永遠の王さん、誤字報告ありがとうございます!
リコにリーグ優勝者だと告げた翌日。リコからその事を聞き、朝から驚いた様子で詰め寄ってきたアンを相手するのは疲れた。
それからポケモンと社会に関する授業を受け、それが終わればいつも通りリコとアンのポケモンバトルにアドバイスをしていく。その休憩の途中、ニャオハやミジュマル、俺のポケモン達が戯れてる傍らで、俺は朝のHRで話題になっていた話を2人にもする事にした。
「もうそろそろ大型連休だけど、2人は何か予定とかあるのか?」
セキエイ学園に入って初めての大型連休である。俺のクラスでは実家に帰る生徒か寮に残る生徒のどちらかだった為に、リコとアンはこの休みをどう過ごすのか気になったのだ。
「あたしは実家に帰ってゴロゴロしようかな~。パパとママにミジュマルを紹介しないといけないし!」
「リコは?」
「お父さんとお母さんもきっと仕事で忙しいだろうから、連休中は寮で過ごす予定かな」
なるほど。やはりそのどちらかに分かれるんだな。
「キョウヤはどうするの?あっ、もしかしてジム巡りとか!?」
「いや、カントー地方を少し旅してみようかなって思ってる。イッシュ地方にはいないポケモンを見たいし、強い野生ポケモンが集まる場所もリストアップしたしな」
ジム巡りに関してはやりたかったけど日数的に無理だと断念した。たぶん行けてもハナダシティかヤマブキシティが限界だし。
「あ、リコも特に予定がないなら一緒に来るか?」
「えっ?」
「色々なカントー地方のポケモンに会える機会だし、ポケモンバトルの経験にもなるからさ。どうかなって」
一緒にこのセキエイ学園に来た時、バスの中から初めてカントー地方のポケモン達を見て嬉しそうにしていたからな。それにニャオハも毎回相手がミジュマルばっかじゃ手の内が分かって経験にならないだろうし。
以前から他の生徒とのバトルも薦めていたが、アンはともかくリコは出来てないらしい。どうやら引っ込み思案な性格が災いして声を掛けられなかったようだ。
「で、でもわたし、旅なんてした事ないよ?」
「旅には慣れてるから心配すんな。準備とか旅の間の事は任せてくれ」
イッシュ地方を旅してた時は様々な場所を回っていた為、旅の経験は多い方だと思う。その分、トラブルに巻き込まれる事もあったけど。特にプラズマ団関連とか、ストレンジャーハウスとか他諸々。
「じゃあ……い、行ってみようかな」
しばらく考えた後、リコは一緒に旅をする事を決めてくれた。
▽○
(旅……旅かぁ……大型連休の間だけとはいえ、旅なんて初めてでちょっと怖いけど……でもキョウヤも一緒だし、なんだかワクワクしてきたかも)
キョウヤと別れ、女子寮の自室へと戻ってきたリコ。ベッドの上でニャオハと触れ合いながら、キョウヤとのカントー地方を巡る旅に思いを馳せていた。
その様子を反対側のベッドでミジュマルを抱き寄せていたアンがニヤニヤと見つめている。その視線にふと顔を上げたリコが気付いた。
「どうしたの、アン?」
「んー?いやぁ、リコも隅には置けないなぁって」
「な、なに、突然?」
アンの言葉の意味が分からず、困惑するリコ。彼女の反応を見たアンは、面白さ半分から少しからかいたくなった。
「だってキョウヤって結構女子から人気あるよ?外見が良くて面倒見もいいし。ポケモンバトルも強いから、それに惹かれてる人もいるしねー」
「そ、そうなんだ……」
(そういえばたまに教室の中で女の子達がキョウヤの名前を口にしてたっけ。クラスが違うのに何なんだろうって思ってたけど……もしかしてそういうこと……!?)
「そんなキョウヤにリコは直々に誘われちゃったわけだけど」
「……た、たぶん予定がないと思ったから丁度良かったんじゃないかな」
何が丁度良いのかはリコ自身もよく分かってなかった。だが誘われた理由を想像して顔を少し赤く染め、恥ずかしくなってアンから目をそらす。そんなリコをアンは可愛いなーと眺めながら、そろそろトドメを刺そうかなと思った。
「まぁ、キョウヤがどんな気持ちでリコを誘ったのかは分からないけどさ。リコは大丈夫なの?」
「大丈夫って……な、何が?」
「だってたぶん旅の間はキョウヤと2人きりだよ?」
(……………………あっ)
真っ赤になったリコの頭の中でボンッと爆発が起きた。
「っ~~~~!!?」
(た、たた、確かに……あの時は旅の不安ばっかで考えてなかったけど……キョ、キョキョ、キョウヤと2人きり!?えっ、ええっ!?ど、どうすればいいのわたし!?)
わたわたと慌てるリコをニャオハとミジュマルは不思議そうに見つめ、アンはその様子をしばらく見た後に口を開いた。
「……リコってさ、キョウヤのこと好きでしょ」
「す、好きっ!?わたしがキョウヤを!?」
「え、違うの?」
アンに指摘され、う~んと悩むリコ。彼女自身、キョウヤを意識してるのは自覚していたが、それが恋心なのかどうかはよく分かっていなかった。
「えっと……どうなんだろ。わたし、恋ってした事ないから分からなくて。嫌いって事はないんだけど」
「ふーん」
「でも……キョウヤと話をしてる時は楽しいかな……」
頬を赤く染め、伏し目がちに話すリコ。その表情を見たアンは、『あ、これ好きなやつだ』と確信するのであった。
アンがちょっとSな感じになってますが、どうでしょうか?なんだか書いててすごく面白かったです。
次回からようやくバトルシーンを入れていきたいと思います!