転生した世界が判らない、だが……俺の敵がいるから確実にDC世界だ、多分 作:影後
「くそ……下水道の匂いはまったく」
「なんだ、なれないのか?」
「違う、ビクター。慣れたくないだけだ」
先行部隊として
バットマン=ラピス・ラズリ・ウェイン
ワンダー・ウーマン=ダイアナ・プリンス
サイボーグ=ビクター・ストーン
フラッシュ=バリー・アレン
の4人がゴッサム地下、下水道を進んでいた。
「……一応聞くけど、彼の重武装には何も言わないの?」
「確かに、でもニセモノ」
「本物よ、バリー」
現在、バットマンの装備は
M60機関銃、AKS-74U、
M32グレネードランチャー〘粘着弾〙だ。
「……JOKERの置き土産だ。
どれも念入りにチェックし使えるようにしてある」
「え?僕より若いよね、しかも日本人って」
「銃の扱い方なら一通り覚えている、第一。
これから戦う相手は地球を侵略しようとする相手だ。
何時もの悪人じゃない、確実に仕留めてやる。
俺は、貴方方の様にスーパーパワーは無いが、
スーパーリッチだ」
「それ、ジャスティスリーグに入る時にブルースに言われたよ!スーパーリッチ!」
「……嬉しいな、父親に似ていると言われるのは」
その時、足音が聞こえてきた。人間の音ではない。
くちゃくちゃと粘液のつくような音もする。
(コクリ)
ワンダーウーマンがブレードで現れた虫人間を暗殺する。
ラピスは調査のため、細胞を回収しようとしたが、
触れた瞬間、人型の影と手にしていた武器を残し霧散する。
「奴等の武器か」
「破壊するべきだ、エイリアンの兵器は危険すぎる」
「スーパーマンの一件で理解したと思いたいが……」
クリプトン星人の侵略により、
地球は異星文明との力の差を理解した。
だが、犯罪者にその力が奪われる事もありえる。
「溶かせるか?」
「爆発なんてさせん」
「さすがビクター」
フラッシュの称賛を受けたサイボーグは
そのまま兵器を溶かす。
多少勿体ない気もするが、バットマンはそもそも
エイリアンを相手にしない。
「…リモートバットラングで偵察する」
「それ、後で僕にも………」
「バリー…後でな」
「やった!」
ガッツポーズをするフラッシュに本当に年上か?
と疑問を感じる。
兎に角やる事はやる、リモートバットラングを投げ天井の
パイプの隙間を進ませる。
「…凄い…こんな狭い所を」
「訓練だ、お父様の訓練は厳しいぞ?」
パイプを抜けた先はまるで昆虫のコロニーだった。
生体反応を確認すると鼓動している。
「彼奴等、卵生だったのか?」
「どちらかと言えば、繭ね」
「……殺虫剤が必要だね」
「くだらないのはナシだ、進むぞ」
バットマン達の嘆きを切り捨て、
サイボーグはハッキングでリモートバットラングを操作する。
「俺も上手いだろ」
「ハッキングは無しだろ、俺の仕事が……」
「無駄話は止めなさい、人質よ」
「まとめて……う……」
そこでバリーは人質が拷問され死ぬ瞬間をみてしまう。
「これ以上が人質が死ぬのは無しだ」
「……ねぇ、貴方は随分とその」
「バットマンをしていれば、殺人現場はいつも見る。
ヒーローなんてそんな物だろう」
そう言いながらバットマンは通気口に入り込む。
視線は無い、ならばバットマンがやる事は簡単だった。
「フン」
通気口の出口からグライドしながらのキック。
威力の上がったそれで、虫人間の頭が割れ倒れる。
そのまま手慣れた手付きでグラップリングフックを
もう一人の虫人間の首に撃ち込み、引き寄せる。
飛ぼうとするがグラップリングフックの
巻き取りの速度の方が早かった。
バットラングで首をかき切り、絶命させる。
「此方は終わったわ、バリーがね」
「……君、ブルースさんより過激すぎるよ!」
「人間相手にはしない。エイリアンだからだ」
ブルースよりも低い声のバットマン。
ワンダーウーマンは親に文句の一つでも言いたくなる。
「人質は解放した、彼等の端末に安全なルートを教えた」
「必要ないよ」
「流石だな、バリー」
サイボーグの台詞よりもフラッシュの行動の方が早かった。
人質は直ぐ様、フラッシュによってゴッサム市警に
送られたのだ。
「だが、本命は居ない」
「いや、隣の部屋にいる」
「クラーク」
「来たのか、クラーク。それに、皆も」
「お前達が雑魚の位置と内部構造を教えてくれたからな。
スーパーマン任せじゃいけない」
「……突入は?」
「ラピス、君に任せる」
「スモークペレットを落とすと同時だ。
ステッペンウルフをスーパーマンが、それ以外を俺達が」
バットマンはM60機関銃の安全装置を外す。
そして、スモークペレットを人質のいる場に放った。
「くっ!」
ステッペンウルフは銃撃とスーパーマンの光線を受けて
吹き飛び、他の仲間達は虫人間を撃破する。
そしてバットマンは直ぐ様ナイト・ビジョンモードを使用する。
このナイト・ビジョンモードはスモークの中でも認識できる
優れモノだ。ステッペンウルフの顔面に弾幕を浴びせる。
「コバエが!」
バットマンに斧が振るわれる。
装甲が砕け、一瞬にして壁に打ち付けられる。
『ラピス様、肋が折れています。
鎮痛剤を致します』
「アルフレート、何時も正しい報告をありがとう」
痛みを感じながらも立ち上がり、機関銃を撃つ。
「ラピス!」
「くっ……」
虫人間が数名、バットマンに襲い掛かる。
だが、虫人間の耐久は先程で理解している。
グラップリングフックで上に上がり、直ぐ様蹴りを食らわせる。
「バリー、人質は」
「皆ゴッサム市警に!後は彼奴を倒すだけだ!」
バットマンは頷くと念の為により下へ降下する。
「これは……コロニーか」
それは上よりも酷い虫人間のコロニー。
それを発見するとコウモリ型のドローンが箱を持って現れる。
『ラピス様、此方スターテックにより再発されました。
試作品のサーマル・デトネーターです』
「STARWARSのアレか?」
『いえ、ファイアフライの特殊グレネードをモチーフに
しているとの事です。周囲の酸素を使い瞬時に2000℃まで
加熱、半径25m程度を一瞬にして灰にします』
「アルフレート、開発の停止を。危険過ぎる」
『了解です』
バットマンがサーマル・デトネーターを放り、上へと上がる。
5秒後、激しい業火がバットマンの下から巻き怒る。
「冗談だろ」
マントで身体全体を覆う。火は一瞬にして消え去り、
耐熱耐火である筈のマントは灰になった。
「まったく」
念の為に生体反応を確認するがコロニーからは一切ない。
バットマンはそれに頷き、手慣れた手付きで
グラップリングフックを使い上に上がる。
到着すれば戦いは終幕に近づいていた。
「きっ……貴様らぁ………」
「ステッペンウルフ、もう終わりだ」
スーパーマンという地球最強のヒーローが居る中で、
戦争を仕掛けに来たのが間違いだったのだ。
「ラピス、無事?」
「……虫人間のコロニーを見つけた。
焼き払った、問題ない」
「く…ただの人間がぁぁ」
「ただの人間だ、だからこそ。知恵と力、勇気を持つ。
私は其れ等を負けているとは思わない」
「言うな、新入り」
「……きっ……貴様ら」
スーパーマンが空気を凍結ブレスを放ち、
ステッペンウルフの斧を凍らせる。
そこにアクアマンのトライデント、
ワンダーウーマンの剣が同時に打つかると一瞬にして砕け散る。
「まだだ!」
ステッペンウルフがフラッシュを掴もうとした瞬間、
グラップリングフックが腕に絡みつき、邪魔をする。
「バリー!」
「ラピス!」
バリーは狭い空間で加速し、アッパーをステッペンウルフに。
「……俺の父さんを誘拐したな」
そして、腕をパルスキャノンへ変形させたサイボーグが
ステッペンウルフを背中から撃ち抜いた。
「あ……ぐぁ……」
確実にトドメを刺すため、パルスキャノンが何度も放たれる。
「生体反応無し……だが、サイボーグ。スーパーマン。
スーパーマンは死体を凍らせろ、サイボーグは」
「砕くのは俺にやらせろ」
「わかった、好きに殺れ」
アクアマンはニコリと笑い、
凍らされたステッペンウルフを砕いた。
「サイボーグ、スーパーマン後の処理を」
「任せろ」
そして、サイボーグとスーパーマンのビームで
ステッペンウルフは細胞の一欠片残さず完全に死に絶えた。
「……クッソ、一般人にエイリアンはきつい」
「どうした坊主、弱音か?」
「馬鹿言うな、肋が折れただけだ。慣れてるさ」
「なら肩を貸してやる」
アクアマンいや、アーサーに肩を貸されラピスは脱出した。
ゴッサム・シティ、バットケイブにヒーロー達は訪れた。
ジャスティス・リーグのメンバーはブルースと会話中。
ラピスはバットファミリーの一員として、団欒中だ。
「……エイリアン相手か、良く生きてたな」
「御兄様方、此方は家族の危機なんだぞ。まったく」
「貴方、子供居るんだったわね」
「その年でか?お前」
「ジェイソン……新しいJOKERの子だ」
「彼奴のか」
「……妹の子供でもある」
その一言で場が凍りつく。ラピス・ラズリ・ウェイン。
日本名では星野瑠璃、その妹星野愛はJOKERに殺された。
そして、JOKERはバットマンに倒されアーカム・アサイラムで
冷凍刑に処されている。
「子供に罪はない、それに愛しい子供達だ。
ついでに言えば、バットマンである事はバレているし、
ワンダーウーマンを一度お相手の女性だと思われた」
「ブルースもプレイボーイだったけれど、貴方もなの?」
「違う……むしろ、女性恐怖症だ。
今、バーバラと話しているが指先の震えが止まらない」
「……何でそんな」
「母親が屑でな、そのせいだ。
女性恐怖症の克服は難しい、周りもメイドは居るし、
仲間にも女性はいる。家族なら問題ない」
「…悪い」
「良いさ、もっと言えば妹も守れなかった。
息子に言われたよ、何で殺さないの。何で復讐しないの。
俺はバットマンだ、バットマンは殺さない。捕まれる。
きっとそうする、そう思ったんだ。
娘には傷付いた身体を見られて泣かれた。
ヒーローは死なないよね…か。俺はメタヒューマンじゃない。
難しいのにな」
「……まったく」
「皆、ゴッサムでファイアフライが」
「彼奴、帰ってきたのか」
「俺達が行く、バーバラ。今はオラクルを頼む」
「わかったわ」
ゴッサム・シティの夜は激しい闇の世界だ。
ラピスはそんな闇に立ち向かう騎士達を見送った。