1人ポツポツと歩く小柄な少女の影があった。
そう、雪風である。
雪風「どこなんでしょうかここは。」
あの時雪風は吹雪と歩いていたのだが、急に床が開き地下に落ちたのだ。
あまりにも一瞬の出来事だったので吹雪たちも気が付かなかったのだ。
雪風「ここも薄暗いとはいえまだマシですね。」
床一面には水たまりが数ミリ程度溜まっておりポチャポチャと雪風は歩く。
ところどころの壁にクラックと鍍金が剥がれている部分、色落ちやカビなどでとても良い空間では無かった。天井からは色々とぶら下がっている。
雪風「また扉が…。」
雪風はその扉を開き中を伺うも先程から歩いてきた場所とほとんど変わらない。まるでループしているようであった。
しかし、先程の扉とは違い厳重に鎖がされている扉が目の前にあった。
すると雪風の目の前を影が通る。それを雪風は見逃さなかった。
雪風「ネズミさん?」
雪風は気にせずにそのまま扉に手をかけた瞬間であった。
雪風「ぬあっっ!!!!」
その影が襲いかかってきたのだ。
雪風は咄嗟に防ぐも少し服が切れてしまった。
雪風「ネズミじゃない!!!確かお前は……!」
雪風は大淀から見せてもらった資料を必死に思い出す。間違いない。その中に載っていた存在。
通称PT小鬼。
雪風「今は雪風1人だけ………!!!やるしかありません!!!!!」
雪風は構えを取り小鬼と対峙する。
小鬼「フシャアァァァァ……。」
バッッッ!!!
雪風に向かい突進をしかける小鬼。
それに合わせ回し蹴りを繰り出す。
小鬼「フゴッッ!!!」
存外そのまま当たり吹き飛ぶ小鬼。しかしまだピンピンしており動きまわる。
雪風「頭はそこまで良くないのかな…。」
小鬼はまたもや突っ込む。
また雪風はそれに合わせ右フック。
簡単に当たり壁に叩きつけられる小鬼は直ぐに起き上がりちょこまかと動きまわる。
今度は雪風から攻撃をしかける。
しかし中々当たらない。
雪風「こっちから仕掛けると避けやがる!」
小鬼は突進を仕掛けてきたのでそれに合わせ殴ろうとすると急に体を後ろにのけ反り黒煙を吐く。
咄嗟に顔にかけられるのを防いだ雪風。
雪風「っっっなっ!!!」
突如背中に激痛が走る雪風。
鮮血が流れる。
後ろを向くと小鬼が鋭利な舌先で切ったのだ。
雪風「速い…!!いつの間に…!!!」
またもやちょこまかと動きまわる小鬼。
煙幕を吐き雪風に攻撃をしかける。
雪風は煙幕の中で無造作に攻撃するが面白いほど手応えが無い。今度は下からの攻撃で顎を裂かれる。
雪風「ガッッッ!!!!」
雪風は倒れるもすぐに起き上がり構える。
起き上がる直前に固く閉ざされた扉を雪風は確かに見た。
雪風「ハァ……ハァ………。」
出血多量で視界がぼやける中、雪風は見えない敵に集中する。しかしそれでも小鬼の攻撃は止まない。
雪風(煙幕を吐いた途端に速くなりやがる…!!そういうシステムなのでしょうか………!?)
雪風(体の構造…?でも何か違和感が………。)
小鬼「ゲケケケケケヘェェッッッ!!!!」
小鬼か舌先を伸ばし突っ込んでくる。
雪風は防ぐことを辞め!!なんと掌で受け止めたのだ!!!!!
舌先は雪風の手のひらを貫通。それを力強く握りしめ、片方の手でしっかりと小鬼の体をつかみ小鬼の舌を噛み切った!!!!!!!
小鬼「ブュラリャァァィァッ!!!」
小鬼は紫色の血を流す。
雪風「わかりましたよ…。パターンが。」
雪風「どうしたんです?助けに来ないのですか?小鬼さん。」
雪風は後ろを向いた。
なんとそこには小鬼が2匹居たのだ!!!
雪風「雪風は目がいいですからね。雪風を切りかかった舌先の血の付着具合がどうも気になったんです。」
雪風「それでよく見たら付着箇所が違う。これは1匹じゃないと確信しました。」
雪風は小鬼を蹴飛ばし噛み切った舌で残りの小鬼に斬りかかった!!!
ガアアアッッッンンン!!!
しかし避けられてしまった!!!
小鬼は焦りながらもニヤける。
雪風は膝をつき、顔を俯かせる。
小鬼はそこにすかさず3匹固まって大口を開き雪風に突っ込む。噛み殺す気だ。
小鬼「キイイイィヤァァァァァッッッ!!!!」
雪風「そう来ると思ってましたよ…。」
雪風「情けない…。まだ雪風はお前ら程度にすら勝てません……。なので一旦………。」
雪風「選手交代です。」
ドゴオオオォォォッッッ!!!!!!
扉が勢いよく開く。
先程雪風が切りかかったのは小鬼では無い。
扉の鎖を切ったのだ。
そこから何者かが出てくる。
??「ちびっ子。よくやったの!!!立派じゃ!!!!」
その人物はそれぞれの小鬼の頭をパンチで殴り潰した。目が飛び出し臓物を巻き散らかす。
小鬼たちは少しの間蠢いていたが次第に事切れた。
雪風「本当は助けに来たつもりだったんですが…………助けられてしまいましたね……。」
雪風「利根さん。」
利根「いや!助けられたぞ!!!!礼を言う!!!!!」
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電はパネルに乗っていたがそのまま壁まで伸び、パネルが壁に激突。とある部屋にほおり出されてしまった。そして尻を抑えつつ歩き始めたのであった。
電「今日は散々なのです…。」トホホ
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吹雪と睦月は歯車に巻き込まれないよう慎重に進んでいた。すると曲がり角のある廊下に出た。
吹雪「曲がり角か…。その先はまた長い廊下。」
睦月「気をつけなきゃね吹雪ちゃん!!深海棲艦が居るかもにゃしい!!!」
吹雪「そうだね。気をつけよう。」
「その深海棲艦って」「もしかして」
「「私たちみたいな?」」
吹雪・睦月「なっ…………!!!!!」
吹雪と睦月の肩に顎を乗せ話す謎の人物。
すぐさま裏拳を放つもヒョイと躱されバク転で廊下の先まで逃げた。
吹雪「なんで…あ…………あんな奴らが………」
睦月「この流れ…………戦わなきゃ殺されるにゃしい…………。アイツら確か………。」
吹雪「双子……………棲姫…。」
双子棲姫「「フヒヒッ」」ニヤァ
吹雪「やべぇな………今回ばかりは死ぬかも知れねえ…。」
口は笑うも汗が滴り落ちる吹雪。
睦月も心の帯を締める。