庵歌姫の凶行   作:大紫蝶

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最悪な一日(後編)

side:五条

 

 あの後、俺は傑達に負けた。

 

「流石の五条君も私達には勝てなかったようだね」

「そりゃ、冥さんが歌姫のバフかけた上で天逆鉾を使ったら勝てないですって」

「そこに私の呪霊玉を気絶するまで喰わせたんだ」

「ところで、なんで俺のズボン脱がせたの?」

「「「「そんなのケツから呪霊玉ねじ込むためだろ」」」」

 

 本当に怖いよ、この魔王パーティ。

 いきなり天逆鉾で術式解除されてから半殺しにされ、そこから吐瀉物を処理した雑巾みたいな物を喰わされたんだ。さらに貞操の危機だったとは……。

 

「でもさ、実際無理だと思うぞ。普通に俺の親や御三家が黙ってないから」

「それなら『御三家の当主全員が養子の件を認めたら』という契約にしよう」

(いくら頭のおかしい御三家の人間でも男子高校生が幼女を養子にすることには反対するだろ)

「それなら良いぜ。その時はなんでもいう事を聞いてやるよ」

「何でも?」

 

 なんか冥さんが期待しているが、流石に無理だ。

 どっかの家は反対するに決まっているさ。”五条家の次期当主”からの頼みなんて断るに決まってるからな!だって俺達、仲悪いもん。

 

―――――――――――――――

 

「と、いう訳だ。君たちは私の家族になったよ」

「「わーい!!」」

 

 やべぇよ。御三家はロリコンしかいなかったよ。

 

「まさか全員が了承するとは」

「五条家は『愛する息子の親友の頼みだ。五条家の威信にかけて手伝おう!』なんて言ってたわね」

 

 まさか両親どころか、親戚中から愛されていたことが裏目に出るとは。

 

「禅院家も凄かったね。『まぁ、術師のガキを保護するためなら』って言ってたし」

 

 あの飲んだくれはヤバい。自分のオススメ女児向けアニメを教えて酒を飲み始めやがったし。

 

「加茂家なんて『一般人の事なんかどうでもいい』などと言っていたね」

 

 あそこは後継者問題で忙しいから仕方ないだろう。それでも否定して欲しかった。

 

「なんだよ!そこは五条家の妨害しろよ!なんで仲良くなってんだよ!!」

「そんなこと言うモノではないよ。仲が良くて悪い事なんてないんだから」

「むしろ、五条家は村落壊滅の件を隠蔽してくれるんでしょ?本当に良い家ね」

「まぁ、今回の件は一般家庭出身の夏油君と虐げられていた少女だからね」

「特に強い術式じゃないし、呪術師の考え的に」

「「「孕み袋()なんてどうでもいいんだろ」」」ハイライトオフ

 

 まさか、呪術界の男尊女卑の考えが影響するとは……本当にどうしようもない考えだな!

 しかも女子三人は御三家に激怒してるし。

 

「そういえばここにも御三家の次期当主が居たね」ヒソヒソ

「そいつもボロボロの少女を前に酷いこと言ってたな」ヒソヒソ

「きっとそういう考えが染みついているのよ」ヒソヒソ

 

 俺は株がまた落ちた気がする。

 

「それにしても、どうして御三家の当主がここにいたのかな」

「それは悟の更生のためだ」

「ゲッ!夜蛾先生……」

 

 そうだった。あのロリコン共はクソみたいな縛りのために来たんだった。

 

「その件は白紙になった。五条家から『悟のことを信じてください』と言われてしまったからな」

 

 親にそんな事言わせたのか、俺。流石に反省しようかな。

 

「それよりもあの子達のことだ。住居は高専の女子寮、勉強は私や窓が教える。だが、服や日用品がないからな」

「それなら女子三人と一緒に行きますか?私も女子に必要な物は分からないので」

「安心したまえ夏油君。私が完璧にやろう」

「私が良い店知ってるし、とりあえずは心配ないと思うよ」

「それなら遊びに行きましょ!せっかく窮屈な所から解放されたんだから!」

「そうだな。それがあの子達のためになるだろう」

 

 なんか、あのガキ二匹が高専に住むこと決まったんだけど。

 

「傑と女子三人には『少女二人を楽しませる』という任務を与える。期間は二週間だ!」

「「「わーい!!」」」

「先生、大丈夫なんですか?その間の任務とか」

「それなら悟が4人分こなすから問題ない」

「そんなの聞いてねぇ!」

「資金も全額悟負担だ。お前たちも好きなだけ楽しんで来い」

 

 ふざけんな!なんで俺がそこまで面倒見ないといけないんだよ!!

 

「なぜなら悟は『御三家の当主全員が養子の件を認めたら』という契約を結んだ。そして『その時はなんでもいう事を聞いてやる』という縛りを結んでいたからだ。他者間での縛りは強いからな。これを破棄すると悟に何が起きるか分からない」

「はぁ!?」

「よって全て悟の責任だ。悟以外は楽しむといい」

「悟、任務の件頼んだ」

「悟、バーキン買ってくれてありがとう」

「五条君、私は欲しい株が1億円分あるんだがね」

「五条、私の欲しい特級呪具買ってくれてありがとうね」

「全て買ってもらうといい。七海も海外に別荘が欲しいと希望していたぞ」

 

 ……もう…どうにでもなれよ。

 

―――――――――――――――

side:家入

 

「そういえばあの子達の名前って何なの?」

「いまさら過ぎるだろ。たしか美々子と菜々子だよ」

「姉の方が菜々子だったわね」

「夏油君の養子だから夏油菜々子、夏油美々子になるのかな?」

 

 あのクズが見捨てようとした少女、菜々子と美々子は夏油の養子になった。

 その過程で必要なモノと二週間のバカンスは全て悟が負担してくれる。

 

「あのクズも良いとこあるわ」

「1000万の依頼料、夏油君からの追加の3000万の負担、さらに1億円もくれるとは」

「特級呪具は、億単位のお金が必要だからありがたいわ。これで一級への道が開けそう」

「さらに後輩に別荘も買ってくれるとは。持つべき者は金持ちの友人だね」

「それよりどこに行く?色々回りたいんだけど」

「ディズニーとUSJは定番だろ?山間の村出身なら海水浴で沖縄もいいかもね」

「五条タクシーがあるから移動時間とか無視できるわね」

「ディズニーとかに泊まっても良いだろうね。他にも高級ホテルのスイートルームとか」

「流石に海外は止めとこ。パスポートの件もあるし」

「少女向けならサンリオもいいのではないかな?何か夢中になれるモノがあるかもしれない」

「じゃあディズニーのランドとシー、USJ、富士急ハイランド、サンリオピューロランド、沖縄での海水浴、動物園と水族館とか?」

「後は気分で決めよう。金なら腐る程あるからね」

 

 五条家持ちの豪遊旅行!きっとあの子達も楽しめるはずだ。

 

―――――――――――――――

side:五条

 

 街を歩きながら、俺は獲物を探していた。

 俺が欲しかったのは美しいもの。若く、顔のいい女。俺に都合のいい女だけが、この五条悟の隣にふさわしいのだ。

 

「よく考えたら俺ほどの男なら適当な女を捕まえて貢がせればいいんだよ。呪術師の女みたいに俺をパシリにしないで、俺をチヤホヤしてくれる都合のいい女を集めればいい」

 

 全国各地に現地彼女でも作って、好きな時に好きな女に相手してもらえればいいんだ。こんな考えになったものあいつらが悪い。

 最悪な一日を過ごし強制的任務を受けた翌日、俺はナンパをした。

 そうすると面白い様に女が釣れる。それから俺はナンパしまくった。まるでゲームのキャラ集めみたいに手に入って楽しかったぜ。

 しかも他の女を匂わすと対抗心からか、それとも捨てられたくないからか必死に尽くしてくれる。その様子が楽しくて仕方ないんだな、これが!

 

「他の男術師が調子に乗るのも理解出るぜ。将来ホストでもやろうかな~」

 

 狙いを定めるようにゆっくりと街の景色を見渡す。すると、ゆるいウェーブの髪の女が視界に入ってきた。彼女はまさに俺のタイプ。美しい瞳と、そのスタイル。完璧だ。

 彼女が通り過ぎようとする瞬間、俺は彼女の腕を軽く掴む。

 

「ねえ、君、ちょっと待ってよ」

 

 彼女は驚きの表情を浮かべたが、俺の顔を見てすぐに興味津々の目で俺を見つめ返した。この展開、悪くない。

 

「何か用?」

「君と、ちょっとお話がしたくてね」

 

 俺はニヤリと笑みを浮かべた。俺のような男に惹かれる女がたくさんいる。

 今日も、また新たな獲物を手に入れることができそうだ。




 という訳でミミナナは夏油の養子になりました。
 そして、五条は普段のストレスを堅気の女性で発散するクズに成り下がりました。

 ですが安心してください。本作での五条悟VS夏油傑に必要な展開ですので。そして、調子に乗ったクズには天誅が下るので。
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