転生した世界が判らない、だが……俺の敵がいるから確実にDC世界だ、多分 作:影後
「目眩ましだ!ナイトウィング!」
「わかってる、バットマン!」
バットマンとナイトウィングは同時に動く、バットマンが巨漢の目線をマントで塞ぐと、ナイトウィングがスタンロッドで痺れさせる。
そして、蹌踉めいた所にバットマンとナイトウィングの二人による連続パンチが与えられる。
「後ががら空きだ」
「ジェイソン」
「レッドフードだ」
「ありがとう」
バットマン達は地獄の様な闘いを続けている。
殴られもしたが、正義の為に何度でも立ち上がる。
「御曹司様、バットモービルが到着いたしました」
しかし、波のように現れる暴徒達を制圧し、引きながら、正義を執行する戦車が姿を見せる。
「やるぞ」
バットマンがバットモービルに乗り込むと、ショックガンが暴徒達に向けて放たれる。
触れば足場に気絶するほどの電撃を受け、銃弾は意味をなさない。
バットモービルの登場で、ヒーロー達は一気に優位になっていく。
どんな存在もバットモービルのテーザーで気絶しない相手は居ない。
「終わりだな」
バットモービルの中で気絶した暴徒達を眺めながら、バットマンは師であり義父であるブルース・ウェインに連絡を取る。
「どうした」
「JOKERが何か企んでいるようです、トゥーフェイス、タイタン、ハッキリ言いますが、戦力が足りない。戻って来て、貰えませんか」
「バットマンは君だ、ラピス。ラピス・L・ウェイン。君なんだ」
「……判りました、バットマンとして、貴方の後継者として」
バットマンはブルースとの通信を終えると、バットモービルから降りる。
「バットマン!」
「ジム、暴徒の逮捕を頼む。私はJOKERを捕らえる」
「まってくれ、ブルース。俺達も」
「お前達は私とではなく、このゴッサムを守れ。JOKER達は私がどうにかする」
「何故だ、ブルース!」
「2度もリドラーから助けることはできない。ティム、理解しろ」
バットマンの言葉は正しい、彼等は確かに一人のヒーローだが、バットマンには及ばない。
例え、それが二人目だとしても、その二人目は真にバットマンの全てを受け継ぐために戦っている、意思は、まだ足りない。
彼等はバットマンの様に全てを救おうとはできないのだ。
今のバットマンも、JOKERを捕まえようとし、同じ程、JOKERを救おうとしている。
バットモービルに乗り込み、走り出す。
「アルフレート、奴等は」
「はい、どうやらアーカム・シティに」
「……冗談だろう」
バットモービルはアーカム・シティへ向かう。
そこはかつて、バットマンが戦った場所。
同じ様に封鎖され、悪人が跋扈している。
「あら、はじめましてかしらバットマン」
「あぁ、キャット・ウーマン」
キャット・ウーマン、セリーナ・カイル。
ブルース・ウェインを信頼していた女性、それが愛なのか、今のバットマンにはわからない。
「それで、ブルースは?」
「何処かで監視している、ここは彼の故郷だ。何かあれば必ず来るはずだ」
「そう、良いわね。新人君、手伝ってあげるわよ。ジョーカーも、トゥーフェイスも、リドラーにも、色々と仮があるし」
「すまない、キャット・ウーマン」
「キャットよ」
「キャット」
バットモービルの後部座席にキャットを乗せ、走らせる。だが、アーカム・シティに通じる通路には恐ろしいほどの戦車が配備されていた。
「キャット、激しい運転になる」
「貴方の先生も運転は下手だったわよ」
そんな軽口に微笑みを感じながら、バットモービルが変形する。
60mm砲を展開し、戦闘態勢に移行する。
「御曹司様、確認しました。敵の戦車はAI制御のようです。しかし」
「カバーで護られているか、問題ない」
60mm砲が火を吹けば、制御装置のカバーが吹き飛ぶ。
すかさずバットモービルに搭載された機関砲で制御板を破壊する。
「ゴッサムの地獄の再来か」
「ちょっと、大丈夫なのよね?」
「キャット、戦車を突っ切る。粗くなるぞ」
「はぁ、ブルースそっくりね」
「嬉しいな」
バットマンはバットモービルのアクセルを踏み、加速する。ブースターから激しい炎が溢れ出る。
「ここだ」
ジャンプ台に使えるであろう瓦礫からバットモービルは空を舞う。そして、数多の砲弾、機関砲があたりにぶつかる。
「くっ…抜けたか」
「御曹司様、あちらを」
「HAHAHA!HIHIHIHI!よぉ…バッツゥ……すんげぇチェイスだったなぁ……感動したぜ」
「……JOKER」
言葉を発したのはJOKERだ、しかし周りにはリドラー、トゥーフェイス、バットマンは人質をとっている為、バットモービルは使えないとすぐさま降りる。
「本当に面倒ね」
「薄汚い野良猫までいるとはな」
「デント、邪魔はさせんぞ?さて!バットマン、私は皆がはじめに見るもの、でも、滅多に注目されない、悲しいもの」
「キャット、離れろ!」
「何が!」
バットマンはグラップリングを使い、その場からキャットウーマンを連れて離れる。すると、ゲートが爆発し、バットモービルが瓦礫の下に埋もれてしまう。
「リドラー、貴様が邪魔をしなければ今ので」
「デント、リドルを与えただけだ。バットマン、だが……次はこうはいかんぞ」
「……これは」
そこに出てきたのはリドラーのアンドロイドだけでなく、ジョーカーの手下達だ。タイタンを使った者も居るのだろう、肉体が変化している。
「行け!」
経験としてはない、しかし、知識として知っている。
戦い方も、全てを与えられた、力、知識、技術、名前、
「キャット!」
「わかってるわよ」
殴り、蹴り飛ばす。
スパークバットラングを投げればあたりを麻痺らせ、気絶させる。しかし、タイタンを投与された者には効かない。
「くっ…」
「アーカム・アサイラムとは違うぞバッツゥ」
「JOKER!」
「おっと、バットマンひとりに警戒し過ぎだ」
「ふん」
「そうね、私達も居るもの」
「まったく……スタンドプレイか?ブルース」
ナイトウイング、レッドフード、バットガール、ロビン。
バットマン・ファミリーが集結し、再び戦いが始まった。
「よぉ、デッドフード……お前を見出したのは……俺だぜぇ?」
「黙れジョーカー!お前は死んだ、お前は奴じゃない!」
「そうだ!俺はジョーカーじゃない、JOKER様だ!第1、ゴッサムは俺の仕事場じゃぁない」
「そうだ、ゴッサムは俺達の庭だ。お前達が邪魔をするな」
トゥーフェイスがマシンガンを放つが、バットマンは即座にスモークペレットを落とし、煙幕を広げる。
だが、その時地面が爆ぜた。
「死ね、ブルース・ウェイン」
ロケットランチャーだ、トゥーフェイスの部下の一人が持っていたのだろう。
「ぐっ……」
直撃ではないが、平衡感覚が失われ、上手く立ち上がれない。そこに迫る暴徒達、バットマンももう終わりかと思っていた矢先、何か、黒い影が暴徒を吹き飛ばす。
「…大丈夫か、息子よ」
「なっ…」
「やっと来たのね」
「何だと!バットマンが…バットマンが二人!」
「リドラー!お前達はもう終わりだ!」
「……JOKER、デント、私達がお前を倒す」
それが誰かは理解できている、自分と似た体格をしながら自分よりも鋭い一撃を与えた男。
「…後で話は聞かせてもらうぞ」
「そうね、私達も」
「今は奴らだ」
ナイトウイングはバトンを。
バットガールはトンファーを。
ロビンはクォータースタッフを。
レッドフードは非殺傷拳銃を。
キャットウーマンは鞭を。
二人のバットマンは拳を構えている。
「全員集合か……バッツゥ、ブルース、お前等は終わりだ」
JOKERのその言葉を皮切りにヴィランも、暴徒達も攻撃を始める。デントはアサルトライフルを撃つが、それをブルースに止められる。
「デント、お前は終わりだ!」
「ブルース・ウェイン!!!」
怒りに滲んだ顔をブルースに向けながら、デントは何度も殴る。しかし、ブルースはカウンターを叩き込み、一瞬にして、デントを気絶させる。
それだけでない、デントを吊し上げ、身動きが取れなくする。
それぞれ、ナイト達が戦っている。
その中で、バットマンはジョーカーとリドラーの相手をしていた。
「IHIHIHIHIHIHIHI!
まさかブルースまで来るなんてな…バッツ」
「黙れ、JOKER。これは……私がいたらない為に他ならない」
「なんだよ…笑えよ?」
「バットマン!ブルース・ウェインはやはりバットマンだったのか?!ならば、お前は誰だ!二人のモーションは90.45%一致している!ここまで似ることなど不可能だ!」
「リドラー、私達はバットマンだ!」
リドラーの戦闘ロボットの脚をバットマンはスパークバットラングを投げることで機能停止に追い込む。
そして、爆破ジェルをリドラーのロボットに不着させ起爆する。
倒れたロボットに駆け上り、バッチリはコックピットに爆破ジェルを仕掛ける。
「リドラー、お前は終わりだ!」
強化プラスチックのコックピットは一瞬で爆破ジェルに砕け散り、中のリドラーはバットマンに投げ飛ばされ、無様に気絶した。
「おっと…不味いな、俺は消える。じゃあな…バッツ」
「JOKER!!」
その時だ、JOKERがなにかしたのだろう。あたり一面が爆発していく。
「くっ…敵味方お構い無しか!」
「御曹司様、脱出ルートを送信します」
この日、トゥーフェイス、リドラー、そして彼等の部下の大半がゴッサム市警察に逮捕された。
しかし、主犯であるJOKERは遂に逮捕できなかった。
夜、バットシグナルが灯されたゴッサム市警察本署にてジム・ゴードン本部著、バットマン二人、ロビン、ナイトウイング、レッドフード、バットウーマンが一同に会していた。
違うのは彼等が自らの仮面を外していることだ。
ジムは彼等の正体を知って、バットマン亡き後、彼等をサポートしている為でもある。
「聞かせてくれ、ブルース。その…彼は何者だ」
バットマン、ブルース・ウェインはマスクを外すとバットマンの話をする。
「…私の息子だ、私の……いや、バットマンを真に継いだ存在だ」
「どういう意味だ」
レッドフードが非殺傷弾をバットマンに向けた。
「アンタは俺達を捨てた、そして…こんな偽物を後継者だと!」
ブルースは静かにレッドフード、ジェイソン・トッドの前に立つ。
「ブルース、俺達はダーク・ナイトに」
「違う、貴方方はナイトだ。だが、ダーク・ナイトにはなれない」
「ねぇ、バットマン。どういう意味かしら?」
バーバラ・ゴードンがバットマンに質問する。
「……貴方方は既に真のゴッサムの騎士。バットマンはゴッサムに必要ないのだ」
返答はバーバラを逆に混乱させる。
「……ブルース、彼の言葉は真実か?」
「そうだ」
ナイトウイング、ディック・グレイソンの言葉に頷く。
「……ありがとう、兄さん」
「待て、兄さん?つまり、お前はディックの男なのか?」
ロビン、ティム・ドレイクがディックに質問する。
だが、ディックの家族は既になくなっている。
「…彼は私の息子だ」
「なっ…何時できて」
「近い内に彼は君達のゴッサムでの活動をサポートするためにウェインテックを吸収する」
「…私は、ラピス。ラピス・ラズリ・ウェイン。日本では星野ルリと呼ばれている」
「スターテックの社長か……なんとも」
「……日本にはヒーローがいなかった。だが、警察はあてにできない。微温湯に染まった彼等では守れない」
「……なんとも」
「……お前がバットマンに相応しいだと」
「おい、寄せ止めろ!」
ジェイソンは実弾の入った拳銃をルリに向けて売った。
乾いた破裂音が響き、ルリの頬を赤い液体が滴る。
「…避けないか………良いだろう、俺は認めてやる。お前は………バットマンだ」
「ブルースの決定なら私達は従うわ、でも」
「戻ってきてほしい、ブルース」
「……俺達は貴方に育てられたんだ、ブルース」
「俺をアーカム・ナイトから戻したツケを払ってないだろ」
バットマンファミリーがそれぞれにブルースに話をする。
「だが」
「貴方は彼等に必要だ」
「……ラピス、君はどうなる」
「日本に戻るだけだ、あえて良かった。ゴッサナイツに」
ラピスいやバットマンはそのままグラップルフックを使い、闇夜に消えた。
不満もあるだろう、話す事もあった。
だが、彼にはもう師は必要ない。
ダーク・ナイトがいるべきなのはゴッサムだ。
バットマンはダーク・ナイトを一瞥すると、一滴の涙を流す。
「さようなら、父さん」
「…御曹司様いえ…ラピス様」
「アルフレート、どうした」
「日本のXXにて銀行爆破テロを行うと」
「…出来るだけ急ぐぞ」
バットマンは日本へと急行した。
また、闇の騎士の時間が始まる。