雷陽と黒龍   作:久遠れもん

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やれることをやれ……やらせてくれ!

 

 合宿所スタジアム。

 

 いつも通りのがらんとした観客席の内で、イナズマジャパン達は汗を流しながらそれぞれの特訓に励んでいた。

 円堂、アフロディ、吹雪もまた、コートに立ち、特訓に励んでいた。

 

「行くよ、円堂君! ゴッドノウズ!!」

 

 アフロディが構える円堂へシュートを放つと同時に円堂が魔神を構える。

 

(サタンのシュートを止めるためにはどうしたらいい……?)

(今までのプレイに何かヒントがあるんじゃないか……?)

(なら、それはきっと……)

 

 サタンの『タイムトランス』は確かに強い必殺技だが、明確な弱点も存在する。

 それは、『威力が上昇する前にシュートが弾かれてしまう可能性がある』ということ。だが、結局それはするためには、サタンの強烈なシュートを一撃で弾かなければならないという問題点がある。

 

 アフロディのシュートを睨みつける円堂は、その表情を変えることなく力強く拳を握った。

 

風神雷神!!」

 

 自分の走った一年間の結果であるこの双神。明日人の助けがあったとはいえ、一年前は全く通用しなかったクラリオの『ダイヤモンドレイ』を止めることのできた必殺技である『風神雷神』が、円堂はどうしても間違いだと思えなかった。

 そのため、この必殺技を変化させ、新たなキーパーとしての円堂の技を作る。

 

「──うおおおおおおっ!!」

 

 円堂が双神に変化を与えると、雷と暴風が一段と強く円堂を包みこむ。

 『ゴッドノウズ』と円堂の激突に衝撃が起こり、ボールが大きく弾き飛ばされた。

 吹雪とアフロディが再び目を開けると、そこにいたのはボールに拳を叩きつけた()()の魔神と、同じようにパンチングの姿勢で立つ円堂がいた。

 

「あれは、『マジン・ザ・ハンド』……?」

「いや、あれは『あの時』の魔神とは別物だよ」

 

 『あの時』。円堂の『マジン・ザ・ハンド』に真正面から敗北したアフロディだからこそ円堂の必殺技の正体を知ることができた。

 

「──魔神の中でも更に強い『風神雷神』の片割れ。円堂君の『雷神』といったところかな」

 

 『風神雷神』は確かに強い。日本にいるFW達に「円堂守の『風神雷神』を自分は突破出来ると思うか」と聞けば、全員が間違いなく一度自分の能力に疑問を抱く程度には、強力な円堂の到達点の一つだ。

 だが、こちらも弱点が存在する。一つ目は、『発動までの時間』。二つ目は、『魔神の数による出力分散』。

 『風神雷神』によって顕現する双神は、確かにそれぞれが『マジン・ザ・ハンド』を超える力を持つ。

 しかし、その程度なのだ。

 クラリオやサタンだけではない。『マジン・ザ・ハンド』を超える程度では敵わない相手がこの広い世界には沢山いる。

 そんな相手に対応するための円堂の新たな秘策。

 

「いや、『片割れ』じゃなくて二体の魔神を無理矢理一体に合体させたんだ。けど、これじゃあまだ……」

「だから、直前でパンチングに切り替えたのかい?」

「ああ……。後、『レッドバイソン』との試合では下手に弾いたせいでピンチになったから、抱えられずにミスするくらいならって考えちゃったかな……」

 

 円堂の感覚の話は、サタンのシュートを受けていないアフロディは理解が出来ないながらも、円堂を信じることにした。

 顎に手を当てながらアフロディが考え込む。同じような表情で腕を組みながら、円堂も発想しようと考える。

 

「ねえ、キャプテン。キャッチやパンチング以外のことはしないの?」

「え?」

 

 突然の吹雪の言葉に円堂が固まる。キーパーがゴールを護るには、キャッチやパンチングをする必要がある。それ以外のことを考えている余裕はないと考えていた。

 

「一度、何でも試してみると良いかもしれないよ? 僕だって、元々はDFだったけど、白恋中ではFWをしていたんだ。自分の能力はきっかけがなきゃ気が付けないからね」

 

 今まで円堂が経験してきた試合で、自分がGKのしごと以外のことをする場面は何度もあった。特に、昨年の『フットボールフロンティア』を通じて、自分のシュート能力はキャッチ力やガード力の次くらいには高まっているように思う。

 

「あ──!」

 

 円堂の脳裏に浮かんだのは、鬼道と豪炎寺との『イナズマブレイク』と坂野上と明日人の『カウンタードライブ』。

 『イナズマブレイク』の際のようなゴールを開けながらの腹の座った自分のシュートと、『カウンタードライブ』のシュートにシュートを返すための技という性質。これらを合わせた新技を──。

 

「──すっげぇ……! なんか見えた気がするぜ吹雪!」

「なら良かったかな。……それじゃあ、僕の練習も兼ねて……」

 

 吹雪がボールを地面に置いた。

 必殺技を試してみたい円堂もワクワクとしながら、ゴール前に構えた。

 

「来い! 吹雪!」

「ああ。キャプテン……」

 

 吹雪が必殺技のフォームに入ると、見たこともない構えに円堂とアフロディは目を丸くした。

 

「行くよ──!」

 

 その直後、赤の極光と、円堂の轟雷が激突した。

 

 ◇◇◇

 

 

 

 同時刻、合宿所廊下。

 

 皆が特訓をする中、明日人と倉掛は趙金雲のいる監督室へ向かっていた。

 倉掛との接点が全くと言って良いほどにない明日人は、初めこそ何度か話しかけようとしたが、倉掛は全て無視。酷い時なんて明日人の片足を踏みつけてきた。

 そのため、明日人は倉掛から反対にある窓や壁際に飾られた工芸品やら芸術品やらを眺めながら歩いていた。

 

(やっぱり木枯らし荘とは全く違うな……)

 

 今までの期間をこの合宿所で過ごしてきたが、しっかりと見られたのはこれが初めて。明日人は、何故か緊張を感じながら、それらを眺めていた。

 『特別特訓メニュー』と趙金雲に言われ、呼び出された二人だが、それが何なのかは全く知らない。そもそも明日人は、何故ジャージのままでの集合なのだろう、という疑問を歩いて向かう間、ずっと思っている。

 

「倉掛は監督の特訓って何だと思う?」

「……さあ」

「ねえ、そろそろちゃんと話してくれても良いんじゃ……」

「……そこ壁」

 

「えっ、ぶ────」

 

 曲がり角に気が付かず、明日人が壁に激突する。ぶつかった瞬間に鼻が潰れてしまい、その激痛に顔を真っ赤にしながら明日人がよろめいた。よく見ると、その両目にはうっすらと透明な雫が溜まっている。

 

「……何やってるの」

「いてて……。──って! 倉掛、俺に質問した!?」

「は?」

 

 鼻を抑えながらそんなことを抜かす明日人に倉掛が呆れ返る。

 質問はちゃんとした会話なのだろうかと考えながら、上機嫌になった明日人を連れて、倉掛は監督室へ歩いた。

 

 

 

 ──監督室。

 

 明日人が扉をノックすると、扉の中から扉が引かれた。明日人と倉掛はギョッとしたものの中から出てきたのは大頭面を被った少年、李・子文。

 明日人と倉掛はホッと息を吐いた。

 

(……いや、こっちの方が怖くない?)

 

 珍しく常人的なことを考えてしまっていたが、倉掛が扉の向こうへ進入したため、明日人も続くように中へ入室した。

 

 趙金雲の部屋は、選手たちの部屋とは比較にならないくらい大きく、煌びやかだった。

 床に直置きされた高価そうな工芸品や、壁一面に張り巡らされた中華を想起させる派手な飾り物。それら全てが明日人の視線の先で全面に広がっている大窓から入る光を反射し、ギラギラと輝いている。

 

「うわ……っ、趣味悪……」

 

 倉掛の呟きと全く同じことを明日人は思った。

 日本人の感性と別であるだけ、と言われて仕舞えば、そこまでなのかもしれないが、一応ここは日本。その程度のことは言っても問題ないだろう。

 

「ああ、とりあえずそこの窓のカーテン閉めますか♪ 子文君?」

「ラジャっ!」

 

 拳を突き上げ趙金雲の命令を承諾した子文が、さっとカーテンを閉めた。

 依然、いるだけで目が疲れるような光景のままを見ながら、明日人と倉掛は目を見合わせた。

 

「はぁ……一旦この部屋のことは置いておくとして……、何? 特訓って」

「オーッホッホッホ!!」

 

 問いに答えるように高笑いをした趙金雲に対して、倉掛は表情に苛立ちを描く。

 明日人は、倉掛のどこから出ているのか理解できないほどの覇気に慄いてしまっていた。

 

 そんな時、趙金雲が直置きされた工芸品を床に滑らせどかした。

 

(え、それ素手で触って良いんだ……)

 

「じゃなくて──!」

「──ひっ! …………ッ」

 

 「特訓は!?」という問いを途切れさせながらいきなり叫んだ明日人にビクリと驚いた倉掛は、明日人を一度睨むと、趙金雲のどかした工芸品の奥に置かれていた二つの機械を優しく撫でるように触る。

 

「『テレビ』……? それと、据え置きの『ゲーム機』……? ……意外とホコリとかはないのね」

 

 そこにあったのは、赤と金の二色で統一された部屋の雰囲気からかなり浮いた白一色のシンプルなゲーム機と黒のテレビが置いてあった。明日人が近づいて確認してみると、ゲーム機からは三本の線がそれぞれのコントローラーに繋がっていた。

 

「監督? これが何なんですか?」

 

 明日人の純粋な問いを趙金雲に投げかけた。すると、趙金雲が再び高笑いを上げる。

 この時、明日人は無意識のうちに理解してしまっていた。趙金雲が自分に何をさせようとしているのか。『シャイニングサタンズ』との試合までの期間の内の大事な一日、自分達が何をすることになるのか。その全てを察しとっていた自分から目を逸らしながら、趙金雲の言葉を待つ。

 もしかしたら、別のことかもしれない、と心の隅の隅で思いながら。

 

「え……、嘘でしょ?」

 

 倉掛が既にドン引きしながら、趙金雲に返答を促す。

 趙金雲が目を閉じ、二人の不安感を煽る。

 

「実は……」

 

 二人が息を呑む。子文が足を伸ばし、コントローラーの一つを自分の元に滑らせた。

 

「……実は、そちらの格闘ゲームが中々勝てなくてですね。あなたたち二人と子文君にはその攻略を任せたいのですよ♪」

「「──無理」」

「わかりました親分!」

 

 子文が、明日人と倉掛にコントローラーを押し付けてくるが、こんなことに納得できるわけもなく、二人は必死に訴える。

 

「特訓じゃないじゃないですか……!」

「こんなことしか考えられないから、そんな身体になったんでしょ!?」

 

 しかし、何度話しても趙金雲は、

 

「──監督の指示を無視したらどうなるか、覚えていますね……?」

 

 という、無敵の返答を返した。

 

 

 

 鼻歌を歌いながら子文が、ゲーム機の電源をつける。

 明日人と倉掛は、どんよりとした雰囲気の中で正座をしながらコントローラーを握っていた。

 

「ねえ、稲森。『FFI』が終わったらアイツのことめちゃくちゃにしましょ?」

「突然喋り出したじゃん」

「そんなこと良いのよ。とにかくアイツが腹立つわ」

「ああ……、そうですか……」

「何──?」

「……ッ!!」

 

 正座を崩して、明日人の太ももに足を振り下ろした倉掛。試合前であるため流石に力を込めてはいないようだが、足の重さがずっしりと乗り、あまり力の有無は関係がなかったように思えた。

 

「僕の前で親分のそんな話しないでいただけますかー……?」

 

 『趙金雲の被害者』という共通点を得たことで距離が格段に近づいた二人に子文が二人の間にそんなことを言いながら胡座をかいて座った。

 

(テレビゲーム初めてだけど、三十分あれば終わるでしょ……)

 

 

 

 ──日が沈むまで続いた。

 

 

 

 扉がゆっくりと開き、趙金雲が部屋の中に入った。

 数時間ぶっ通しでゲームを続けていた子文が素早く立ち上がり、趙金雲を迎え入れる。

 

「……おや? お二人ともサボりですか〜?」

 

 明日人と倉掛は、コントローラーを投げ置いて寝転がっていた。

 倉掛が視界に趙金雲を捉え、イラッ、と筋を浮かべる。

 

「……何ですか」

「今日の特訓の終了を伝えに来たんですよ♪」

「……!?」

 

 趙金雲を見上げていた明日人の表情が愕然と変わり、上半身を持ち上げた。

 

「『今日の』……って言いました?」

「……? ええ、言いましたよ?」

 

 信じられないと言わんばかりの表情で自分に詰め寄る明日人に心底疑問そうな表情で趙金雲は首を傾げる。

 

「えっ、ちょっと待ってよ……」

 

 倉掛が口をぱくぱくと開閉させながら、趙金雲の言葉を祈るように待つ。

 そして、趙金雲は高笑い共に明日人と倉掛に告げる。

 

「試合までのこの期間で、お二人にはこちらのゲーム特訓をして頂きますよ♪」

 

 終わった……。

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

 試合前日、早朝。

 

 趙金雲からの命令によって、明日人達六人は買い出しに出かけることになっていた。

 鳩の鳴き声が響く中、辺りには霧が掛かり視界の奥が視認できない。車が飛び出してきても気が付けない。そんな中、下されたのは日用品の全取っ替え。氷浦の隣を歩く明日人と倉掛が目元に隈を作っている。

 

「寝不足か……?」

「あの人の特訓の後、二人で自主練してるんだ……」

「ああ、それで……。お疲れ様」

 

 氷浦は二人のことを心配してやる中、坂野上が何やら警戒していることに岩戸が気がつく。

 

「どうかしたんでゴス?」

「えっ、い、いえ。この場所は『因縁のある場所』というか……、『ボコボコにされた場所』というか……」

「ああ、無敵ヶ原富士丸だな」

 

 坂野上の言葉に風丸が同意する。

 ここは以前、『無敵ヶ原富士丸』という凄腕サッカー少年が現れた公園。氷浦は、明日人から何度かラフプレーと跳躍を得意とする選手だと聞かされている。

 以前無敵ヶ原が現れた際も今回の外出も趙金雲の命令をきっかけとしている。坂野上と風丸が警戒心を抱くのも仕方がなかった。

 

(……まさかな)

 

 そんな氷浦の納得を遮るように──、

 

「──お、また来たね? 雑魚選手ども!」

 

 声と共に影が降った。

 

「──危ない!!」

 

 明日人が剛球を受け止め、氷浦を守る。氷浦は思わず尻餅をついてしまう。

 氷浦が前方を見るとそこにいたのは、帽子を被った小柄な少年。完全な特徴の一致に、氷浦はその瞬間、この少年が噂に聞いた『無敵ヶ原富士丸』なのだと理解した。

 

「あれ? よく見たら前にボコボコにした奴もいるじゃん。リベンジにでも来てくれたの?」

「……生憎、俺たちはお前のことなんて考える暇はなかったさ」

「あ、そう。僕もあんまり君みたいなイケメン興味なかったしね。仕方ないか」

 

 無敵ヶ原の言葉に風丸が唇を噛む。そんな様子を見ながら、無敵ヶ原がケラケラと笑った。

 

「君が無敵ヶ原富士丸か?」

「お、知ってる? 初めまして、僕は無敵ヶ原富士丸……って知ってるんだもんね。反応的に僕が何をしてるのかもわかってる、と……。──なら話は早いか……!」

 

 無敵ヶ原は突然話を区切ると、すぐさまボールを蹴った。

 誰かやられてしまうのではないか、そんなことを考えてしまったが、杞憂に終わる。

 

「──はああっ!」

 

 坂野上が無敵ヶ原のシュートへ足を伸ばし、回転する球体の威力を殺す。明日人との特訓で得た『カウンタードライブ』の応用であることを氷浦はすぐに気がつく。

 無敵ヶ原が「おおっ」と面白いものをみるかのような取ってつけたような感嘆を吐いた。

 

「気をつけろ! あの体格でいてラフプレーは強烈だ!」

「またラフプレーする相手でゴス!?」

 

 風丸の忠告に岩戸が驚き声を上げる。

 瞬間、無敵ヶ原がニヤリと笑い、氷浦達の視界から消えた。

 

「来ます!」

「──もう遅いんだよね……っと!」

 

 坂野上の言葉に重なるように坂野上の足元からボールが掠め取られる。

 すると、更なる霧が氷浦達を包んだ。

 

「お、ちょうど良いねー!」

 

 無敵ヶ原が小さく口元を持ち上げながら、氷浦達の前から再び……

 

(──いや、違う……!)

 

 無敵ヶ原の姿が霧の中に消えた。全員、無敵ヶ原が近くに存在することは察知できるが、どこにいるかまでは特定できず、その場で構えながら止まる。

 

「……さっきチビ丸が消えたように見えたんだけど」

 

 倉掛が理解のできない超常に指摘を入れる。倉掛の付けた無敵ヶ原の呼び方にぴくりと平均的な身長の風丸が反応するが、すぐに真剣な表情に戻る。

 

「恐らく、霧に紛れたな。どれだけの手を持っているんだ……」

「そうね。……にしてもあのチビ、どこかで……?」

 

 風丸と倉掛の会話が終わった瞬間、倉掛の頭上に影が掛かった──。

 

「──チビチビ言ってんの聞こえてんだよ! チビ姉ちゃん!」

「やば……ッ!」

「倉掛──!」

 

 倉掛の死角から無敵ヶ原が突然接近する。氷浦が咄嗟に倉掛を守るべく動くが、無敵ヶ原のスピードに追いつけない。

 無敵ヶ原と倉掛が激突する……、その瞬間──。

 

ザ・ウォール!!」

 

 街道であるということが頭から抜けている岩戸が、巨壁を生み出し無敵ヶ原を弾き返す。

 無敵ヶ原は着地と同時に再び壁に向かっていく。

 

「うわっ、ホントに壁じゃん。登れちゃいそうだね……っ!」

 

 その言葉を実践しながら、無敵ヶ原が『ザ・ウォール』を蹴り上がる。

 そして、無敵ヶ原は「ほらね?」と言わんばかりのドヤ顔を氷浦達に向け、空中でボールを収めた。

 

「あはは! 僕、自分だけでこんなに高く飛んだの始めてだよ!」

 

 笑い声と共に無敵ヶ原が再び剛球を放つ。先程よりも高く、先程よりも鋭い一撃が円堂に落とされた。

 

「……はああっ!」

 

 今度はパンチングでこれを弾く。

 それを落下しながらの不安定な姿勢でトラップした無敵ヶ原が地面に降り立つ。氷浦は、明日人から聞いた話に疑問を持った。

 

「コイツはラフプレーよりも話すべきことがありそうなんだけどな……!」

「前回は確かにラフプレーばっかりだったんですよ!」

 

 坂野上が視線の先で無敵ヶ原を捉えながら、氷浦にそう訴える。

 無敵ヶ原が不敵に笑い、再び霧に姿を消す。そして、氷浦達に勝利条件(ルール)を話し始める。

 

「……基本的にはこの間と同じ、俺からボールを取ること。前回と違うのは時間制限。日が出切って俺が霧の中でも見えるようになっちゃうまでに、ね?」

 

 氷浦が日の出に視線を移すと、既にかなりの日が大地に差し込んでいる。

 

「前より急がないと……、ですね」

「ああ、あと三十分くらいか?」

「そんなにやるんでゴス!?」

 

 坂野上と氷浦、岩戸が意見を述べ合う。明日人、風丸、倉掛は周囲を警戒しながら、それを耳に入れた。

 

「焦り、怒り、不安……ね。色々抱えちゃうのは良いけどさ、ちゃんと『光』も見てなきゃそのまま終わっちゃうよ──!」

 

大河!!」

ザ・ウォール!!」

 

 子文の声を皮切りに、坂野上と岩戸が同時に必殺技を放った。

 

 





 霧……、人が消える……? 濃すぎないか?


 クララのキャラ崩壊してないかと思い始めた。
 まだキャラ掴めてないんだと思う。申し訳ない。
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