少女は町田の顔をじーっと凝視する。
そして目が合ったと思うと
ベロベロベロベロベロベロベロ!!!!!!!
町田の顔を舐めまわしてきたのだ。
町田「わーーーっへ!!!!ふひひひひwwwはひゃはははwwwwこそいこそい!!!!w」
町田は頭を撫でつつその少女を抱きしめる。
町田「よーしよしよし!!!怖かったなぁ!もう大丈夫やぞ!!!!!」
町田「ところで君名前は?」
顔中ヨダレまみれの町田はその少女に話しかける。
少女「…………………………ぽい。」
町田「へっ?ぽいちゃん?そんな軍艦おったかなぁ…………。まぁいいや!ほなぽいちゃん!寝起きで悪いけども行こか!!!!立てるか?」
ゆっくりとそのぽいちゃんを立たせ、町田は着いてくるように走り抜ける。その後をぽいちゃんが追いかける。
[newpage]
吹雪「……………なんか揺れたな…。なんか爆発でもしたのか…。」
睦月「なん……………だろう…ね。」
2人は双子棲姫との戦いでその場から動けないでいた。
満身創痍でありこのままでは死んでしまう。
しかし何も出来ないのであった。
睦月「ハァ…………ハァ………。」
顔を歪ませ苦しむ睦月。心配する吹雪であったが睦月が徐に話し出す。
睦月「もしね…………もし睦月が死んだら………お願いがあるの………。」
吹雪「変なこと言うな…。その願いはお前自身で叶えろ…。」
睦月「とに…かく…聞くだけでもいい…から。本当の…………姉妹を………見つけて欲しいにゃしい…。」
吹雪「……………姉妹って…。前の鎮守府に居たんじゃねぇのか…?もう喋るな…。黙って安静にしててくれ。」
睦月「………………ゴボッ!!ゴハッガハッッ!!!」
血を吐く睦月。内臓のダメージが思っているより深いらしい。
吹雪「おい!!大丈夫かよ!!!!!睦月!睦月!!!!!」
吹雪は何も出来ない。
己の無力さに殺意が湧く。
悲しきかな、助けを待つ他ないこの現状に怒りをぶつけたいがどうしようもない。
このまま死を待つだけなのか…。
すると…
ドガッッッァァァァン!!!!
壁がいきなり吹き飛んだ。
吹雪は顔を腕でかざしながら何が起きたのかを確認する。
那珂「大丈夫!?2人とも!!!」
吹雪「せ、先輩!!!!!」
那珂であった。那珂は修復材の入ったペットボトルを持ってきてくれたのだ。
吹雪は手渡し、睦月は優しく丁重に抱き起こし少しづつ飲ませた。
那珂「良くやったよ2人とも。立派だよ…。」
目を細め優しく頭を撫でられ泣きそうにもなるがそんな場合では無い。
睦月「睦月!!!!復活にゃしいいいいいいっっーー!!!!!」
いきなり飛び起き両腕を天にかざす睦月。
吹雪「ハァ………。助かった…。ありがとうございます先輩。」
那珂「礼は慎ちゃんに言ってね☆ていうかみんな助け出さないと!!!ほら行くよ!!!!!」
那珂に続き2人はかけていくのであった。
途中イ級ヘッドがいっぱい居たが、回復した吹雪たちの敵ではなかった。
バッサバッサと薙ぎ倒し突き進む3人。
しばらくしてとても大きな空間に出た。
よく周りを見渡すと檻だらけである。
那珂「みんなー!助けに来たよー!」
両手を口の横に当て、大声で叫ぶ那珂。
すると歓声が湧き上がる。
那珂は蹴りで牢屋を破壊していき、それに吹雪たちも続く。
すると吹雪の顔見知りがそこに居た。
「あれ…………姉ちゃん!?姉ちゃんじゃん!!!!!」
吹雪「お前……………初雪!!!!!!」
そう、吹雪型三番艦・初雪である。
吹雪は胸の内が熱くなるのを感じた。
吹雪「今出すからちょいと離れてくれ!!」
衝撃音とともに牢屋が破壊される。
大量の人と艦娘が解放されて行くのであった。
捕虜「やった………やったぞー!!!」
捕虜「ありがとうございます!本当にありがとうございます!!!!」
捕虜「助かったぁぁぁーー!!!生きて出られるぞー!!」
皆が喜ぶ中、那珂が吹雪たちにこの先が出口に通じるので突き進めとの指示を出す。
那珂はとうするのかと言うとひとり鉄扉を蹴り潰し進んでいくのであった。
吹雪「良し!!!!皆続いてください!!!!」
[newpage]
コツ…コツ…
靴が鳴り響く道を那珂は歩く。
その先の牢屋には坐禅を組む影があった。
那珂「……………。」
那珂は無言で牢屋を蹴り潰す。
那珂「……………大丈夫かよ………。」
那珂「姉貴。」
川内「見違えるくらい立派になったね。那珂。」
川内は目を瞑りながら那珂に話す。
那珂「出ようと思ったらいつでも出れただろ。なんで出なかったんだ。」
川内「この時を待ってたんだよ。みほとけのお導きがあってね。那珂たちが来てくれるって。」
川内「せっかくの妹の成長………。邪魔する訳にはいかないから。」
川内は目を開く。
その目の色は濁っており、光が宿っていない。
川内「生まれつき目が見えない身だけど…。その代わりに仏様の声が聞こえるように…。それで那珂が仲間と助けに来るからそれまで待てって…。」
那珂「仏さんか。お会いしたいもんだね。」
川内「大丈夫。仏様はいつもみんなの傍にいるから。神通は?」
那珂「知らね。自由人だからよあいつは。まぁそんなに私ら仲良くないしね。」
川内「仲悪くも、ないけどね。」
優しい笑みを浮かべる川内を見て、那珂の顔も綻ぶ。
那珂「さっさとでようぜこんなとこ。段差あるから気をつけろよ!」
川内「大丈夫。心眼は開いてるって。」
2人は破壊された牢屋を後にするのであった。
[newpage]
「イキナリ他人の家上がり込んでさんざん暴れて…………。何でしゃばってんだあテメェはよォ。」
「てんで弱ぇけどもまぁ、私らの仲間にしてやらん事も無いな。」
電は血まみれで倒れていた。
そして頭を偉そうに喋る影に踏まれていた。
電「なんで……………テメェみたいな奴が………………戦艦…ル級!!!!!」
電は力を振り絞り起き上がらんとする。
ル級は少しづつ脚が上に上がっている事に気づく。
ル級「あ?まだやんのかお前。」
また力を入れ踏みつけるル級。
ル級「とはいえ私も私か。お前如きにかすり傷負わされるとはな。」
ル級の首の右側には確かに裂けている。
電の剣靴で切られたのだ。
ル級「もういい加減諦めろよぉ。なぁ?お前じゃ無理だっての。駆逐艦が戦艦に勝てるわけ……………ねぇだろうがっっ!!!」
電「ブエッッッ!!!!」
電は腹を蹴飛ばされそのまま壁に激突。
しかし、腹を抑えつつ構えを取り闘争心を燃やす。
こんなところで死ぬ訳にはいかない。
ル級「もう少し骨のあるやつと戦いてぇよな…。汚れ仕事ばっかりだ…。」
ヤレヤレと言わんばかりに頭を抑えるル級。
その行動は電をイラつかせるには十分だった。
電「舐めんなクソ野郎がぁぁぁっっ!!!!」
電は剣靴を手にはめ、突撃。
電「ダラララララララララッッッッ!!!」
剣靴突きの嵐。
しかしニヤケながら避けるル級。
ローキックで電を足払いしまたもや腹を蹴る。
しかし今度はタイミング良く防ぐことが出来た。
飛ばされながらも電は剣靴をル級に向かって投げた。
電「ドゥラッッ!!!」
それすらも右に首を傾け避けられる。
電は悔しそうに顔をゆがめる。
ル級「遅い遅い。お遊戯会か?」
するとル級の左首が切れ紫色の血が飛び出る。
ル級「あんっ!?」
先程投げた剣靴が帰ってきたのだ。
よく見ると電の手は何かを掴んでいるようだった。
電「へっ……。喧嘩殺法活剣術…リモコン靴!!!」
電の剣靴には目には見えないほど細い線が張ってあった。それを避けられた直後に引っ張ったのだ。
悔しい顔はブラフである。
電「今ので首飛ばそうとしたのですが…………戦艦となると硬いのです。でも…」
電「駆逐艦如きに首の両端切られてクッソダサいのです。鉄の部品からやりなおしたらどうなのです木偶の坊。」
電は死にかけながらも何とか気を保ち、いつもながらに舌尖がするどい。
ル級「……………………。煽るなぁ…。」
切られた部分を手で抑えつつル級は冷静な顔をしている。すると違和感を覚えた。
そう、ガムが付いていたのだ。
ガムは手にへんばりつき伸びている。
電はそれを見て中指を立て舌をだらんと出していた。
額にじわじわと血管が浮かぶル級。
ル級「お前よぉ………。何でわざわざ苦しみながら死ぬ死に方選ぶんかなぁ…。」
ル級「もういいわ。殺すわ。」
するとどうだル級の体から赤色のオーラが発せられる。血では無いと判断した電は警戒しつつ後退する。
気がつけば電の左腕は肘から先が無くなった。
電「がぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっーー!!!!!!」
大量の血が流れる。
全く見えなかった。
いつの間に切られたのか。
腕を抑えつつ顔を見上げると目の前にル級がおりそのまま蹴り飛ばされた。
電「ゴブッッッ!!!」
壁にたたきつけられる電。
ル級「知ってるかぁ?お前らに改装があるように、私らにもあるんだよ。」
ル級「こいつはelite。よりすぐりの深海棲艦にしか出来ん高等術だ。」
ル級「なんか………哀れだなぁお前。」
電「ダァァァァァァッッッ!!!!!」
電は負けると分かりつつも隻腕の剣靴で殴り掛かる。どうせ死ぬならばせめて徹底的に反抗してからの方がいい。
ガキイイイイッッッン!!!
剣靴の剣の部分が叩き折れ空中を舞う。
ル級の肌が硬質化している。
電「!!!!!!!!!」
ル級「………。」
ル級の蹴りを受ける電。
ガードが遅れマトモに受けてしまい、横腹が吹っ飛ぶ。
電「ハッ………ハッ…………!!!」
顔は歪み大量の脂汗が流れる。
どうあがいても勝てない。
電の頭には吹雪たちとの思い出が流れる。走馬灯と言うやつだ。
吹雪(死ぬなよ電!!!!!)
睦月(絶対に生きて帰るにゃしい!!!!)
町田(誰かが欠けることは絶対に許されへん。みんな絶対に生きて帰るぞ!!!!!)
電(………………。ごめんなさいなのです。電はもう……。)
電(こんな………性格でも…受け入れてくれたのはお前らだけだったのです……。)
電(……………………。)
涙も流れ出す。
ル級は電の頭を踏みつけわざと徐々に力を入れ始めた。
じっくりと潰すつもりなのだろう。
ル級「何泣いてんだお前。初めから分かってただろうがこうなるってこと。」
電(皆………………死なないで………。)
ググググググ
ル級「頭潰れて死ぬ。それがお前の選んだ死に方だぜ?」
ググググググ
ル級「じゃあな。」
グチャッッッ!!!!
ル級の力が一気に込められた。
そしてル級の足首が潰れていたのだ。
ル級「あん?!!!!!!!うぎゃぁぁぁぁああああ!!!!!!!」
すると何者かに殴られ向こうの壁まで吹っ飛ぶル級。
電の目の前には体ほどの大きさがある尻尾、頭にフードを被った少女が居た。
電(お………………………お姉……………ちゃん………?)
電の意識はそこで途切れた。