優勝者だけが出場できる関係上、開催されるのはイッシュリーグよりも頻度が少ない。俺も出場できるのはまだまだ先だ。
しかしだからと言って、それまで何もしない訳にはいかない。夢へと近付く為、今よりも強くなるにはどうすればいいかと俺はアララギ博士やアデクさん、チェレンさんなどに相談を持ち掛けた。
しかし答えはみんなそれぞれ違う。悩んだ俺にある女性が1つの道を提示してくれた。
「強くなる為に必要な事は自分と、ポケモン達の事をもっとよく知って好きになる事なんじゃないかしら?」
その為に女性はとある場所への推薦を約束してくれたのである。
その場所は────────
▽
イッシュ地方から遠く離れたカントー地方。その西部に位置するトキワシティのポケモンセンターで一泊し、朝早くに出発した俺は目的地があるセキエイ高原へと続く22番道路を歩いている。
この道路に入ってすぐの所にバス停があるとジョーイさんは言っていたけど……。
「お、あれか」
確かにトキワシティを出てから少し歩いた場所にバス停が見えた。俺がこれから向かうセキエイ学園の制服を着た女子生徒が3人見えるし、間違いないだろう。
「うん、まだ時間はあるな」
左手首に装着しているライブキャスターに時間を表示し、バスが到着するまで時間がある事を確認する。それまでバス停の椅子に座って待っていようと考えるが、左端に座ってる女子生徒2人は知り合いらしく話に華を咲かせている。反対に右端に座ってる女子生徒はそうではないようで、1人ポツンと座っていた。
久し振りの再会なのか、「そっちの町は」だの「最近何かあった?」といった話をする2人の隣に座る度胸はなく、かといって真ん中に座るのも居心地悪い為、俺は右端の子の隣に座る事を決めた。
「おはよう」
「…………えっ!?あっ、お、おはよう……ございます」
普通に挨拶をしたはずなんだが、何故か予想以上に驚かれた上に敬語で返された。いや、同い年か違っても1歳位しか変わらないよな?
「隣、座ってもいいかな?」
「あっ、はい!ど、どうぞ!」
中側に置いていたキャリーケースを外側へと動かしてくれた為、白いショルダーバッグを肩から外して女子生徒とは逆の位置に置き、椅子に座る。
セキエイ学園は全寮制だとアララギ博士が言ってたし、これからバスに乗る女子生徒3人も俺と同じ新入生なんだろうか?それとも実家に帰っていた在学生……という可能性もあるか。何にせよ、自己紹介は早めに済ませておいた方がいいな。
「今日からセキエイ学園に通う新入生のキョウヤだ。よろしくな」
「は、はい……あ、わたしも新入生で……リコって言います。よ、よろしくお願いします」
緊張気味に喋るリコの特徴は水色の瞳と黒髪の裏が青色というインナーカラーのセミロング。最初は自分で染めたのかな?と思ったが、内気な感じからしてたぶん地毛なんだろうな。
「えっと……キョ、キョウヤさん?」
「別にタメでいいぞ。歳同じだろうし、同い年からのさん付けはなんか慣れない気がするし。俺もリコって呼ぶからさ」
「う、うん。分かりま……えっと、分かったよ」
「おう」
リコが素直に敬語からタメ口に直してくれた事を嬉しく思っていると、彼女の後ろ……椅子から少し離れた地面の上で紫色の何かが動く様子が見えた。
「おっ、コラッタじゃん」
「えっ?」
体を傾けて見てみると、リコの奥にいたのはねずみポケモンのコラッタだった。イッシュ地方で見かけた事があるからすぐに名前がでてきた。ただ問題があるとすれば、リコが振り向き、俺よりも距離が近い彼女と目が合ったせいでコラッタに警戒心を抱かせてしまった事である。
「コーラッタ!」
「わっ!?」
コラッタの威嚇に驚いたリコは咄嗟に隣にいた俺の腕に抱き着いてきた。コラッタ自身は威嚇だけして去っていったので、それ以上何かされるという事はなかったが。
「大丈夫か────っ」
「あっ、うん。大丈夫だよ────って、ふあぁっ!?」
落ち着いたリコに声を掛けるが、腕に抱き着いてる以上さっきより距離が狭まってるのは当然のこと。結果、振り返った彼女の顔と至近距離で対面する事になってしまった。
「ごっ、ごめ、ごめんなさい!わざとじゃなくて!コ、コラッタ?にびっくりしちゃって!そしたら勝手にキョウヤの腕を掴んじゃってて!?」
「分かった分かった」
赤面した状態で目をグルグルと回しながら早口で喋るリコ。驚きとリコのいい匂いと、あと腕に若干当たってる柔らかな膨らみに俺も混乱しそうだったが、リコの慌てぶりを見ていると逆に落ち着いてきた。
ていうか。
「とりあえず、まずは腕を離したらいいんじゃないか?」
「えっ?……っ!!」
未だに俺の腕に抱き着いてる事を指摘すると、リコは耳まで真っ赤にして俯き、ゆっくりと自身の腕を抜いていった。俺から今のリコの顔は下から覗かない限り見えないが、頭から湯気が出そうな勢いで真っ赤な事は間違いない。
「びっくりして腕に抱き着くとか大胆過ぎるでしょあの子」
「付き合ってるのかな?でも初対面みたいな感じだけど」
「いやいや、初対面で抱き着くとかドラマじゃないんだから」
左端にいる女子生徒2人がヒソヒソと何やら話をしているが、おそらくリコには聞こえてないんだろう。
しかしベルさんのおっちょこちょいに巻き込まれて抱き着かれるなんて毎回の事だったが、どうやら慣れたなんて事はなかったようだ。いや、慣れたらそれはそれでまずい気がするが。
▽○
(あ~~~も~~~!わたし、初日から何やってるの!?他人の友達に掛けられた言葉を自分にだと勘違いしたり、今会ったばかりの人、しかも男の人の腕に抱き着くとか!?気まずいとかそういうレベルじゃないんですけど!!?)
到着したバスに乗り、キョウヤの隣で未だに顔を真っ赤にしたまま俯くリコ。頭の中では怒り、羞恥心、困惑、自分の事が分からない自分、今後の関係など様々な感情や考えがグルグルと渦巻いていた。これまでの状況を整理しようとするが、なかなか纏まらない。『何を考えてるのか分からない』と言われる程には内気なリコにとって、先程の出来事は初めての未知の領域であったのだ。
「リコ、大丈夫か?そんなに考え込まなくても」
「……だ、大丈夫。その、さっきは本当にごめん」
「だからもう気にしなくていいって。……そういえば、コラッタは初めて見たのか?」
バス停でリコがコラッタの名前を言った時、馴染みがなさそうだった事を思い出したキョウヤ。リコの気分転換の為に、ポケモンの話をしようと思ったのである。
「あ、うん。パルデア地方ではカントー地方のポケモンは見かけないから」
「パルデア地方?リコの出身地方か?」
「あ……そういえば言ってなかったね。キョウヤはどこから来たの?」
「俺はイッシュ地方から来たんだ」
(イッシュ地方……確かカントー地方やホウエン地方よりも遠い地方だっけ?わたしの他にも留学生っていたんだ)
「パルデア地方にはどんなポケモンがいるんだ?」
「えーっと……パモってポケモンはたまに見かけるかな。こう、こんな耳をしてて──────」
▽
パルデア地方、イッシュ地方に生息するポケモンをお互いに教え合ってる間にリコの調子は戻りつつあった。そしてしばらく他愛もない話を続けてると、キョウヤはふと窓の外に目を向けた。
「おっ。見ろよ、カントー地方のポケモン達だ」
「えっ?わぁ~……」
通路側に座るキョウヤが指差す窓の外へとリコが視線を向けると、初めて見るポケモン達に感嘆の声を発した。
上空を飛ぶバタフリーの群れ。
草原を歩くケンタロスやイワーク。
そしてバスの横を通り飛び越していくオニドリル。
その他にも様々な野生のポケモン達がバスの外の景色の中におり、リコだけでなく同乗している女子生徒2人も見とれていた。
「カントー地方のポケモン達……なんか、感動かも」
「そっか」
キョウヤ自身も昔似たような場面に遭遇した事がある為、目を輝かせながら食い入るようにポケモン達を見るリコの気持ちは分からなくもなかった。
(いい笑顔するじゃん)
楽しそうにポケモン達を見つめるリコの横顔を見ながら、キョウヤは心の中でそう呟くのであった。
キョウヤ
この物語の主人公。容姿については大体BW2の男主人公と同じ(ただサンバイザーは付けていない)
「世界一のポケモントレーナー」になる事を夢見ており、サザナミタウンで出会った金髪の女性の推薦により、セキエイ学園へ入学する。
名前の由来はBW2とBWの男主人公(キョウヘイ+トウヤ)
功績
・全ジムバッジ制覇(イッシュ地方)
・イッシュリーグ・ヒガキ大会優勝
・■■■■■■■■(国際警察によるプライバシー保護の為、閲覧不可)