オラリオで褐色お姉さんを甘やかすのは間違っているだろうか 作:土鍋で炊くご飯
誰もやらねえから俺がやる、………………道を開けろ土鍋が通る。
………あの、噎せ返るような血の匂いを、死の匂いを、恐怖を…………今でも鮮明に思い出す
……………………………………………クソが。
―――――――――――――――――――――――――――――――
あの日、オレは川に魚を釣りに出かけてたんだ………
―――――――――――――――――――――――――――――――
山の中腹にある村から麓へ下って川の方へと向かって獣道を歩いていた。いつもなら日が昇りきってから歩く道のりも今は薄暗く、静かで木の葉が微風にふかれて出る音でさえはっきりと聞こえてくる
「さぶっ!……今日寒すぎだろ」
あまりの寒さに独り言が口からこぼれる、よく見ると自分の吐く息も白かった。
「………(帰って飯食いたい)」
この日は朝っぱらから昼飯に使う魚をとりに川に向かって歩いていた。しかも、道の途中に生えてた山菜を取りつつむかっていたためか籠がかなり重い……ある程度捨てて行こうとも思ったがそれは出来なかった。
「(うちは金持ちじゃねぇし育ち盛りの妹たちのために食いもんを集めなきゃなんねぇ………なにより今度生まれてくる妹か弟。……………の為にも母ちゃんにうまいもん食わせてやりてぇ)」
「……弟がいいなぁ、うち女所帯だし肩身せめぇーし」
足を軽く引き摺りながら歩を進めつつ、村にいる妹たちについて考える、あの元気の塊というか暴風の様な生物のことを………
産まれた当時は滅多にない双子だということで村全体で諸手を挙げて喜び祝っていたと思う。自分自身初めての経験で兄としてあまり上手く接する事ができなかったが、夜泣きのたびにあやしていたこともあってか1年も経つうちに自分よりも小さいその生き物の扱い方にも慣れてきた
だが、そんな平穏な生活は妹たちが這って動けるようになってから、呆気なく壊された
朝も昼も夜も、1日中動き回り気づいたらいない、慌てて外を捜索するも家の中に隠れていて見つからず、森の方へ行ったんじゃないかと村のみんなで話し合い捜索隊を組もうかって時に悪びれもせずに出てきてキャッキャッ笑ってるわで叱られても次の日には繰り返す。何度言っても聞かないから村のみんなもそう云うもんだとさじを投げた
唯一諦めてないのが自分と妹たちの母親であるセラでなんとか宥めようとぬいぐるみやつみ木等のおもちゃで気をそらせないか考えているようで、四苦八苦している
「……っ、やべ!(グダグダ考えてねぇでとっとと魚釣って戻んねぇと母ちゃんにどやされる!!)」
何のためにここに居るのかを思い出し、歩を早めて山を下る、鋪装もされていない山道を踏みしめながらゆくといつの間にか水の流れる音が聞こえてくる。目的地である川の近くまで来ていたようで音の出どころに進路を変えて木々の間をすいすいと歩くと川が見えてくる
側まで近づき荷物をおろしてから釣り竿の準備をしつつ、川の様子を見る、まだ薄暗くて分かりづらいが何匹か魚が泳いでいるように見える…………気がする。多分…………。
釣り竿の準備をも終わり、意気揚々と釣り糸を垂らすとふとどこかから視線を感じ、辺りを見回すと誰も居なかった
この時期になると魚が大漁に釣れるので村のみんなもよく釣りに来るのだが、流石にこんな早朝に釣りに来るものはいないだろうと気の所為だと思い、頭を振った
「…にしても、釣れなすぎだろ。いつもなら一匹や二匹釣れてるはずなんだがなぁ〜」
釣り竿を片手で持ってもう片方の手で頭を掻きながらボヤいているとようやく竿が引っ張られる様な感覚を感じて、すぐに両手で竿を持つと少しずつ水面に上がるように引き寄せ、頭が見えた時点で釣り竿を振り上げた
「よし!まず一匹ィ!」
ザバッと大きな水しぶきをあげて魚を釣り上げてみると、針がかなり深いところまで刺さっていて抜くのに手間取った。珍しいこともあるもんだとあまり気にせずにもう一度釣り糸を水面に垂らした
そこからは今までとは打って変わり魚が釣れるようになったからか夢中になって竿を振り回すように釣りをした
―――――――――――
―――――――
――――
「いやー、すっげぇ釣れた!これだけ釣れりゃあ十分だな!」
十匹以上釣って流石にこれ以上は籠に乗らないと思った分は川に返したがそれでも家族みんなで食べても余る量の魚を見て満足していた。
ふと、川の方を見ていると魚たちがまだまだいることを確認してもう一度釣りに来れば干物にしてとっておけると考えて一旦村に戻ろうと道具を仕舞おうとして…………………あっ
「やっべぇ!!!昼飯のこと忘れてた!すぐかえんねぇーと母ちゃんにどつかれる!」
説教を逃れるためにオレは急いで魚を釣って村に帰る準備をしていると村のある方向からとてつもなく大きな咆哮と地響を感じて体が竦んだ、慌てて木の陰に隠れてやり過ごすと音がやんだため荷物を持って来た道を戻った
行きとは違い籠の中身がパンパンなので慎重に森の中を歩いていく、歩き慣れた道であれど疲労が溜まると途端に足が動かなくなるため途中休憩を挟む
休憩の合間に先程の出来事について考える
「………………あれ、なんだったんだ?」
(今までに聞いたことのない鳴き声?だった……この森にたまに来るゴブリンとかコボルドとは全然違う…なんというか生き物としてのなにかがちがう………そんな感じだった)
違和感を感じるが村に戻ったらみんなに伝えようと決め、また歩き始めると今度は先程聞いたものよりも鮮烈な咆哮にあてられる。前よりも近いからか頭が揺さぶられるような感覚が強く意識が遠のくも幸い気を失うことは無かった、だが軽く立ちくらみの様な状態で動こうとしたため荷物を地面に落としてしまった
慌てて拾い集めようとして身体が硬直したかのようにびたりと止まる、そして先ほど感じた違和感の正体に気付く
(………そうだ、今の咆哮は……
違和感のが氷解した途端、背筋に悪寒が奔り、拾い集めていた荷物を投げ捨てすぐさま村へと駆け出した、今までに溜まった疲労など全部無視して全力で走り抜いた……………
今までに持っていた荷物を捨てても所詮は十にも満たない子どもの足などたかが知れている、それに加え重労働による疲労により走る速度は歩くよりも早いといった程度で、それでも走り続けていた
何度も道に躓きながらも立ち上がり、震える足を動かす
ようやく村が目で見えるぐらいまで走ると急に腹から何かが込み上がってきて口から出てくる、しばらくうずくまったまま吐き出していたが少し経ってからもう一度立ってゆっくり歩き始めた、酸っぱい匂いが口の中に残っている。喉が焼けるように痛い。呼吸をするたびに気色の悪さ感じる。
それでも、構わず、歩く。
だんだんと村に近づいていくにつれて、歩きながらでも耳に入ってくる怒号と悲鳴を無視して力の限り足を動かしてようやく村が見えてきて
…………その惨憺たる有様を目の当たりにした
腹を引き裂かれて中の物がこぼれ落ちている子供の死体があった
頭と腰から下がちぎれたようになくなっている女の死体、股下から半分に割かれた男の死体………何処を見ても死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死………………!
「うッ、……おえぇぇ!!おぁあぇ…………はァッあァァァ!!」
堪らず胃の中のものを全部地面にぶちまけた。余りにも凄惨な光景にこらえることも、まして目を逸らすことさえ難しい、なにしろどこを見渡しても人の死体があるのだから
噎せ返るような血の匂い、泥に塗れた肉の海、村のみんながいるはずのそこには“死”が溢れてて、人の営みが垣間見える建造物も跡形もなく壊されて………ここに村があったことが嘘のような気さえしてくる………
止まらない吐き気とストレスで血の混じった吐瀉物の上でのたうちまわった
あらかた吐き出して動けるようになってからは生きている“人”を探して家の残骸の下を掘り起こしたり、人だったものの肉塊の海をかき分けて村の中心を目指して歩いた…………………何度も何度も何度も吐ききったはずの胃からせり上がってくるものを堪えて
………歩く、………………歩く。………あ、
踏み出そうとした足が木片に引っ掛かって転ぶ、顔が地面とぶつかり鼻血が出る。痛みで泣き出したくなるが袖で拭いながら顔を上げると視界の端で何かが動いているのが見える
どうも村の中心にいるようで、追いかけようとしてまたころんだ
今度はゆっくり立ち上がり、慎重にあとを追った。追って、ようやく追いついたと思っていたら
―――――――――村の中心で“ソレ”を見た
赤黒く巨大な体躯、そしてその身体よりもさらに大きな翼
“ソレ”は物語の絵本に出てくる、破壊と災厄を振りかざして人を喰らい、壊し、嗤う
竜と呼ばれるモンスターだった
オレはただ呆然と眺めたいた、眼の前にいる存在に対してどうすればいいのか、現実感のない光景に思考が停止していた
…………しばらく無言でその場にとどまり続けていたオレに気が付いたのか動きを止めこちらにその、見るものすべてを威圧する瞳を向けられた瞬間、心臓の鼓動が停まったかのような錯覚に陥った
一瞬が、永劫のように感じられる、視界が一気に狭まり呼吸が出来ない。…………ただ、これから起こるであろう残虐な行為に、ただ目を瞑って、その時が来るのを、待っていた………
――――、?…………………いつまでたっても己の身を引き裂く感触も、嚙み砕かれ咀嚼される暴虐も自身に降り注ぐ破滅がすぐ傍まで来ているはずなのに、一向に来る気配すらない。
閉じていた目を開き、空を仰ぎ見る、雲がびっしりと詰まっていて全く隙間がない。…………最後に見るものが暗雲か、ついてないなぁ
くだらない事に意識をさけるのも決まりきった運命がそこにいるからか、明確に死が認識できると恐慌よりも諦観による開き直りのほうが強く、自暴自棄なることで現実逃避しているのか。もう自分でも分からない
様々な事が浮かんでは消え、時間がばかりが過ぎ去っている。
暫くして言い様のない気持ち悪さにつつまれたオレはぼんやりと空に向けていた目をソイツに合わせた、ぼやけていてもわかるほど相も変わらずそこに身の丈を超える翼を携え、たたずむ姿に一種の雄大さすら感じる。
ふと、こちらを覗き込むような視線を感じ、その相貌に焦点の合わない目を向ける。…………何か起きたんだろうか、もしかして腹が膨れて満腹にでもなったのだろうか。淡い期待が鎌首もたげる、心臓の脈動が疾くなる、弛緩していた四肢に力が戻る。生存できる可能性が出てきたからか思考が冴えてくる。
…………ようやく、焦点があってきてそこにいる怪物の表情が明らかになる……
――――――――ソレは嗤っていた
まるで新しい玩具を見つけたとでもいうように、その相貌を醜悪に歪め自分の前の下等生物を嗤っていた
コイツはどうやって壊そうか、手足を千切って殺そうか、はたまた指先から押しつぶして挽肉にする感触を楽しんでもいい。さっきまで遊んでたコイツらはすぐに壊れたし、死なない程度に手足を裂いて死ぬ直前になってはじめて体の先から喰らってもいい…………そんな風に嗤っていた。
“ソレ”の醜悪な表情を見て、抱いていた淡い希望が音を立てて崩れ落ちた。まるで熟れた果実が木から落ちて、潰れる様な、そんな風にグチャグチャと心が壊れる。
酷いくらいに勘違いしていた、ただただ、無駄だった。人に過ぎないこの身では、なにかを選べるほど強くなかったのに……
………………数十秒にも数分にも感じられる空間で両者とも動かなかった、片方はこれからおきる愉悦から、もう片方は深い諦観から。
―――――――どの位経ったのだろうか、痺れを切らしてもういっそのことこっちの方から出向いてやろうかなと歩き出そうと足に力を込めようとした瞬間に、突然目の前で此方を見つめるソレの表情が急に豹変した、まるで自分の身に危害を加えられるだけの脅威がすぐ側まで来ていると言わんばかりに。
ソレは慌てたようにその両翼を広げ、大空へ飛翔した。飛び上がる寸前に此方を睨みつけて…………。
静寂が支配したこの空間で、風が運ぶ血の匂いがさっきまで起きていた凄惨な出来事が本当にあったことなのだと告げていた。
――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――
村のみんなを埋葬するために手を動かす。
目の前に広がっている光景に精神が引き千切られる様な感覚に陥る………………。深く考えないようにしてただ土を手で掘り返していた。だが、素手でやっていたから、爪が剥がれ、上手く掘れない、……それでも続けていたが今度は鋭利な石があったのか手のひらが裂け血が出た。………それでも、ただ、ただ無心に、死んでしまった村のみんなのために。
…………そうしなければ、本当に折れると思ったから。
手の肉が裂けて血が流れ出る感覚だけが、生き残ってしまった自分に残された唯一のものだと………………。そんな感傷に浸かりながら。
………………。………………。………………。………………ようやく最後の一人の埋葬が終わって、張っていた弦が切れたかのように大地に座り込んでしまった。………………なるべく遺体の区別がつくようにしたが損傷が激しいものは大きな墓を作ってまとめて埋めたが許してくれるだろうか。
腹を裂かれて中を喰われた妊婦だった母と首から下のない妹たちの死体をかつてあった家の近くに埋めた………………
もう、疲れた、今はただ眠りたい………………………………皆の所に行けたら良いな。
力尽き、動くこともでき無い、そんな状態で横になったからか突然目の前が真っ暗になって、気絶するように意識が希薄になっていく。
………………。
――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――
ザッ、ザッと力強く大地を踏みしめる音がして意識が覚醒する。………………どうやら、死ぬことはできなかったらしい。まぁ、皆の後を追いたいなら首でも吊ればいいのだが、そこまでの覚悟もない自分に嫌気がさしてくるも、今更だと自嘲する。
「ナァ、餓鬼…何時までそーやっているつもりだ?」
………………!! 横から聞こえてくる声に反応して起きようと試みるも、全身が痛い、特に手のひらの裂傷が一際、………………おかしいさっきまでは痛くもなんともなかったのに、なんで今更?休息をとったから?それともあの出来事に対する恐怖が薄まったから?もしくはあの竜に何かされていた?………………!!だからみんな簡単にころさ「おい、聞こえてんだろーが」………!
「…………わりぃ。ちょっとぼーっとしてた。」
「ハッ、どー見たってぼーっと、何てツラじゃなかったがな…………まぁ、今は勘弁してやる」
「………………?」
そういって、その男は俺を品定めするように、眺めるように、見透かすように見つめてきた。
その男は、まるで、焔の様な強烈な気配を纏っていた。身体つきを見ても細身で、風貌にあった老体で白髪の混じった茶髪。どう見ても普通の老人、……のはずなのに。その身体から漏れ出る気配とギラついた眼差しが常人とは明白な違いだった。
「……おい、餓鬼」
「なに?」
「ここでなにが起きたのか、知ってんなら話せ」
「………なんで?」
「はぁ?……………質問に質問で返すな、いいから話せ。全部」
「………」
肌を突き刺すような視線に、ついには折れ。この村での出来事の顛末を語った
「…………ほーん、なるほど」
「…………なるほどってなんだよ」
「アァん?なんか言ったか?」
「……、……………なにも」
「ハハッ、拗ねんなよ。くだらねぇ」
「――――!!拗ねてなんかない!大体なんなんだ!いきなり現れて?全部話せだなんだと、ふざけんな!」
箍が外れたかのように、今までに溜まった鬱憤を晴らすように怒鳴った。生まれてから初めて出すような怒声だった。……いやそもそも、ここまでの怒りを感じたことすら無かった、それを目の前の男に全部はき出すようにぶつけた。
村で起こったこと、皆の死、そして自分の不甲斐なさ。其れは眼の前の奴には一切関係のない、ただの理不尽な八つ当たりに過ぎないとわかっているが、……いるが、それでも止まることなど出来なかった
男はただ、柳のようにそこで佇んでいた。反論はおろか、なんの反応もしない、その様子からバカにされていると感じたオレは更に声を張り上げ、罵声を浴びせた。
だが、謂れのない中傷を続けたところで、意味はなく、終いには何も言えなくなって黙り込んでしまった。
荒く息をする……、とめどない怒りが急速に萎んでいくのがわかる。そもそもが正当性のないものだったからか、反動で自身に対する嫌悪感が溢れてくる。男には悪いが、それでも、ほんの少しだけすっきりした。…………それでも、これだけ罵倒されて何も一言も言い返さない此奴に不気味さすら感じるが。
少し経ち、息も整い始めたところで、聞いてみたいことを聞くことにした。
「…………なぁ、なんで何も言わないんだ?」
声をかけたが男はハッとこちらを鼻で笑ったあと一言だけ、
「くだらねぇからだ」
その一言に萎んだはずの怒りが沸々と湧いてくるが、こちらがなにかを言おうとしたところで、男には何ひとつとして響くことなど無いことが直感的にだが理解できた。
オレは惨めさから、この場から立ち去ろうとしたところで呼び止められた。
「…、どこに行こうってんだ?」
「…………アンタには関係ないだろが、なんで構うんだよ?」
「いや、そう云うことじゃなくてな。……あー、何をするつもりなんだ?」
「は?なんでそんなことを聞くんだ?…………村がこんなになったのにここで今まで通りに生活なんて出来ないだろうが、村を出て大きな街に行くに決まってんだろ。……ラキアかオラリオに行く」
「なぜだ?」
「ハァ?今言っただろうが」
「……そうじゃない、分かってんのにいちいちはぐらかすな。……んで、なんでだ?」
「…………」
男の言わんとしていることぐらいは、わかる。分かるが、オレには到底無理だ。
「………無理だ」
現実的な話だ。どこにでも転がってるような、そんな話だ
ただのガキでしか無いオレには、怪物は、ましてやドラゴンは
「やる前から諦めるのか?」
諦めるとか、諦めないじゃない。はじめからできないと分かっているのに挑むほどバカにはなれない。
「逃げるのか?」
別いいだろ、逃げたって。……どうせ誰も
「
――――――――――!!!!
「うるさい!!……………、アンタになにがわかんだ。……みんなアレに殺されたんだ。みんなグチャグチャになってた、もうオレ以外誰もいない。なら良いじゃないか、諦めたって。何も残ってないんだから。逃げたっていいだろうが、オレじゃアレには太刀打ちできない。死体が増えるだけだ。」
見ないようにしていた、深く考えないように、これから何もかも全て忘れることで平穏に生きようとしていた。……………のに
「忘れてもいいだろ。覚えてもいいことなんて何もない」
「………」
男はただ黙ったまま超然とそこにいた
「………もう、話すこともないし。オレは、行くよ。アンタもここから離れた方がいい」
なにも語らない男にしびれを切らし、忠告してから踵を返した。
「
「!………なんだよ、まだなにかあんのか?」
「まァ、なんだ。………
その言葉を告げられた瞬間、意識が暗転した。
みなさん、はじめまして。土鍋です
※タイトルは詐欺ではありません。私の願望です