転生した世界が判らない、だが……俺の敵がいるから確実にDC世界だ、多分   作:影後

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バットマンは死んだ、世界はそう思っている。
だが、死んでいない。ゴッサムから遠く離れた日本の地で、まだ彼は恐怖を与えている。


日出る国の闇の騎士

「お兄ちゃん、そんなに心配してるの?」

 

「当たり前だ、16歳で子供を産む女が何処に」

 

「ここにいるけど?」

 

長身で引き締まった肉体で黒のスーツを着た男が隣に座るパーカーの少女と話をしている。

更に少女の隣には陰った顔をする30代程の男性。

少女の向かいには整った顔の男性産婦人科医が魔が悪そうな顔をしながら座っている。

 

ボキ

 

何かが折れる音と共に粉々になったボールペンらしきものが散らばる。

 

「ルリ君、流石に」

 

「……直前まで私にすら話さなかった社長殿に言葉を紡げと?」

 

「面目ない」

 

(まじかよ……リアル星野アイだけど隣りにいるのはあのスターテックの社長だぞ!駄目だ、何かしたら俺が上から消される)

 

スターテック、ウェインテックと並ぶほどに大企業として大成した日本のもとベンチャー企業である。12歳の天才少年が企業し、今では世界有数の企業として日本だけでなく世界で名を馳せている。

 

「先生、どうなんでしょう物凄い便秘と」

 

「巫山戯るな、その様な物ならとっくの昔にアイは死んでいる。腹水だとしても、産婦人科に来た理由から別件の心当たりがあるという。諦めろ、社長、私は既に諦めた」

 

「あはは……医学にも成通して」

 

「違う、知っているだけだ。医師は貴方だ、どうか妹を頼む」

 

ルリと呼ばれた男は頭を産婦人科医に深々と下げる。

 

「あっいえ……あの」

 

「そして、けして口外しないことを。すれば、私が全力で揉み消す。社長もだ」

 

「あぁ……はいそれで」

 

ルリは「すまない」と一言告げると電話を開く。

 

「ラピス様、夜の会議のお時間です」

 

「判った、アルフレート。お二人に感謝を」

 

「伝えておきます」

 

「すまない、会議の時間が迫っていたのを忘れていた」

 

「あっ……お兄ちゃん、あの」

 

「……父親の事も話すつもりはないんだろう。なら、お前のアイドルユニットの支援者として言うと良くもこんなスキャンダルに巻き込んでくれたな。揉み消すのに金が幾らかかると思ってる」

 

「そんな言い方」

 

突き放す様な言い方に流石のアイも声をあげようとするが、ソレを社長が防ぐ。

 

「ただ、お前の……星野アイの兄として言う。元気な子を産んでくれ。それ以外、今は考えるな。不味くなれば俺が全力で護る」

 

背中で語る男を産婦人科医は始めて見た。

しかも、自分よりも一回り程歳下なのだ。

 

「じゃあな」

 

ルリはそう言うと病室を後にしようとする。

 

「お兄ちゃん、私……絶対に強い子を産むから。お兄ちゃんみたいな!」

 

一瞬、ルリはどう答えて良いのか判らずそのまま立ち去る事を選択した。そして、ここからは

 

「私の時間だ」

 

濁声の様な低く、冷たい声が響く。

 

「ラピス様、○○市にて銀行強盗が。警官隊が突入しましたが、どうやら逆に人質となってしまったようで」

 

「……アルフレート、お父様とアルフレッドから何かあるか」

 

「現在のバッドスーツは弾丸と簡単なナイフなら貫けない。しかし、動き難いと感じるだろうと」

 

「判った、……目的地だ」

 

乗っていたヤマハR1-Zを止め、数秒待つ。

すると蝙蝠の様な形状をした輸送機が上空から現れる。

 

「バッドサイクルの整備は万全です、御曹司様」

 

「アルフレート、それ止めてくれ」 

 

ショーケースには身体のラインがなぞられた板の様な物がある。ルリはそこに自身の身体を合わせると服が脱げ、蝙蝠の鎧が装着される。

 

「お似合いです、御曹司様」

 

「アルフレート、バットサイクルは使えるか」

 

「万全です、来年になれば」

 

「判っている、通常免許が取れるまでお父様は俺にモービルは使わせないと」

 

「御曹司様、戻っています」

 

「……判った、状況は」

 

「敵は……アルフレート、最悪だ」

 

待っていたのは警官隊ではない、拳銃で武装し、ピエロのメイクをした暴徒達だった。

 

「バットだ!殺せ!」

 

「まったく……グリーンアローに感謝しないとな」

 

バットマンは特殊装備のついたバットラングを投げた。そして、辺りにいた6人に向かい雷撃ぎ放たれた。

 

〘スパークバットラング〙

 

付近に存在する生命体に向かいテーザーガンが放たれる特殊バットラングだ。あまり数はないか、今は最も必要である。

 

「このぉ!」

 

迫ってきた暴徒にカウンターブローを与え、そのまま仲間の方向へ投げ飛ばす。

そして、直ぐ様辺りの暴徒達を殴り飛ばす。

バールを振り下ろされれば腕で防ぎ、顔面を殴り飛ばす。

スタンバトンを持っている暴徒はまるで鳥のように相手の頭上を舞い、頭に蹴りを入れる。

 

「この蝙蝠野郎!ゴッサムに帰りやがれ!」

 

「お前達の様なクズを全滅させてからだ」

 

「ぐぁぁぁぁ」

 

最後まで暴れようとしていた暴徒を殴り飛ばし、銀行の中へと入る。

 

「HAHAHA!!!よぉ…バッツゥ……」

 

「俺もお前も、2代目のハズなんだが」

 

「関係ない、俺はJOKER!お前はバットマンだ!俺達の因縁は始まりから続いてるんだよ」

 

何処か嫌な気分になりつつ、高笑いをあげるピエロにバットラングを投げる。

 

「あっと…Schott!!BANG!BANG!!」

 

だが、巫山戯た音がするリボルバーにバットラングは撃ち落とされてしまう。

 

「イヒヒヒ!流石だぜ、バッツ。俺の隙を見逃さない」

 

「お前を逮捕し、アーカム・アサイラムに入れてやる」

 

「日本からか?良いねぇ……やってみろよ、バッツ。だがな、お前に俺は捕まえられない」

 

そう言いながらJOKERはバットマンに向けて巨大なプレゼンボックスを見せる。

中からはピッピッピッと不穏な音が聞こえてくる。

バットマンは直ぐ様、ヘルメットの捜査モードを起動し、中身を確認する。

 

「AHAHAHAHAHA!バッツ、コイツは俺からのサプライズプレゼントだ!!こんな街のど真ん中、こいつが爆発したらドカン……おい、バッツ、聞いてるのか?」

 

バットマンは左腕を正面に向けると謎の捜査を行っていた。そして、それが終わるとJOKERに告げる。

 

「爆弾は解除した、デジタルデータを入れたのは運の尽きだな」

 

「……バッツ、流石だぜ。次はアナログでやってやるよ」

 

「捕まえると言っただろう!JOKER!!」

 

「バッツ……爆弾は囮だよ」

 

そう告げるJOKERが銀行の警備シャッターを開いた。中では金属でできた犬が今にも人質達を襲おうとしている。

 

「金は回収したぜ、じゃあな!バッツ!!」

 

バットマンは強化ガラスを蹴破ると襲われようとしていた人質を救う。

JOKERは見越していた、だからこその行動だ。

 

「バットマン!助けてくれ、ロボットが!」

 

UUUU

 

唸り声の様な音声と共にロボットがバットマンの右腕に食らいつく。

特殊装甲が砕け、皮膚にロボットの刃が当たっている。

 

「JOKERめ!なんてものを!!」

 

バットマンは食らいついて話さないロボットの口にバットラングを突き付ける。

口の脇から配線やらを破壊するため機械類を破壊させる装備のついたジャミングバットラングを入れる。

 

「くっ!」

 

ショートしたロボットが爆発し、バットマンが吹き飛ばされる。そこにロボットが猟犬の様に飛びかかった。

 

「不味い!アルフレート!!」

 

「はい、御曹司様」

 

バットマンはアルフレートに助けを求める。

すると、バットサイクルの7.62mm機銃が起動し、ロボットを蜂の巣へと変えた。

 

「……バットマン、ありがとう。我々、警官隊も善戦したんだが………」

 

「構わない、後のことは任せる。私はこれからギリギリまでJOKERを追う」

 

バットマンがバットサイクルに跨る、

 

「バットマン、俺達はアンタの味方だ。何か有れば……頼ってくれ」

 

バットマンはソレを聞き終えると、バットサイクルで逃げたJOKERの追跡を開始した。

 

「くそ……」

 

タイヤ痕を追跡してきたバットマンだが、川に入る形でタイヤ痕は消えていた。

 

「御曹司様、警官隊がそちらに向かっております」

 

「またか」

 

「バットマン、貴様を暴行、犯罪幇助、公務執行妨害で逮捕する」

 

「……馬鹿者が」

 

警官隊を傷付けない、目の前の太った刑事だけを気絶させる。

 

「バットマン、JOKERは」

 

警官隊はバットマンを信じている、バットマンの邪魔をするのは警察組織の上の存在と一部の刑事だけだ。

 

「川に逃げられた、ボートの痕跡もない。監視カメラは」

 

「駄目だ、バットマン。この辺りには……」

 

「そうだな、この男は頼むぞ」

 

「はぁ……良い加減、おっさんも理解してほしいんだがな。JOKERは俺達じゃ対処できない、それに、バットマンが来てからマシになったんだ。海外から指名手配犯が此方に入ってきてる、日本にはヒーローがいないからな」

 

「…私はヒーローではない、クライムファイターだ。それに、ゴッサムは地獄だ、私は地獄を変えるためにバットマンとなった。しかし…確かにな、アメリカには居すぎる」

 

バットマンは微笑む、先代の知り合いである、ジャスティス・リーグのメンバーを考える。

彼等のテリトリーで暴れれば、JOKER達も簡単に捕まえ……

 

「スーパーマンでも難しい気がするな」

 

ゴッサムのヴィラン達は狡猾で残忍だ。

自分はバットマンとして時には切り捨てる事もできるが、話に聞いたフラッシュやスーパーマン達はできないだろう。

同じ考えのアローなら、恐らくは。

 

「イヒヒヒ!バッツ、俺と会えなくて残念だったな!おっと、コイツは録音だ。考えなしに壊すなよ、バッツ。お前のライバルだから言ってやる」

 

「バットマン」

 

「スレイド」

 

スレイド、デスストローク。

先代のバットマンを何度も窮地に追いやったヴィランである。まだバットマンとなって幼かったブルース・ウェインが戦い、何とか凌いだというのが正しい。だが、最後のゴッサムシティでの戦いで捕まり、アーカム・アサイラムに収容されていたはずなのだ。

 

「まさかあの爆発で生きていたとはな、ブルース・ウェイン、バットマン。貴様を殺す、懸賞金等は関係ない」

 

「ってわけだ、じゃあなバッツ。HAHAHA」 

 

バットマンはバットサイクルに跨るとエンジンを蒸す。

 

「バットマン、デスストロークだよな」

 

「厳戒態勢をしくんだ、奴が何処に現れるか判らない」

 

「……バットマン、この国を頼む」

 

「私はスーパーヒーローじゃない、クライムファイターだ。だが、出来るだけの事をする」

 

そして、彼は一息ついてこう言い放つ。

 

〘私は、バットマンだ〙

 

 

 

 





オリジナルキャラ紹介と翌日の話

星野ルリ 18歳

12歳で全博士課程を終了した天才少年。
しかし、努力を忘れたことはない。
13歳時点で身長が170cmを越えるほどの成長と早期の声変わり等、周りに比べて成長が異様に速かった。株を行いながら生活し、妹を救うために生きていた。ゴッサム・シティやJOKERを調べ、DC世界だと確信して生活していたが、当時バットマンの死亡により、ゴッサム・シティからの犯罪者の流出があり日本の治安まで悪化。
自分なりにダーク・ナイトとして活動していたが、壁にぶち当たりブルース・ウェインを尋ねる。死んだと思っていたブルース・ウェインは生きており、裏では秘密裏にジャスティス・リーグを支えていた。
そんな彼と養子縁組し、星野瑠璃としての名前と
ラピスラズリ・ウェインという名が有る。
スターテック社の社長を努めていながら、バットマンとして日夜日本の犯罪者と戦っている。

「お父様の苦労が判る、社長を任せるわけだ」

「御曹司様しかし、貴方様はウェインテックとスターテックの架け橋です」

「判ってる、企業同盟だ。スターテックだけじゃ、バットマンは戦えない」

睡眠時間が2時間有れば全肉体が回復する脅威の回復力を有している。



アルフレート・ペニーワーズ 24歳
ブルース・ウェインに仕えるアルフレッドの甥。
オリジナルキャラ
まだ年若い為、バットマンのサポートとしては、アルフレッドにアドバイスを受けているのが現状。しかし、執事としては、既に一流でありルリを常に支えている。
ルリの妹であるアイとは面識があまりなく、話に聞く程度。
元々住む場所が違う事と、ルリの住む豪邸にアイが気後れしている事もあり、関係性はあまりない。ルリを「御曹司様」と常日頃から呼んでおり、ウェインテックとスターテックの懸け橋となる主を微笑ましく見ている。

「しかし、御曹司様。妹様のご懐妊は」

「アルフリード、その話はしないでくれ。相手を殺しかねない」

「では、御曹司様。デスストローク、スレイドが現れました。東京、米花町。小学校にて多数の人質をとっています。警察官にも多数の被害者が出ているようです、」

「アルフレート、明日の予定は」

「奇跡的にフリーです」

「夜だけじゃない、朝日が登る時間も、蝙蝠は飛んでいるぞ、スレイド」
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