第26話「面接も履歴書もかなり面倒臭い」
イクノックの工場で死闘を繰り広げ、捕虜を逃がし無事に帰ってきて早2ヶ月。
時の流れは早いものである。
とてつもないあの戦いが昨日のように思える。
不規則に現れる鎮守府近海の深海棲艦を倒しつつ、鎮守府で自主トレーニングを欠かさない町田たち。
因みに大本営からは工場の件のお手柄で軍曹から少尉に昇格したのだ。
とはいえ名ばかりで特に待遇が良くなったなどの事は決してない。
町田「時の流れは早いな…。」
最上「提督!お茶入ったよ!」
町田「おっ、サンキューもがみん。頂くな。」
新しい椅子に座り優雅にお茶を飲む町田。
今日は少し忙しくなる予定である。
町田「ブァアマァォァォッッツマ!!!これモンダミンやんけ!!!!!!」
最上「えぇ!!!??!ごめん!間違えた!!」
電「どうとち狂ったらそんなミスすんのです。ポンコツが増えただけなのです。」ハァ…ヤレヤレ
龍驤「モンダミンならぬモンガミンってか。やかましいわ。」
少しづつあれ以来、落ち着いてきた電。
その回復の様子は舌尖を見れば明らかであろう。
大淀「モンダミン飲んでるところすみません提督。井森さんのラボ、来週の水曜日にぜひ来て欲しいとの通達が今入りましたよ。」
町田「オッ!マジカ!アリガトオオヨドチャン!!」
雪風「しれぇ深海棲艦みたいになってます!」
初雪「まだ慣れなくてしんどいけどさ、楽しいとこだね姉ちゃん。」
吹雪「あぁ。こんな変な鎮守府他には無ぇぜ初雪。案外恵まれてるのかもな。」
初雪「……………お金無くてバイトもしなきゃだけどさ。」
吹雪「………………うん。」
霧島「司令!面接予定の艦娘が来ましたよ!って………奇怪な…………!!!何故モンダミンを…!!!!」
町田「ダイショブダイジョブ!ホナ、ヘヤイドウシヨカ!!」
町田は服を整え部屋を移動する。
面接の部屋は応接室でするつもりである。
何を隠そうあの工場の件で龍驤の必死の叫びを聞いたり見たりした野良艦娘が興味を持ってくれたのだ。
カメラに大画面で叫ぶ龍驤の魂の声。
マイクチェックは必要無いであろう。
町田は応接室に、天龍姉妹と大淀は艦娘を迎えに玄関へ足を運んだ。
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⟬ 1回目 ⟭
応接室。
町田の隣には吹雪と大淀、比叡が居た。
応接室の扉の向こうには電たちが聞き耳を立てていた。
町田「えぇと、なになに…。北上…さんか。球磨型軽巡三番艦やの!で、隣におんのが加古さん。古鷹型重巡二番艦か!」
北上「そうですよー。お願いしますね。」
加古「はい!お願いします。」
町田「ウチの龍驤の声聞いて来てくれたんやの!あんがとうございます!ところでお2人はどういった関係で?」
北上「ルームシェアしてました。私の部屋に加古が尋ねてきまして。」
加古「狭いアパートでしたけど、バイトしながらなんとか生活してました。」
町田「それはそれは…大変でしたね。ウチにも金剛型のもんがそういう生活してたらしいですわ。でも艦種が違うのに珍しいですね。」
比叡「いやぁ…お気持ちすごく分かりますよ………。大変だったでしょ…。」
町田「なんのお仕事してはったんですか?」
加古「私は病院で看護助手してました。フルタイムです。」
吹雪「立派なもんで。」
北上「私は掛け持ちしてましてw午前はスーパーの掃除のバイトで、夜は風俗店で働いてましたw」
町田「ほぇっ!?風俗!?!他のバイトでも珍しいのに働けるもんなんですね…。」
電(つ……遂に売女が来よったのです…………。)ボソボソ
雪風(バイジョ……?なんですかそれ?)ボソボソ
龍驤(体売る仕事や。あんたが知るにはまだ早い。)ボソボソ
北上「あるんですよ結構!私が働いてたとこは野良艦娘ばっか集めてる艦っ子パラダイスってとこだったんですけどw」
町田「ふ…艦っ子パラダイス………。しかし何故鎮守府に来ようと?風俗の方が稼げるんじゃ…。」
北上「ぶっちゃけ嫌われてましたからねw他の艦娘にwあんまりお客も取れなくてw」
加古「それにやっぱり艦娘ですしね。」
比叡「なるほど…お2人は艤装などは持てますか?」
加古「持ったこと無いんでわかんないですけども………どうでしょう…。多分持てるとは思います。」
北上「私も…右に同じく…。」
吹雪「まぁ、持つ機会なんて無いですけどね。一応。」
町田「他に聞くことも別に無いか………。良し!ほぬ本日からよろしくお願いします!!」
北上「へ、即日採用?!どの鎮守府でも門前払い食らったのに…。」
吹雪「ここはそんじゅそこらの鎮守府じゃ無いですからね。変わり者ばっかなんで。全然お2人はマトモですよ。」
比叡「是非是非来てくださいよ!歓迎します!」
北上・加古「んじゃんじゃ、よろしくお願いします!」
檻巌鎮守府
球磨型軽巡洋艦三番艦北上
古鷹型重巡洋艦加古
加入!!!!
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⟬ 2回目 ⟭
町田「まぁ、めちゃくちゃな奴以外全然取るんやけどな……。」
吹雪「私らが私らなのにめちゃくちゃな奴ってどんな奴ですか。」
比叡「小動物をいじめるのが趣味みたいな?」
吹雪「それは確かにキモイっすね。ダメだわ。」
2回目の面接予定を控え談笑する3人。
本当は比叡の代わりに金剛がしたかったのだが生憎本日はコンビニのバイトである。
コンコン
応接室の扉がノックされる。
1人かどうかはわからないがとにかく2回目の面接のスタートである。
町田「御足労おかけしましたね。取り敢えずそこにかけてください。」
加賀「加賀、と申します。よろしくお願いします。」
赤城「………………赤城です…。」
吹雪「よろしくお願いします。では早速面接を始めますね。」
龍驤(遂に正規空母が来よったで…。でもなんで正規空母がわざわざこんなとこに…。)ボソボソ
利根(吾輩らみたいな運のない奴らじゃったのかのぅ…。)ボソボソ
電(どうせカタワなのです。)ボソボソ
睦月(そう言うなっての!)ボソボソ ゴンッ!
睦月のアームハンマーが直撃。
電の後頭部が少し膨れる。電はコメカミに血管を浮かべ拳を握り少し震える。
比叡「なる……ほど…。という事は…お2人は1スロットしか艦載機を積めないと…?」
加賀「はい、厳密に言えば無理をすれば2スロット私は積めます。しかし、赤城さんは…」
赤城「1スロットで悪いかよ……。」チッ
吹雪「聞こえてまっせ。それで所属が決まっていた鎮守府から契約を切られたと。」
町田「スロット?パチンコの話でもしてんの?」
比叡「違いますよ…。スロットは積める艦載機の種類数みたいなもんです。同じのも積めますけども…。」
町田「なるほどの!て言うことは…」
加賀「重大な欠陥艦…ですね。」
町田「ふん……………。」
赤城「チッ!!!こんな反応されるから来たくなかったんですよ!!」
吹雪「だいぶやさぐれてますね。」
加賀「…………すみません。最初からこうだった訳では無いのですが…。」
赤城「スロットが1つしかない正空母なんざ何処にも雇って貰えない…。その癖税金はしっかりと取りやがる……こんな世界になってるってのに…。」
赤城「やっとのこさバイトが決まっても全然続かない…。こんなのばっかりですよ……。」
赤城「いっそ…いっその事自殺でもすりゃ…」
加賀「………!!赤城さん!!!」
町田「そんな気重に考えんで大丈夫ですよ。」
町田「僕かて全然仕事続きませんでしたしね。今で31歳。自衛隊入ったんが26の時ですわw」
比叡「えぇ!!司令30代だったんですか!?40代かと思ってました!」
町田「老け顔やからの…。前は色々介護だの工場だの行ってましたけど3~4日で辞めましたしw」
町田「世の中確かに仕事が無くなってきてます。でも自分に合うところってのは絶対にあるんです。それに2人とも受かってまっせ。」
赤城「…………え?」
加賀「その場で…採用なんですか!?」
2人は戸惑いを隠せない。
それはそうだ。今までどこに行っても爪弾き。
こんな事は初めてである。
町田「えぇ。是非来てください。それに合わんかったら辞めたらええんです。まぁ……こんなご時世ですけども…。」
赤城「……絶対後悔しますよ。どうせすぐに追い出すんです。それか私から辞めるかも知れませんね。」
加賀「赤城さん…。来てくれって言ってくださってるんですから……。提督、みなさん。是非よろしくお願いします。」
加賀は頭を下げるが赤城は始終ムスッとした顔で過ごしていた。人生に嫌気がやしているのであろう。
本日の面接はこれにて終了である。
結局来たもの全員採用してしまったが、これがこの鎮守府のやり方なので仕方ないのである。
ドアに聞き耳を立てて聞いていた電たちも移動し始める。
電「結局みんな取りやがったのです。どいつもこいつもポンコツだらけ。どうしようもないのです。」
睦月「ほんっと悪態つくよね〜。電じゃなくて本名ぷらずまなんじゃないの?」
電「うるせぇ黙りやがれなのです。ていうかよくも頭殴ってくれやがったな!!!覚えてろなのです!!!!」
そういうと電は鎮守府を出ていき何処かに向かった。
筑摩「何処に行ったんでしょうか…。」
雪風「バイト!アルバイトです!」
利根「なんのバイトじゃ?」
睦月「訪問介護にゃしい。あの面に似合わないにゃしい。」
睦月は顔に手を当て笑うも電を玄関まで見送る。
利根「以外じゃの〜…。あれでご年配の方見れるのか…?」
龍驤「オムツ替えとかよぉ出来んな〜。立派やで。」
雪風「電曰く、糞よりも人間関係の方がよっぽど薄汚なくて嫌らしいです!!」
利根「やっぱり良い奴なんじゃな。」ムフフ
加賀型正規空母一番艦 加賀
赤城型正規空母一番艦 赤城
加入!!!