戦場からこんにちは   作:Aa_おにぎり

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一七三話

弾薬庫での戦闘は三沢が撒いた発煙弾と弾薬庫と言う特殊な環境が鈍器を使った殺し合いに発展していた。

 

「っ!!」

 

岡崎はそこで棚に叩き付けられて物資が零れ落ちる。

 

「くはっ!痛ってぇ…」

 

そう叫ぶ彼の視線の先には清洲が足を上げた状態から地面に戻していた。

彼はその目に見たことのない紋様が浮かんでいたことから、何かされたようだった。

 

「クソッタレが。何でこんな強いんだよ」

 

そこで彼は同級生を見ると、円匙を持ちながら足元にあった銃剣を投げナイフの要領で投げた。

 

「ぬうぁあああっ!!」

 

そしてそのナイフを避けた直後に突進をして彼を棚に叩き付けて、棚から物資を転がした。そしてそのまま押し倒すと、その衝撃でドミノ倒しに棚が倒れて行った。

 

「っ!っ!」

 

そこで剣を持っていた腕を掴んだ棚に叩きつけると、相手が剣を手放すまで頭突きを喰らわして足を蹴飛ばす。

 

「くっ…」

 

そしてありとあらゆる攻撃を受け清洲も岡崎を蹴るが、距離が近いのでまともなダメージにならない。

 

「クソが…」

 

そこで彼はサーベルを落としてから頭突きをしようとした岡崎に自分から当たりに向かうと、その反動で彼は一瞬頭が吹っ飛んで意識が飛んだところを横投げをされて弾薬庫の通路に転がる。

 

「はぁあっ!ああっ!ああっ!ああっ!」

「っ!!」

 

そしてそこで彼は両手で銃剣を持って突撃をすると、その連続突き刺しに岡崎は足を連続で蹴って突き刺しを避けて、そのまま何度も地面を蹴って攻撃を避ける。

 

「くそっ!」

「ごふっ」

 

そして清洲が銃剣で床に刺した直後に銃剣を横から蹴り飛ばし、次に彼の太腿を蹴飛ばして姿勢を探すと、直後に足で彼の体を掴んで体を近づけて落としかけた銃剣を奪って刺そうとしたが、それを清洲は岡崎の胴を掴んで足で地面を蹴るとこで照準をずらして通路に飛ばす。

 

「居たぞ!」

「撃て!」

 

すると煙の隙間から抵抗軍の兵士が二人を見て持っていた拳銃を撃ってきて、二人は慌てて距離を取った。

 

「っ…」

 

投げ飛ばされたり叩き付けられたりして身体中が痛む彼は、そこで清洲から奪ったスパイク状の銃剣を持って警戒をすると、先ほど撃ってきた兵士を棚の影から襲って心臓を突いた後に肺と横隔膜、腹を連続で突き刺した後に銃剣を落としてその顔を首元を掴んで棚に叩き付ける。

 

「っ、くそっ!」

 

そこでもう一人の兵士が持っていた拳銃を撃とうとすると、先に岡崎は叩きつけた兵士が持っていた撃ち掛けた拳銃を持つ腕を掴んで銃口をその兵士の方に向けた。

 

「ぎゃあっ!」

 

そして敵が発砲をする前に拳銃弾で撃ち抜かれると、その兵士の心臓に運良く命中した。そしてその様子を見ていた撃った兵士は驚くと、岡崎はそこで気配を感じてその体を通路に向けると、そこで発砲をした他の兵士の弾丸が掴んでいた兵士に当たった。

 

「味方に当ててるぞ!」

「馬鹿撃つな!」

 

そこでその兵士達は叫ぶと、岡崎はまだほぼ使っていなかった魔法を使って身体強化で一時的に体の筋力を増強させると、その男を彼らに投げ飛ばした。

 

「「うぎゃあっ!!」」

 

そして死体が投げ飛ばされ、まとめて薙ぎ払われた彼らは弾薬庫の通路に遠くバウンドしながら倒れると、そこをすかさず落ちていた拳銃を握って岡崎は引き金を引く。そして全部撃ち切ると、振り返ってその拳銃を近づいてきた清洲に投げつけた。彼はそこでその拳銃を剣で弾くと、その投げつけられた拳銃に目が行った隙にもう一人の死体から拳銃を奪って彼はその引き金を引いた。

 

「っ!!」

 

その攻撃は障壁魔法で塞がれたが、岡崎は棚から落ちて地面に転がっていた攻撃手榴弾(OF37)をサッカーの要領で足の甲で蹴飛ばした。

 

「っ!!」

 

そして正確に飛んだ手榴弾に清洲は目を見開いてその手榴弾を剣で弾くと、直後に今度は安全装置が外れた手榴弾が飛んできた。岡崎は自分の足が壊れる勢いで手榴弾を蹴飛ばして二発目を投擲すると、その手榴弾は清洲の腹に当たって一発バウンドをして地面に転がった後に爆発をした。

 

「うほっ!」

 

その爆発の衝撃で岡崎はその衝撃波で内臓や骨が破壊をされた。破片の怪我こそ無かったが、彼は口元を血が滴る。

 

「くそっ、しくったな…」

 

攻撃手榴弾だから無問題かと思っていたが、予想外の攻撃力に彼は自爆をしてしまっていた。そして彼は体が動かなくなって呆然と爆発をした後を見ていると、そこから音がした。

 

「嘘だろ…」

 

するとそこでは、手榴弾の爆発をモロに受けたはずの清洲が片腕が吹き飛んで血をダラダラと流しながら歩いてくる景色があった。すぐに彼はそれが死霊魔術によるアンデッド化であると察すると、彼は顔を青くした。

 

「夢を諦めて死んでくれよ…」

 

もうどうしようもない状況に思わず嘆かざるを得なかった。

そして弾薬庫では他にも倒した死体が起き上がる現象が起こっていた。

 

「くそっ、皆んなアンデットになっちまった」

「殺しまくった弊害がこれかよ」

 

青島と大泊は散弾銃を持って血を流すアンデッド達を見て毒吐く。

 

「やっぱりそうよね」

「死体すら有効活用されるとは…」

 

根室と三沢も周りのアンデッドの中に厚木や大湊の姿も確認する。同級生達もアンデッド化する薬を打たれていたことに、三沢達は悲しんだ。

 

「火も頭もダメ…どう対処すりゃあ良いのよ」

「私にも分かりかねますね」

 

そこで三沢は散弾銃でアンデッドとなった兵士たちの足を撃つと、根室はアンデッドを円匙を使って突き飛ばしてから言う。

 

「くそっ!アンタの投げた煙で何も見えない!」

「ここで雨でも降ってくれませんかね…」

 

彼女はそこで自分が撒き散らした発煙弾によって視界不良となったことが仇となっていることに後悔をしながら銃剣を振ってアンデッドを避けると、直後に天井から大量の海水が降ってきた。

 

「うわっ」

「え?何!?」

 

天井のスプリンクラーから大量の海水シャワーが降り注いでくると、彼女達は一切に体が濡れ始めて行って、目の前の光景の変化に驚いた。

 

「見て、アンデッドが…」

「…」

 

そこで葛折になって海水を被ったアンデッドは倒れて行った。

 

「マジか…」

「誰だ?スプリンクラーを起動したのは?」

 

海水が弾薬庫に降り注ぎ、倒れていくアンデッド達を見て青島達は銃を向けたまま驚きの目でその光景を見ていた。

 

「…」

 

そして広がっていた白煙も雨と共に流されていくと、岡崎はアンデッドとして復活していた清洲が倒れ込んで自分の体に飛び込んだのを見てまだ温かい血の匂いを感じつつ、それが海水によって流れて行くのを感じる。

 

「もうすぐ、全部終わるぞ」

 

彼はそう言うと、ゆっくりと目を閉じながら最後に海水のシャワーを浴びて斃れた。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

通信室で撃たれた小山は、戦闘の混乱に乗じて通信室を抜けて船内の非常用消化装置のある部屋に向かった。

 

「っつ!はぁ…はぁ…おうっ」

 

彼女は魔力切れの頭痛と眩暈で部屋の中で血を混ぜながら嘔吐してしまう。通信室で背中を撃たれた時に、回復魔法で無理やり体を直したことでその弊害で魔力切れの症状を起こしていた。妙に寒気を感じながら、視界の先ではスプリンクラーが作動をして船内を水浸しにしていた。

 

「流石に…無茶が祟ったかぁ…」

 

そこで血が混ざった痰を吐き出すと、どろっと赤黒い塊が彼女の体から出てきた。

 

「はぁ…ゲホッゲホッ!」

 

消火栓を全開にして倒れた彼女は、そこで部屋にまで海水の匂いが漂い始めると、船内はスプリンクラーのシャワーの音で埋め尽くされていた。

戦前は最高の客船として設計されたこの船は十分な火災対策でスプリンクラーが用意されていたが、アンデッドの大敵である塩を含んだ海水を噴射する構造だった為に救命ボートを破壊され、甲板で火災が発生しても抵抗軍は消化に手間取ってしまっていたのだ。

 

「蓮子」

 

すると水浸しになる中で部屋の入り口に南部が現れた。

 

「茂くん…」

 

彼女は嬉しそうに笑みを浮かべると、彼はずぶ濡れになりながら顔を近づける。

 

「終わった?」

「とりあえずはな」

 

その問いかけに難波な頷くと小山は安堵した。

 

「良くやってくれた。助かった」

「そう…」

 

そこで南部はそこで血だらけの服でもお構いなしに小山を抱える。

 

「この血は?」

「私のよ」

「そうか…」

 

お姫様抱っこの格好で二人はスプリンクラーの作動する船内を歩く。廊下や部屋が全て海水で洗い流されて行く。壁に付いた血管や血溜まりは川の流れのように赤く染まって右側に流れる。

 

「船が傾き始めたか…」

「やっぱり、魔法で支えられているんだ」

 

そこで小山は今まで船が傾いてくる気配すらなかった理由を理解すると、南部も頷いた。

 

「他の子達は?」

「通信室は、俺たち以外で生き残った奴はいない」

「…そう」

 

そこで彼女は通信室があった場所を見ると、そこは床が完全に傾いてしまっていた部屋があった。

 

「何があったの?」

「柱が全部折れたんだ。部屋は原型を留めちゃいない」

 

そう言いスプリンクラーが作動したことで海水が噴き出している水管の隣を降りて行く。

 

「…」

 

そしてその先で横並びになった遺体を確認する。

 

「特に酷かったのは高雄と土浦だった。二人とも滑り落ちた通信機器の下敷きになっててな…」

「うん…そうだったんだね」

 

そこで何とか顔の形がわかる程度まで修復された遺体を見て彼女は血だらけで、南部自身も傷で血だらけになっていたのを見て理解していた。そして小山を場所を開けた床に丁寧に横にさせる。

 

「気を付けて」

「ああ…やり遂げてやるさ」

 

力強く彼は頷くと、そのまま小山に顔を近づけた。

 

「待って」

 

小山はそこで南部に言って静止させる。

 

「続きは日本に帰ってからにしてほしいかな」

「…分かった」

 

彼は頷くと、小山はそこで安心したように優しく笑みを浮かべながら目を閉じて広間には水の流れる音だけが響いた。そして残った彼は爆発で銃身が曲がった対戦車ライフルや散弾銃を捨てて身軽になる。

 

「やり遂げてやるさ。まあ、命を賭けても良いぜ?」

 

そこで彼は血溜まりの方に足を踏み入れると、指を鳴らした途端にその赤い鮮血の塊が意思を持ったように小山達を包むように持ち上げると彼の跡を追って通信室があった場所から離れて行く。




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