捕虜を全員助け出し、皆は一旦工場跡から離れた場所まで移動した。
栄養失調の者や怪我をしている者も居ることが予想出来たので大淀が早いうちに連絡を大本営に取っていた。
救助ヘリが数台、憲兵団や陸上自衛隊も駆けつけた。
ひとまず安堵の息が漏れる大淀。
因みに埋まってしまった町田はどこからとも無く現れた那珂と川内によって助けられた。
町田「普段は何も対応してくれへんのにドンパチやった後は駆けつけてくれるんやもんなぁ。」
吹雪「何処も彼処も深海棲艦の事で手一杯ですからね。」
那珂「皆助けなきゃ話になんねぇだろ…。点数稼ぎかよ。」
悪態をつきつつタバコを吹かす那珂。
性格からして嫌いなのだろう。
ヘヴィボーイ「にしても、まさかボスに姉上が居たとは。」
那珂「川内型だよ〜?☆…………そりゃ居るさ…。」
那珂「で、どうすんの姉貴。姉貴のことだから多分こっちにゃ来ねぇだろ。」
川内「うん。私が行ったところで那珂の成長の邪魔だからね。という事で!!!」
川内「提督!!!世話になっていいかな!?」
町田「え!?来てくれんの!!!マジかよww!!サイッコーーや!!!!」
睦月「先輩が来てくれたら百人力にゃしい!!」
ゴロツキ「いいぞいいぞぉーー!!」
ゴロツキ「ボスも良いけど…姉上殿もいいなぁ…。」
雪風「おっ!浮気ですか!?」
爆笑の渦が起こる、
川内派?のゴロツキは那珂にヘッドロックされコノヤローと言わんばかりに頭をグリグリされる。
そんなものはご褒美であろう。
捕虜「ちょいと待っておくれ…。ワシは若い時整備士をやっとったんじゃ。出来たらなんじゃが、アンタのとこで世話になりたいんじゃが…。」
最上「それだけじゃないよ!僕も是非所属させてもらいたいな!」
初雪「もう豆腐のプラスチック作るのは勘弁…。お世話になりますよっと。」
ウオオオオオオォォォォォッッッーー!!
その場が盛り上がる。
とくにゴロツキどもが盛り上げてくれているのだが、仲間とはやはり頼もしい。
吹雪「へっ、言うじゃねぇか初雪。」
睦月「妹かぁ…。いいなぁ…。」
町田はある事に気づき、吹雪たちに尋ねる。
町田「なぁ………。電の奴…、ずっとアソコで1人で佇んで…。大丈夫か…?」
睦月「さっきからずっとあんな調子にゃしい。」
吹雪「何があったんか聞いても空返事ばっかりです。」
町田「あいつ工場で倒れとったんやけども、服はズタズタでも身体に傷は一切なくての…。心配やわ。」
吹雪「時が解決してくれるんじゃないっすかね…。それと。」
吹雪「さっきから顔ベロベロ舐められてますけど大丈夫っすか?」
町田「ん?あぁ大丈夫や!この子な、ぽいちゃん言うんや!そんな軍艦あったか知らんけども。」
町田の顔を舐め回すぽいちゃん。
懐いているのかなんなのか…。
吹雪「そいつは夕立って言う駆逐艦っすよ。凄いっすね。」
町田「凄いで〜!この子なんか顔面お化け1人で倒したんやからの!」
睦月「ええぇぇ!!アレを!?!!」
吹雪「それもそのはずっすよ。そいつぁ改二ですね。」
町田「改二……………?あぁ、たしか改装とかなんとかやの!そんな改二の子が捕まってたとは…。」
町田「もしかしたら他の鎮守府が探してるかもしれん。また連絡しとくか。」
吹雪「そうッスね。それに…。」
吹雪「2人も出会えた事ですし。」
町田一行が少し離れた場所に停めてあったハイエースを見る。
そのには大粒の涙を流し、抱き合う利根と筑摩が居た。
生きて会えたのだ。これ以上のことは無い。
それにそもそも筑摩が鎮守府に助けを求めてくれなかったら今回の件は存在しなかったかもしれない。
たった1人の決死の思いがあまりにも大きな1歩となったのだ。
それぞれの戦いが終え、空は少し明るくなり向こう側にはお天道様が顔を覗かせていた。
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とある場所━━━━━━━━━
ル級「ハァ………ハァ………。」
軽巡棲鬼「ただいま戻りましたよ〜☆」
「おい、なんだそのザマは。」
「え?双子ちゃん生きてんのそれ?死体じゃね?」
「なんだそれル級お前wwwww死にかけじゃねぇかww」
深海棲艦のアジト。何処にあるのかそもそもそのこの世の空間なのか。
ル級たちは工場を後にし戻ってきたはいいものの、やはりというか嘲笑われネタにされていた。
帰ってきてそうそう十数人程度のものの声が響く。
恐らく幹部であろう。
幹部たちは会議のような形で椅子に座り長いテーブルを囲んでいた。
「おいおいwそれが戦艦の姿かよwマジで私ら戦艦のメンバーに入る気なの?ww」
ル級「ぶち殺すぞ戦艦棲姫いぃいいぃ!!!!」
戦艦棲姫「バーカ。戦艦としてのプライドがねぇんだよお前は。だから艦娘如きにやられんだ。」
「そういうな。艦娘にも手を焼いてるのは事実だ。」
戦艦棲姫「そういうけど、こいつメンバーに入る気なのよ?空母棲姫。」
空母棲姫「ナードから這い上がってメンバーに入るのも実際にあるわよ。だからバカにしちゃダメってこと。」
空母棲姫「わかったらさっさと傷治してきなさいな。そんな形(なり)でここに長居はしないで欲しいわね。」
ル級「どっちなんだよお前は。」グググ
軽巡棲鬼「後例の装置も壊され、ドクターも殺されました。」
その一言で周りの空気が少し重くなる。
「貴重なドクターが死んだか……。それも確かに困りものだが、装置も壊されたと来たか…。」
「おい軽巡棲鬼、それはまた違う話になるぞ。メンバー落ちもありうるぞ。」
軽巡棲鬼「分かっております。しかし、奴らのデータは取れました。」
すると手のひらを開く軽巡棲鬼。
中から小さな装置が回転しながら宙を舞い、メンバーの席に飛んでいく。
「これは何のデータだ。」
軽巡棲鬼「今回工場を攻め込んできた艦娘と提督のデータです。」
「提督…?たかが人間如きに叩かれたのか?」
周りの一部に笑いがおこる。
軽巡棲鬼「いえ、ただの人間ではございません。奴には恐らく深海側の血が流れております。」
軽巡棲鬼「それに数人の艦娘にも血が流れておりました。」
空母棲姫「なるほど…。確かに面白いデータだ。もしかしたら手玉に取れるかもしれないわね。」
「そうか。じゃあ、今回の件は目を瞑ってもらうようあの方がには伝えておこう。次は無いと思え。」
軽巡棲鬼「ハッ!」
ル級「……………………。」
軽巡棲鬼たちはその場を後にし、どこかへ消えていく。
残りのメンバーたちはそれぞれ気だるそうにリラックス出来る姿勢をとる。
リーダーと思わしき影は受け取ったデータを読み取り始めた。
「町田慎太郎か…………………。」
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町田一行はその場をなんとか収め、ハイエースに乗り旅路を急いでいた。
檻巌鎮守府に所属すると言っていた艦娘は車には人数的に乗れないので那珂たちの車に乗っていた。
それぞれの車と話すために電話をセットしていたのでわちゃわちゃしている。
金剛「提督ーーー!!!Kissしてヨー!!!みんな頑張ったヨー!!!」
町田「キスぐらいいつでもしたるで金剛ちゃん!!!!みんな愛してるぞ!!!」
町田「にしても今回はマトモに深海棲艦どもとやりあったんとちゃうか?」
吹雪「鎮守府前の深海棲艦とは全然レベルが違いましたからね。先輩方が来てくれなかったら死んでましたよ。」
町田「せやなぁ…。良く勝てたもんやで。ありがとうな那珂ちゃん一行。」
雪風「でもでも!!皆さんの力があればなんとかこれからもやっていけます!!!この調子で頑張りましょう!!!」
雪風のセリフに応えそれぞれが声を上げ姿勢を高める。
電「……………です。」
睦月「…え?」
電「無理なのです………。このままじゃ絶対に殺される。」
吹雪「…………だろうな。」
睦月「えぇ!吹雪ちゃんも!?でも皆の力で…」
電「今回はたまたま運が良かっただけなのです。少しでもアイツらが来るのが遅かったら電たちは死んでいたのです。」
電が流れ行く景色を窓から見ながら目を細め話し出す。正直なところ、電の方が正しいのであろう。
電「改装………。今すぐにでも改装が必要なのです。」
町田「……………でも明石がおらん…。誰か知人に明石おらんか?」
那珂「居るよ。厳密に言えば明石じゃ無いけどね。」
那珂「井森って人なんだけどね。少し変わり者だけど悪い人ではないよ。私が話通そっか?」
町田「那珂ちゃん様様やな…。ホンマにありがとうな。」
那珂「慎ちゃん達のこと大好きだから〜♡朝飯前のプロテイン前だよっ!☆」
町田「よっしゃ!!!!!ほなその井森さんて人に会いに行こか!!!!!」
それぞれの車が盛り上がる。
これからの深海棲艦との戦いは過激なものになっていくであろう。
それには改装が不可欠である。
しかし何時までも不安がっては本当の意味で明日は来ない。
皆の目は真剣そのもので、瞳の輝きは真であった。
檻巌鎮守府所属艦娘
吹雪、初雪、睦月、雪風、電、夕立
川内、天龍、龍田、大淀
利根、筑摩、最上
金剛、比叡、榛名、霧島
龍驤
提督
町田慎太郎