ファンタジーRPGエロゲの裏ボスに憑依したけど、生き残りたい   作:モフモフ毛玉

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お久しぶりです。

やっと纏まった休みが取れたのでこちらも更新していきます


初見殺しのダンジョンはカンストしようが殺される

 

水魔の遊び場

 

緩い名前のダンジョンだが、3カ国に必ず一つある初見殺しのダンジョンだ。

 

何故、初見殺しのダンジョンと呼ばれているのか?

 

それは…

 

「くっ…コイツら攻撃が通じない!」

 

「あーもー!当てても一撃で落ちないし!」

 

「は、早すぎて…狙えません…!」

 

勇者パーティは、その相手に苦戦していた。

 

剣や槍を振ればスルリと躱し

 

飛び道具で狙おうにも縦横無尽に辺りを動き回り

 

苦戦する勇者達を見てケタケタと笑う

 

『小さな人型』の魔物

 

ヨワイ、ヨワイ!

 

アテレナイ!

 

キャハハ!

 

その魔物はこの水魔の遊び場にしか登場せず、『月夜の唄』をプレイしたプレイヤー達からこう呼ばれている

 

『クソ妖精』と

 

この魔物は、攻撃をして来ない。代わりに攻撃を高い回避率を持ってして躱し

 

ポヨポヨ、コイ!

 

ドパーン!!

 

増援としてスライムを呼び出し、そのままスライムに自爆をさせる

 

「んぶぁっ…!このっ…!」

 

「ベタベタ…する…武器が握れな…んっ!?」

 

「く…ぁ…何が…んん…!」

 

スライムを受けたヒナタ、アルテ、レアはペタンと女の子座りになり蹲る。

 

(…これが厄介なんだよな)

 

飛んでくるスライムの残骸を躱しながら、アカツキは思い出す。

 

『月夜の唄』はエロゲーなので、状態異常も『そういうもの』がある。

 

この【水魔の遊び場】では、女性キャラを狙ってスライムを爆破させる事により、状態異常《発情》を付与する。

 

効果としてはしばらくの間行動不能になり、HPが行動不能な間に少しづつ減ると言う物

 

これが中々に厄介であり、どちらの性別の主人公でプレイしていても、そのまま《発情》になった仲間キャラに妨害されそのままスライムを受けてしまい、全員が《発情》になり何も出来ずにパーティが壊滅…なんて事もある。

 

なお、この《発情》による妨害は何も主人公相手だけにする訳ではなく、《発情》になった仲間キャラと他の仲間との隠しステータス扱いである仲間親密度が主人公より高ければそちらの方へ妨害する…つまり

 

「ひ、姫様ぁ…!」

 

「ちょっ、ソフィ!離して…!んゃぁぁぁ!」

 

「え、えへへ…オーロラも…シズクも…一緒…」

 

「ミスト!?ちょっと…離しっ…んぶっ!」

 

「ダメだ、正気じゃない…のに何なのこの馬鹿力!?んにゃぁ!」

 

この通り、加入したばかりの仲間キャラ同士でも潰し合いとなる。

 

あっという間に勇者パーティは勇者とアカツキを残して全員がピンクになってしまった。

 

あちこちからピンクな声が上がり、アカツキは気まずいので目線を逸らす。

 

「…なんて卑劣…!許さない…!」

 

キッと魔物を睨み、勇者は剣を高く上げる

 

その剣に強い輝きが集中し、白く輝く

 

「これが私の…ぜんりょ…んぶぁっ!?」

 

しかし、放つ前に勇者はスライムを受けてしまった。

 

そのままベショリと倒れ込む勇者を見て、アカツキは頭を抱える。

 

原作通りなら、この時点でほぼ全滅判定だ。後はターンによってじわじわと体力を削られていき、ゲームオーバーとなる。

 

アカツキがピンピンしているのに何故?となるだろうが…

 

アカツキはゲストキャラ扱いであり、経験値が貯まればレベルが上がって強くなるものの、パーティメンバーとしてはカウントされないのだ。

 

「…どうしたもんか…」

 

何故か自分に飛びかかろうとする勇者を避けながら、アカツキは考える。

 

チラリとこの状況の諸悪の根源たる魔物を見ると

 

アレ?オーサマ?

 

アカキツキノオウ!

 

オーサマ!オーサマ!カエッテキタ!

 

キャイキャイと、いつの間にか自分の周りを飛び回って喜んでいる。

 

シラセヨウ!シラセヨウ!

 

ヨロコブ!

 

オーサマ、コレ、ドースル?

 

三体居た魔物の内の二体は奥へと飛んで行き、一体がアカツキへそう問いかけた。

 

「…出来れば連れて行ってくれ」

 

ワカッタ、アトデツレテク!オーサマハ、ハヤクオクイク!

 

そう言ってペシペシと頬を叩き、奥の方へと指を指す。

 

アカツキは言われるまま、奥へと進みつつ、ゲームの時の事を思い出す。

 

この【水魔の遊び場】のボスの、2周目以降でアカツキが居る場合の特殊な会話を

 

そのまま他の魔物に会う事もなく、アカツキは最深部…ボスの待つ場所へと辿り着く。

 

『ああ、ようやく…ようやく帰ってきたんだ…!』

 

目の前には大きな『白い沼地』があるのみだが、頭に喜んでいるような声が響く

 

『あれ?反応薄いなぁ…もしかして、また(・・)忘れちゃったの?』

 

それと同時にゴポゴポと沼地が泡立つ

 

ドパァ…!

 

巨大な飛沫が上がり、飛沫の中で六つ(・・)の黄色の瞳がジッとアカツキを見つめる。

 

飛沫を受けながら、アカツキは見上げる

 

『でも、忘れててもいっか!帰ってきてくれたんだもん!』

 

頭に響く声は一層喜色を強める。

 

飛沫が終わり、沼地から現れたその魔物(・・・・)の全体像が見える

 

身体の全てが白く、その身は鱗などなくつるつるだ。

 

巨大な前足には、鋭く大きなツメが三本生えている。

 

その瞳は動物のような瞳ではなく、ただ黄色の球体が浮かんでいるような様だ。

 

その魔物の名は【原初の龍】

 

遥か遠い過去にて、とある者と激闘の末に配下となり、とある地を収めし魔物。

 

『ああ、アカツキ、アカツキ!ボク達の主!

 今回こそは(・・・・・)ボク達が守るからね!』

 

そう言ってその巨大な身体をくねらせる龍を見つめながら

 

アカツキはいつでも刀を抜けるように構えた。

 





原初の龍

水魔の遊び場のボスであり、初めてプレイしたプレイヤーを絶望に追い込む鬼畜龍。

全体攻撃の『尻尾叩きつけ』

魔法を扱うキャラのみを狙い放つ、魔法を不発にしつつ相手の素早さを強制的に1にする『白泥のブレス』

一人を対象にして放たれる即死攻撃、『前足叩きつけ』

そして苦労して体力が半分まで削ると攻撃の激しさが増し、攻撃も変化する。

ランダムな1〜3名のキャラを対象にして放たれる連続攻撃『狂乱』

主人公を対象に放ち、50%の確率で行動不能にする『原初の威圧』

更に体力を4分の1まで削ると、50%で即死する全体即死攻撃の『白泥の大津波』を放つ

なお二周目以降、アカツキを仲間にしているとイベントが発生し、勇者達は戦闘できず【原初の龍】とアカツキによる一騎打ちになる。

攻撃パターンも専用になるが、プレイヤー操作しなくてはならないので油断すると敗北する。

ここまでの間にアカツキを育てていなければ、1ターンで倒される可能性もある為に油断はできない。

この戦闘に勝利すると、フルボイスの専用ムービーが流れ、アカツキの過去の一端を知る事が出来る…

因みに特定条件を満たすと、ゲストキャラが増える。

なおこの戦闘で敗北するとアカツキはロスト扱いになり、次の周回までアカツキは出現しない。
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