奈落 Ⅰ : 奈落の底と無双
「うゎぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
ただひたすらに一直線に落下していく英寿。何があったのか。
それは何者かがハジメを狙い火球を放った。その火球が崩れかけであった橋に直撃し、橋が崩壊。その崩壊に巻き込まれ、奈落の底に落ちている最中だ。
瓦礫がありすぎて既にハジメはどうなっているのかかがわからない。あいつは抵抗する手段なく一目散に落ちてしまった為、たぶん英寿よりも早く奈落へ行ったのだろう。
ただ寸前に付与魔法をかけた為、死ぬ事はないだろう。
そして既に英寿は火球を放った犯人については見当がついている。英寿がベヒモスを倒し帰ってきた時、明らかクラスメイトと同じ場所にいない奴がいた。
それは檜山だ。粗方の予想としてあいつは香織の事が絶対好きだ。それゆえハジメがどうしても弊害になる。それを蹴落とすにはちょうどタイミングがよかったのだろう。
だがあいつの誤算としては俺がいるから流石にこうなるまでは思っていなかった、そして出来心だろう。
まぁでもたぶん地上ではハジメと一緒に死亡扱いになってるだろう。その方がこっちとしても都合がいい。
この世界はある程度わかった。出来る事なら早く王国を出て旅に出ようと思っていたのだ。その各地で問題を解決し、誰もが幸せになれる世界を少しでも進めていこうと。
日本だから、異世界だからは関係ない。誰もが。みんなが幸せになる世界。それが英寿の願いと決意だから。
ただ召喚されたクラスメイトは心配だ。雫がライダーになれるからまだいいが、それが安心って訳ではない。天之川が勇者という状況だ。あいつはいい意味でも悪い意味でも影響力がある。それが仇となり全滅なんてならなければいいが……
そこは信頼してる雫、龍太郎がなんとかしてくれるはず……
そうこうしている内に底が見えてきた。流石に生身はまずいのでドライバーをつける。
DESIREDRIVER
今回は緑色のバックルを取り出した。
SET
それを右側にセット。
「変身。」
レバー引き、それから押し込み直す。するとクナイの部分が回転する。
NINJA
NINJA DUALER
READY FIGHT
仮面ライダーギーツ ニンジャフォーム
前回のゾンビと違い、上半身に緑色の装備がされている姿。そしてこのフォームの武器に左手にはニンジャデュアラーが握られている。
「よっと。」
そして華麗に着地を決めた。衝撃を極力流し、無傷である。
奈落の底はイメーシそのままだった。当たりは真っ暗。ときより吹く風はとても冷たい。何度も経験したきた洞窟と変わらないなと思っていた。
すると、魔物の大軍が近づいてきた。ざっと100ぐらいはいるだろう。
「お、いきなり手厚いお出迎えか。」
ニンジャデュアラーをツインブレードの状態にし、戦闘態勢に入る。そして次の瞬間には魔物達の前から姿を消していた。
「キィィィイィィ!」
そしてまた次は魔物の悲鳴が上がる。ギーツがウサギ系統の魔物の一体を仕留めた。その間は一瞬であった。仲間が討たれたことに怒った魔物達は総攻撃を仕掛ける。数で押す戦法だ。数百の魔物達が一目散にギーツに飛びかかる。
「この時を待ってたぜ。」
ROUND 1
TACTICAL SLASH
シュリケンラウンダー一回転させ、トリガー引く。そうすると刃の部分が光出し、力が溜まる。
「ハァ!」
ギーツは回転しながら襲いかかってきた魔物達を一掃した。さらに回転したことにより強風が発生し、後ろいた魔物まで吹き飛ばした。しかしまだ魔物は残っている。
「まだまだ次はコイツだ。」
REVOLVE ON
ドライバーを半回転させ、上半身のニンジャの装備を下半身にする。そして空いた右側に新たなバックルを装填する。
SET
付けた右側のバックルの帽子部分を押す。
DUAL ON
MONSTER
NINJA
READY FIGHT
仮面ライダーギーツ モンスターニンジャフォーム
上半身には黄色と青の装備が、下半身は緑色の装備がある。この姿は近接戦が得意である。
「フ!オリャァ!」
伸びる腕のリーチで一気に大勢を殴り倒しつつ、素早い動きで敵を圧倒していく。そうして行くうちにいつのまにか敵の残りが十体を切った。奈落の底がどのくらいかはわかっていないが、底とは言ってもギーツの敵ではない。一方的な無双ゲームである。
「さて、そろそろトドメといくか。」
モンスターバックルの帽子部分を押し、ニンジャバックルのレバーを押す。そうすることで必殺技が発動する。
MONSTER NINJA VICTORY
ギーツの目の前に星が現れる。それを青色の光ができた拳でパンチし、星が飛んでいく。そこからジャンプしキックの体制に入る。緑色の光を放ちながら相手に向かう。
「ハァァァァァ!」
キックが炸裂し、当たり一面に爆発が起きる。煙が上がった時には魔物達は跡形もなく消え去っていた。
「ふぅ……、まぁざっとこんなもんか。」
バックルを外し変身解除する。外した二つのバックルを掲げながら英寿が言う。
「まぁチュートリアルにはちょうどいいかちょっと弱いかぐらいだったな。」
普通の人間であれば瞬殺のところがこの男、神之英寿はまだまだと言ったところだろう。既に彼の持っている力はこの世界を揺るがす程度は軽く持っている。
「さぁ、ハジメはどこまで成長出来るのか、楽しみだな。」
そう、一緒に落ちていったハジメ。彼がこの死線をくぐり抜けどこまでいけるのか、自分がサポートするのもいいがこれは試練みたいなものだ。とはいえ何がわからない為、なるべく早めにハジメを見つけだしたいものだ。
「さて、そろそろいくか。久々の迷宮探索だ。少しは楽しませてもらうぜ。」
そう言い放ち、彼は歩み出した。