戦場からこんにちは   作:Aa_おにぎり

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一七六話

銃撃を回避せざるを得ない状況が作られる。南部の展開した障壁魔法は銃弾を防ぐほどの強度を誇っており、それによって背後の実験器具にを機にすることなく攻撃が可能であった。

 

「…チッ」

 

そこで走って攻撃を避ける彼は軽く舌打ちをして機関銃を二丁も装備している怪物を相手に避ける。

帝国の研究所でその姿を確認していたが、まるっきり武装が増えた以上に多くの性能強化が図られているようで、古城での戦闘と比べれば性能に明確な差が見受けられた。

 

「うごっ!?」

 

その時、連続射撃を受けた一発は彼の肩を貫いた。

 

「くそっ…」

 

そこで小野寺は撃たれた左肩を抑えるとそこで南部は笑う。

 

「どうした?来いよ。乗っ取った体じゃあ満足に動かせんか?」

「…」

 

するとその言葉に答えるように彼はサーベルを持って突っ込んでくると、持っていたカンプピストルを撃った。

 

「っ…」

 

その放たれた擲弾の弾道を読み取ると、体を逸らして爆発の衝撃波や破片から防護する。

 

「ありがとう。君のおかげでこちらも自由が効くよ」

「ああ、全くもって面倒くせえよな」

 

そこで彼は銃身が赤熱した機関銃に新しい弾帯を装填した。そして足を後ろに向けた時、

 

「うおっと」

 

足に何か触れる感覚があって何かと思って下を見ると、そこではジュール・ファブールの死体が転がっていた。

 

「っ!」

「おっと、余所見してると思ったか?」

 

その瞬間に人外の速度で突っ込んできた小野寺に正確に引き金を引いて突進をずらすと、彼のサーベルは南部の脇下に命中した。

 

「っ!」

 

即座に機関銃が彼を狙うが、そのサーベルが持ち上げられて彼の脇に打ち込むと、急所を打たれて苦悶の顔を見せて彼は機関銃の射撃が切れると、小銃の銃剣を小野寺の血が流れる左肩に突き刺した。そして再度発砲をする。

 

「っ!」

 

そして左肩を撃たれた彼は、そのまま左腕がダラリと下に垂れ使い物にならなくなったと判断した。

 

「痛って…」

 

そこで右脇を打たれた彼は、その激痛から腕の神経は痺れて麻痺を起こしたのを確認した。

 

「これてお互い様だな」

「どうだかな。もうすぐ貴様の腕は千切れるぞ?」

 

南部はそう言って小野寺を見ると、そこで足元に転がっていたジュール・ファブールの死体を見ながら聞いた。

 

「で、このおっさんを貴様は殺したのか?」

「ああ、ジュール・ファブールは僕が倒した。剣でね」

「ああそうかい」

 

そこで改めて彼の死体を確認すると、胸に貫通痕があるのを確認した。その死体は剣で殺したという割には、傷口が大きいように思えた。

その傷を見た時、南部はハッとなってあの古城で彼が使っていた武器を思い出す。

 

ッ!

 

その瞬間、小野寺は隠し持っていた拳銃の引き金を引くと、その弾丸は南部の頬を貫通した。

 

 

 

二人が障壁魔法によって二人だけの闘技場を作り上げると、部屋の中で根室と青島は二人の同級生たちと対峙する。

 

「どうする?」

「どうると言ってもね」

 

そこで二人は銃を持って視界に移っている二人のやけ細った女の裸体を見る。髪も白く色が抜け落ちたその二人は、身体中に血赤く灯る刺青のようなものが埋められていた。

 

「ありゃなんだ、ボディペイントか?」

「あら、あなたそう言う趣味?」

「ちげえやい」

 

そこで目元が黒い二人が呼び込んでくるの待っているのだが、彼女たちは先ほどの大泊のような自爆攻撃を警戒しているのか、無闇に接近をしようとせずに遠巻きにこちらの様子を見ていた。

二人きりの闘技場で凄まじい銃撃戦が繰り広げられている中で彼女たちは最初こそその障壁魔法に取り入ろうとしたが、その隙を狙って二人が散弾を撃ってきたので、二人は距離をとって隙を窺っていたのだ。

 

「畜生、こう言う時ゲームなら無限に撃ち込んでやるのによ」

「ここにある設備ぶっ壊したら私たち帰れないわよ」

 

軽く毒吐く青島に彼女はそう言って新しい散弾を装填して装填を終えると、徐に青島に言った。

 

「…ねえ、熊の対処方法って知っている?」

「は?あぁ、なんだっけ。昔本で読んだことがある気がするわ」

 

いきなり何の話をするかと思ったが、念話で彼女に話しかけられた。本当、この念話魔法というのは実に便利なものでこの作戦でも十分な連携を行えたのはこの魔法あってのことであった。

 

「目を見たままゆっくりと後ろに下がる。自分を大きく見せるために両手をあげるってね」

「ああ、あと大きな声が音を出すんだよな」

 

そこで熊の対処法を思い出すと、そこで彼女たちは目の前の二人に銃口を向けたままゆっくりと後ろに下がる。

 

「うぉぉおおおお!!」「わぁあああああああっ!!」

 

そして大声をあげて後ろに下がると、部屋を抜けた瞬間に後ろを振り返った。

 

「「っ!」」

 

するとその動きに舞鶴達は反応をして転移魔法装置のあった部屋を飛び出して追いかけてきた。

 

「そらキタァ!!」

 

そこで二人が追いかけてきたのを足音で探知すると、振り返って銃口を鉄の扉に向けた。周りが分厚い鉄筋コンクリートに覆われた転移魔法装置がある部屋は、分厚い鋼鉄製のドアがあるだけであり、入り口はとても狭かった。

 

ッ!

 

部屋はここ以外に出入り口は無さそうな上に、知能が落ちているように見受けられた二人はそこで単純に青島達を最短距離で追いかけて密集する出入り口に集まったのだ。そこを青島は撃った。

至近距離で散弾が分散すらしない距離で撃たれた舞鶴は頭を破壊されてそのまま血も出さずに倒れ込んで部屋の外の観測施設に溜まっていた泥山に突っ込んだ。

 

「っ!」

 

そして木更津は青島に魔法を放ってその電撃を彼はまともに喰らった。

 

「貰った!」

 

そして魔法を放って照準を行う上で必要な視界が彼に向いた瞬間を狙って散弾銃を向けた瞬間、木更津はその腕を伸ばして根室の首を掴んだ。

 

「くぅっ!!」

 

腕がありえないほど延長して壁に叩きつけられるように首を絞められた彼女は、そこで辛うじて手放さなかった散弾銃をその掴んでいた手に向けて撃ち込んで腕を弾き飛ばすと地面に倒れた。

 

「げほっ、げほっ」

 

そこで彼女は息を吹き返して首元に残った木更津の手を取り除く。鋭い爪で突き立てられていて血が漏れてしまっていたが、辛うじて動脈や神経は貫通していなかった。

 

「青島…」

 

そしてそこで一人の傀儡を倒した仲間を見ると、彼は木更津の電撃魔法で黒焦げになって死亡していた。

 

「っ!クソガァああ!!」

 

そして黒焦げになった彼女は身体強化魔法で蹴って木更津に接近をすると、彼女は吹き飛んで失った手がグツグツと風船が膨らむように皮膚が膨張をしてすぐに元通りになった。

 

「はっ!回復系モンスター?」

 

どういう理屈かは定かではないが、青島が頭を撃ち抜いても血の類の飛び散りが確認できなかったその怪物に、彼女は散弾銃を発射して他の観測機材を巻き込みながら彼女に攻撃を加えていく。

 

キンッ

 

そして彼女に銃剣をつけたまま接近をすると、その刺突攻撃は障壁魔法で防がれ、銃剣が銃口から落ちてしまった。

 

「チッ」

 

すぐに彼女は木更津の肥大化した右手の横薙ぎをのけ反って下に転がって避ける。そして残弾をスラムファイアで連続して撃ち込むと、そこですぐに銃の下の装填口に散弾を装填していく。その隙に木更津は魔法を展開して撃ってきた。

 

「くそっ、こっちも流石に魔力が限界ね」

 

そこで彼女の放つ強力な魔法を見て魔力量が相対的に足りていないだろうと推察できる。

 

「(これだけの魔法をポンポン打てるわけがない。となると…)」

 

彼女はそこで薬剤の瓶を口に放り込むと、強制的に切れかけた魔力を補充する。

 

「やっぱ寿命よね」

 

そこでドクンと心臓が跳ね上がるのを感じて彼女は思わず吹き出た鼻血を拭って木更津を見る。

彼女達はおそらくあの感じからして体から全ての血液を抜き取られた上で改造を加えられたの違いない。代わりに彼女達は獣のように知能が低下した上で強力な魔法を放つことができる。

 

「じゃあ、あの刺青は魔力を流す為のもの…」

 

そこで血のように灯った彼女の身体中に入れられた刺青。うん…多分刺青であっていると思うそれは、彼女達に膨大な魔法を供給する魔力の動力源。

以前に学んだ魔法の勉強で魔力とは血液の循環を通して体に定着をするものだと学んだ。その過程でもちろん、魔法と密接に関わっているこの世界の歴史も学んでいた。

 

かつて、この世界には大陸を統一していたすごい国家があったとかいう話だ。その大陸国家が魔法を最初に見つけて、今では考えられないほど発展した社会を作り上げたという話だ。空飛ぶ馬車や人を乗せる怪鳥や魔物など。

この世界にはかつて魔物がいたそうだが、その巨大帝国の崩壊とともに世の中に一度は解き放たれて世界中を恐怖と混沌に導いたそうだが、銃火器の発明や魔物を駆除する専門のギルドを作ったことによって殲滅させられたという話だ。

 

そしてこの部屋にある機械で使える転移魔法などは、神が与えた以外の力であるとして教国で厳しく制限されていた魔法だ。確かにこういう魔法は禁止される相応の理由があった。それは十分に理解していた。

もしここに小山がいたら、吹き飛ぶ前の教国の禁書を閲覧していた彼女であったらこの目の前の豹変した木更津の正体も言い当てていただろうか?

 

「小野寺の指示に従って動くとはね…」

 

そこで彼女は木更津の伸びる手の攻撃を銃床を使って弾き返すと、反対の手に対応しきれずに横から打撃を受けて床に叩きつけられた。

 

「ああくそっ、こんな化け物と対等にやりあえているとはね…」

 

そこで彼女は動かなくなった右手を見る。おそらくは折れただろう。すると観測機材の影に隠れたことで木更津が追いかけてその姿を現した。

 

「なんとも、悪運が強いことで」

 

これも黒い天使の加護なのかな?なんて感じなから彼女は徐に叫ぶ。

 

「消えせろ!悪魔!」

 

そこで片手を高くあげて魔法式を構築してそれを前に突き出すと、凄まじい火焔放射が命中した観測機材の金属を溶かしていく。

至近距離で放たれたその火焔魔法は、木更津に生命の危機を感じさせて障壁魔法を張らせると、次の瞬間に魔法は切れて視界から消えた。

 

「ドコ?」

 

いきなり目の前から消えた根室に木更津は首を左右に振った。

 

「ここよ」

「ッ!ウギャアッ!」

 

その瞬間、炎で視界を奪った彼女はサーベルを抜いて木更津の背中から突き刺した。




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