戦場からこんにちは   作:Aa_おにぎり

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一六九話

弾薬庫と通信室、二つで起こった同級生同士の戦闘。

 

「畜生、なんで築城達を殺さにゃならんのか…!」

「あぶねっ!…向こうがやってくるんだから仕方ねえだろう?!」

 

弾薬庫で背中合わせにぶつかって調布と小樽は言う。二人の前にはサーベルを持った大湊と清洲が相対している。

 

「全くもって地獄だぜ。まさか本当にコイツ(円匙)を使うとはな」

 

片手で円匙の柄を握って調布は言って、片手で彼は死体から奪った拳銃(FN M1910)の引き金を引くと、その銃弾を大湊は剣で弾き返した。

 

「マジか…」

「漫画じゃあるまいし!!」

 

人間を辞めたんじゃないのか?なんて冗談にならないことを言いながら彼らは円匙でサーベルを弾き返した。

 

「…」

 

同級生が自分たちを殺しにきたと言う現実を前に、三沢はその手に銃剣付き軍用散弾銃(ウィンチェスター M1912)を握ると、周りを囲んでいた抵抗軍の兵士に銃口を向ける。

 

「うぼっ!?」

「ぐはっ!」

 

発砲し、放たれた対人用の散弾が抵抗軍兵士の体に突き刺さっていく。面で攻撃をする散弾銃はこの近距離で使うためなのか、チョークがまるで絞られていなかった。おかげで放ったら広範囲に散らばって敵を穴だらけにしていく。

 

ッ!ッ!ッ!ッ!

 

そして引き金を引いたままフォアエンドを前後に動かし、空薬莢を排出して新しい散弾を装填して発射する。スラムファイアで纏めて歩兵は一掃されると、その弾幕に突っ込むように三沢は銃剣を敵兵の心臓に突き立てる。

 

「がふっ…!?」

「くそっ!コイツ!!」

 

そして突き立てた銃剣をそのまま横隔膜を切るように下に袈裟斬りにして敵兵を殺傷すると、もう一人は頭を撃ち抜かれてその鮮血が三沢の顔に被った。

 

「三沢」

 

そして頭を撃ち抜いた青島が駆け寄って彼女に話しかけると、三沢は今にも泣きそうな顔をして攻撃をしてきた敵兵士や築城達を見る。

 

「悲しい…。どうして、こんなことになったのかしら」

 

彼女はそこで散弾を装填すると、展開していた敵兵に向かって銃を放つ。そこに躊躇はなかった。

 

「…はぁ、なんとも嘆かわしい」

 

彼女はどこか吹っ切れたようにその死体となった兵士を見て嘆くと、銃口を厚木に向けて放った。

 

「っ!?」

 

その時、彼は撃たれたことで障壁魔法を展開して防御をすると、三沢はそこで発煙手榴弾を投げて炸裂して彼から視界を奪って走る。

 

「…」

 

そして視界一面が白煙に包まれると、彼は周りを警戒して見回していた。すると目の前に気配を感じて障壁魔法を展開すると、その方に向かって走り出した。

 

「がはっ!」

 

しかし走り出した直後に背中から劇痛を感じて倒れると、煙の中から三沢が現れて倒れた厚木を見ていた。

 

「厚木くん…」

「三、沢…」

 

彼女はそこで刀身の長い銃剣を装備した彼女を驚愕した目で見ていると、三沢は言う。

 

「さようならです。また日本で会いたいですね」

 

その時、彼女は満面の笑顔で彼の首に銃剣を刺した。すると血を吐き、赤いあぶくを吹いて厚木は斃れた。そして彼が斃れたのを見て三沢は銃剣を首元から抜くと、それを見た青島達は思わず息を呑んだ。

 

「三沢…お前」

「っ!ああ、大丈夫です。青島くん、大泊くん」

 

話しかけられたことに彼女は血の付いた銃剣を腕で拭いながら答える。彼女の顔は血を被って赤黒く染まっており、怪我をしているのかどうかも分かりづらかった。

 

「怪我はないか?」

「ええ、私はみなさんのおかげで無傷です」

 

大泊の問いに彼女は軽く頷いて無問題であると答える。

 

「行きましょう。これからまだ築城くん達を弔ってあげないと」

 

彼女はそう言って乱戦となっている今の弾薬庫を見た。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

通信室で戦闘となっていた南部達。そこでは前橋達、脱走組の片割れが攻撃をしてきていた。

 

「畜生、こいつら剣なんていつ使えたんだ!?」

「さあな!こいつらぶちのめせばわかる話さ!」

 

彼らはもはや狂気の空気に支配されており、五人の攻撃を退けていた。

 

「っ!痛って!!」

 

その時、土浦の肩に木更津の剣が突き刺さった。それに思わず悲鳴を上げて彼女の腕に通信室にあった万年筆を突き刺して血を滲ませると、彼女はそれに苦痛を感じて表情を歪めて一歩引いた。

 

「女には優しくしろよ?」

「できるわけねえだろ!殺しにかかられたらよ!」

 

そこで高雄が姫路の剣戟を頬を斬られながらも振り下ろした瞬間に彼女の右腕をがっしりと掴んで自分の大腿骨に叩きつける。

 

ゴキッ「っ!?ああぁあっ!!」

 

そして重い音と感触を通じて彼女の右腕の骨を折ったと感じ取る。そして彼女の腕が逆への字になってダランと下に落ちた。

 

「悪いが、男女平等だぜ俺は」

「レディーファーストはどうしたんだよ」

「んなもんとっくの昔に廃れてんだろうが」

 

軽口言いながら大刀洗達は前橋達の剣戟を避けると、大刀洗は通信室にあった椅子を掴んで投げ飛ばした。

 

「っ!!」

 

その投げ飛ばされた椅子は剣を持っていた松本の前に飛んできて、彼女は障壁魔法で体を守ると、椅子が叩きつけられた。

 

「オラァ!」

 

そして折りたたみの椅子を持って大刀洗は接近をすると、彼女の頭から椅子を叩きつけた。

 

「よう、プロレスでもしようか。ええ?」

 

そして椅子を叩きつけられた松本は頭から血を流しながら剣を思わず落としてしまった所を刀身を彼に踏みつけられて遠くに蹴り飛ばされた。そしてそのまま襟口を掴まれると、大刀洗は容赦なく松本に頭突きをした。

 

「がはっ!」

「剣すら使えん至近距離だ。死ぬまで付き合おうぜ」

 

派手に頭突きをして頭から血を流す松本を見てニヤリと笑って彼は言うと、直後に背中から腹を刺された。

 

「くっ!」

 

振り返ると、そこでは前橋が背中からスモールソードを突き立てていた。

 

「大刀洗!」

「っ!」

 

すかさず南部は持っていた自動小銃を振りかぶって彼女を引かせた。

 

「大丈夫か?」

「ああ、まだいけるぜ」

 

そこで松本をまだ掴んでいた彼は力を込めて答えると、彼はそこで襟を掴んでいた松本を通信室の機械に投げ飛ばした。

 

「ああぁっ!柔道習ってて正解だったかもなぁ!!」

 

彼はそこで破壊して中の機械が飛び出た通信機器に彼女を叩きつける。

 

「くそっ!」

 

顔を叩きつけられた松本も反撃で腕を伸ばして卓上にあった万年筆を握って大刀洗の首元を掴んでいた腕を刺そうとすると、彼はその腕を生き残っていたもう一方の腕で掴んで彼女の顔に叩きつけた。

 

「がはっ!」

 

頭突きをされ、頭を揺らされてクラクラとする彼女は徐々に視界すらぼやけていた。

 

「大刀洗…」

「どう言う手で強くなったは知らんが過信したな。松本」

 

そこでギロッと彼は彼女を睨みつけた。

 

「ハンデがねえのに力勝負で男が女に負けると思うなよ?」

 

大刀洗は必死で松本を抑えながらそう言うとその直後に彼女を投げ飛ばした。そして部屋の窓ガラスを突き破って外に飛ばされると、頭を強く打って松本はぐったりと廊下に斃れた。

 

「はぁ…はぁ…」

 

そして大刀洗は肩で息をして一切動かなくなった松本を見て壁に座り込んだ。

 

「くそっ、やっぱ痛えな」

 

そこで彼は血が滲んでいる腹を抑えて言うと、今も混戦状態の通信室を見る。

 

「っ、まだ…死に時じゃねえよな」

 

彼はそこで最後に持っていたポーションを飲むと、傷口を強制的に塞いで立ち上がる。

 

「くそっ、血が足りねえな」

 

いまだに腹が生暖かい彼は、そこで妙に寒気を感じながらも立ち上がって転がっていた半自動小銃(MAS-49)を徐に持つと、その照準を破壊した通信機の残骸から照準を合わせて引き金を引く。

 

「っ!?」

 

その銃弾はちょうど通信機の上に飛び乗った姫路の背中から肺と心臓を貫通して、彼女は驚愕をした目で通信機から転げ落ちた。

 

「あや!」

 

すぐに倒れた彼女に銃声をたどって前橋は持っていたダーツを投げると、それは大刀洗の腹に命中した。

 

「うっ!くそっ…」

 

また腹かよと言う前に彼は追撃で松島の持っていた小銃で撃たれた。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

立哨をしていた兵士二人を斃して彼女はドアを開けて中に入る。

 

「…」

 

入った部屋の中には大きな演算機がコードを繋げて動いたまま今も起動しており、それでここが独立した電源を通していたのかと納得した上で部屋の様子を見ていく。

 

「研究員は何処に行った?」

 

そこであまりにも静かな光景に彼女は首を傾げて彼女は部屋の前で立っていると、再び巨大な…しかも今までの魚雷攻撃よりも大きな振動が襲って目の前の演算機のガラスにヒビを入れていた。石垣が点火した自爆用の爆薬が起爆したのだ。

 

「くそっ、これじゃあ転移装置が起動する前に沈むわよ」

 

立川はそこで軽く毒吐いてから舌打ちをすると、後ろから足音がしたので、咄嗟に持っていた拳銃を向けた。

 

「僕だ。撃たないでくれ」

 

そこで姿を見せたのは小野寺で、内心で『間違って撃ってやろうか?』という邪心が芽生えたが、とりあえずは一人でどうしようもなさそうであるために銃口を下ろした。

 

「ありがとう」

 

彼はその手に信号拳銃(カンプピストーレ)を握っており、小型榴弾を装填していた。

 

「で、わざわざ追いかけてきたの?」

「ああ、一人じゃあ不安だったからね」

「…」

 

そこで不満な顔を見せる立川。この男の面倒なところはこういう気遣いが本心から来ていると言うところだろう。純粋な善意と言うのがとてもとーっても厄介なことを彼女はこの数ヶ月で染み染み理解した。

 

「行くわよ。この先にあるはずだから」

「ああ、行こう」

 

立川は倒した歩兵から小銃を奪って背中に背負うと、奪った弾薬盒付きのベルトを巻いた。

 

「この先は完全に未知の空間だ」

「ええ、不気味なほど静かよ」

 

彼女達はそこで腰を低くして静かな演算室から奥に繋がる部屋を見る。

 

「ここにいた研究員がいないのか…」

「ええ、もし逃げ出したなら。お外に居る天使様に昇天させられているはずよ」

 

そう言い、兵士たちが恐れ慄いて海に飛び込んだ所を後ろから撃たれたと言う噂を思い出す。おそらくは本当だろう。今の彼は本気だ。

 

「ははは、おかげで僕の砲兵としての仕事は早々に閉店店仕舞いだ」

「そもそも開店準備中に店ごと破壊されてやんの」

 

立川はそう言うと、二人は静かに目の前のドアを開けて中に侵入した。




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