Hello,Goodbye,Night City‼   作:不落八十八

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十一話

 デイビッドの母親であるグロリアさんを簡易ベッドに寝かせたオレは彼女を介抱する名目で上着を脱がせた。

 案の定、背中の内側にテープで杜撰に止められた軍用試験モデルのサンデヴィスタンがあった。

 市販されているテックよりも遥かにごつく、明らかに内側に仕組みがあるように見える。

 ……代わりに毛布を被せてやり、目が覚めるまではこうしておいてやる事にした。

 さて、倉庫での一件でメインたちと関わりを持ってしまったらしいが……。

 マジでどうしよう、何にも考えてなかった。

 いや、ほんと、可能性はあるだろうなとは思っていたが、まさかこんなトントン拍子で話が進むとは思ってなかった。

 にしても、生のレベッカはエロ可愛かったなぁー、思わず亀甲縛りで転がしたけど生意気ギャルには良い薬だろう。

 本来ならルーシーと先に出会う運命にあるデイビッドであるが、今生ではレベッカが先に接触した形になる。

 アニメでは一歩後ろで姐さん女房をしていたレベッカであるが、今なら一人勝ちできる環境だからな是非とも頑張って欲しい。

 

「なぁ、ジャグラ。それって……」

「言うまでも無いだろ。これがグロリアさんの取引のブツ、軍用試験モデルのサンデヴィスタンだ」

 

 テッキールームの机に置いて、袋を開封して見れば何とも言えない異臭が部屋に漂った。

 恐らくは消毒を兼ねたケミカル溶剤だろうが、慣れない鼻からすれば異臭でしかない。

 でろんっとデスクに出したそれにソーサーのコードを突き刺し、中身を覗き見る。

 うーわ、態とこれICEの強度下げてやがる、後で回収する気満々じゃねぇか。

 バックドアらしき通信回線の工事跡もあるし、これのせいでアラサカに情報が渡っていたのだろう。

 電磁ロックを部屋に掛け、電波を遮断した状態で中身を分解して吟味していく。

 ふむふむ、うーわー、成程ね、そりゃあ廃人になるわこんなもん、外部取り付け式サイコブースターの様なもんじゃんか。

 市販に出回るサンデヴィスタンよりも遥かに大きい理由がこれだ。

 内側に人工生成された人造生体神経が内蔵されており、これが高過ぎる負荷の一部を請け負っていた訳だ。

 言うなればゴリラアームを取り付けた事で肉体数値以上の反動や性能を引き出せるようになるのと同じで、これを取り付けた事により自身の反応数値よりも高い数値を叩き出せるマジモンのブースターと言う事だ。

 成程なぁ、反応20用と言うよりかは、反応+10みたいなチートパーツだった訳だ。

 これなら元より反応値の高いデイビッドが使えば連続使用だなんてあたおかな使い方をしても問題が無い筈だ。

 つまり、これをメインに移植したとしても直ぐには廃人にはならないが、使用する度に自分の神経を過敏化させ寿命を擦り減らしながら扱えると言う事だ。

 ……並みの人間なら持って半年、使用回数に応じてマッハで減って行く事だろう。

 そんでもって、このテックの本懐とも言える部品……、部品か、これ、まぁ、部品として……。

 緑色のどっかで見た事のある液体が生体神経の保護に使われている訳なのだが、これデイビッドが終盤に使わされたあの緑色の液体カートリッジだろこれ。

 つまり、生体神経に直接サイバーサイコシスを発症させられる程の劇薬を漬け込んでいる訳で。

 ソーサーによって調べられた性能が網膜に浮かび、どういった結果を齎すのかを吐き気がする程理解させられる。

 

「……成程、人格コンストラクトだなんてもんを作る奴が頭に居る企業の産物だ、いかれてやがる」

 

 ……言うなれば、脳缶の神経Verみたいなものだ、これは。

 人一人だと制御し切れないロボットの椅子の後ろ辺りに設置されるような、非人道的な科学結晶を人造した生体パーツで再現しているだけに過ぎない。

 脊髄周りの神経を模した生体パーツを人間の外付け装置にする事で、二人分の反応値を叩き出そうって言うコンセプトなのだろう。

 普通のサンデヴィスタンは装着者の神経に電磁パルスによる刺激を与えて、神経系を加速させる文字通りの反射神経ブースターだ。

 だがこれは、常軌を逸脱した生体神経パーツの方がメインで、サブに装着者を置く様なとんでもテックだ。

 装着者をバッテリーか何かにしか見ていない非人道的なサイバーウェア。

 不明なユニットが接続されました、みたいな感じである、実に狂っている。

 

「ただなぁ、性能だけで見たら破格なテックだ。それ以外の事を置き去りにした、機械側のテックだこれは」

 

 成程、アダム・スマッシャーに装着されるテックとして相応しい代物である訳だ。

 人造脊髄神経回路搭載のサンデヴィスタン、それこそがこの軍用試験モデルの正体である。

 いやー、これをデイビッドに付けろって? 冗談も良い所だ。

 こんなもん、世の中から消えた方が良いレベルの最悪テックだ。

 割と冗談抜きでこの場で破壊してやろうかなと思うぐらいに悍ましい代物だった。

 後ろで能天気に首を傾げているデイビッドに取り付ける方向は無しだ、絶対に。

 ……ただ、もう少し遊びを、人間側に余地のあるシステムにすればこいつはノーベル賞ものの作品でもある。

 何せ、誰でも最高峰の反応値を叩き出してサンデヴィスタンを使えると言うやべーテックなのだから。

 人間側の消費コストを度外視しなければ、ちゃんとセーフティを掛けてデチューンを加えればこれ以上無い最高峰のサンデヴィスタンである事は間違いない。

 やばいな、テッキーとしての本能が騒いでる、その産廃を使って完成させろって内なる声が。

 ……よし、壊すのは無しだな! これはなんやかんやでオレの懐に収めて良い感じに作り直そう。

 しっかし、そうか、生体パーツか。こればっかりは頭が回らなかったな、確かに有用な使い方でもある。

 案外これ、サイバーサイコシス研究の一助にならないだろうか。

 減らした人間性を外付けで足してやれば元に治ったりしない?

 

「おい、ジャグラ。ジャグラ? いつまで考え込んでるんだよ、外からノックが凄いんだけど」

「んぁ? おっと、オレのテッキーとしての情熱が騒いでたぜ。さて、お客さんか、まぁ、誰かは分かるけども」

 

 左目にアナログに繋げてあるカメラからの視界が入り、図体のでかいテック達磨なメイン、女子プロレスラーみてぇなドリオ、軽薄なモヒカン野郎なピラル、その後ろにちょっと拗ねてる可愛いレベッカが居た。

 んー? ネットランナーのキーウィとルーシーは何処行った?

 運転手のファルコはまだしも二人が居ないのが気にかかる。

 居なさそうだな、と思ったら車の中で仲良く背凭れに身を任せて発狂していた。

 主に怒りで。

 椅子を台パンしながら貧乏揺すりで車を揺らし、時折舌打ちをして完全に怒りが有頂天に達していると言った様子だった。

 あ、やっべ、DDoS攻撃止めてねぇわ、だからか、すまんね今切るよ。

 ぴたりと二人の動きが止まり、深い、それはもう深い溜息を吐き出して、魂も出てそうなくらいの息を吐いていた。

 ぐったりとした様子で背凭れに沈没した二人に合掌しつつ、先に手を出してきたお前らが悪いんだからな、と開き直っておく。

 

「んじゃ、デイビッド。ちょいと招き入れてくれ。ああ、今、ロックを解除したから」

「あの場を逃げ出した俺にんな役目を押し付けてくれんなよ!?」

「やだなー、お前はオレの部下、リパーの助手、んでもってオレは雇い主、ほら、命令は絶対だぞ」

「くっそがっ! 1000エディーの重みが俺から否定の言葉を切り捨てやがる! 分かったよ、行けば良いんだろ!」

 

 何のためにお前を札束で殴ってると思ってんだよ。こういう時のためだぞ、危険手当込みってな。

 頭を掻きむしってからスンっとした顔で入口に向かったデイビッドを送り出し、サイバーパンクなエッジの効いたチームにご登場願おうじゃないか。

 いかつい表情をサングラスで隠したメインを先頭に、ドリオ、ピラルで両脇を固め、何故かデイビッドはレベッカに文句を言われてラブコメしていた。

 テッキーデスクの椅子に座るオレは物々しい彼らの前で、それっぽい雰囲気を出すため笑みを浮かべた。

 メインはそんな様子のオレに一瞬圧されたが、持ち前の威勢で張り合った。

 

「……っ、今回の一件はどう落とし前を付けるつもりだ、あぁっ!?」

「落とし前? 面白い事を言うな、お前。オレとしては、お前がどんな風に赦しを乞うのか楽しみにしてたんだがな」

 

 先手はメインの恐喝めいた怒声、それに対し、オレは余裕の表情で悪態を放つ。

 それにより、メインを貶されたと感じたドリオが怒りのボルテージを上げ、こんな状況でもシラフなオレにピラルは訝し気に首を傾げていた。

 

「お前、誰の部下の母親の救出を邪魔したと思ってるんだ? うちの外の看板がその安い光学インプラントには映らなかったのか? もう一度聞くが、誰に、何を、言っているか、理解してるか?」

 

 任侠仕込みのドスの効いた声でメインに逆に切り込むと、言われた意味を理解したのかメインが奥歯を噛み締める。

 うちの外にはくっそ立派な漆喰仕立てのタイガークロウズの看板が掛かっているのだ。

 単なるタイガークロウズ認可のリパードクでは無いのだと、今の言葉でメインは考えを改め始めただろう。

 

「……先程の失言を撤回する、すまなかった」

「メインッ!?」

「いや、此処ではそれが正解だとオレ様も思うぜぇ、いや、ほんとマジで」

 

 渋々と、それでいて奥歯を噛み締める様な声色でメインが謝罪を口にし、頭を下げた。

 ドリオはこっちの正体に未だに気付いていないのか反抗姿勢を取ったままだ。

 いや、ほんと、今の光景を見てぽかんとしているデイビッドとレベッカには良い教材になるだろう。

 メイル・ストロームが約千三百人、アニマルズが約二千八百人前後、シックス・ストリートは約二千三百人。

 ヴァレンティーノズは約六千人程度で、我らがタイガークロウズは約六千五百人。

 何の数字かってーと構成員の人数だ。

 タイガークロウズはヴァレンティーノズに千人くらい負けていたが、オレが専属リパーになった事で攻勢を掛けても死人が減った事により勢力が底上げされ、構成員が右肩上がりで増えている。

 ナイトシティ最大級のギャングの専属リパーに対して、どれほどの地位に居れば圧力を掛けられるんだろうなぁ?

 ましてや、構成員七人の弱小グループが何を吠えるって? 負け犬の遠吠えかな?

 928倍の戦力差にどうやって抗おうとするのか本当に見物である。

 父さんを守ってくれなかったタイガークロウズであるが、使える物は産廃でも使うのがオレの在り方だ。

 箔付けと言う使い方にこれ以上無い貢献をしてくれるタイガークロウズ様様である。

 

「で、だ。お前の言い分も一応、分かっているつもりだ。アレの代金、幾らだ?」

「……ッ、あれは、俺の買った商品だ、それを横取りするのはどうかと思うが」

「はぁー……、良いか、オレは至極真っ当に善意で言ってやってるんだ。あのアラサカが軍用に作った試作品が、本当にそこらの奴が使える代物だと本気で思っているのか? この見た目で、腕確かなリパードクと認められているオレが判断した結果だぞ? 他所に高値で売り払うなら分かるが、まさかと思うが自分にインストールしようだなんて自殺めいた事考えている訳じゃねぇだろうな」

 

 此方に入ってくるまでに待合室の電子証明書は見ている筈だ。

 加えて此処の設備は他のクリニックと比べても上等な分類に入る高級クリニックだ、大衆の客は取ってるけどな。

 オレに言われた事を聞いたメインは先程の顔とは打って変わって苦い顔を浮かべた。

 そこそこの年齢はいっているだろうし、サイバーパンクとして生活をしていたらアラサカの汚い部分も聞いた事はある筈だ。

 

「そこまでのもの、なのか」

「あぁ、そうだ。オレは優しいからな、詳細まで語ってやるよ。あれの詳細は人造脊髄神経の詰まった外付けサイコブースターだ。人一人じゃ足りねぇからって人工的に作った人間のパーツを足して、装着した人間の方を擦り減らして使い潰すクレイジーテックだ。今すぐにアラサカタワーに襲撃を掛けるぐらいの理由が無いんなら、諦めて此処でエディーにしておくんだな。オレの見立てでは、十回の起動が限度だろうよ。人一人の人生において、だ。それ以上は神経がイカレてサイバーサイコまっしぐらだ。数週間後のスクリームシートを独占したいってんなら話は別だがな」

「その話に何処までの信頼性があるってんだ! メインっ、何で黙ったままなんだ、言い返してやりな!!」

「頭まで筋肉で出来てるのかよ、そこの部下。上に立つなら部下の教育くらいしっかりやっとけよな」

「このっ、クソガキッ!!」

 

 ……見た目からして元アニマルズっぽいドリオが此方の言葉に完全プッツンなのか拳を構えた。

 考え事や咄嗟の事態にメインは動けず、数歩で辿り着く距離が故に誰もが出遅れる。

 が、そんな事はオレには関係無い。

 サンデヴィスタンを起動し、緩やかに進む世界でただ一人普段通りに動き出す。

 此方へ突き出される左腕を見ればゴリラアームのそれだな。

 ――なら、別に落としちまっても問題ねぇな。

 右腕のモノワイヤーを起動、射出と同時に柔らかさを再設定、蛇の如く物騒な腕に巻き付いたそれを引っ張る。

 瞬間、超高温に瞬時に達した単分子の糸が此方に突き出された腕を輪切りにする。

 何の引っ掛かりも無く容易くテックの腕を切り落としたモノワイヤーの切れ味はダンチの性能だ。

 加えて、此処に居る全ての人物が既にこのモノワイヤーの射程に居る事を気付いた時には皆死んでいる。

 それはオレの匙加減で決まる、正しく指先一つでノックダウンな状況だ。

 そして――世界の停滞は元に戻り、オレ以外の奴らがその異変を目の当たりにする。

 床に転がるゴリラアームの残骸、切り口はオレンジに融解しており、ただの切断では起こり得ない現象が見て分かるだろう。

 漸く動いたメインはドリオの上着の首を掴んで後ろに放るが、哀しい事にその行動に何の意味も無い。

 

「此処がリパードクの店で良かったなぁ、脳筋頭ゴリラ女、今ならそのゴミみてぇな腕を取り換えてやるぜ。お前の頭と一緒で真っ直ぐな棒でもぶっ刺しておいてやるよぉ、死んだ時に上に上げれば墓標になるような代物をなぁ……ッ!!」

 

 ドリオの異変にレベッカが動こうとするが、それを察したピラルが図体のでかさを活かして身体でカバーをした。

 はん、何だかんだお兄ちゃんしてんなぁ、割と狂人ロールプレイでもしてて頭良いんじゃねぇか?

 メインはメインでドリオを心配しつつも、ぶった切られたのがゴリラアームに換装した部分だけだと知って安堵をしていた。

 けれど、その顔は渋いってもんじゃない、苦虫を百匹ぐらい口に突っ込んだような歯噛み顔であった。

 

「えーっと……、何で一触即発な状況になってる訳……?」

 

 そして、そんな空気をぶち壊したのはテッキールームに新たに入って来た赤色の多い女性、キーウィの困惑声だった。

 処理の関係で頭痛がしているのか頭を押さえながら、場違いな声を届けてくれた事で雰囲気が緩和される。

 まぁ、こんなもんだろう、輪切りはまぁ……コラテラルダメージって奴だ、必要経費だ。

 此処で上下関係をはっきりさせておかないと面倒になるからな、恩を押し売りするには手っ取り早かった。

 

「と、まぁ、茶番はもう良いか。ほら、お小遣いだ。これで良い腕でも付けな」

 

 オレは任侠の女たるワカコ・オカダ直伝のお話術を止めて、ドリオに一万デジタルエディーの札束を叩き付ける。

 は? は? は? と言った感じのドリオだが、入金された額を視界で見たのか、甲高くも野太い驚愕の声を上げていた。

 ピラルは合点がいったと言った様子で肩を竦め、背中に庇ったレベッカ……ではなく、その隣に居たデイビッドを見てから溜息を吐いた。

 メインはサングラスを取り外して額の汗を拭い、状況を理解して深い溜息を吐いていた。

 何も分かっていない我らがレジェンドボーイことデイビッドはちゃっかりレベッカを守るような体勢で、ガチ恋距離で顔を見合わせてまたラブコメしていた。

 お前、どっちの味方してんだよ、可愛い女の子を守るのは男の子の宿命だから仕方が無いってか?

 まぁ、良いけども、ちゃんと幸せにしやがれよな。

 とまぁ、それはそれとしてこっちに来いウルトラ大馬鹿野郎、付く側間違えてんじゃねぇ、と手招きする。

 そして、今から叱られますと言った様子のデイビッドの胸に指を突き刺しながらこんこんと説教を開始する。

 

「良いかデイビッド。これからお前がなろうとするサイバーパンクってのは、面子が命の次に重要だ。命よりも面子が大事って抜かす奴は大抵しょーもない死に様晒して忘れられる木っ端にしかならん。分かるか、デイビッド」

「え、あー……、何となく?」

「……アラサカタワーを頂点から地下までぶち貫く様なファックを噛ますような場面でも無ければ、命なんてチップインする必要はねぇ。しょーもねぇ人生の終わり方をするなって、話だ。この街は何でもかんでも伝説になろうと躍起になる奴が居るが、結局その伝説ってのは誰もが度肝を抜く様な死に方をしたって言う失敗譚でしかねぇんだ」

「お、おう。……まさか、それを伝えるために喧嘩腰だったのか?」

「そうだぞ。ある程度サイバーパンクとして成り立っていて、それでいて関係の修復も容易で、オレよりも遥かに弱い格下共だからな。お前のための教材に使わせて貰った。悪かったなメイン。一度検分のために梱包解いたが、こいつはお前にくれてやるよ。取引はしっかりと締めねぇとなぁ」

 

 そう言って別の袋に仕舞い直した軍用試験モデルのサンデヴィスタンをメインに差し出す。

 だが、メインはその袋に手を出さず、深い、それはもう深い溜息を吐いて煙草に手を出した。

 が、それは許さないのでモノワイヤーで輪切りにする。

 癖になってんだ、禁煙場所で煙草を輪切りにするの。

 火気厳禁のポスターを指差すと、サングラス越しにも分かるくらいの死んだ目を浮かべていた。

 

「いや、そいつはもう良い。キーウィ、この人の情報を持ってたりするか?」

「はぁ? そりゃ、昨今のリパー業界を揺るがす天才凄腕年少リパードク、ジャグラ・カグラ……さん、でしょ。タイガークロウズのワカコ・オカダの専属リパードクにして、武器販売サイトは満員御礼のテッキー、そして死体一歩手前なら息を吹き返させる名医でもある。……追加で、ネットランナー対策もばっちり、どうしようもなく格上の存在よ」

 

 呼び捨てにしようとした瞬間に見つめてやったら、びくっと怯えてさん付けし始めた、可愛い奴だなこいつ。

 けど、てめーファラデーに仲間売ったのは忘れないからな、昔の男だからとか浮ついた感情でフラフラしやがってからに。




ネトフリ見直したらデイヴィッドではなくデイビッド表記だったので改稿。
忘れられがちだが、この主人公は極道系にお世話になっている任侠系である。
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