ファンタジーRPGエロゲの裏ボスに憑依したけど、生き残りたい 作:モフモフ毛玉
ツキの魔人のゲーム内で明かされている固有能力の一つ『月夢移動』でエリアを移動する。
これは裏ボスあるあるの『出てきといてボスを呼び出して逃げるアレ』に違和感を持たせない為に生まれたスキルであり、その効果は『全てのエリアに瞬間移動する』という簡単な物。
しかし地味ながら壊れ能力なのは確実だ。何せ全てのエリアを移動可能という事は、世界の端から端まで行けるという事。
つまりツキの魔人は本気で逃げれば永遠に捕まる事がないのだ。
しかしそれではゲームが成立しないので、特殊イベントをする事でこの能力を封印される。哀れ
そして、移動したのは盗賊団のアジトだ。
原作ではここで父親と一緒に盗賊を相手して戦う事になる
しかし、何故チュートリアルから二戦目になる盗賊戦が詰みポイントになるのか?
それは、相手の盗賊の数、主人公の能力値と、性別にある。
まず、敵となる盗賊
盗賊は五人づつ現れるが、最大で2000人相手になる。
…そう、最大2000人である。
チュートリアルで少し慣れた次には敵の数の多さに驚くものの、流石にチュートリアルから二戦目なので、サクサク倒せはする。ただ被弾が多ければやられてしまうが
何故なら仲間扱いの父親が通常攻撃一発で盗賊を倒すからである。
そして主人公も、
更に主人公はチュートリアルの時、確定でレベルアップして力と速さに+3されるので基本的に盗賊の攻撃は回避出来るし、通常攻撃も当たれば2回で倒せる。
ここまで聞くと、え?詰みポイント無くね?と思うだろう
最大の問題は、主人公の性別だ。
『月夜の唄』では、雑魚敵の共通として『女性キャラを優先して狙う』という物がある。
…もう分かってしまったと思うが
女主人公の場合、集中砲火をくらう事になる。
しかし、救済として父親が『親の怒り』というスキルで纏めて三体の盗賊に攻撃してくれて、追加で最大数を減らしてくれる。その為実質的な数は20まで抑えられる
しかし、それでも数の暴力の前に屈してしまい、女主人公が倒された瞬間、父親が盗賊に押さえ付けられ目の前で妻と娘をアッ!されるスチルを解放されてしまう…これを見たプレイヤーも半数くらいは居る。
ツキの魔人に憑依している一般プレイヤーもその一人なのだ。
その為、こうしてアジトの近くにある木に紛れている。
そして暫く待つと…
「ぜぇ…はぁ…クソが!ここまで追って来やがった!お前ら!出て来い!ボッコボコにするぞ!」
『おぉぉぉ!』
アジトから雄叫びのような声が響くと絶対200じゃ足りないレベルで盗賊が現れる。
「くっ…なんで多さだ…!」
「……!」
父親は拳を握って構え、女主人公も木剣を構える。
「へっへっへっ、この数を前にして立ち向かおうってかぁ?舐めんじゃねぇよ!やれ!」
「「「オラァァ!」」」
三人が一気に飛びかかる
もちろん、相手は女主人公だ。
「娘に触れるなぁぁぁ!!」
『うぎゃぁぁぁ!?』
ゴウ!と暴風かと思うような風が巻き起こり20を超える盗賊達が宙を舞って地面にめり込む。
「えっ」
そんな光景を見て、ツキの魔人は固まった。
「娘とその人に手を出してみろ…貴様ら全員肉塊になるまで叩き潰すからなぁ…!」
悪鬼ですか?と思うほど筋肉が盛り上がり、その顔は鬼を超えて般若になってる父親
「ちっ、怯むな!一気にかかれぇ!」
『うぉぉぉぉ!』
50人の盗賊達は一気に父親へ襲いかかる
「しまった…!」
ポンポンと複数の盗賊を吹き飛ばしながらも娘である女主人公を見る父親
「ヒャッハー!これでテメェを守るもんはねぇ!大人しく食われなぁ!」
3人の盗賊は相手が子供だからとニヤニヤしながら近寄る。
「…ふっ!」
しかし、女主人公は一気に距離を詰めて木剣を横に振り抜く
「「「かはっ!?」」」
そして盗賊達は一気に自分の『とある場所』を抑えて蹲る
そのまま女主人公は無表情に盗賊達の頭に木剣を振り下ろし、意識を刈り取る。
「…な、なん!?」
驚いて止まった盗賊達に、女主人公は一気に距離を積める。
そのまま振り回すように木剣を的確に『急所』に当てて盗賊達をダウンさせる。
そして、その光景を見たツキの魔人はと言うと
(この子急所と回避率100%かぁ!?)
驚きと共に恐怖で震えていた。
『月夜の唄』では雑魚敵やボス問わず男性の場合、主人公や仲間の攻撃が急所に当たった時50%の確率で行動不能になる。
これは救済措置であると共に、敗北してスチル見せられたプレイヤーにとっては『ザマァ見ろ!』と少しスカッとして欲しい運営の計らいである。
そのまま、父親が暴れ女主人公が急所を当てまくり盗賊団はあっという間に全滅。
それを見届けたツキの魔人は即座にその場から離れて、『月夢移動』で離脱する。
離脱する理由は簡単、本編クリア後に『ツキの魔人』の存在を告げるのは神様だからだ。
なんかゲームと違うけど、演出ではこんな感じだったし良いかと思いながらツキの魔人は離脱した。
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『よくぞ目覚めました、勇者よ』
私の前で、とても綺麗な女の人が、話しかけてきている。
『実は貴方にお願いがあるのです…』
両親は両側から私を押さえて、目の前の女の人をじっと見つめていた。
『今この国を除く三つの国で『ツキの呪い』を受け、狂ってしまった者が現れてしまったのです…』
悲しそうに目を伏せて、女の人は私を見つめる。
『しかし、そんな時勇者の力を持つ貴女が現れたのです!その力はツキの呪いを消し去る力……副次効果として魔物や悪しき心を浄化する事も出来ます』
パァって、輝くくらい笑顔で私の手を掴む女の人
『ですから、どうかお願いします…世界の為に、勇者として『ツキの呪い』によって狂った者を救ってください…!』
そう懇願された私は…静かに頷いた。
女主人公
ゲーム内ではクールキャラ、しかし仲間には甘く、親密度を上げていくと甘えたり甘えられたりする関係に…
女性キャラの中ではぶっちぎりでスチルが多い、仕方ないね!
父親
クソ強いパワー型、解析したら力が14000ある、通常攻撃で絶対に相手は消し飛んでいる。代わりに命中率は50%固定。父は強し
盗賊
雑魚敵、広い場所で現れるしダンジョンにも稀に居る、速さが非常に高い事以外は貧弱なステータスで、急所を受けにくくなる幸運に至っては0である。つまりどれだけステが低い味方でも常に50%で急所に当たる。
代わりに状態異常のスペシャリスト。毒や麻痺を得意としている、スチルでの出番はそこそこある。
中盤からは加入したての仲間にさえ一発で倒される、経験値もお金もしょっぱい、ただしドロップアイテムである『盗賊のナイフ』とレアドロップ扱いの『盗みの短剣』は性能が良く、後者に至っては所持してるだけで倒した場合のドロップ率が上がるのでアイテム収集するなら必須