最強の呪術師〜様々な術式を模倣できる姉と様々な攻撃を防げる弟〜   作:黒谷月咲

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第一章 高専二年編
2005年の山の中にて


「あ、茜ちゃん。お久しぶりです」

 

「浅香!久しぶり」

 

桜並木を歩く白髪の少女は、桜並木の出口に立っていた少女を見るや、かけだしていく。

 

「浅香は実家どうだった?」

 

「妹は至って元気でしたよ。おばあちゃんも同じくです。茜ちゃんは?」

 

「実家の野郎どもが結婚しろ縁談結んでこいってうるさかったわ」

 

顔を顰めた白髪の少女は鞄を開けると中から缶を取り出した。

 

「はい、これ。」

 

「あ、もしかして“八ツ橋”ですか?」

 

「そうそう!」

 

白髪の少女は、名を五条茜という。彼女の実家は京都にあるのだが、わざわざ東京の学校に通っていた。

ずっと敬語を使う少女は彼女の同級生でもある大山浅香。小柄な少女である。

 

「そういえば、今日から来る“新入生”、弟さんもいるんですよね?」

 

「そうだね」

 

二人の通う高校は“呪術高等専門学校”。表向きは私立の宗教系高校とされているが、実際は人ならざるもの…呪霊と戦う術を持つ学生に教育を施す機関だ。

今日は高専の入学式。二人は今日から2年生となるのである。

 

*----------------------------------*

 

「おい、お前ら!なに新学期から大遅刻をしているんだ!」

 

高専の入り口の門をくぐったところで、叱責が飛んできた。

 

「あ、そういえば今年の担任って夜蛾さんだったっけ」

 

大声で叱責を飛ばしたのは夜蛾正道。二年の担任である。

 

「もうすぐ一年の歓迎会を始める!さっさとお前らも準備しろ!」

 

「はぁ…やだな」と呟いた茜だったが、結局は浅香と共に校舎の中に入っていくのであった。

 

*----------------------------------*

 

「わたしは夏油傑です。お願いします」

 

「私は家入硝子でーす」

 

「…五条悟」

 

新入生が教室で壇上に上がり、とんがり帽子をかぶっていた。

変な前髪の男子生徒と女子生徒は普通に自己紹介をしたものの、白髪の男子生徒…茜の弟だけはむすっとした顔で名前だけ言った。

 

「茜ちゃんの弟さん、もの凄く不機嫌そうですね」

 

「まぁ、私がわざわざ実家から引き摺り出してきたからねぇ」

 

苦笑いをしていてそういった茜は、弟の方を向くとキッと睨みつけた。

 

「悟、もっとちゃんと自己紹介しなさい」

 

顔を顰めた弟は、ようやっと自己紹介をした。

 

「俺は、五条悟。」

 

些か無愛想ではあるものの、茜は「まぁマシか」といって頷いた。

そのタイミングで、机の上に出ていた茜と浅香のケータイがメールの受信を知らせた。

 

「…あ、アリアからじゃん」

 

「本当ですね。でも京都校も今日が入学式だったのでは?」

 

「さぁ…細かいことはいいんじゃない?」

 

茜は笑うと、そのまま教室を飛び出した。

 

「あっ!おい、茜!」

 

「先生、失礼します」

 

茜を追いかけて浅香も教室を出ていく。

それを見た夜蛾は、額に手を当ててうめいた。

 

「あいつらの手綱を握らにゃあかんのか…」

 

 

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