Hello,Goodbye,Night City‼   作:不落八十八

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二十八話

 いやぁ、久々に税関を通ったが顔馴染みが勤務してくれて本当に助かった。

 色気のあるグラマラスボディをお持ちのノーマッドの新入りに先輩風を吹き切れて本当に良かった。

 正直に言って、ジャックが行くべきだよなぁこれ、と思った事は数度ある。

 ジャックは俺がママ・ウェルズの店でテキーラに溺れていた時に出会った昔馴染みだ。

 俺がコーポの人間だって知ったのに関わらず、まるで十年来の友人みたいに接してくれた良い奴だ。

 

「それで、何処に向かってるの?」

「リトルボスの所さ。俺らの溜まり場でもある」

 

 ジェンキンスのせいでコーポから無職になった俺をジャックは肩を組んで迎え入れてくれた。

 そうして、出会ったのがあの“ドラゴンタトゥー”のジャグラ・カグラのお嬢さんだったのは本気で度肝を抜かれたが。

 デジタルタトゥーの如く、あの《アフターライフ》で起きた騒動は有識者たちに刻まれたらしく、一部の者は彼女に畏怖を込めてそう呼んでいた。

 絶対に忘れる事の出来ない登り龍の背中は、あの場で誰よりも大きく見えたのに関わらず、彼女は齢十五の少女だと言うのだから、その噂を聞いた時は割と困惑したっけな。

 

「え? だってその、フィクサーなんでしょ?」

「あぁ、リトルボスは色々と特殊でな。フィクサーは副業なんだ」

「……副業」

「本職はリパードクで、本人はテッキーだ、だなんて言ってるが名医でもある。いや、ほんと、天才っているんだなぁって思わされた。けどまぁ、驕り高飛車ってる訳じゃないし、そもそも自分を天才だとも思ってない節があるから庶民的と言うか……。けれども金銭感覚がぶっ壊れてるから、お前の様な庶民が居るか、だなんて言われていたりもする」

「え、えぇと……、ごめん、全く想像が付かないんだけど」

「まぁ、会えば分かるさ。それぐらい自由奔走で唯我独尊でキルゼムオールな人だから」

「最後の凄い物騒なんだけど???」

 

 けどまぁ、間違って無いんだよ、マジで、な。

 ジャックに拾われてからと言うものの、俺たちはサチの後方支援の下でペアの傭兵としてデビューを果たした訳なんだが。

 いやぁ、来るわ来るわ、殲滅依頼が。

 ミッションの説明をしよう、からの文言に何処かに絶対に殺の字が入ってたからな。

 ナイトシティに血の雨でも降らしたいのかと尋ねてみれば、そんな事をしたら感染と汚染が広がるだろ、だなんて真顔で言うからなあの子。

 仄暗い瞳を灯しながら日系人の薄い顔で恐ろしい事を口にする場面はマジでジャパンホラーだった。

 

「で、だ。リトルボスは日中一階でリパーしてるから、二階のオフィスががら空きな訳よ。ついでに俺らの拠点も無かったから、友人の誼でジャック、ぁー、ジャッキーに貸してたりするんだ。たまにもう一つの子飼いのチームも来たりして、割と騒がしかったりするんだぜ」

「……子飼いのチームが二つもあるだなんて、どんな経済力してるのよその子」

「…………此処だけの話なんだが、リトルボスは武器商人でもあるんでやろうとすれば儲け放題だったりするんだ。けど、恩義があるからってタイガークロウズの裏看板であるワカコ・オカダに報いるためにリパーを続けてる。正直言って、前の俺よりも働いてるんだぜ、リトルボス。……マジで頭が上がらん訳よ、申し訳無さと恐ろしさで」

 

 ジャックが言うには元は一軒のクリニックだったらしいんだが、両隣にガンショップとデラマン医療サービスの附属店をあっさり建てたらしい。

 んでもって、ジャックの困った顔に任せろの一言で二階部分を増築してオフィスにして、俺らに貸してもくれている訳だ。

 肩書きは非常に長く、タイガークロウズのワカコ・オカダの専属リパー兼ジャパンタウンのフィクサー兼デラマン医療サービス出資者&監督アドバイザー兼ガンショップオーナー兼サイバーサイコシス研究の第一人者、だそうだ。

 しかも、フィクサーとして子飼いのチームを持っているらしく、一つは《エッジランナーズ》、もう一つが俺ら《ジャッカルズ》だ。

 親鳥の如くちゃんと依頼と言う名の餌遣りをしてくれて、月一の健康診断だなんて掛かり付け医の様な事もしてくれている。

 しかも、腕前は超一流で非常にきめ細かい仕事をする。

 アラサカの専属リパードクですら見落としたテックの不調を見抜いて治してくれた事で偏頭痛も消えたしな。

 ……いや、ほんと、出来過ぎているぐらいに天才的な女の子なんだよなぁ、リトルボス。

 俺らがリトルボスだなんて呼んでるのも、最初は茶化しも入っていたが圧倒的なカリスマ性と言うかボス気質を持ち合わせているからでもある。

 

「さて、そろそろ着くぞ。此処の二階だ」

「……あの、隣のあれ、風俗街よね……?」

「……深くは考えるな、そういうとこなんだよ此処は」

 

 タイガークロウズのシノギの六割が風俗系とか聞いた事があるが、リトルボスは全くのノータッチである事から関連は無い。

 強いて言うなら彼女の保護者がそこのジグジグストリートの主と言うぐらいだ。

 昼間からにやけた顔で隣の通りを歩いていく奴らを一瞥して、《グラッカー》の前にソートンを停める。

 今度は扉のロックを掛けずにヴァリーを下ろし、エンジンを切って鍵を抜く。

 このクリニックの前に停められるのは俺ら二つのチームか彼女専用のデラマンタクシーぐらいなので、もしも鍵を掛け忘れても盗る奴は居ないだろう。

 先に降りたヴァリーがふらふらとカスタム仕様のデラマンタクシーに惹かれるように近寄って、瞳をキラキラさせて吟味し始めたのを苦笑して煙草を咥えるしかできなかった。

 リトルボスは煙草嫌いなので吸うとしたら外ぐらいだ、今のうちにニコチンを摂取しておかないと耐えられない。

 しっかりと堪能したヴァリーを連れてクーラーボックスを肩にかけて二階へ上がる。

 重厚な悍ましいセキュリティの扉を認証させ、中へヴァリーを招く。

 

「おーい、戻ったぞー」

「おぅ、やぁっと帰って来たか。首尾はどうだアミーゴ」

「収穫は上手くいったぜ、ほら」

 

 二階のオフィスは真ん中で区切る様にがらりと様変わりしているため、非常に分かりやすい作りになっている。

 手前の方が俺らのスペースで、奥の方がリトルボスの執務室だ。

 もっとも、俺らのスペースは西洋で、リトルボスは和風なので違和感ばりばりだ。

 輸入物を買い込んだと言う高級なメイドインジャパンのタタミの敷かれたそこはもはや異世界に近い。

 タタミの上に丸いチャブダイがあり、椅子の代わりにザブトンの置かれたリトルボスのオフィスは、新人のヴァリーも度肝を抜かれたらしい。

 俺の後ろで中を伺って困惑して戸惑っているようだった。

 まぁ、無理も無い、和洋折衷と言う言葉があるが、目の前のこれはそれを体現しているかの様なものだ。

  ……と言うか、なまじっか知識のある俺には一世紀は前の古めかしいジャパニーズリビングにしか見えないんだが。

 高性能なデスクトップパソコンで情報の精査をしているネットランナーのサチ、我らがリーダーのジャックはソファでスクリームシートを見ていたようだ。

 そして、順番的には一人目のVことヴァニーは畳の縁に座り込んで居眠りをキメていた。

 ジャック、サチ、ヴァニーの古参メンバーはこのオフィスを気に入っているようで、特に用が無くても屯っている事が多い。

 もっとも、ヴァニーはリトルボスにべったりで、サチは秘書みたいな事をしているけどな。

 この二人はリトルボスに恩義を感じているらしく、サチはまともな範疇だが、ヴァニーはもはや狂信のそれだ。

 

「おぅ! アンタがノーマッドのVか! 俺ぁジャッキー・ウェルズ。このチームを仕切ってるタフガイだ。ミスティが居るから惚れたら駄目だぜ?」

「あら、間に合ってるから大丈夫よ。こう見えても安い女じゃないの、私。文面上ではVを名乗ってたけど、被ってるみたいだからヴァリーと呼んで頂戴」

「へへっ、運転狂いのノーマッドがドライバーだなんて豪華なチームだぜ。ジャグに相談した甲斐があったな。ヴィー、じゃなかったヴィットも良く口説き落としてくれた」

「まぁ、口先だけは達者なもんでね。そこら辺はお前さんが一番知ってるだろう?」

「だな。カルテルにマフィアの情報流してドンパチ誘発させて自分だけはさっさと帰ったもんなお前。遠目で見てたが完全に詐欺師だろありゃ」

「なぁに、善意の証言をしただけだ。ただ、その現場が暗くて風が強くて、内容が途切れ途切れだったから繋ぎ合わせて伝えたってだけでな」

 

 隣からの視線がやや痛いが、空港までの道を阿呆みたいな理由で封鎖されたら仕方が無いだろ。

 客は辛うじて待ってくれるかもしれんが、あのクソ上司は待てねぇんだよ時代遅れの癇癪持ちだからな。

 そんなこんなで昔話に花咲かせつつ、おまけのクーラーボックスをソファ前の机に置いた。

 

「んで、何が入ってるんだこれは。ジャグの事だ、密輸級の天然食材とかか?」

「中身は冷凍睡眠されたイグアナだって言っただろう。あのヨリノブ・アラサカが仕入れて、横取りされて盗難品になってた、な。リトルボスはヨリノブに半値で売り付けるんだとさ。全額だと睨まれるから依頼料として分捕る算段らしい」

「あのアラサカの坊ちゃんにか? はぁー、ジャグは本当に命知らずと言うか、肝が据わってんなぁ」

 

 このチームのリーダーはジャックだが実質纏め役の舵取り役で、参謀やらを俺がしている訳だ。

 まぁ、こいつにはお気楽な海賊の船長がお似合いだ、ピースメインと言うには人を殺し過ぎで、モーガニアと呼ぶには甘過ぎるけどな。

 中身を勝手に確認する事はなく、ジャックはゆっくりとリトルボスのチャブダイにそれを置いた。

 ……冷凍睡眠してるからちょっとやそっとじゃ起きないからな。

 

「よし、これにて納品完了。荷運びは多分、デイビッドんとこがするだろうよ」

「デイビッド?」

「あぁ、ジャグの助手の少年だ。厳密に言えば、ジャグの唯一の部下でもある。中々気骨のあるタフボーイだ。……初恋模様が残念極まりないっつーか、いや、ほんと、見てて飽きない奴だ」

「何の説明にもなってないぞジャック……。デイビッド・マルティネス、リトルボスの雇ってるサイバーパンクで、もう一つの子飼いチーム《エッジランナーズ》に出向してる少年だ。恋愛云々はマジで可哀想だから言ってやるなよジャック」

「それもそうだな。ははぁ……、本当に厄介なのに惚れちまったもんだよなぁ。うちのヴァニーも良い線行くが、焦れってぇ気分になるぜ」

「レベッカに蹴られるわよジャッキー」

 

 サチからの冷静な声に刺され、ジャックは肩を竦めて両手を半ば上げて降参した。

 ヴァリーはその手の経験が豊富なのか、微笑ましい笑みを浮かべていた。

 ……実情を知れば俺らみたいになるだろうな。

 彼ら彼女らの恋愛模様は割と明るい話題として茶化される事が多いが、性別不一致の人間不信患いのリトルボスに初恋しちまったであろうデイビッド、そんなデイビッドに配慮して攻勢に出れないレベッカ嬢。

 まるで楽器のトライアングルの様な歪な三角関係に焦れったさを感じる事もあるが、リトルボスが渦中の人なので手出しができないジレンマに陥っている訳だ。

 焦れってぇからヤラシイ雰囲気にしてくるぜ、だなんて果敢に突っ走ったピラルが、馬用の発情誘発剤を片手に静かにキレたリトルボスに折檻されたのは記憶に新しい。

 両手足を縛られて発情期の猿の様になったピラルが、椅子に縛り付けられて口枷状態で晒し者にされたんだっけな……。

 一人で盛ってろアホが、だなんて吐き捨てて書類に向き直るリトルボスは凄く怖かったな……。

 ジャックもそれを思い出したのか、気分転換にテレビを点けた。

 N54チャンネルのバラエティ番組がやっているようで、見やれば《Night After Night with ZiggyQ》の様だ。

 毎回ゲストに対して辛辣なもてなしやジギーQの突飛なサプライズなどで色々と物議を醸す番組。

 今回のゲストは……。

 

『ナイトシティの皆様、こんばんは! 本日のゲストはななななんと! サイバーサイコシス研究の若き新星、ジャパンタウンの名医リパードクとして有名なジャグラ・カグラ先生を御招き致しました!』

 

 その場に居た全員の視線がテレビに向かい、困惑と驚愕が掻き混ぜられた表情を浮かべていた。

 訂正、いつの間にか起きていたヴァニーだけは、年相応の溢れんばかりの若々しい笑顔を浮かべていた。

 テレビの中のリトルボスは普段のサムライジャケットにオーバーオールであり、着飾る気は更々無かったようだ。

 

『どうぞ、宜しく』

『さぁさ、お掛けになって。いやはや、出演して頂いた方々の中でも最年少のゲストですね。どうですか、ご感想は』

『ジギーQさんの痛快なトークを生で味わえる良い機会に恵まれたな、と。御手柔らかにお願いしますね』

『いやぁ、モテる男は辛いですね! ジャグラ先生はリパードクでありながらサイバーサイコシスの研究をされているとの事ですが、進捗は如何ですか?』

『えぇ、興味深い結果が出ました。一つお聞きしましょう、サイバーサイコシスとはなんぞや、と』

『ふぅむ、素人解答ですが、サイバーウェアをインストールした後に生ずる精神疾患の事で、発症のメカニズムが判明していない未知の病、でしょうか』

『世間一般的にはその様に知られているサイバーサイコシスは未だに分からない事が多い。それ故に、サイバーサイコを治療しようと奮闘する者たちの一人として治験に参加している訳ですね。サイバーサイコシスの発症は無自覚症状から何らかのきっかけを経て暴走するパターンが非常に多く、サイバーサイコと言う形で顕になる事が殆どです。そのため、医療機関の視点ではなく、テクニカルアプローチのためにリパードクの自分が研究の一端を依頼されました』

『成る程、日本のことわざ、餅は餅屋と言う事ですね。サイバーウェアにより引き起こされていると言われるサイバーサイコシスだからこそな訳だ』

 

 ……たまにしか見ていなかった番組だが、何処か違和感を感じていた。

 あの皮肉屋ジギーQが討論番組の司会の様な進み方をしている……?

 

『サイバーサイコ問題に頭を悩めるワトソンのレジーナ・ジョーンズ氏の協力の下、捕縛したサイバーサイコを対象に治療を施していたのですが……、例の資料を』

 

 リトルボスの指示に従ったスタッフが、背後のビッグモニターにグラフなどの資料を並べ始めた。

 こいつは……、脳波か?

 

『此方は?』

『運び込まれた患者たちの脳波グラフです。皆、似たような動きをしているのが分かりますか? サイバーサイコスキャナーによりサイバーサイコと判断された者のみが運ばれて来たのですが……奇妙な患者が一人居たのです。此方の方ですね、脳波の動きは他の患者と通ずる物があるのですが、この人物だけ他の患者と共通しない物がありました』

 

 リトルボスがスタッフのいる方へ視線を向けて促すと、青年の物らしき全体スキャナーの画像になった。

 ……何処もおかしい点は見当たらない。

 

『……分かりますでしょうか、決定的な違いがあるのを』

『うーん……、至って普通な身体の様に思えますが』

『えぇ、それが問題なのです。此方の青年は、サイバーウェアを一切取り付けていないブッディストの方なのですから』

 

 スタジオを含め、全員が息を呑んだ。

 それは、俺たちも例外では無かった。

 

『先程、ジギーQさんにサイバーサイコシスの一般的定義をお聞きしましたね?』

『え、えぇ、サイバーウェアを取り付けた弊害、と答えました。いや、しかし、これは……、えぇ?』

『疑問に思われるのも無理もありません。自分もそうでしたから。彼の事を調べる内に色々と思い付いてしまった憶測がありまして、そもそもの話、未知の病と知られているサイバーサイコシス、これがどうやって発症しているのか、そのメカニズムが科学的に分かっていないのです』

 

 そして、リトルボスは懐からレンズ付きのスキャナーを取り出して掲げて見せた。

 彼女が何を言いたいのかを、もはや言わずとも誰もが分かっていた。

 だが、敢えてリトルボスは口にする様だ、それこそが起爆剤だ、と言わんばかりの笑みを作って。

 

『――では、何でサイバーサイコスキャナーなんてものが出回っているんでしょうね、それもバイオテクニカ製のものが』

 

 くるりと裏返して製造型番とメーカーの証を、カメラに、視聴者にその特徴的なロゴを見せつけてから、不思議そうに小首を傾げた。

 ジギーQはもはや普段のお調子者の仮面を捨て去っていて、目の前のこの光景に対してどうするべきか頭をフル回転させている様に見える。

 明らかに台本には無いシナリオのレールをぶちかました我らがリトルボスは追い打ちをかけた。

 

『あぁ、そうでした。随分と話が逸れましたが宣伝に来ていました。本日からジャパンタウンでデラマン医療サービスが開店します。此方は自分が医療監修しており、バイオテクニカ製薬の薬品は処方していません。服用に問題があり、危篤な副作用を意図して隠す企業の商品だなんて一切信用なりませんので。気になる方は電子パンフレット及び処方リストのページをご覧ください』

 

 だなんて、他所行きと明らかに分かるような笑顔を浮かべ、悪魔の様な所業を平然と行なった。

 

『無論、此方の方で入手した原文ママのバイオテクニカ製品の製薬リスト、副作用等も載せられた物も合わせて公開しております。はぁ、これのせいでサイバーサイコシス研究が一からやり直しなんですよね、どう思います?』

『は、ははぁ……、ご、ご愁傷様、です……』

 

 ……東洋には悪魔に並ぶ存在で鬼と言うのが居るらしいが、今のリトルボスにピッタリな形容だろう。

 一先ずCMに入った番組だが、当然ながら其処で別番組に切り替わり、途端に緊急速報のニュースを流し始めた。

 バイオテクニカ支社への強制捜査が行われており、NCPDがぞろぞろと入口から入っていく姿が映されていた。

 

「……終わったな、バイオテクニカ。もう二度とナイトシティの土を踏めないだろうよ」

「そりゃそうだ。最初からそう言うシナリオだったからな。ジギーQも中々曲者だな、ノリノリで演技してたぞ」

 

 俺の呟きに、後ろから先程まで聞こえていた声が返答していた。

 思わず見やれば、チェシャ猫の様にニィッと嗤うリトルボスが帰って来ていた。

 驚きのあまり変な声が出かけたのは仕方がない筈だ。

 つい癖で煙草を咥えたら久方振りに輪切りにされた。

 そうだった、リトルボスは煙草と薬物が大嫌いだった……。




メインストーリーにバイオテクニカ関わらないので居なくてもヨシッ(現場猫
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