今後もよろしくお願いします。
五条悟は無領空処をくらいました。
その影響で今回の五条は滅茶苦茶になっています。
side:五条
(おいおいおい、ふざけんなよ!!何でロリコンになってんだよ!!傑の趣味か!?そうなのか!?)
思わず頭を抱えてしまった。あの野郎、俺に隠れてこんなアブノーマルな性癖を持ってやがったのかよ!!
俺は混乱しながら傑を観察することにした。まずは様子見からだ。
(にしても本当に小さいな。小学校低学年くらいじゃないか?)
服装もボロボロだし、傑の趣味にしては珍しいな。まぁ、あいつも男だからそういうこともあるか!うん、きっとそうだ!!そうに違いない!!(錯乱中)
(あれ?ってことはつまり、傑の奴、小学生くらいの女の子が好きな変態ってことになるのか?歌姫のことは??)
あまりの衝撃的な事実に思考が脱線してしまった。ヤバいな、これ現実逃避してるわ……
とりあえず落ち着いて考えよう。まず、傑はどんな風に過ごしてたのかを考えるんだ!そうすれば見えてくるものがある筈だ!
(えーと、確か『任務に行ってきた』ってことで良いんだよな?)
ということは既に村に行って何かの任務をこなしていたということになる。そしてその内容は恐らく……
(なるほど!この子は迷子でそれを保護したのか!それなら納得いく!)
となると次の問題はこの子が誰なのかということだが……
(待てよ……さっきから妙に静かだぞ……?)
そこでふと少女達に違和感を覚えた。普通なら泣いている筈なのに全く泣いてないどころか、一言も喋っていない。それどころか瞬きすらしていないように見える。まるで人間ではないようだ。
「さぁ、行こうか」
「う、うん……」
傑が手を差し出してきたので素直にその手を取ると、少女は嬉しそうに微笑んだ。
(何だろうな、この違和感……)
「悟、どうかしたのかい?」
「い、いや、何でもない……」
「そうか。それより私達を泊めてくれる家があるんだ」
そう言って歩き出す傑とその少女。
「ちょっと待ってくれ!!」
「ん?」
「その子達も一緒に連れて行く気かよ!?」
「そうだけど?」
「お前正気か!?そいつ操られてんだろ!?」
明らかにおかしいだろ!!仲間を危険に巻き込むかもしれないんだぞ!?それなのになんで平気なんだよ!?こいつ頭大丈夫か!?それとも洗脳されておかしくなったのか!?
「待って!流石に怒るよ!!」
硝子も珍しく激怒しているようだ。当然だ。俺だってキレてるからな!
「こんな衰弱した子供がそんな非道なことする訳ないじゃん!」
どうやら硝子も操られたらしい。
「かわいい子達だな。アメでも食べるか?」
どうやら夜蛾先生もロリコンらしい。
(どうすんだよ、これ……)
「そうだね。悟の誤解を解くためにもこれまでの事を話そう」
―――――――――――――――
side:夏油
2007年9月 ■■県■■市(旧■■村)
〇任務概要
村落内での神隠し、変死、その原因と思われる呪霊の
「これはなんですか?」
対象の呪霊を祓った後、ある民家から呪力を感じたため確認に向かった。
呪霊の呪力と思えず、本当に弱い呪力の為念のために向かった。
「夏油君、これは……」
冥さんから見ても異常だろう。
私達の目の前に二人の少女が居た。それも、座敷牢に入れられ、ボロボロの少女が。
「なにとは?この二人が一連の事件の原因でしょ?」
「違います」
「この二人は頭がおかしい!不思議な力で村人を度々襲うのです!」
「事件の原因は、もう私達が取り除きました」
「私の孫もこの二人に殺されかけたことがあります!!」
「それはあっちが―――」
「黙りなさい!化け物め!!」
「あなた達の親もそうだった!やはり、赤子の内に殺しておくべきだった!!」
これが私達が守ってきた
「皆さん。一旦外に出ましょうか」
呪霊の生まれない世界のために非術師を皆殺しにする。
かつて九十九由基に肯定してもらった考え。
術師からは、呪霊が生まれないんだ。
『……何が役立たずだ。あいつらの気持ちを無視しやがって』
『うちの夏油に変なこと吹き込まないでください、おばさん』
『呪詛師になったら皆と会えなくなって、皆を悲しませる』
「……冥さん、歌姫先輩、頼みがあります」
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side:五条
「そうしてたまたま発生した呪霊によって村人が虐殺されていて、たまたま入った民家に居た少女達を助け出したんだよ」
「まさかたまたま厄介な呪霊の相手をした後に、たまたま村人達の醜い心から発生した呪霊が出現するとはね」
「私達も必死に逃げてきたんだよ」
(こいつらやりやがった!!!)
「何を考えているのか知らないけどね」
「私達は呪霊を意図的に発生させる方法なんて知らないから」
「「「全て偶然だから」」」
こ、こいつら……わざと呪霊をその場で生み出しやがった!
「あぁ、冥さん。あなたへの感謝の3000万は後日振り込みますね」
「そうだね。私はこんなに良い後輩を持って幸せだよ」
「私はあの子達とショッピングに行きたいな~」
「それなら村から逃げている時にたまたまポケットに入っていた貴金属を売りに行きましょう」
何か裏金について相談しだしたし。本格的にやばい。本当に呪詛師になりやがった。
「ほら悟。この子たちの服買って来て」
「硝子!今はそんなことを言っている場合じゃないぞ!!」
そう言うと硝子が冷たい目で俺を見て来る。
硝子だけじゃない。皆から非難の目を向けられる。
「あの血の凍った奴はほっとこ」
「そうだな。あの冷酷非道な奴は後で黒閃ビンタの刑に処す」
「早く中に入ろう。あの金づるは、私が金を搾り取っておくから」
「ごめんね。あのグラサンは人の心を失くした怪物なの」
「とりあえず着火したダイナマイトでも食べさせましょ」
皆は俺を無視して呪詛師?の三人は少女達を連れて行く。
あれ?俺がおかしいのか?
俺は正しいよな?そうだよな!?そうだと言ってくれよ!!誰か助けてくれよ!!
そんな俺の叫びも虚しく、皆は行ってしまったのだった……
(どうしてこうなった……?)
俺は頭を抱えた。どうしてこんなことになったんだ……?
(いや、冷静になれ……きっと何かの間違いだ……)
自分に言い聞かせるように何度も繰り返す。
(傑達がそんなことするはずがない……だって、親友だぞ……?)
そう思いながらも不安で一杯になる。もしかしたらという疑念がどうしても拭えないのだ。
そして数分後、戻ってきた三人は俺に服を手渡して来た。その服には血がべったり付いていた。どうやら、あの少女達は相当過酷な環境にいたらしい。
今は引きこもりの七海、ロリコンの夜蛾先生、ヤニカスの硝子が面倒を見ているとの事だった。
(マジで何やってんだよ……)
あまりの事態に思考が追い付かない。それでも何とか平静を保ちつつ質問する。
「なぁ傑……」
「なんだい?」
「本当にあの子達を救う為にやったんだよな……?」
「そうだよ」
傑は一切悪びれることなく答える。その様子を見てますます分からなくなった。
やっぱり嘘なのか?それとも本当に救いたいと思っていたのだろうか?
いや、落ち着け俺!まだ結論を出すのは早すぎる!もう少し様子を見るんだ!
そう自分を納得させつつもモヤモヤとした気持ちは晴れなかった。
「ところで悟」
「なんだ?」
「私達、親友だよな?」
「そうだけど……」
「
「お願いだから黙っててくれ!!」
こいつ本気か!?本気で言ってんのか!?お前正気か!? 流石に見過ごせなかったので止めようとするも――
「……ダメかい?」
「うっ……!」
悲しそうにこちらを見つめて来る傑に思わず怯んでしまう。何だこの罪悪感は……!以前の誓いの件で心が折れそうになる。
しかしここで引き下がってはいけないと思い直し説得を続ける。
「何言ってんだよ!!そんなの許される訳ないだろ!!」
「何故だい?」
「当たり前だろ!?」
「それなら良いというまで拷問するだけだ」
「何でそうなるんだよ!!」
もう意味が分からない!!そもそもお前はそんなキャラじゃなかっただろうが!?何があったんだよ!!?
「うるさいわねー」
そこでようやくまともな歌姫先輩と冥さんが出て来る。良かった……これで少しは話が通じる。
「さっきから何なのよ!呪術師が法律なんて守ってんじゃないわよ!」
「そう通りだ。最強の五条悟が法や倫理なんて気にしない方が良いよ」
(お前らが言うなよ!!!)
歌姫の発言が信じられないし、冥さんも何言ってくれてんの!?もう嫌だ!!こいつら怖い!!
(ダメだ……このままだと俺がおかしくなる……)
これ以上こいつらと一緒にいたら頭がおかしくなりそうだ。
もう限界だ……帰ろう……帰って寝よう……明日になればこいつらも元に戻っているはずだ……
「待て。悟がどうしてもと言うなら考えがある」
「……一応聞くけど何だよ?」
嫌な予感がするが聞かずにはいられない。一体どんな言い訳をするつもりなのか?
「「「「私達勇者パーティとあの子達の保証をかけて勝負しろ、五条悟!!」」」」
「俺は魔王か!それに何で硝子までそっちにいるんだ!」
「呪術師は強きをくじき弱きを助けるためにいるからだよ」
「こっちはバッファーの歌姫、ヒーラーの硝子、前衛の冥さん、数千の呪霊がいる」
「いくら五条悟でも勝つのは難しいだろうね」
「今こそ、日ごろの恨みを晴らす時!!」
(完全に悪役の台詞じゃねーか!!)
本作のタイトルは「庵歌姫の凶行」なので、これくらいならいいですよね?