一応、元々頭の中で構想はあったけど書く予定はなかった作品で、学生時代までならストーリーは書けなくもないですが、それ以降のことは何も考えてません。
とりあえず、学生時代までは頑張って書き上げますが、それ以降は気が乗ったときに執筆する感じになると思います。
ですが、評価が良かったらこっちの執筆も頑張るかもです。
「京都から転入生ぃ~?」
東京郊外の山奥に存在する、古めかしい木造建築が所々に並ぶ一帯。
人の恐怖や憎悪などといった負の感情から生まれる存在である呪霊や、呪いの力を悪用して金を稼ぐ呪詛師に対抗するための呪術師を育成するための機関、東京都立呪術高等専門学校。通称・東京高専。
そこの教室で、担任の夜蛾正道からの転入生の連絡を聞いた五条悟は、心の底から理解できないといった様子で疑問符を浮かべた。
それは隣に座っている夏油傑も同じで、五条も思っているだろう質問をした。
「京都の方は、それだけ人員に余裕があるんですか?そんな話は聞いたことがないですけど」
日本には、呪術高専が2つある。
一つはこの東京高専、もう一つは京都に存在する京都高専。
だが、呪術師とは国内でもダントツのマイノリティであり、この教室の生徒も五条、夏油、そして家入硝子の3人しか存在せず、年によってはさらに少なくなることも珍しくない。
そんな状況で、わざわざ近くに住んでいたという京都高専から離れた東京高専に転入するというのはおかしな話だった。
それは夜蛾も同様であり、上層部からその理由を聞いたのだが、余計に意味の分からない情報だけを聞かされていた。
「それに関してだが、どうにも上はその転入生が悟に対する抑止力になり得ると言っていた」
「はぁ?それ本気で言ってんの?」
如何にも不良な態度の五条だが、その正体は日本の呪術師の中でも特に強大な影響力を持つ御三家の一つ五条家の一員であり、その五条家が御三家である理由でもある相伝の術式『無下限呪術』の使い手にして、あらゆる呪力や術式を見通す“六眼”の保持者でもある、高専1年生にして現代最強の呪術師に最も近い存在なのだ。というより、いずれなることが確定しているとも言える。
現在の等級は1級だが、実際は限りなく特級に近い1級であり、五条とまともに戦える呪術師や呪詛師は片手で数えるほどもいないだろう。
そんな五条に対する抑止力、あるいは切り札になる存在など、実力を知る者からすれば眉唾物もいいところだった。
「そいつの術式とかは?」
「それについては説明されなかった。だが、すぐにわかるだろう。入れ」
『わかりました』
どうやら、噂の転入生はすでに扉の前で待っていたらしく、外から返事が返ってきた。
夜蛾から呼び出された転入生は、扉を開けて教室の中へと入ってきた。
(・・・あ?)
普段は呪力で目が疲れないように視界を遮っているサングラスを僅かにずらして六眼で直接転入生を見た五条の第一印象は、『透き通ったような奴』だった。
それは透明人間のような「まったく見えない」と言ったものではなく、例えるなら非常に透明度が高い水やガラスのような、全体的に見れば透明だが輪郭だけはうっすらと見えているような感覚に近かった。
呪力は感じる。というより呪力がなければ呪術師にはなれない。なのだが、陽炎のように体から立ち昇るはずの呪力の揺らぎがほとんど見えない。
術式に至っては輪郭を捕らえることすら困難であり、術式の全容を把握することができない。
今まで見たことがない異質な存在に、内心で冷や汗を垂らす。
夏油も、五条ほど転入生の異質さを理解しているわけではなかったが、どこか普通の呪術師を違う雰囲気に警戒心を向ける。
家入は転入生の整った顔立ちを見て「思ったより良さそうな男じゃん」と暢気なことを考えていた。
そんな3人を余所に、転入生は黒板に自分の名前を書いて自己紹介を始めた。
「どうも、
そっけない自己紹介もほどほどに、神凪はさっさと教壇から降りて五条の前に立ち、ジロジロと顔を覗き込んだ。
「あ?なんだてめぇ」
「あんたが五条悟?なんつーか、ただの不良にしか見えんな」
「はっ!そう言うテメェの眼は節穴らしいな」
「自分のことを最強だなんだって吹聴してるらしいが、誇張の安売りはやめとけ。みじめに見えるだけだ」
「あ˝?」
神凪のあんまりと言えばあまりな挑発に、五条は額に青筋を浮かべた。
夜蛾は五条を止めようか考えるが、下手に突いた方が周囲に被害が出ると考え、代わりに教室から脱出しようとした家入の肩を掴んで引き止めた。
夏油も神凪の言い草が気に喰わなかったため、隙さえあれば茶化すつもりで身構える。
そんな周囲の様子には目もくれず、五条は神凪にがんを飛ばしながら挑発し始めた。
「お前こそ、テメェの無知をひけらかして恥ずかしくねぇのか?俺が最強って事実をひけらかして何が悪いんだよ」
「知らないものは知らないとしか言えないが、俺のことを知らないあんただって似たようなもんだろ。ブーメラン刺さってる自覚ないのか?」
「はんっ!テメェみたいな一般ピーポーに、俺の強さがわかるはずもねぇよな?可哀そうだよなぁ、テメェみたいな何も知らねぇ奴ほど早死にする業界に足突っ込んじまってよぉ」
「半端に力を持ったクソガキほど手に負えないものはないな。弱い犬はよく吠えるなんて言うが、お前はちっぽけな縄張りとプライドに身を任せて吠え散らかす野良犬でもあるらしい。それとも、お前の言う“最強”ってのは、いちいち言葉に出して事実確認しないと実感できない程度の代物なのか?」
あくまで静かに言い返す神凪だが、その言葉の一つ一つが五条の逆鱗を1枚だけ触れると言わず5枚も10枚も毟るかのような言葉選びに、五条から殺気と見紛うほどの怒気が溢れる。というより、むしろ隠す気がないレベルで殺気を振りまいていた。
「・・・いいぜ、テメェに身の程ってのを教えてやるよ」
五条から提案した模擬戦は、夜蛾によってわりとすぐに受理された。
いっそ五条を止められないならと諦めたというのが一番の理由だが、それはそれとして上層部の意図や神凪の術式を探りたいという意図もあった。
「そんじゃルールだが、素人相手に本気出すなんてダッセェ真似はしねぇ。俺に一発でも当てられたらテメェの勝ちだ。ついでに、最初はテメェから攻撃してもいいぜ」
そんな提案をした五条の表情からは、単純に神凪を見下しているというだけでなく、自身の術式に絶対の自信があることがうかがえた。
「そうか。なら、お言葉に甘えて」
それに対し、神凪は五条の余裕の態度に何かを思うこともなく、同じく余裕を感じさせる静かな動作で五条へと歩み寄っていった。
五条も余裕の態度を崩さないまま、だが油断なく神凪の出だしを伺う。
(近づくってことは、遠距離攻撃とか式神の類じゃなさそうか。身体能力を向上させるか、触ることで効果を発揮するタイプの術式か?っつーか、未だに呪力の揺らぎすら見えないってどういうことだ?やる気あんのか、こいつ)
神凪が持ちうる術式を観察・考察し、どんな攻撃をされても対応できるように思考を巡らせる。
だが、その思考が逆に五条の虚を突く結果になった。
そのまま拳が届く距離まで歩み寄った神凪は、自然な動作で右手を五条の額の前まで動かし、親指に中指を引っかけた。
そして、
「ほい」
パンッ
「あだっ」
五条の額にデコピンをかました。
神凪のデコピンは小気味いい音を響かせ、その衝撃に五条は思わずのけぞった。
その光景を目の当たりにした外野は、それぞれ信じられないといった面持ちで神凪を凝視した。
五条が持つ術式『無下限呪術』は、“無限”を現実に出現させる術式。
五条の周囲に出現した“無限”は、自身に近づくほど低速化させることであらゆる攻撃を無効化することができる。
本来であれば、神凪のデコピンも同じように減速・停止することで無効化されるはずだった。
だが、神凪のデコピンはそんなものが存在しなかったかのように、ごくごく当たり前のように五条に攻撃を届かせた。
そして、その事実に誰よりも混乱しているのが、他でもない五条だった。
(あ?どうなってやがる!?俺はたしかに術式を展開していた!俺に近づく奴は全部対象にしたから届くはずがねぇ!まさか術式の無効化?だったらなんでそれっぽい呪力すら見えねぇんだよ!?)
「俺の勝ちだな」
混乱する五条を余所に、神凪は勝利宣言をした。
その表情に感慨のようなものはなく、むしろあっけない終わりに落胆しているようにさえ見えた。
そこでようやく、五条も我を取り戻して神凪に喰いかかった。
「おいおい、まさかデコピン一発で勝ちを確信してんのか?いくらなんでもしょぼすぎだろ」
「『一発でも当てたらお前の勝ち』。そう言ったのはお前だろ、五条。一発の強弱は名言されていない」
「んな屁理屈が通るかよ。そもそも・・・」
「それで?デコピン一発で負けた気分はどうだ、自称“最強”?」
ブチッ
五条の頭の中で何かが切れる音が、遠目で見ていた夏油たちにも聞こえたような気がした。
「・・・あぁ、いいぜ。もう1回だ。今度はルール無用、先に起き上がれなくなった方が負けだ」
そう言い終えるよりも早く、五条は不意打ちで呪力で強化した拳を神凪の顔面に放った。
ルール無用と明言したとはいえあまりに礼を欠いた一撃を前に、神凪はやはり僅かばかりのどうようもなく五条の拳を躱した。
今度は打って変わって五条の方から攻撃を仕掛け、神凪がそれを迎え撃つ展開になった。
防戦一方になりながらも的確に五条の猛攻を捌きながら反撃を加える神凪を見て、外野の3人もようやく冷静に神凪の術式を考察する余裕が生まれた。
「悟の“無限”を突破したってことは、やはり術式の無効化でしょうか」
「いや、おそらく悟の術式が解除されたわけではない。神凪零が無効化したのは悟の“無限”だ」
「それって何が違うんですか?」
「術式そのものを無効化したのではなく、術式によって生み出した“無限”を消滅させたということだ。それに、今のあの2人の立ち合いを見て確信した。神凪零の術式はおそらく・・・」
夜蛾が神凪の術式について当たりをつけたタイミングで、五条もその正体を看破した。
無下限による防御は通用しないと仮定し、呪力による身体強化を主軸にした殴り合いを仕掛けたことで、ようやく神凪の術式を理解することができた。
(間違いねぇ。こいつが俺に触れたり、俺がこいつに触れた部分の呪力が霧散してやがる!つまり、こいつの術式は・・・!)
「俺に触れた部分の呪力の消滅、とは少し違うな」
五条の思考を読んだ神凪が口を開いた。
「強いて言うなら、中和って表現が近いな。俺の術式は、呪力だけじゃなくて反転術式のエネルギーとやらも消滅させるらしい。詳しい原理は俺も知らん」
「なるほどっ、そりゃあ呪術師泣かせな野郎だ・・・!」
というより、呪力の塊である呪霊の天敵と言っても過言ではない。等級に関係なく、ただ振れるだけで存在ごと抹消されるだろう。
だが、それでも五条は神凪の致命的な弱点を見つけていた。
「でもよぉ、見た限り、術式の発動中はテメェも呪力を練ることができねぇみたいだな。ていうか、むしろ常時術式を発動させてんのか。解除の仕方がわかってねぇのか?」
「へぇ、よく見てる」
「だったら、身体能力は一般人のままってことだ。このままボコボコにしてやるよ!」
術式は使えずとも、呪術師は呪力で身体能力を強化するだけで超人になり得る。
どれだけ身体能力が優れていても、一般人の域を出ることはない。
そう判断した五条は敢えて無下限呪術を解き、その分の呪力でさらに身体能力を強化した。
「テメェは泣いて謝っても許してやらねぇ。覚悟しやがっ」
五条が宣言を言い終える前に、言葉が遮られる。
ゼロ距離まで接近したことで増えた死角から放った神凪の拳は、的確に五条の顎先を捉えて脳を揺らした。
軽い脳震盪を起こした五条の意識は神凪を認識することが難しくなり、思考能力も鈍くなる。
そして、ボーナスタイムと言っても過言ではないほどの隙を、神凪は最大限活用する。
腹。鳩尾。肺。心臓。耳。こめかみ。
貫き手。一本拳。掌底。正拳。平手。手刀。
あらゆる急所にあらゆる打拳を叩き込み、後ろに倒れこみそうになる五条の制服を掴んでは引き寄せて逃げることすら許さない。
五条の内臓がボロボロになり、意識もほとんど飛び去ってしまったところで、ようやく神凪は攻撃を止めて五条を離した。
開放された五条は膝から崩れ落ち、糸が切れた人形のように地面に倒れた。
そこで、ようやく夜蛾が神凪に近づいて話しかけた。
「やりすぎだ。硝子がいたからよかったものの、もしいなかったらしばらく使い物にならなくなるところだった」
「そう言うわりには、止めようとしなかったですよね」
「硝子がいたから許した。それに、荒療治ではあるが、悟にはいい経験になるだろう。傑はどうする?」
「いえ、遠慮しておきます」
夏油もやり合ってみるか?という夜蛾の提案に、夏油は不屈の意思を込めて辞退した。
夏油が持つ術式は『呪霊操術』。祓った呪霊を取り込むことで自身の支配下に置く術式だが、神凪との相性が絶望的に悪すぎる。どれだけ強力な呪霊を用意しても、神凪の術式の前にはすべてが無駄になるだろう。
夏油も体術による近接戦闘の技術を学んではいるが、神凪と正面から戦って勝てるビジョンがまったくと言っていいほど思い浮かばなかった。
一方で、五条の身体を診察しながら反転術式による治療を施す家入はその惨状にドン引きしていた。
「うっわ、これ無事な内臓の方が少なそうじゃん。よくここまでボロボロにしたね、でかした」
「ドン引きしてるのか褒めてるのかどっちなんだ?」
「6:4くらい。6で褒めてる」
「仮にもクラスメイトだろ」
「この2人もたいがいクズだからねー。ざまぁみろって感じ」
「あぁそう・・・寧音もこっちに来てくんねぇかな~」
家入の2人の評価に辟易した神凪は、思わずと言った様子で誰かの名前を呟いた。
「寧音?誰それ」
「腐れ縁・・・的な何か。中学生からの知り合いみたいなもん」
「男?女?」
「女。変な関係ではないからな」
「ちぇー」
幼馴染のラブコメ的なものを期待していた家入は、不貞腐れ気味に唇を尖らせる。そんな状態でも五条の治療は続けているのだから、なんだかんだで優秀なのがすぐにわかる。
「
「本当かい?大変どころの話じゃないと思うけど」
「どちらかと言えば補助監督寄りだな。言うなれば、戦える補助監督、ってところか。本人は術師希望だったけど」
「じゃあ術師やらせればよかったじゃん」
「術式がそっちに向いてるから、いろんな補助監督の人に泣きつかれたらしくて。めっちゃ嫌そうな顔してたけど」
「ちなみに、参考までにどんな術式なのか聞いても?」
「まぁ・・・別にいいか」
同じ釜の飯を食う間柄になるだろうとはいえ、それでも本人の知らないところで術式の内容をペラペラと話すのはマナー違反に近いだろうが、神凪にもこの3人と仲良くしていきたい気持ちはあるのか、夏油の質問に答えることにした。
「寧音は、呪力を通して過去を見ることができる。対象は個人から空間まで様々。つっても、非術師の過去も見ることができるから、術式対象は割と広いだろうな」
「なるほど・・・それはたしかに、事前調査などを行う補助監督からすれば喉から手が出るほど欲しい人材だね」
「ちなみに、反転術式のことを聞いてからは『もしかして未来視でアタシTUEEEできる!?』ってことで頑張って練習してるらしい」
「・・・まぁ、モチベーションは人それぞれか」
本来反転術式は超高等技術で、使える術師はかなり限られる。先天的に反転術式を扱える者もそれなりにいる、というより家入がまさにそうなのだが、そう言った人物は基本的にバックアップに回ることが多い。
そういう意味でも、補助監督という裏方仕事にぜひとも欲しい人物であることには違いない。
「俺がここに来るよりも前からいろんなところ連れまわされてるらしいけど、大人しくしてればいいんだけどなぁ」
「乱暴なのかい?」
「バリバリの不良。出会った経緯は路地裏で殴り合い。その時は金属バット振り回してた」
「「うわぁ」」
京都はかつて呪術全盛の時代の中心地で、今もなお平安時代から続く呪術師の家系も残っている。だからこそ、京都にも呪術師を育成するための呪術高専が存在する。
また、東京や大阪といった中心都市にも引けを取らない大都市であり、観光客も多いため呪霊も多く発生する。
その一角、立地の関係で呪霊が発生しやすい某所で行方不明事件が起きたということで、補助監督が現地で事前調査を行うことになった。
とはいえ、犯人と思われる呪霊の等級はそれほど高くないだろうと見込まれたことで、呪術高専の学生にして補助監督候補生でもある時透寧音も同行することになった。
のだが・・・
「ちょっ、時透さん!勝手にどこに行ってたんですか!って、その引きずってる人は!?」
「んぁー?たぶん被害者。結界を張るタイプだったから、それではぐれたんかな・・・まぁ、元凶は祓っておいたんで、保護よろしく」
「えっ!?いえっ、そのっ、貴方も被害者の方も無事なのは良かったのですが!貴方は今回は補助監督候補生として同行していて、今回の目的はあくまで事前調査だったんですよ!?なんで一人で突っ込んでいったんですか!?」
「だって、アタシだけで十分だったし。結界を張ってたって言っても、高くても準二級?程度のしょぼい奴だったし、アタシが祓った方が早かったもん」
右手に持った金属バットを肩に乗せながら左手で学生服のシャツを着た男の襟首をつかんで引きずるその姿は、補助監督と言うにはあまりにも素行が悪すぎた。
最初は『噂の期待の学生さんがやってくる!』と軽く興奮していた今回の担当だが、今となっては『誰だこんな奴を補助監督にしようとか言い出したの!』と内心でキレ散らかしていた。ちなみに、この担当もまた時透の補助監督行きを強く希望した一人である。
「は~あ、これだから呪術師の方が楽しそうだと思ってたんだけどな~。零も東京に行ったし、私もそっちに行こうかなー」
とはいえ、どれだけ性格に難があったとしても、補助監督として欲しい人材であるということに変わりはない。
また、我が強い呪術師というのは他にもいる。というより、呪術師自体がどこかしら人間性が欠けていないとできない職業でもある。であれば、時透の人格はまだ学生ということもあって許容範囲内だ。
それに何より、ここで時透という人材を逃してしまえば、他の補助監督から何を言われるかわかったものではない。
担当は自分を鼓舞して、時透を留めるために全力で頭を回した。
「でしたら、なおさら補助監督になることを勧めますよ」
「なんで?」
「呪術師は年中人手不足です。そのため、出身校に関係なく全国を飛び回ることになります。その中でペアを組むことも珍しくないですが、いつも同じ2人を組ませていられるほど余裕はありません」
「でも、補助監督なら違うと?」
「はい。補助監督になれば、相手から指名があればその術師の専属として共に行動できるようになります。この指名も補助監督側に拒否権はありますから、他の知らない人といやいやタッグを組まなければならないということもありません」
「ふむふむ、それならまぁ・・・補助監督になってもいいかな?別に零じゃないと嫌だってわけじゃないけど、向こうで上手くやってるか心配だしな~。そういうことなら、わかった。必要なことは覚えとく」
(よっしゃ!)
担当は思わず心の中でガッツポーズした。
時透の人柄のことを絡めながらこのことを話せば、先輩も自分のことを褒めてくれるだろう。
優秀な人材を留められたことに担当は安堵し、
「あっ、でも祓える奴は祓うから。場合によっては呪詛師の相手もするから」
「・・・ソウデスカ」
だが、根本的な戦闘狂じみた時透の性格まではどうすることもできなかったことを悟り、いつか教育係を担当することになるだろう他の補助監督に対して謝罪の念を送った。
オリキャラ2人の紹介です。ネタバレにならない範囲で情報を公開します。
細かい部分とか情報の更新は最新話の方で更新していくつもりですが、どっかのタイミングで登場人物紹介の回を作るかも。
身長:五条と同じくらい
体重:見かけよりは重い
容姿:灰髪灰眼のちょいイケメン。ジャ〇ーズのオーディションで二次審査落ちしてそうな見た目。
性格:どちらかと言えば大人びている方だが、生死観とかがめちゃくちゃドライでしっかりイカレているだけ。
術式:神凪が触れた呪力に由来するあらゆるものを霧散させる。ただし、弱点は多い
・物質化したものは表面上の呪力が消えるだけで実体は残る。(例:構築術式、極ノ番・隕など)
・術式や呪力によって身体能力が強化されていた場合、呪力の衝撃は消すことができるが速度や勢いは殺せない。(例:投射呪法、星の怒りなど)
・相手の出力が高すぎると相殺しきれない。(例:虚式・茈、伏魔御厨子など。グラニテブラストでギリ)
・そもそも呪力がなくても身体能力が高いゴリラ相手には術式の意味がない。(例:虎杖、天与呪縛のフィジギフなど)
戦闘スタイル:術式の影響でほとんど呪力が練れず、呪具も込められた呪力が消えてしまうことから、基本的に身一つでどうにかする。現在は破門されているが道場で武術を習ったことがあり、その道の才能は五条にも引けを取らない、かもしれない、だったらいいなという感じ。呪霊相手なら無敵だが、呪詛師相手は少なからず相性が絡む。多少の相性不利は持ち前の戦闘技術でどうにかするが、相手の実力が突き抜けているとさすがに厳しい。
身長:未来視点で西宮よりちょい小さい
体重:見た目通りの重量
容姿:金髪ポニーテールで、童顔だが不良オーラのせいで幼くは見えない。女子だが改造した学ランを着ている。
性格:圧倒的ヤンキーだが、術式のせいで嫌なものばかり見てきたせいで荒れた経緯がある。ただし、それはそれとして嫌なことがあったら相手が人間だろうが呪霊だろうが関係なく憂さ晴らしする程度には根っこからイカレている。
術式:呪力を通して過去を見ることができる。対象は個人だったり空間だったりと様々。また、副次効果として視覚的な呪力の感知能力は非常に高い。ただし六眼のような術式の解析はできず、直感的にやばいかどうかが分かる程度。
戦闘スタイル:金属バットで殴る。それ以上でもそれ以下でもない。また、術式の副次効果もあって誰かに教えられたわけではないにも関わらず感覚で呪力を扱える天才肌。高専に拾われるより前の時点で二級相当の実力があった。
神凪と時透の関係
神凪は趣味、時透は体のいい憂さ晴らし対象として呪霊を勝手に祓っていた中で偶然会った。時透が追っていた呪霊が神凪によって祓われたことで獲物を横取りされたと逆ギレして襲い掛かったが、適当にいなされた後に一時休戦。その後、荒上が術式の影響で過去が見えない神凪に強い興味を抱き、二人とも諸事情で実家に帰ることが稀だったこともあって交流が始まった。
ちなみに、二人とも恋愛感情はないがヤることはヤッてる。時透の方から襲った。