そんなこと言われても私はただのお釣り計算AIですから   作:デ カ マ ク ラ ト ン

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ピクミン4楽しいっスね!(執筆サボり)



愚鈍なる蠅

「これで43体目……何体いやがるこの集団は!」

「リーダー後ろ!」

「わかってるっての!」

 

 ふぅむ……流石に美甘ネル相手だと普通のオートマトンをぶつけても大した時間稼ぎにもならないな。それに、C&Cの全員を一気に相手にするのは美甘ネルとタイマンするよりよっぽど面倒で、どれくらいかって言うとオートマトンが千切っては投げ、千切っては投げってされるぐらいはやばい。

 

「数だけですから、リーダーを中心に進めば大したことは──」

「なにか来るよ!」

 

 流石、直観が異様なほどに優れている一之瀬アスナがいる限りは、奇襲は無理だな。

 ゴリアテを参考にしてカスタマイズした「ネフィリム」だ。これなら他のオートマトンと違って多少は、美甘ネル相手に持ってくれると期待したい。

 シャーレではアリウススクワッドとキムラヌートで戦闘になってしまっているし、3学園は既に機能不全レベルまで追い込んでいるけど……まだまだ生徒の限界はこんなものではないはずだ。

 

「この、スクラップが!」

「おぉ! リーダーすごーい」

 

 えぇ……もうちょっと持つかと思ったけど、ネフィリムが瞬殺されてしまった。美甘ネルの戦闘能力を過小評価してたかな……まぁ、でもこれだけのオートマトンがいればそれなりに時間は稼げるだろう。となると、やっておきたいことは調月リオと明星ヒマリの無力化かな。

 

「出力安定、100%……光よっ!」

 

 おーっと?

 

「チビっ!? んでここに……いや、今はいいか。さっさと行くぞ!」

「はい!」

「うわ、待ってよアリス!」

 

 ゲーム開発部……まさか廃墟方面にいるとは。いや、パヴァーヌが終わったばかりだから色々と廃墟の方に丁度用事があったのか?

 才羽モモイ、才羽ミドリ、天童アリス、花岡ユズ……そしてC&Cの美甘ネル、一之瀬アスナ、室笠アカネ、角楯カリン。8人がアディシェスの方に向かって来ているな。ミレニアムの方に行かれなかっただけマシ、か?

 ただ、校舎の方にも要注意人物は一人いる。

 

「リオ会長、無事ですか?」

「……トキ、どうして」

「私が呼んでおきました。間に合うかはどうかはわかりませんでしたが」

『特記戦力、とでも呼べばいいか。飛鳥馬トキは確かに脅威だな』

 

 こっちの戦力はエーイーリーとアクゼリュス。飛鳥馬トキと言えども、クリファーをそのまま相手にできるだけの力はないだろうけど……時間を稼がれると厄介だ。もう片方のクリファーをミレニアムの総力で叩かれたら流石に勝てない。ならどうするか。

 

『数で圧倒するのが早いか』

「なっ!?」

 

 エーイーリーには小型のドローンをそれなりの数搭載させている。一つの戦闘能力なんて大したことではないが、それを相手にしながら果たしてクリファーを相手にできるか。

 

「ヒマリ、生徒の指揮を頼むわ」

「……ふふ、諦めたのかと思いました」

「……後輩が立ち上がっているのに、私がキヴォトスを諦める訳にはいかないわ」

 

 相手の総指揮は明星ヒマリになろうだろうな。調月リオは恐らく、飛鳥馬トキの全面的なバックアップ。ミレニアムの内部で言うとヴェリタスとエンジニア部がかなりの脅威だが……もう一人忘れては行けない存在がいる。

 

『外部からのハッキング……やはり狙ってきたか』

「うえぇ!? ハッキング成功したのになにも起きないんですけどぉ!?」

「コユキ!? なんで外に──」

「私が外に出しておいたのよ。ユウカ、コユキを守りながら戦ってちょうだい」

「……わかりました。コユキ!」

「助けてユウカ先輩ぃー!?」

 

 極自然に私が組み上げたシステムをハッキングする能力は称賛するが、そもそもハッキングされている最中に全てを変えてしまえば関係ない。なにより、完璧にハッキングされたところで、その上から私の神秘で動かせば問題ない。

 

「EMPなら前に保管庫で使った残弾があるよ」

「ではドローンの方に」

「いいのかい? あのクリファーとか言うのじゃなくて?」

 

 あれは、白石ウタハか。エンジニア部……となると、狙ってくるのはEMPによるドローンの機能停止か。

 

「恐らくですけど、クリファーはEMPでは止まりません。そもそも、私たちの理解できる技術で動いているかどうかすら」

「それは興味深いね。是非ともバラしてみたいけど……それは命が助かった後、かな?」

 

 クリファーにはEMPなど無意味だが、明星ヒマリがそこを読み違えるとは思えない。積んでおいたドローンを全て神秘で動かせばEMPを無視できるかもしれないが……それをすると()()()()()()()()()()()()()()()()()()()からな。仕方ないが、ドローンが煙幕程度の扱いにするとしよう。

 

「行きます」

 

 飛鳥馬トキが突っ込んできた……狙いは、私か。

 

『やれやれ……私がクリファーを指示している訳ではないんだがな』

「関係ありません。貴方は、充分な脅威です」

 

 しまったな。

 いくら私が入っているからと言っても、飛鳥馬トキ相手では5分も持たないだろう。私の意識が全てこちらに集中できていたら1時間ぐらいは相手できたかもしれないが、今はゲーム開発部とC&Cのせいでアディシェスの未来予知もままならない。

 

「EMP!」

『ドローン、自爆だ』

「なっ!?」

「敵の狙いは……ヒマリ!」

 

 EMPで無力化される前に、ドローンは全て自爆させて視界を塞ぐ。少し離れていた調月リオは気が付いたようだが、もう遅い。煙幕の上から、どちらにせよ数分で破壊されるアザゼルもろとも、敵を全てエーイーリーとアクゼリュスで薙ぎ払えばいい。

 

 


 

 

「うぐっ!?」

 

 まさか、グリゴリの機体もろとも攻撃するなんてっ!?

 いや、クリファーの戦闘能力を考えれば、グリゴリを一体犠牲にするだけで特記戦力であるトキを無力化できる手として合理的と言えるかもしれない。でも、それ以上にヒマリを攻撃されたのはまずい。

 

「トキ!」

 

 刹那の瞬間だけれど、私の演算でなんとかトキへの攻撃は最小限にできたはず。ならば、まずはトキを動かしてクリファーを少しでも惹きつける。ミレニアムの他の生徒たちも、やみくもにではあるけど上空に佇んでエネルギーを充填している蠅を攻撃してくれている。なら、トキと私が狙うべきはあの竜に跨る人型!

 

「了解」

 

 こんな時に、アビ・エシュフがあればと思ってしまうけど……今はトキの力を信じるしかない。

 

「な、なんですかこれ……そもそもクリファーにはロックなんてなにもかかってないんですけどぉ!?」

「なにもかかってないなら、簡単にハッキングできないの?」

「無理ですよぉ!? そもそも、なにがどうやって動いてるのかもわからないし、AIだってそもそもどこから操ってるのかもわからないんですよ!?」

 

 コユキとユウカがなにやら騒いでいる声が聞こえるけど、今はそれよりもヒマリたちの確保。残っているAMASは少ないけれど、今はトキと戦闘しているからかハッキングは受けていない。

 

「ケホっ……エンジニア部の発明がなかったら死んでましたよ? この天才の頭脳を、簡単に消そうとするなんて」

「……間一髪だったね」

「ヒマリ!? 無事だったのね」

「私の車椅子は無惨な姿になってしまいましたけどね」

 

 エンジニア部がどんな発明品を使ったか知らないけど、まさかあれほどの大出力攻撃を防げるなんて。みんな小さな傷はあるけど、ヴェリタス、エンジニア部、セミナーとまだ戦えそうだ。

 

『ふぅむ……仕留め切れないか』

「なっ!?」

 

 あれだけの攻撃を自ら受けながら、まだ動けるなんて。けど、見た目からしても既に戦闘能力は失っているように見える。つまり、あのグリゴリは既に敵じゃない。

 

『認めよう。私は君たち生徒のことを過小評価していた……だから、全力で潰させてもらう』

 

 その言葉を残して、グリゴリは爆発した。

 全力?

 まさか、今の状態が全力じゃないの?

 

「うぇ!? リオ会長! グリゴリの中にあったAIが上の蠅に移動してます!」

「は?」

『気が付くのが早いな。ハッキングはできなくとも、私の動きを察することはできるか』

 

 まさか……あれを直接動かすと言うの?

 さっきまでは自動で迎撃していただけで、操縦者がいない乗り物を相手に……私たちは?

 

『なるべく苦しまないようにすると約束しよう』

 

 蠅の複眼が、こちらを捉えた。






囧「うわあぁああああ──なんで──!」

引っ張り出されて世界の終末みたいな状況で、ひたすらハッキングさせられる「囧」は可愛いなぁ
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