視界にまず入ったのは、今ではすっかり懐かしくなってしまった教室だった。
「…」
その中で学校の制服を纏っていた彼は教室の椅子に座っていた。
「なるほど、これがお前の求める景色か」
その時、呆然と教室を見ていたところを話しかけられると、入り口で開いたドアに背を預けていた同じ制服に同じ顔をした男が立っていた。
「他の奴らも同じ場所を記憶に残していた」
そこで彼は教室の中に入って座っていた南部に話しかけてくる。
「貴様らの学校というのは、実に複雑だな」
「ああ、簡単な社会構造を学べる良い機会だぞ?」
「呆れたな。貴様の学校の記憶に碌なものがないじゃないか」
「神様にまで憐れまれるとはね」
軽く肩をすくめて南部は言うと、その男は呆れた視線を向けた。するとアルレッキーノは自分が座っていた机を叩いた。
「南部茂、どうしてそこまでして日本に帰りたい?」
その直後、彼のテーブルには落書きが書かれ、机の棚の中にはゴミが入れられていた。一輪の花の置かれた花瓶が無数に机を埋め尽くすように現れる。その光景を見ながら彼は答える。
「俺の国には祖霊信仰がある。毎年、俺は育ててくれたある男の墓参りを生き甲斐にしている。それだけだ」
そこで立ち上がって彼はアルレッキーノを見る。
「異界の神、俺たちの世界はお前の世界のように一つしか宗教があるわけじゃないんでね」
そこで彼は降ろしていた前髪を下ろすと、その手元に銃剣を握る。机の中に入っていたものだ。
「いいだろう。貴様の命、貰い受けるぞ」
自分の姿をするアルレッキーノはそこでこれもまた見覚えのあるサーベルを持って鞘から剣を抜く。
「「っ!」」
そこで南部は教室の椅子を掴んで放り投げると、その攻撃を彼はサーベルで両断をして直後に南部に突進をかける。彼は花瓶を握るとその花瓶は持っていた場所が斬られて花瓶が下に落ちる。
「実体がない敵とはな!」
「私は昔からこうだった。それだけだ」
アルレッキーノはサーベルを振るうと、その剣先は銃剣とぶつかる。
「ああそうかい。ジュールに小野寺に立川、小山と大忙しだな!」
そこで銃剣で弾いて
「銃?なるほど…」
「ああ、どれだけ読み込んだと思っている」
そこで拳銃を創り出したことにアルレッキーノは苦笑すると、そこでまた発射された拳銃弾を首を傾げて避ける。
「っ!」
そして次に超至近距離で戦う南部を見ると、彼はそこでサーベルの斬撃を銃体で押さえ込んでその隙に銃剣を腹に突き刺した。そして一旦距離を取り、いつの間にか教室の景色が変わってあのマーチバルの戦場に切り替わり、彼の着ていた服は青灰色の懐かしい軍服を纏っていた。その手には
「危なっ」
「他所見は禁物だぞ?」
自分と全く同じの容姿で他人方見た自分でこう言う見た目なのかと内心で感心しながら持っていた小銃の引き金を引くと、その銃身を握ってアルレッキーノはサーベルで南部の右肩を貫いた。
すると今度は私服姿になり、かつて祖父と暮らしたあの家が映し出されて南部はアルレッキーノの胸ぐらを掴んで投げ飛ばすと、障子を破って彼は床を転げまわって、そこで馬乗りになって南部は彼の顔面を連続で殴っていく。子供の頃の体ではあるが彼は容赦がなかった。五発ほど顔を連続で殴られ、その直後にサーベルの柄で殴りかかられると、その攻撃で腹を殴られて彼は直後に体を仰け反らしてロデオのようになって南部は体が弾き飛ばされると、着地をしたのは陸軍大学の講義室だ。
「君、容姿がないね。もっと体を労りたまえ」
「簒奪者が何をほざくか」
南部は唾を吐き捨てると、再び銃剣と拳銃の組み合わせで彼は取っ組み合う。先ほどの打撃で顔から鼻血を流していたアルレッキーノはそこで軽く血を拭って帝国軍の軍服に身を通していた。
「なんだ、思い出巡りの観光に来たんじゃねえぞ?」
「ここは記憶や精神の世界。どちらかが死ぬまで変化は止まらんよ」
そう言うと彼はサーベルで拳銃を弾くと、その直後に上から切りつけると浅い袈裟斬りの形で斬られ、その直後に南部は硬直したところを銃剣を投げつけて至近距離でアルレッキーノの腹に命中する。そして南部は教室にあった万年筆を投げつけて、それを切ったことで彼の顔に思い切り万年筆のインクがかぶられる。
すると次に現れたのは部隊編成後、最初の任務地であるアシューデルの森。そこで南部は
「っ!!」
そして攻撃を受けたことで手榴弾の爆発を優先して対処したことで、彼は足に数発の拳銃弾を撃たれ、切った手榴弾が爆発を起こして二人纏めて吹き飛ばす。
そして次は共和国で暮らしていた時のアパートだ。
「ああ、そういえば君はすぐに諜報員だったか」
「クソ見てぇな教育を施されたもんでね」
そこで軽く血を拭って
「楽しい夜伽はこの時か」
「気色悪りぃぞ。人の記憶を読んでベラベラ喋るのはよ」
そこで散弾を非近距離で発射すると、銃身を蹴り上げて彼はそのまま落としかけた銃の銃口を握ると、銃床で殴りつけた。バキッと音も聞こえ、顎の骨を砕いた。
「っ、痛いな」
するとまた景色が変わり、破壊された共和国軍司令部の景色が広がる。
「っ!」
その瞬間、アルレッキーノは
「っ、テェ〜」
そこで対戦車ライフルを投げて彼はアルレッキーノを見ると、次に視界は異世界人達を収容していた病院の病室に移る。
「っ!」
そこで南部は病院のナイフとフォークを持ち出して彼の間合いに入り込んでナイフで彼の着ていた軍服を切り捨て、左脇にフォークを刺す。
「知ってるか?食器だって使い道によっちゃあ武器になるんだぜ?」
「そりゃあそうだ。世の中武器にならないものは存在しない」
そう言うと、すぐに病室はコテージに切り替わると、そこで南部は
「変わり映えしねえな。アルレッキーノ」
「君が変わりすぎているのだよ。南部くん」
そこで彼は場面関わるたびに武器を持ち替えている彼を見る。南部は持っていた機関銃の引き金を引くと、その弾幕を突っ切ってアルレッキーノはその機関銃の銃身を切る。そして機関銃を破壊されると、直後に彼は再び拳銃を持ち出して引き金を引く。
「(この空間じゃああ魔法が使えない。…もしここを奴が支配しているなら、魔法が使えるはずだ)」
そして斬られた後、冷静に彼は今の状況を分析した。敵の斬撃は、時が遅くなったようにその動き確認できて後ろに飛んでバック転を数回行って距離をとる。
現在、この場所がどう言う場所なのかは彼自身もわからない。しかし自分の姿をした
漠然とした直感で目の前の神にやられたらまずいと警鐘を鳴らしており、その通りに彼は迎撃を行なっていた。
「あのジュール・ファブールとの関係は?」
「彼は良き従僕であったよ。共和国が大陸の長となることを夢見ていた理想家だ」
彼はそう言い、持っていたサーベルに付いた血を袖に吸わせて血を拭き取る。南部の血で濡れたそれは、彼にこの世界を蹂躙できていないことを示唆させた。
「(なぜだ?なぜ支配が進まない…!?)」
彼は別の場所でも目の前の少年を斬っていた。無数に分身という名の自我を作って攻勢をかけたが、一部は既に撃退までされている始末だった。
「(彼の手に直接触れてはならんな…)」
そこで彼は目の前で相対している男から感じられる気配に思わず息を呑む。そこから感じ取れる神聖は、異世界の神の支援を十分に受けている証拠であった。
そしてそもそもの南部茂という男のフィジカルが、姿をコピーしたところでは真似できないところがある。弱い自我では小野寺に施した催眠のように崩壊する危険性があったので、彼は自分という個を強く認識することで古来より人から人に乗り移って生存していた。
「(やはり異世界人を憑代のは危険だったか…)」
同じ人間であれば可能だろうと思っての無作為な行動であったと彼は内心で後悔する。しかしそのことを悟らせないように彼はサーベルを振って南部を追撃していく。
「あんた、小山蓮子を狙わせるために小野寺に催眠術でもかけただろう?」
「…さぁ?どうだったかな?」
軽く惚けてアルレッキーノは言うと、そこでサーベルをその手で押さえ込まれた後に南部に勢いよく続きをされ、頭が揺らされたことで姿勢がもつれた。
するとコテージから景色は雨が降り続けるリユンのアパート屋上に移動する。
「はぁっ!!」
そこで南部はよろけた彼の金的を目掛けて蹴り上げると、革靴で見事にクリーンヒットして彼の表情が歪んだ。
「おぉ…」
思わずサーベルを握る手が弱まると、その隙に彼はサーベルを蹴飛ばしてアルレッキーノの胸ぐらを掴んでアパートの上から投げ飛ばした。
「…」
そして投げ飛ばした先で南部は静かに見ようとすると、
「っ!?」
突如背後から現れた彼に首回りに腕を巻かれて気絶させられそうになると、咄嗟に南部は肘を立てて腹に攻撃を加えさせ、敵を怯ませてから後ろに飛んだ。そしてそのまま屋上の床に叩きつけると、後ろで悲鳴がかすかに聞こえた。
するとまた視界が変わって、今度は教国の地下奥深くにある禁書保管庫に変わる。
「今度は禁書保管庫か」
「神様が自分の作った施設をぶっ壊すとは思わなかったぞ」
そこで南部は本棚にあった一冊を持つと、それをサーベルで突進をしてきた彼に向けてサーベルを数貫通させた後に下に叩き落として姿勢を崩させた後、本の角を彼の頭上から叩きつけた。
「ごほっ!?」
そして叩きつけられた彼は、その激しい痛みから思わず地面に叩きつけられた。すかさず追撃を行うが、それを横に転がって回避し、貫通した本を、サーベルを振って南部に投げつけた。投げつけられた本は南部の側頭部にクリーンヒットした。
「がぁっ!イッテェな!」
そして思わず毒吐いてしまうと、また視界は統合作戦本部に切り替わった。
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