【完結】友愛分かたれ恋となる   作:ワンダーS

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27話

 

 久しぶりに訪れた二人きりという時間は、以前との違いを考慮に入れたとしてもとびきり甘露な蜜の様で、日向の言葉通り、それから二人は時間を忘れて遊び惚けた。 

 パーティグッズでおどける日向を優希が苦々しく見守ったり、シューティングゲームで四苦八苦する優希を笑いつつ日向がさりげなくフォローを入れたり。

 『あぁ、いつまでも永遠に続いて欲しい』、そんな考えすらも入る余地が無い程に夢中で過ごしたその一時は、店内を流れた17時を告げる音楽によって終わりを告げられた。

 「あ…」

 最初にその音に気が付いた優希は、はたりと足を止めて切なげな声を漏らした。終わってしまった、そんな彼女の心の声が、表情に浮かび上がっている。

 そして実際にその通り、終わってしまったのだ。きっと今日を終えてしまえば、こうして、ただの友人として遊ぶなんて事は出来なくなってしまう。松江優希にとって、この日は親友である近衛日向と友人として過ごすことのできる最後の一日だった。

 「何だよ優希、そんな寂しそうな顔して。もしかして、俺と遊ぶのがそんなに楽しかったのか?」

 優希の様子に気が付いた日向が足を止めて振り返る。その表情は、揶揄ってやろう、そんな彼の魂胆が見え透いていた。けれど

 「…うん」

 一拍の間を置いて頷いた優希に、虚を突かれた日向は呆然として彼女を見つめた。

 「楽しかった…」

 ぽつりとした呟きと共に頬を伝う雫。流れ落ちたそれを拭うでもなく顔を上げた優希は、日向と視線を交差させ、無理やりに微笑んで見せる。

 「楽しかったよ、日向」

 その言葉を皮切りにぼろぼろと涙を零し続ける優希を前にして、唐突の出来事に日向の思考は真っ白に染まっていた。

 冗談で言った筈がそれを肯定されて、剰えついさっきまで笑っていた筈の彼女が泣いている。この事実は日向を混乱させるには十分すぎる程で、涙する友人に咄嗟に声を掛ける事さえも彼に許しはしなかった。

 しかし、それでも、そのまま立ちすくんでいる様な彼でも無い。束の間の後、意識を取り戻した日向は慌てて優希の下へと駆け寄る。

 「ゆ、優希!?楽しかったなら何で泣いてんだよ…!寂しいって言うなら…ほら、また明日も遊びに来ようぜ!明日だけじゃなく、明後日でも毎日でもなんだって良いからさ、幾らでも付き合うし、俺だって遊びたいんだから。だからさ、その…泣き止んでくれよ」

 そうしてあたふたと、涙を零し続ける親友を泣き止まそうとする日向は、傍から見ればあからさまと呼べる程にテンパっていた。それでも必死に声を掛ける日向の顔には、いつもの不敵な笑みとは異なり、困り果てたような、完全に参ってしまったというような、情けない笑みが浮かんでいる。

 そんな彼の笑みを見た優希の胸の内で、埋め尽くさんとばかりに満ちていた寂寥感を押しのけて、暗い後悔と羞恥が頭をもたげた。

 いつもそうだった。彼がこんな顔を見せる時は、大抵自分の所為だ。対して優希は自分自身の事しか頭にない。今回だってそうだ、なにも優希に限った話ではない。こうした友人としての時間は、日向にとってもこの日が最後になるのだ。それは他でもない、優希自身の手によって。

 「ごめん…日向、ごめん…ごめんね…」

 「謝らなくて良いって。言ったろ、俺は迷惑だなんて思って無いからさ。優希に関することで、俺が疎ましく思うような事は、何も無いんだ」

 度々、日向はそう言って優希を許してきた。そも許す許さないの土俵にすら立たせずに、彼は彼女を受け入れる。それは近衛日向から松江優希への紛れも無い友愛の表れで。そんな彼の優しさに優希は何度も救われてきた。けれど今はその優しさが彼女の心を余計に苦しめる。

 一方的に傷つけるだけになるかもしれない、いや、寧ろそうなる可能性の方が大きいだろう。

 それでも、きっとこのままでは近い将来二人の関係性はこじれてしまう。何故なら優希は彼に恋をしてしまったから。既に優希と日向の互いへの想いはすれ違ってしまっているのだから。

 ならばせめて、これで彼に嫌われたとしても、優希自身の手で正すと決めた。全てが壊れてしまう前に、新たな関係性を築く為に。

 「ごめんね、日向…」

 だから松江優希は、近衛日向に想いを告げると決めたのだ。

 

 

 

 「…ねぇ、美鈴ちゃんは今の俺と日向の関係についてどう思う?」

 それは昨夜、優希が美鈴から日向とデートをするのはどうかと持ち掛けられた後の事。料理の片手間に、明日のデートについて一通りの算段が付いた辺りで、ふと優希から投げかけられたその問いに、美鈴ははてと首を傾げながら答える。

 「どう、と言われましても…。普通に仲は良いなって思いますよ?まぁ、兄貴の認識的に、あくまでまだ友人同士って感じですけど」

 「だよね。日向にとっての松江優希は仲の良い友達、なんだよね…」

 予想通りの答えに同調しつつ、懸念が当たったとばかりに優希の表情が曇る。それから暫く、優希はうんうんと唸り声を上げながら何事か思案すると、やがてゆっくりとその顔を上げた。

 「決めた。明日、日向に全部話す。恋してる事も、これからどうしたいかとかも全部」

 優希がそう宣言すると同時に、それを耳にした美鈴はぴたりとその動きを止めた。そして、そのまま数秒ほど硬直した後、ようやく理解が追いついたようで、ぎこちない仕草で優希へとその驚きに満ちた双眸を向け、ぐっと詰め寄った。

 「え、告白するってことですか…!?優希さん、流石に早すぎますよ!昨日の今日ですよ、正気ですか!?…はっ、もしや兄貴の事が好きすぎて耐えきれなくなって…?」

 「ち、違うよ!そうじゃなくて、これからの事を考えたら、そうした方が良いと思って」

 あまりにもあまりな勘違いに若干頬を赤くした優希が訂正を入れるも、美鈴は要領を得ないようで視線で言外に『どういうことですか?』と説明を促す。

 「その、俺は日向に恋をしてる。これは間違いないけど、日向はそうじゃないでしょ?あくまで日向にとって俺は男友達なんだよ。このまま進んで行ったとしても、このずれの所為で、いつか日向を困らせることになっちゃう」

 実際に、朝の出来事がいい例だ。優希にとってはただの好き避けであったとしても、前提が異なる日向にとってはただ友人に避けられたと感じて、事実とはかけ離れた勘違いに繋がった。

 今回は運が良かった、周りに恵まれた。日向はラーメン屋の店主に話を聞いて貰って落ち着けて、優希は美鈴と相談することで普段通りに戻れた。けれど、これからもこれが続くとは限らない。あくまで周囲の人間ありきでは、いつか今回以上の綻びが生じた際取り返しのつかない事態になりかねない。

 そして、それ以上に。日向が苦しんでいた、朝の彼は本気で落ち込んでいた。自分の所為で彼を困らせることは、優希の本意ではない。

 優希が説明を終えると、黙って話を聞いていた美鈴は一つ息を吐いて優希と目を合わせ、口を開く。

 「…言いたいことは分かりました。…けど優希さん、それは告白したとしても同じじゃないですか?いきなり友人に告白されて、兄貴を悩ませることに変わりは無いですよ」

 美鈴から優希に対するものとしては冷たい声音。それを受けて、優希も神妙は面持ちで肯定する様に頷いて見せる。

 「…うん、多分悩ませることになると思う」

 それはそうだ。友人だと思っていた相手に脈絡なく告白されたら誰であれ悩むだろうし、驚くものだ。それでも優希にはそうするに足る理由があった。

 「でも、俺は告白して貰えて良かったって思った。どういう気持ちなのか教えて貰って、ちゃんと腹を割って話せるようになった。前よりずっと仲良くなれたと思った」

 話す優希の視線は目の前で相談に乗ってくれている少女へと向けられていた。以前まではただの友人の妹だった彼女は、今や誰にも話せない事を唯一相談できる程の相手となっている。

 「これはね、美鈴ちゃんが教えてくれたことなんだよ」

 そう言って微笑みを浮かべる優希に、美鈴は思わずといった形で息を呑んだ。まんまると大きく目を開けて、ぱくぱくと口は開いては閉じてを繰り返す。

 美鈴が優希に告白した事は記憶に新しい。あれから美鈴も優希も互いの距離が近づいたという自覚は確かにあった。

 暫く驚きの抜けないでいた美鈴であったが、やがて表情を和らげると、その顔に優しく微笑を浮かべた。

 「もう…、それを出されたら何も言えないじゃないですか」

 「あはは、ごめんね。でもこれが本心だから」

 そして、優希と美鈴はくすくすと笑い合う。こうして二人が仲睦まじく話せるのも、今の関係になってからだ。以前は美鈴も優希への恋心を隠してか、何処か他所他所しさがあった。それは奇しくも、今の優希と日向の間にも通ずるものがある。

 だが無論、全てが同じという訳でも無い。

 「でも、優希さん。必ずしも上手くいくとは限らないのも確かですよ。本当に大丈夫ですか?」

 念押しするように美鈴が問いかける。優希と美鈴だから上手くいった、その可能性も十分にあり得るのだ。

 それは優希も重々承知の上で、こくりと頷いた彼女の腕は微かに震えていた。

 「大丈夫…とは言い切れないかも。やっぱり、美鈴ちゃんは凄いよ。こんなに怖いのに、告白してくれたんだから」

 優希にとっては初めての告白。それも失敗すれば関係が破綻する可能性もあるとなればその恐怖は一際であった。

 そんな優希の震える手を、美鈴はゆっくりと首を横に振りながら両手で包み込んだ。

 「いえ、私は知ってますよ、優希さんの強さを。きっと出来ますよ、後は少し勇気を出すだけです」

 「美鈴ちゃん…」

 じんわりと指先を温める美鈴の手のぬくもりを感じて、真っ直ぐと向けられる彼女の信頼の眼差しを受けて、優希はぐっと決意を固める。

 「頑張ってください、優希さん」

 「うん…ありがとう、美鈴ちゃん」  

 

 

 

 まだ日が沈むには早い時間帯、やや下がり気味な太陽の照らす青空の下、ショッピングモールからの帰り道を優希と日向は歩いていた。

 あれから何とか落ち着いた優希の目元は微かに赤く、日向は昼食の入っていたバスケットを片手に彼女の横についている。

 結局、日向は何故優希が泣いていたのか、その理由は聞けずじまいであったが、しかし泣き止んで『もう大丈夫』と言われてはそれ以上踏み込むことも出来ず、けれども笑みを見せた彼女に取り合えずは安堵していた。

 「にしても、お前ほんと涙もろくなったよな…。あれか?精神に体が引っ張られる的な感じで、身体が変わったから、その辺の影響が出てるとか?」

 「うーん、どうなんだろう。でも、感情が表に出やすくなった部分はあるかも」

 話ながら、優希は先ほどの出来事を思い出して気落ちしたように眉を落とした。

 「その…日向、ほんとにさっきはごめんね。私…」

 「あー、だから良いって。それはもう終わった、過去形、そもそも俺は気にしてない、だからQED。お分かり?次言ったらセクハラするからな」

 気にした優希がまた謝ろうとするのを遮って、日向が言葉で畳みかける。何故かセクハラを脅し文句に使う彼だが、言うだけだと分かっているのだから意味は無い。

 意味は無いが、日向なりの気遣いの表れであると理解している優希は、思わずくすりと笑みを零した。

 「なんだよ、何笑ってんだよ」

 「ううん、何でもない。…ただ、日向と一緒に居るの楽しいなって」

 笑みを見せた優希ににやりと口角を上げる日向であったが、一拍置いて優希が本心を吐露すれば、鳩が豆鉄砲を食らったようにきょとんとした顔をした後、気恥ずかしそうに彼はそっぽを向いた。

 身長差もあり、優希からその表情は伺えないが、何となく照れているのだと彼女は察しがついていた。

 「…そう言えば、今日の夕飯どうする?帰ってから食うのもアリだし、食って帰るのもアリだな。おっちゃんがサービスしてくれるらしいし、ラーメン屋にでも寄ってくか?」

 若干上ずった声であからさまに話題を変える日向。時間帯的にはどちらでも問題は無かった。優希は近衛家で料理はしているが、それも朝食と昼食だけで、今日に関しては元々美鈴と交代しているし、何より優希には前もって決めていた予定があった。

 「その事、何だけど…」

 上を向く日向に対して優希はそっと俯きながら話を切りだす。勇気を振り絞る様にぎゅっとその手を握りしめて、様子が変わった彼女を不思議に思った日向の視線を受けながら、優希は言葉を紡ぐ。

 「私の家で、夕飯食べない?その後でね、少し話したいことがあるの」

 「話したいこと?」

 「うん、これからに関わる、大事な話」

 繰り替えす日向に、こくりと頷いて補足するように優希が言葉を続ける。これから、そう優希が言った時点で日向の顔に真剣味が滲んだ。優希がぼかして言ったという事は、十中八九変化した彼女の身体に関わる事だろうと当たりをつけて、日向は密かに心構えをした。

 優希もこれで後戻りは出来ないと、一線を踏み越えた事に対して、襲い掛かる緊張や不安から心臓が早鐘を打ち、束の間の沈黙が両者の間を支配した。

 「…分かった。…因みにさ、夕飯は何を作るんだ?」

 沈黙の後、それを破る様に日向が口火を切るが、そこには何処かぎこちなさが漂っていた。

 「えっと…今から買い物をしながら決めようかなって」

 「そっか、ならこのままスーパーまで行こうぜ」

 無論、それは優希も同じことで、二人はぎこちなさを残したまま買い物をしにスーパーまで向かい、食材を調達したその足で優希の家まで向かう。

 途中でも会話を交えていた二人だが、家が近づくにつれてその口数は徐々に減って行っていた。特に優希はこれからの事を考えただけで、口から心臓が飛び出てしまいそうになる程で、ようやく家に到着した際にはその緊張はピークに達していた。

 「優希、顔青いけど大丈夫か?」

 玄関の前で、流石に心配に思った日向が声を掛けるも、こくこくと頷く彼女はどう見ても大丈夫には見えない。

 しかし、このままではいられない。協力してくれた美鈴にも顔向けができないと、優希はぴしゃりと両頬を叩いて自らに喝を入れる。

 「…日向、その、ちょっとここで待っててもらっても良い?多分このままだと落ち着く暇が無いと思うから、その前に色々と心の準備がしたくて」

 「あぁ、大丈夫じゃないのな。分かった、準備が出来たら声かけてくれよ?ついでに冷房もつけておいてくれると助かる」

 「うん、ありがと」

 今ので落ち着くのは無理があったようで、察した日向は苦笑いを浮かべつつ荷物を地面の上へと置いた。

 そんな彼に礼を言いつつ優希は鍵を取り出すと扉を開け、日向を置いて一人久しぶりのアパートの部屋の中へと入って行った。

 

 

 

 「はぁ…」

 アパートの中へと入った優希は持っていた日傘を立てかけながら、大きく溜まっていた息を吐きだした。

 心臓は今にも壊れてしまいそうな程に早鐘を打っている。想像はしていたモノの、やはり実際に直面するとまた違うようで、時折頭が真っ白になってしまって、優希はここに来るまでの記憶が曖昧になっていた。

 「でも、ここからが本番なんだよね」

 予定の全体を見てみれば、今まではただの前座である。それで尤も重要な部分がこれから始まると言うのだから、彼女が今にも逃げ出してしまいたい衝動に駆られるのも無理なからぬことであった。

 「…美鈴ちゃん、ほんとに頑張ってくれてたんだな…」

 同じ立場に立って改めて優希は彼女の強さを実感する。告白したうえ振られて、更にその上でこうして自分の手助けをしてくれているのだから、今の優希の心境としては拝むどころか五体投地したい気分である。 

 こんなことを考えている辺り、やはり優希は動揺していた。

 最後に見た時には開けていた筈のガラス戸が閉まっていたり、片づけていた筈のやかんが出ていることに気が付かない程度には動揺していたのである。

 少しでも落ち着こうと、ふと優希は服を取り出した際の段ボールを出したままであることを思い出し、ついでに片付けようと靴を脱いで部屋に上がる。 

 そしてがらりとガラス戸を開き、優希が居間の中へと目を向けた途端、彼女の持っていたハンドバックがその手から滑り落ちた。

 部屋の中には先客がいた。いや、先客と言うと語弊がある。元々この部屋を借りているのは彼なのだから、正確に言えば借主と言うのが正しいだろう。

 そこに居たのは一人の痩せた男だ。その姿に、優希は見覚えがあった。以前、竜司に殴り飛ばされていた彼、あの時は遠目で、しかも周囲が微かに暗かったこともありよく顔が見えなかった。

 しかし間近で彼を見て、優希の記憶が刺激された。優希は彼の事を知っている、おぼろげな記憶と比べ些か顔は変わっているようだが、それでもそれが誰であるかは理解できた。

 「お父…さん…?」

 ぽつりと震える唇が浮かぶ答えを紡げば、ゆっくりと男が顔を上げてその瞳に優希の顔を映し出す。

 「やぁ、おかえり。…久しぶりだね、優希」

 そう言って、男、松江優晴は慈しむような笑みをその顔に浮かべた。

 

  

 

 「話、か…」

 アパートの前で、一人立ちすくむ日向がぽつりと呟く。

 優希が部屋に入ってから数分程、そろそろ優希から声が掛かろうかという頃合いで、これから彼女から聞かされると言う話について思考を向けていた。

 同時に思い出すのは竜司の言っていた優希に迫る大きな選択という言葉。

 「…ま、何にせよ優希の味方をするだけか」

 早々に思考を切り上げて、部屋の扉が開くのを今か今かと待ち続ける日向。そうしていると、不意に自動車のエンジンのかかる音が日向の耳に届いた。

 (…聞いたことないエンジン音だな。誰か新調したのか?)

 殆ど毎日、遅くまで入りびたる事のある日向は、優希以上に周囲の駐車場から聞こえてくるエンジン音について詳しくなっていた。

 車が出て来るなら少し脇に逸れておくかと、日向が荷物を移動させていると、一際大きくエンジン音が鳴ったかと思うと、駐車場から勢いよく車が飛び出て、アスファルトとタイヤの擦れる音が周囲に鳴り響いた。

 「うわっ、危ね…」

 あまりの勢いにぼやきながらそちらに目を向ける日向。しかし、窓ガラス越しに見えた光景に言葉を失う。

 助手席でぐったりと目を瞑っているのは、見間違えようも無い、松江優希であった。

 何故彼女がそこにいる、意識を失っているのか、そんな疑問が脳裏に浮かぶ間も無く、日向の前を優希を乗せた車が通り過ぎて行く。

 「優希…!!」

 咄嗟に追おうとする日向だったが、人力で自動車に追いつける筈もなく、やがてその後ろ姿は日向の視界から消えて行った。

 

 

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