そんなこと言われても私はただのお釣り計算AIですから   作:デ カ マ ク ラ ト ン

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ぬわああああん疲れたもおおおおん
(本業執筆)やめたくなりますよ~
(執筆作業)なんでこんなキツイんすかねぇ

本日も疲労感太郎(意識高い系)




破滅への序曲

 連邦捜査部としての権力を使わず、私と言う個人の頼みごとの範疇で集めた生徒たちは、みんな私の言葉を信じてくれた。それが私の人徳によるものだと、ナギサやヒナは肯定してくれたけど……本当にそうなのか私にはよくわからない。友達一人の心すらも、理解できない私には。

 

 ミレニアム、ゲヘナ、トリニティの主要人物を集めた会議から数日間、生徒たちは襲撃に備えてあらゆる手を尽くしていた。各学園では急ピッチで襲撃に備えた防衛設備の増築などが進められているらしい。クリフォトと名乗る存在からキヴォトス3大自治区へと向けられた宣戦布告は、連邦生徒会にしか送られていないと思われていたけど、クロノススクールにも送られていたらしく既にキヴォトス中に知られていた。とは言え、未だにクリフォトからの行動はなく、大規模な悪戯だったのではないかとさえ噂されている。

 そんな暢気な噂を他所に、狙われたミレニアム、ゲヘナ、トリニティは厳戒態勢を敷いたまま。会議の席でミレニアムサイエンススクールの調月リオ、明星ヒマリの両名から口にされた「デカグラマトン」という存在についての話が、真に迫っていたからだろうか。

 

「“ふぅ……”」

 

 生徒たちが頑張っている中でも、私にできることは少ない。連邦生徒会の下部組織でありながら、あらゆる学園自治区での活動が可能な超法規的な機関であるシャーレだけど、流石に学園自治区の内政にまで深く関わる訳にはいかない。エデン条約の傷がまだ癒えないゲヘナ、トリニティの両校や、無名の神々の王女による騒動で落ち着きがないミレニアムは大変だろうけど、私が介入するにも限界がある。

 できることがないかと思いながらリンちゃんの所まで赴いていたけど、できることは非常に少なかったのでさっさとシャーレのオフィスに帰ってきた。こういう時に、自分の無力さを痛感する。

 そんなことを考えながら溜息を吐いてトボトボ歩いていた訳だ。だからだろうか……

 

「お疲れ様、先生……コーヒーが入っているよ」

「“…………え?”」

 

 椅子に腰かけてコーヒーが入ったカップを差し出してくる彼女の存在に気が付くのに、それなりの時間がかかったのは。

 吸い込まれるような真っ黒の瞳に、10色のメッシュが入っていながらもその一つ一つの色が暗い色であるためにどこかに陰があるようにさえ感じさせる長髪。私よりも二回りほど大きな身長。

 

「“どうして、ここに?”」

 

 以前、私に直接宣戦布告を叩きつけてきたキムラヌートが、そこにはいた。

 

「どうして、とはこれまた面白いことを聞く。私はキヴォトスに戦争を仕掛けると言ったはずだが?」

「“だから余計に、なんでここにいるの?”」

「キヴォトスを堕とすにはまず、優秀な指揮官であり生徒たちの生命線でもある貴方を最初に殺すのが早いだろう?」

 

 その言葉を聞いた瞬間に、私はシャーレの床にうつ伏せに転がされ後頭部にゴリッと音がしそうな金属が当てられた。間違いなく……銃口だ。

 

「3大自治区の脅威となりうる生徒の情報は全て入っている。ミレニアムサイエンススクールでは、C&Cの美甘ネル、飛鳥馬トキ、頭脳限定にはなるが調月リオと明星ヒマリ。ゲヘナ学園では風紀委員長の空崎ヒナ。トリニティ総合学園はティーパーティーの聖園ミカ、正義実現委員会の委員長剣先ツルギ。私の脅威になり得るのはここら辺だけだろう」

「“ぐっ……”」

 

 キムラヌートの口から出てきたのはそれぞれの学園が誇る最高戦力たちの名前。どうやら本当に、リオとヒマリが言うように全ての学園自治区のネットワークに侵入して情報を得ているようだ。あのリオとヒマリですら痕跡を追えなかったデカグラマトンが、ルシフェル……キムラヌートと同一の存在であった。その事実に私は唇を噛んでしまう。

 

「他にも注意する点は幾つかあるが……中でも一番厄介なのは先生、貴女の存在だ」

 

 背中に乗られ、銃口を後頭部に突き付けられながら淡々と喋るキムラヌートに、ルシフェルだった時の感情を読み取ることができない。本当に、彼女は過去の全てを捨ててしまったのだろうか。

 

「だが、不意打ちでこうして先生を殺しても意味がない。私の破壊には、意味が必要だ」

「“それは、どういう?”」

「だから、共に見ようと思って……キヴォトスの終焉を」

 

 こちらの話など全く聞きもせずに、キムラヌートは私の前にディスプレイを複数枚展開させた。そのディスプレイに映るのは、襲撃を受けたのか炎上している学園自治区の姿。

 

「わかるかい? 右がミレニアム、真ん中がゲヘナ、左がトリニティの……()()()()()()()()()だよ」

「“っ!?”」

 

 映っているこれが、リアルタイムの映像なのだとしたら……既に侵攻は始まっている!?

 

Omnia tempus habent et(何事にも時があり) suis spatiis transeunt universa sub cælo.(天の下の出来事には全て定められた時がある)*1正に今がその時という訳だ……最高の指揮能力を持つ信頼された大人は動けず、防衛すらままならない学生たちはどうなることやら」

「“こんなことっ!”」

「意味がない、か? それともやめてくれ、か? どちらにせよ貴女の言葉を聞くのは今ではない……貴女はいつも通り、自分の生徒を信じてそこで見ているのがお似合いだ」

 

 うつ伏せに倒されているせいで、キムラヌートの表情は見えない。見えるのは……黒煙を上げて崩壊していく建物と、破滅に抗い戦おうとする生徒たちの姿だけ。

 

 私の助けを求めるように、ポケットに入れてある携帯が何度も震えていた。

*1
コヘレトの言葉3章1節






KMR(ヌート)VS先生は生徒VSクリファーが終わった後なのでもっと後になります(絶望)



掲示板を書いて欲しいと言われましたが、全部終わった後でもいいかなーって……思いました(小並感)
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