気がついたら俺は星野アイになっていた。
あの今年の四月から放送された、アニメ「推しの子」のキーパーソンキャラである、金輪際現れない完璧で究極のアイドルで、アクアとルビーという双子の母親である星野アイだ。
冷静沈着に考えて明らかに彼女はアニメキャラであり架空の存在であり俺とは別人のはずなのだが……なんなら性別も違うのだが……何故か俺は自分を星野アイだと認識している、そして今、星野アイとして、アイドルを目指してダンスのレッスンをしている。
「はい、ワンツーワンツー♪アイさん、そんな小学生が訝しそうな顔してないで笑顔よ!アイドルは笑顔が命!あなたはアイドル!笑顔でVよ!♪それワンツーワンツー♪」
つまりこれは夢だ、夢にしては物凄くリアルな五感の感覚もあるが、いわゆる明晰夢というやつだろう。
昔ネットで見たことがある、夢の中で15年間過ごして、目が覚めたら一晩しか経ってなかったとかいう話、これはそういうタイプの明晰夢だ。
心あたりはある、現実の俺は現在役者を目指していて、フリーター生活。
アニメ推しの子をアニオタの演技の先生に薦められて何となく見ていたんだが、五話くらいから出てきた黒川あかねが、確か七話くらいで星野アイを演じるシーンで背筋に電撃が走った。
それ以降ダラダラ視聴を止めて、全裸で正座しての視聴に切り替えた。
そして最終11話で黒川あかねが主人公、星野アクアの舞台出演オファーの返事を待ちながら、フルーツパフェっぽいスィーツを食べながら、頬っぺたをプクプク膨らませてるシーンでは抱腹絶倒した。私可愛い!
断言する、このアニメスタッフ絶対黒川あかねのこと好きだろう?
ネタはあがってるんだ、大人しく観念しなさい!プクーッ
そんなわけで俺は黒川あかね推しである。
このまま星野アイとして生きていけばいつか黒川あかねにあえるかもしれないと思うとワクワクするな~~レッスンにも身が入るというものだ。嬉しい楽しい幸せありがとう!
「アイさんその笑顔よその笑顔、じゃあ少し休憩にしましょう」
流れる汗までリアル、運動の後のスポドリは美味い!人生って素晴らしい!
もっとも星野アイは残念ながらアニメ第一話でこの世を去ってるんだよなぁ…でも俺は大丈夫、ちゃんとチェーンかけるもん!
ちなみに俺はアニメから入った影響で原作は読んで無い。だってネタバレした感じになるじゃん!アニメ勢としては、まぁ原作は、アニメが黒川あかねエンドなら買うかな?絶対買うでしょ!読むよう、保存用布教用三セット。
ちなみにハメで二次創作は読みまくってますけど文句ある?あっても読むけど!だってアニメ二期まで半年間は長いよ辛いよ。
早く黒川あかねのアニメでの活躍が見たいよ皆もそうだろ!
☆☆☆
「あっ!」
休憩中、声を出したら夢から覚めるとかもと思って声を出してみたが、可愛らしい女の子の声が出ただけだ。
ピョンピョンピョンッ!、何度かジャンプしてみたけど、やはり夢から覚めることはない。
「ドスコイ!ドスコイ!ドスコイ!」
ビッタン!ビッタン!ビッタン!
何度か壁に張り手をしてみたがやはり夢は覚めない。
トレイに行ってパンツの中を確かめて見る、リアルだ!明晰夢って自分が見たことの無いものまでリアルに再現してくれるのか?明晰夢すげ~~~!
「……俺は、男として大切なものを無くしてしまった……」
いつかTSしたら一度は言ってみたかった台詞を言ってみる。
「ふふっ、楽しい♪」
思わず漏れる独り言の声も少女のそれだ。パーフェクト。
「俺は精神的には男だ!」
これもTSしたら言ってみたかった台詞part2
いつか誰かにリアルでも言ってみたい!
それまでに夢が覚めなければね。
「こんな……男なのか女なのかも分からない、私みたいな気持ち悪い存在を、好きになってくれる人なんているわけ無いよね……」
く~~っ!夢がひろがるなぁ~~♪夢だけどw
「鏡を見るのが嫌い……成長するほどにアイに似てくる自分が辛くて、でもそんな弱い自分が一番嫌い…」
まぁアイ本人なんですけどねw
楽しい~~~www
「アイーーレッスン始めるわよ~」
「はい!がんばります!」
どうやらこの夢は簡単には覚めてくれないらしい、それなら夢のTSライフを楽しまなければ嘘でしょう、いつTSライフを楽しむの?今でしょう!」
全ての俺が全会一致で可決した、俺はこの夢の世界で、星野アイとして芸能界で頂点(てっぺん)獲ったる。
アイドル王に、俺はなる!
どうだった?