転生した世界が判らない、だが……俺の敵がいるから確実にDC世界だ、多分   作:影後

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星野アイがJOKERに殺害されたというニュースは新聞の一面を飾った。
それもそうだろう、JOKERが星野アイを撃った瞬間の写真をマスコミにばらまいたのだ。溢れる血、嘲笑うピエロ。この事件が、闇に消えることはない。だが、闇に葬られることも無い。
いま、闇の正義が執行される。


JOKERとの決着

 

「……」

 

「ママ」

 

葬儀が行われた。

日本有数のアイドルの死であり、スターテック社長である瑠璃が大規模に行った。アイの行うはずだった武道館で死後に行われたのだ。

過去の映像が流れ、席は全て喪服を着たファンで埋まっている。

 

「…まず、この私の妹である星野アイの葬儀に来て頂きましたこと、感謝申し上げます。この葬儀は大々的に配信されています。それは、星野アイの夢である武道館ライブを行わせたい、その一心です。ファンの皆様、本来、アイは生きてこのライブを行うはずでした。私はJOKERを許さない、そして言えます。JOKERをどうにかできるのはバットマンだけです。日本の警察は無力であり、何もできやしない。……失礼しました、どうぞ。最後のライブをお楽しみください」

 

瑠璃はアクアとルビー、そしてアルフレートの待つ空間に戻った。

 

「…バットマンだけ?お父様はママを守れなかったのに!!」

 

「アンタは家族よりも」

 

「…JOKERの居場所は掴んである。奴を…アーカム・アサイラムに入れるだけだ」

 

「ふざけるな!アイを殺した奴が」

 

「…どんな犯罪者も殺す必要はない。痛めつけ、苦しめる。生きることが奴等の贖罪になる」

 

瑠璃が話を切り上げようとすると袖をルビーが掴んだ。

 

「お父様は」

 

「私は…バットマンだ。だが、お前達の父親だ。JOKERは倒す。約束する」

 

「帰って…きてくれる?」

 

「もしだ、明日になっても私が帰らなければこの番号に電話しろ。お前達のお祖父様の番号だ」

 

バットマンとして、二人の義理父として最期になるかもしれない。

 

「私は、お前達の父親を知った時…憎んでしまった。生まれた日から、お前達の父親であろうとしたのにも関わらずだ」

 

自然と言葉が出てしまう、瑠璃自身、それを抑えることができない。

 

「お父様は……負けないよね?バットマンはヒーローだもん」

 

「父親なら、孫の顔を見るまで死ぬなよ」

 

「………アルフレート、私の子ども達を頼んだぞ」

 

瑠璃は武道館から静かに外に出る。すると、ステルスモードのバットウィングが現れる。

 

「セバスチャン、スーツは?」

 

「ご用意出来ています、バーナード様も此方に」

 

「バットマン、JOKERからの招待状の用意はある」

 

「ダークウィング、もし俺がJOKERを殺しそうになれば止めてくれ」

 

「わかってるが、やつの四股は使い物にならなくする予定だからな」

 

相棒の言葉にバットマンは頷き、目的地へと飛んだ。

そこはF県にある廃業した遊園地、既に人はいないはずの場所には明かりが灯り、気色の悪いピエロが所狭しと並んでいる。

 

「IHIHIHI…バッツ。良く来たな」

 

「JOKER、貴様をアーカム・アサイラムに今度こそ」

 

「おいおい、俺も居るのを忘れるなよ?」

 

非殺傷弾を装填した拳銃とスタンロッドを持ったダークウィングがバットマンの隣に降り立つ。

だが、JOKERはただ嘲笑うだけだ。

 

「よお……バットマン。見ろよ、観客のおなりだ」

 

警察のヘリコプター、テレビ局のヘリコプター、更にJOKERの背後が光、映像が流される。

 

「このモニターに流されてるのは俺とお前たちのデスマッチ!

おら、楽しめよ?」

 

「ダークウィング!」

 

「くそ!バットマン!」

 

バットマンはダークウィングを突き飛ばし、彼に迫った何かをその身に受ける。

強化されたバットスーツのアーマーにヒビが入り、凄まじいダメージたと認識できる。

 

「ありえん、何が……」

 

「こいつは……」

 

「IHAHAHAHA!ソイツは俺の大切な犬さ!」 

 

そういうJOKERだが、バットマンとダークウィングの前にいる存在は犬ではない。

体は全高2mほど、全長は少なく見ても4m。

脚には篭手の様に金属の装甲が貼られ、爪も鋭利な金属がまるで刃物のようになっている。

頭からは頭蓋骨が見え、ソレをくり抜いて機関銃らしき何かが設置されている。

肉体には無数の手術痕、そのおぞましい姿に一瞬だが足を引いてしまう。

 

「やれ、ケルベロス」 

 

「来るぞ!バットマン!!」

 

「くぅ!」

 

バットマンはスパークバットラングで気絶を狙うが、電撃を浴びてもケルベロスはもろともしない。

 

「ちい……」

 

「弾丸ならどうだよ!」

 

ダークウィングは非殺傷弾から実弾へと切り替え、ケルベロスと呼ばれた怪物を撃つ。だが、怯むこともせずダークウィングの右手を喰らおうとする。

 

「無事か!」

 

「済まない、バットマン」

 

ケルベロスの頭をバットマンは蹴りで反らした。

あのままでは右腕が無くなっていたと、ダークウィングは理解する。

 

「地獄の番犬の名を冠するだけはあるな」

 

「ロケットランチャーとか、重火器が無いと苦しいぞ」

 

「さあ、ケルベロス!やってやるぞ」

 

「________」

 

雄叫びが上がると同時にジョーカーがショットガンをバットマンに向けて撃つ。

回避したバットマンだったが、ケルベロスの機関銃に攻め立てられる。

 

「バットマン‼️」

 

グラップリングフックを使い、ケルベロスの機関銃近づく。

しかし、ケルベロスはその肉体を十分に動かし、近づいてくるバットマンを離そうとした。

 

「おっと、バッツの相棒。お前の相手は俺だぞ」

 

「JOKER!お前は俺が倒してやる」

 

ダークウィングは非殺傷弾を装填し、JOKERの肉体に目掛けて撃つ。

だが、JOKERもトイリボルバーから弾丸を撃ち返す。

 

「くそ」

 

JOKERの撃った弾丸はダークウィングの銃の銃口に入り、使えなくする。

フィクションでしか見たことの無かった行動に、流石に悪態が付く。

 

「IHIHIHIHIHIHIHI‼️‼️チックタックチックタック、何処にいるのかな」

 

「グレネード、く」

 

足元に転がってきたドクロの描かれた球体、それが手榴弾であると即座に理解した。爆発が起こる前になんとか回避したが、緑色の爆風が体を壁へと打ち付ける。

あなりの衝撃で胸のアーマーが破損し、使い物にならない。

 

「仕方ない」

 

ダークウィングは胸の装甲を外し、軽量化し戦闘に臨んだ。

実弾を持っているJOKERに対して無防備だが、ダークウィングは諦めない。 武器もなく、鎧もない、だが彼には鍛え抜かれた肉体があった。

 

「見つけた」

 

「あぁ、俺がな!」

 

ダークウィングは向けられたトイリボルバーの弾丸を回避する。

一発、2発、3発目、しかし3発目は出なかった。

 

「はぁぁぁ!!!」

 

「ふざけ…」

 

JOKERの下顎に向けて鋭いアッパーが入る。

その肉体は宙を舞い、頭から地面へと落ちた。

 

「…ばっ…つぅ……」

 

「貴様に、バットマンは必要ない」

 

最後にダークウィングはJOKERの両手両足の骨を圧し折り、拘束した。

 

ダークウィングがJOKERと戦闘を繰り広げていたころ、バットマンはケルベロスと戦闘していた。

 

「くぅ、アルフレード!奴は」

 

「生体反応はありません。まさにアンデット、フランケンシュタインとお思いください」

 

「くっ」

 

グラップリングフックは外れ、ケルベロスの機銃をスモークペレットで回避する。遠吠えと共に聞こえてくる発射音。

だが、それはバットマンではなく手当たり次第だ。

 

「まさか、嗅覚が」

 

「はい、おそらくは視覚に頼っている物と思われます。聴覚も機能はしていないでしょう」

 

「あぁ、なら」

 

バットマンはケルベロスの前にグラップリングフックを使った加速でグラインドしながら近づく。

そして、顔の正面にスタングレネードを投擲した。

 

「はぁ!」

 

そのままケルベロスの右頬を蹴り飛ばし、ワイヤーで機銃と地面を繋ぐ。そのまま巻取りを開始し、機銃が頭から引抜かれた。

バットマンも思わず耳を塞ぎたくなる程の悲鳴と共に頭から臓器が溢れ、辺り一面は血に染まる。

 

「…犬は二度と御免だ」

 

バットマンは血を払いながらダークウィングと合流した。

方や血塗れ、方やボロボロのスーツ。其々の戦いが済んだ二人はバットウィングにJOKERを乗せ、アメリカのゴッサムに向かった。

 

「バッツ!俺は諦めない!俺は2度もお前に負けん!!!バッツ!

バーーーッツ!!!」

 

本来、日本での事件、さらに日本人の犯罪者。

しかし、この男バットマンはアーカム・アサイラムにJOKERを連れて行った。

 

「日本から何か言われるかな?」

 

「なに、言われたらこう言うさ。バットマンがジョーカーをアーカム・アサイラムに入れに来ただけだ。それともアンタラはこの悪魔を野放しにするのかとね」

 

バットマンはその言葉に頷く。

JOKERにはゴッサム・シティでのテロ行為もある。

ゴッサム市警察が逮捕する理由もあるのだ。

 

「氷像となるか、JOKER」

 

「あぁ、死ぬまでこうさ。いい気味だ」

 

JOKERはその凶悪さから冷凍刑に処された。

事実上の死刑である、JOKERは凍らせれ数年後には死に至る。

 

「…私達は殺さん。お前はお前が殺した者達の怒りによって殺されるのだ」

 

JOKERが凍り付く迄に放った言葉は一つ。

自分の子供に対する物でもない、それは自分が執着してやまない存在、バットマンへの笑顔と嗤いだった。

 

 

 

 

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