ポケットモンスター 縮めてポケモン
この星の不思議な不思議な生き物。空に海に森に街に、世界の至るところでその姿を見ることが出来る。ポケモンと人間は互いに共存し暮らしていた。互いに意思疎通をして技を磨き上げたバトルをしたり、技の美しさ見せ方を競い合うポケモンコンテスト。様々なところで人間とポケモンは密接に繋がっていた。
そして、また、ポケモンとポケモントレーナーの旅が始まろうとしていた。
《シンオウ地方 テンガン山》
テンガン山の洞窟で、とある一人のポケモントレーナーがキャンプをしていた。
「は、ハックション!っはぁー!さみぃなぁ。久々に雪を見たいから、シンオウ地方に来たけど、やっぱりさみぃわ」
焚き火の前に座り、暖を取りながらに当たり前の事を言いながらどこか楽しそうに呟く少年は何かを考えていた。
(っても……色々な所見て回ったしなぁ。そりゃ、事細かくは見てねぇけど。どうスっかなぁ)
少年は様々なポケモンリーグ大会に出場しそれなりに優秀な成績を残したが、今現在は宛のないゆらり旅をしていた。それこそ、思い立ったら行動する位には。だが、何も思いつかず、気分でテンガン山に登っていたのだ。雪山でキャンプは正気じゃないが、本当に何も思いつかないのである。ココアを啜りながら大きくため息をつき
「仕方ねぇ、一度家に帰るかな」
少年は外に出てる。洞窟の外は吹雪から晴天となっており、青空が広がっていた。そしてポケモンを出してその背に乗り、ホウエン地方に向かう。
「おかえり、久しぶりねユウ。イッシュ地方に行くと連絡を受けたきりね!」
「あぁ、久しぶり。母さん」
ユウと言う少年は家にたどり着き、家でご飯を食べていた。ユウのポケモンはポケモンフーズを食べてゆったりしていた。
「アンタ、今、暇を持て余してぶらり旅してるんでしょ?」
「…イヤ、ナンデワカンダヨ」
ユウはご飯を食べる手を止めて固まりながらに聞く。
「ポケモン達の様子を見れば分かるわよ。だって伸び伸びとしてるし、体力が有り余ってる感じだもの。カロスのジムバッチも全部揃ってるし、バトルはしていたみたいだけど、大会には出てないのね」
「まぁ、なんて言うか。ゆっくりしたくてね。何も、バトルだけじゃないし。ゆっくりしてみようかと」
ユウはお茶を飲み干して呟く。チャンピオンリーグに挑み、優勝して四天王に挑み、チャンピオンに挑むことも考えた。けど、それ以上に未知のポケモンを見たくて旅を続け、慌てる理由が無いことに気づき、休みをとることを選んだ。
「とりあえず、家でゆっくりするのも良いけど、初心に帰ってこういう所にも行くのもありだとは思うわよ?」
そういうと紙を一枚目の前に出して来る。
「これは?」
「私が貴方に提供できる場所の一つよ?昔、私が通っていた所よ。言えることは楽しめると言うことよ。まぁ、考えて見なさい」
そう言われてユウは部屋に戻り、ベットに寝転がり考え込む。
(今更こういう所に行ってどうすんだか……。しかもカントー地方じゃねぇか……)
はぁ、と大きなため息をつく。
「なぁ、相棒。お前は行ってみたいか?」
近くに座る相棒のポケモンに聞くユウ。そのポケモンはユウの近くに行き頷く。その反応を見て、
「そっか。お前がそう言うなら…行くか。そうとなれば、手続きをしねぇとな」
ユウは若干楽しそうに頭を掻きながら1階に降り。
「オレ、その場所に……セキエイ学園に行くわ」
「分かったわ。それじゃあ手続きはしておくから、旅の疲れと、新しい生活の準備しておきなさい」
母は嬉しそうな表情で準備をし始める。ユウもユウで再び部屋に戻って、
「やっぱり雪山より家だよな」
そうつぶやくと、眠りにつく。そして、1週間後
《カントー地方》
「何だかんだ来たことの無いカントー地方に……来たなぁ」
ユウは背伸びをしながらめいいっぱい深呼吸をする。セキエイ学園の制服に身を包み自然と身が引き締まる思いと、好奇心でいっぱいである。
「とりあえずは……バス停でバス待ちだな。自転車があれば自転車で向かうんだがなぁ。まぁ、仕方ねぇよな。と、言ってる間に着いたか22番道路」
ユウはバス停でバスを待っているとバスが来て、そのバスに乗ってセキエイ学園に向かう。トンネルをひとつ超えるとカントー地方のポケモン達が伸び伸びと暮らしている様子が見える。別に珍しい光景ではないが、改めて別の地方に来たという期待が胸を高鳴らせる。
(いよいよかぁ。同室の奴ってどんな奴だろうなぁ?)
まだ見ぬルームメイトを考えながら楽しみにしていた。しかし、いざ到着して早々……
「同室の奴が入学を辞退しただぁ!?」
「そうです。ユウさんと同室になるはずだった子が急用で別地方に行くことになり、それで入学を辞退すると……」
「んじゃあ、部屋は?」
「新しい子が入ってくるまで一人ですね」
「ま、まじか。分かりました」
寮の責任者から話を聞いた後は部屋に入り荷解きをしながらベットに身体を預け
「一人かよ……つまんねぇなぁ。折角の寮生活ってのに」
大きくため息をつく。項垂れたあとは、暇つぶしに校庭のポケモンバトルを見る。
「カイリキー!ばくれつぱんち!」
「リフレクター!続いてサイコキネシス!」
「おう、やってんねぇ」
上から見ながらにそう呟く。
(命中不安のばくれつパンチを当ててたな……てことは特性はノーガードか?いやいや、それは早計だな。にしても、リフレクターの判断はよかったなぁ。オレならどう崩したもんかな?)
バトルを見て考察を立てていきながら興味深そうに、バトルをしていた二人を見るが、
(やめだやめ、その時にならねぇと分かんねぇし、立てるだけ無駄だなー)
そう考え、入学式の会場へと足を進める。その後入学式を終えて、教室に行き話を聞く。
「それでは皆さん、スマホロトムを再起動してください。それで皆さんのポケモン図鑑が使えるようになります」
クラス担当の先生が生徒たちにロトムの入ったスマホを配布する。このスマホロトムは図鑑機能以外にもタウンマップ、ニュースのチェックなども可能となっている。ユウは
「便利だよなぁ、これ」
スマホロトムを触り、感心しながら機能を確かめたりする。図鑑の確認をしたり、マップ機能を見たりとすると気づけば、名前を呼ばれてポケモンを受け取りをしていた。新しい相棒に笑顔だったり、目を輝かせている様を見ると自然と微笑んでいた。
(こう言うのがオレにもあったなぁ。いやぁ、オレがそれを見て微笑ましく思うのも歳かねぇ……。いや、そんな歳じゃねぇだろ。同い年クライナのに)
一人内心苦笑いをしながら突っ込む。じじい臭い自分の感性に思わずため息がでそうになる。
「それでは最後に、ユウ君。君はポケモンを既に持っているとの事でよろしいんですね?」
「ええ、そうですね」
「そうですか。では、ユウ君はここにいる皆さんの先輩トレーナーになる訳ですので、皆さんの手本となれるような行動を是非お願いします」
(いや、手本って何すれば良いんだよ?人としての常識を守ればなんて無いだろ?)
内心そんな事を思いながらもクラスメイトの視線を集める。尊敬の眼差し、好奇心の眼差し、そして、値踏みをするような眼差しや挑戦的な眼差し。腕を試したいと言う気持ちを隠しきれていない新米の視線を浴びながら
「善処します」
そう言い残し、自由時間となると同時に捕まる前にそろりと教室を抜ける。
「いやいや、貰ったばかりのポケモンでポケモンバトルは厳しすぎでしょ。先ずは仲良くなってからってな話だし」
そんな事を呟きながら学園内を歩き回る。初めて貰ったばかりのポケモンを抱き抱えていたり、ブラッシングをしたりする光景が目に入る中
「待って!そんな!ダメダメダメ!!!」
「あ?」
ユウが視界を上にあげると、子猫見たいなポケモンが屋根からトレーナーらしき学生向かって飛ぶ姿が見えた。学生も身を乗り出して受け止めようとするのを見て言いしれない何かを感じ
(嫌な予感がするな)
そう思うのと同時にユウは走り出していた。ポケモンは学生の顔に着地しその衝撃で前のめりに学生が落ちてくる。
「うわああああああ!!?」
それでもポケモンを落とさないように抱き抱えながら落下する学生。ユウはその学生を受け止める。
「よっと」
「へ?」
女の子は目をつぶっていたが目を開けて何が起こったか分からない風だったが
「大丈夫か?無茶なことをするのも大概にな」
ユウはそう女子学生に言って降ろす。
「あ、ありがとうございます」
「おう。あっ、お前のポケモンならその先に行ったぞ。気をつけてな」
ユウはそう言い残してその場を去る。
(あっ、助けてくれたのに名前…聞きそびれた。…ニャオハも追いかけないと!)
女子学生はニャオハを追いかけて草むらに入る。この出会いが後に運命を動かす。……いや、確実に動き始めた。
ユウの手持ちは公開される度に後書きに増えていきます。