第30話「地獄島」
町田と吹雪たちは改装と検査を終え合流し大広間でゆっくりと寛いでいた。
町田「いやぁ〜良かった良かった!みんな改装終わったんやの!」
龍田「まぁ私たちは改二になれなかったけどね〜。」
雪風「改二の道はまだまだです!」
町田「それにむっちゃん、ホンマの妹に会えたんやの。」
睦月「にゃしい!!」
如月「えぇ、お陰様で。」
ニコリと微笑む如月は井森が先程言っていた通り、髪も肌も白く深海棲艦のそれであった。
しかしながら研究員やほかの艦娘は気にしておらず、人柄の良さで通っているのであろう。
それ以前に井森の娘というのもあるだろうが。
吹雪「司令官も検査終わったんですよね?どうでした?」
電「ちったぁ出来の悪い頭治ったのです?」
町田「いやぁ、まだ結果が出てないから何も言われへんわ。でも電ちゃんよりは頭ええと思うで!」
ギャーギャー!!!ワーワー!!!
如月「楽しいところね、お姉ちゃん。」
睦月「恵まれてるにゃしい。」
如月は井森の傍に居たいらしく、鎮守府の勧誘は断られた。しかし、これから何かあったらバックアップを取ると約束してくれた。
井森「楽しそうだね。」ニコ
町田「あぁ、どうもっす!井森先生!この度は本当に。」
井森「イヤイヤ、礼を言うのはこちらの方だよ。まだこんな素晴らしい鎮守府があったとは。」
井森「ところで君たちこれからどうするんだい?もう鎮守府に帰るのか?」
町田「そうっすね…。長居したら迷惑ですしね…。」
井森「そんな事はないさ。しかし君たちも君たちで仕事があるんじゃないかと気になってね。」
町田「今のところはとくに依頼とかは入ってないですね。ハハハッ。」
大淀「私の携帯にもとくに何も無しです。」
井森「そうか……………。ならば…君たちに仕事を依頼しても………いいかね?」
町田一行「!!」
町田「まさか先生直々にされるとは…。」
井森「君たちならば頼めると思ってね。受けてもらえるかね?」
最上「内容は?」
井森「ある島に行って私作ったの資料と、あるパーツを取ってきて欲しいんだ。」
榛名「資料?」
大淀「パーツ?」
龍驤「島って、どこの島でっか?」
井森「禍深(まがふか)島だ。」
一部を除き皆が少し驚く。
無論、町田は何故そんなに驚くのかわからない。
町田「禍深島?何ですそれ?」
電「カッペ野郎が!禍深島は東にある鎮守府が全出動して攻め込んだ深海棲艦のアジトの1つなのです。」
町田「鎮守府全出動やと!?マジかいな!!」
天龍「そうだ。禍深島の深海棲艦は壊滅できたんだが……それと同時にその鎮守府は壊滅。途轍もねぇ戦いだったんだ。」
町田「………………そうか…。」
吹雪「で、何故そんな所に?」
井森「慎太郎君には話したんだが私は以前政府に務めててね。その時に唐草鎮守府にも仕事で出向いてたんだ。」
金剛「それがあの島とどう関係があるデース?」
井森「噂なんだがまた深海棲艦どもが屯しているらしい。そこで港の船乗りが何かを運んでいる様子を見たらしいんだ。」
如月「恐らく唐草鎮守府の艦娘が装備していたパーツが沈み、それを回収したんでしょう。」
川内「てことは戦いは避けられないね。」
町田「それが先生の言うてはるパーツやったと…。」
井森「そうだ。あれは現時点では2つと作れない。アレはまだパーツの段階だ。だから今は深海棲艦にも使えてないはず。」
龍驤「その情報が入ったのはいつです?」
井森「昨日だ。」
町田「めっちゃくちゃ最近やないですか!!!ほな急がなあきませんわ!!!」
井森「やってくれるか!!!!頼む!!今しかないんだ!!!!これは前金だ!!!」
ドーーーン!!!!とアタッシュケースに入ったお金を見せられる一行。
1億円丁度である。
皆は目が¥のマークになりそれを興奮して眺める。
町田「OKです!!!!!ところで…そのパーツてなんのパーツなんです?まさか核兵器とかじゃ…。」
井森「すまない………。今は言えん……!!!だが、絶対に後で言わせてもらう!!!」
金剛「う〜ん、怪しいデース…。」
電「うるせぇ!!!金が1番なのです!!言ってる場合じゃねぇのです!!」
町田「よし!!!じゃあ行かせてもらいます!」
井森「頼んだよみんな!!!無事に帰ってきてくれ!!!」
井森と如月は頭を下げ、町田を見送った。
━━━━━地獄禍深島編━━━━
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町田一行はハイエースを港の近くに停め、船場を目指す。島に行くには船が必要だからだ。
何故わざわざ借りに行くのかと言うと井森曰く、港は海賊に占領されているらしく船が出せないとの事であった。
町田「船かぁ…。てか今どき海賊て…。カリブ海やないんやから。」
加賀「しかも船長は艦娘だとか。」
霧島「このまま行けば港に着きますね。」
雪風「むっ!臭いです!!!」
睦月「電また屁こいたにゃしい?」
電「屁なんてこいてねぇのです。」イラッ
龍驤「この臭さは…酒か?まぁ酒場とかもあるやろうけども…。」
どこからか酷く酒の臭いがする。
いくらなんでも近くに酒場があるとはいえそれではない。
しかしその臭いの正体が分かったのだ。
目の前にそれはいた。
「ウェェ〜…………ヒック…ヒック…。」
瓢箪を片手に持ち、前のめりになりながらフラフラと千鳥足で歩く酔っ払いが居たのだ。
だが普通の者ではない。腰にはダンビラを装備している。
町田「酔っ払いかいな…。」
電「くっさ…。」オエッ
大淀「もう夕方とはいえまだお日様があるのに…。」
天龍「何飲んだくれてんだよ。あぁはなりたくねぇな川内……………」
天龍が酔っ払いを指さし、川内に顔を向けると眉間に皺を寄せながらタラタラと汗を流していた。そんなにも嫌なのかと思ったがそうではないらしい。
川内「と………。」
天龍「あん?あんだって?」
川内「あれ……………妹…。」
静寂が流れる。
一同「えぇ……………。」
すると酔っ払いが電にぶつかる。
「ってぇなぁ……………おい〜…。んめぇどこ見てんだごるぁぁぁ!!!!」
電が胸ぐらを掴まれたのでやり返そうとするとそれを制止する川内。
川内「おい。何してんだお前。」
「あぁ〜?んだてめ………………あっ………!!!!」
神通「あ………!!!姉者!!!!!」
神通は川内にビビり腰を抜かし小便を漏らす。
川内「またお前は酒飲んで人様に迷惑かけて…!!!」
拳をワナワナと震わせる近づく川内に更にビビる神通。
神通「わっ!!悪いよ姉者!!!この通り!!勘弁!!!」
ヒーヒー言いながら両手を合わし上に掲げ頭を下げる。
電「なっさけないのです………。」
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川内「で、なんでこんなとこで飲んだくれてんの。」
神通を目を瞑りながら睨みつける川内。
神通「なっ……んな顔しねぇでくれや姉者…。カジノで負けちまったんだよ…。」
川内「カジノ?」
神通「おぅ。カジノ。港も変わっちまってよ。例の海賊だよ。姉者ならしってんだろぅ?」
地べたに胡座をかきながら酒を飲む神通。
町田「その海賊に占領されてるんやっての?そのカジノも経営してんのか?」
神通「そうだよ。海賊ダークサンダースにな。」
比叡「ネーミング…。」
神通「私ゃあれよ。男も要らねぇ、金もいらねぇ。サイコロありゃ生きていけんのよ。」
電「お前吉田拓郎の歌に出てきたのです?」
(※吉田拓郎さんの洛陽を聞いてみてください。)
龍田「負けたのね〜………。」
川内「サイコロだけでいいんならその酒は何よ?」
神通「喉は乾くからな。姉者も飲むか?」チャポッ
目の前に瓢箪を差し出すものの無視される神通。
飲まないと分かると自分で飲むのであった。
北上「水飲めよ…。」
大淀「ではそのカジノに案内してください。近くに船場があるはずです。」
神通「あぁ?船場って……船乗るんか?てか今更だけどよぉ…あんたら誰よ?」ゴクゴク
川内「私の所属してる鎮守府よ。」
町田「どうも、少尉の町田言います。」
神通「鎮守府だぁ?ケッ!!!!くっだらねぇ。姉者も落ちたもんだなぁ。あんな仕打ち食らったってのによ。」グビグビ
川内「あんなとこじゃ無いよここは。良いとこさ。で、船場は?」
神通「船に乗りてぇんならカジノで勝たなきゃ無理ってもんよ。」グビグビ
加古「なるほど、こういう流れか…。」
町田「ほな案内してくれるか?」
神通「……………。」
右手に持っている瓢箪を飲もうとするがどうやら最後の一滴だったらしい。
悩んだ挙句、重い腰を上げると太ももの砂を払い
神通「酒も切れたし……丁度いいか。………着いてこいよ。案内してやらぁ。」