次々と鉛玉が飛んでくる最中、木曽が率いる船の足取りは止まらなかった。
しかし砲撃の数は凄まじくなり町田一行は苦戦をしていた。
町田「クッソがぁぁぁぁっっっ!!!全然止まんやんけ!!!」
睦月「にゃしいっっ!!!」
加古「こっちに飛んでくる弾ならともかく!!船のボディに当たっちまったらどうしようもねぇ!!」
どがぁぁぁぁぁぁぁっっっっん!!!
海賊「うわぁぁぁっっっーー!!!!」
海賊「怯むんじゃねぇ!!!!!打ち返せぇぇぇっっっ!!!!!」
チンピラ「がぁぁぁぁっっっっ!!!!」
飛んでくる弾に飲まれるチンピラや海賊。
沈んでいく船もあれば直撃しバラバラの肉片になる者もいた。
攻撃が激しすぎる。
町田「おいキャプテンさんよぉぉぉ!!!!この船も主砲やら副砲やら大砲あるやろぉ!!!こっちもやり返さなあかんて!!!!!なんで打ち返さんねん!!!」
木曽「………。」
町田「無視すんなボケぇぇぇっっっ!!!!」
比叡「なっっっ!!しまっ……」ガスッッッ!!!
比叡が弾き損ねた弾がバットトルピード号の甲板に襲いかかる。
海賊「うわぁぁぁぁ!!!!!!!」
「姦しい……………。」スチャッ
「三水戦流!!!!!邪海斬(じゃかいざん)ッッッ!!!!」
ズバッッッッッ!!!!!
真っ二つに叩き切られた弾は船の両サイド後方で爆発する。
海賊「た……助かった…。」オォ……
金剛「WOW………。居合切りデース……。」
天龍「なんちゅう一太刀だ…。居合に関しては俺以上か…?」
川内「流石。腕は落ちてないね神通。」
神通「ったりめぇよ。にしても気持ちよく寝てる時にやかましい…………ウッッッ!!!!」
カッコイイところを見せたと思いきや口を押え急いで船のサイドまで走り思いっきり吐く神通であった。
電「おいおい!一太刀で終わりかよ!」
吹雪「あんだけ飲みゃそうなるってんだ飲んだくれぇ!!!!」
加賀「忙しい時にッッ!!」
夕立「クッサ。」
大淀「夕立ちゃん喋れたんだ!!!」
嵐のように弾が飛び交う中、一際目立ち変わった何かが飛んできた。
それは白く、口のようなものがついているものの目や鼻にあたるものが無い物体であった。
町田「ん??!なんなあれ!!!白いたこ焼きか??!」
龍驤「司令官しゃがんでっっ!!!」
町田「!!!!」
龍驤の声に合わせすぐさましゃがむ町田。
艦載機を飛ばしそれを撃ち落とした。
龍驤「あれタコ焼きとちゃう!!!!深海棲艦の艦載機や!!!!」
町田「艦載機ぃぃ!?!艦載機てイ級みたいなやつとちゃうんか!!?」
龍驤「上級の深海棲艦の艦載機はあれ使いよるんや!!ってことはあの島にはどえらい奴もおるって事や!!」
そんな話をしているにも関わらず艦載機も大量にとんでくる。
砲弾に艦載機の嵐である。
霧島「艦載機があんなにッッッ!!!!クッ!!」
天龍「辞めろ霧島!!三式弾を放つんじゃねぇ!!船がひっくり返る!!」
霧島「!!!!そうね…。冷静さを欠けていたわ…。しかし…どうすれば…。」
龍驤「ウチが艦載機を引きつける!!!!少しでも狙いがそれたらマシになるやろっっ!!!」
巨大な式神の上に乗り遠く飛んでいく龍驤。
町田「すまん龍驤!!!!絶対死ぬなよぉぉぉっっーー!!」
天龍「龍田ぁぁっ!!俺らも行くぞっ!!!」
龍田「了解っっ!!!」
2人は勢いよく船から飛び降り水上を走り抜く。
初雪「あたしらもっっっ!!!」
最上「行かせてもらうよっっ!!!」
榛名「榛名もっ………!!!」
初雪「先輩方は水上歩行の訓練した事ねぇだろ!無理すんな!!」
町田「絶対に死ぬなよぉぉぉ!!!!!!」
電「なっさけねぇのです!!!!クソッッッ!!!おいクソキャプテン!!!!テメェもさっさと砲撃しろなのです!!!!ハリボテかこの船はよォ!!」
木曽「……………。まだだ…。まだアイツが出ていない。」
雪風「アイツ!!!??なんですか!!?」
町田「なんでもええわもぅ!!!!島まで距離は縮まっとるんや!!!!あともうちょいじゃぁぁぁぁっっっーーー!!!!!」
全員「うおおぉぉぉぉぉぉぉぉっっっっーー!!
!!!!!」
[newpage]
龍驤(ウチ1人ではこの艦載機の相手は無理や……!)
龍驤(とにかく船から少しでも逸らせれたら……!!)
龍驤(!!!!来よった!!!!)
ヒューーーーーッッッ!!!!
ずどどどどどど!!!
龍驤「舐めんなよぉぉっっ!!!クソどもがぁぁっっ!!!!」
龍驤は猛スピードで艦載機を躱しながら負けじと応戦する。
敵機の数は100数十。すべてを撃ち落とすのは不可能である。
それにも関わらず卓逸した動きで掻い潜る。
龍驤「どこな!!!本体を叩いたら終わるはずや!!!!」
ガバッッッァァァ!!!
龍驤「しまった!!!!」
打ち損ねた頭部のかけた艦載機が龍驤の後ろから襲いかかる。
前からは大量の艦載機。
急いで上昇しようと試みる龍驤であるが間に合わない。
その時!!!
ズバババババババッッッッッ!!!!!
ドッゴオオオオオオオオオッッッ!!!!
巨大な手裏剣が艦載機を次々の切り裂いていく。
龍驤「川内!!!!」
川内「後ろは任せて!!!!龍驤は本体を探して!!」
龍驤「目も見えへんのに流石やで………!!!」
川内「心眼心眼。」ニヒヒ
[newpage]
降り注ぐ鉛玉の雨を掻い潜りながら天龍率いる4人は走り抜けていた。
初雪「このままだったら船よりも早く島に着いちゃうね!!」
天龍「目の前のアホどもを全員倒せたらの話だけどなッッッ!!!」
龍田「天龍ちゃん!!サイドに別れましょう!!!!」
天龍「おう!!!!初雪!!俺と来い!!!」
初雪「がってん!!!!」
龍田「最上ちゃんは私と!!!!」
最上「了解!!!!」
4人は2組に別れ更に速度を上げ前に突き進む。
すると砲撃しているイ級やホ級の1団が見えてきた。
天龍「ハ級も居やがんのか……。初雪ぃ!あくまでも船からの攻撃を反らせるだけだぞ!!相手を全滅させようなんざ考えんなよ!!」ズバァァッッ!
初雪「わっーてますよ!!!寧ろ天龍先輩がしそうな事っすけどね!!!ダラッッッ!!!」
最上「もう少しで船が島に着くよ!!!!」
龍田「ふんばりどころよ最上ちゃん!!!!」
[newpage]
吹雪「おい木曽先輩!!!!!なんで砲撃しねぇんだ!!!!船のボディにもぶち当たってんだからこのままだったら持たねぇぞ!!!!」
木曽「もう少しだっ!!!もう少しであいつが出てくるはずなんだ!!!!!!!」
町田「せやから何やねんあいつあいつて!!」
木曽「………。」
町田「俺だけ露骨に無視しよんなぁぁぁぁっっ!!!」
すると地響きならぬ波響が伝わってきた。
向こうの水面が浮いている。
町田は今度はなんだと言わんばかりにその水面を見つめていると300mはあるであろう駆逐二級が顔を出したのだ。
町田「あいつは確か……駆逐二級!!!!ていうかデッッッッカ!!!!」
大淀「ただの駆逐二級ではありません!!後期型です!!!!」
北上「なんかあいつ口開いてるよ!!大丈夫なのこれ!?!」
北上の言う通り大口を開く二級。
口の中からこれまたデカイ大砲が飛び出し何やら怪しく光を充填している。
木曽「!!!!!!今だッッッ!!!!!!やれ野郎どもッッッッ!!!!」
海賊「了解!!!!!!」
海賊どもが急いで何かを始める。
するとバットトルピード号のフロント部分の蓋が大きく開き、二級とタメを張れるぐらいの大きな大砲が出てきた。
木曽「撃てぇぇぇぇぇぇっっっっっーーー!!!!」
町田「えっ!!ちょっ………」
物凄く眩い閃光と共にとてつもない破壊力を誇るエネルギー砲が発射される。
放った時に船が少し宙に浮かび仰け反ったほどである。
真正面からそれを喰らった二級は充填していた自らのエネルギーの分も兼ねて大爆発を起こした。
周りにいたであろう砲撃隊と空母隊も巻き込まれ爆発。
その爆風で船から投げ出されないようにどこかにしがみつく町田一行と海賊たち。
木曽は少しふらつくものの腕を組んだまま仁王立ちである。
町田「なんちゅう威力じゃ……。3連ハイパーメーサーかよ…。ちゅうか………!!!」
町田「天龍たちは!!!!!!おい!!!!木曽ぉぉ!!!!!」
木曽「…………。さぁ、どうだろうな。」
金剛「オマエ………ッッッ!!!」
金剛が木曽の胸ぐらを掴む。
相も変わらず涼しい顔をしている木曽。
金剛が木曽を殴り飛ばそうとしたその時━━━
「うわぁぁぁっっっーー!!!!どけどけどけどけえええぇぇっっー!!!」
と声が聞こえ上空から天龍たち4人が降ってきた。
町田「天龍!!!!よっしゃっっ!!こいっ!!」
町田は天龍、霧島は龍田、吹雪は初雪、加古と北上は最上をそれぞれ受け止める。
衝撃で船が揺れるものの大したことでは無い。
町田「よしよしよし〜!!!よぉ頑張ったな天龍!!みんなも!!!!」
天龍「やっ……やめろバカはずかしいってんだよ!!!」
抱きしめられながら頭を撫でられる事に赤面する天龍であったが内心嬉しそうである。
吹雪「にしても良く死ななかったな初雪……。姉としても嬉しいぜ。」
初雪「あぁ……それは…」
「この子のおかげやで。」
上からボロボロの式神の上に龍驤と川内が乗りゆっくりと降りてきた。
2人とも服が煤やらなんやらでボロボロである。
龍驤が左手に抱えていたのは1機の艦載機であった。
しかし龍驤のものでは無い。
「間に合いましたか!!」
階段の方から声がする。
その声の持ち主は赤城であった。
雪風「赤城さん!!!どこ行ってたんですか!」
浜風「ハァ……ハァ……めちゃくちゃな方ですね…。」
潮「大変でしたよ………。」ゼェゼェ…
夕雲「つ…………疲れた………。」ハァ…ハァ…
3人を振り払い赤城は何かを食べながら龍驤が持っていた艦載機を自分の元へと誘導させる。
木曽「お前ら…何でそんなに息が荒いんだ?」
浜風「キャプテン!!聞いてくださいよ!めちゃくちゃですよこの人!!!勝手に資料室に入ったと思ったら海路図も漁って砲台室もいじくって!!!」
潮「取り抑えようとしたらおにぎりぃぃぃぃ!!!!んぼぁぁぁぁぁっっっー!!とかキチガイみたいに叫んで暴れ倒して!!!」
夕雲「いくら私たち3人とはいえ正規空母には敵いませんでした………。すみません…。」
赤城「フンッ!!中々こちらから攻撃しないので怪しいと思ってお邪魔したんです。そしたらあのエネルギー砲ですよ。」
赤城「あのままだったら天龍さんたちも巻き込まれて吹き飛ばされてしまいます。ですので私のひとつしかないスロットの艦載機を飛ばして急いで知らせたんです。」
木曽「だ、そうだ。もう少し艦娘を信用したらどうなんだ提督さんとやら。」
赤城「ついでに食料があったんで少し分けてもらいましたよ。」ゲプッ
木曽「!???!!?!!」
龍驤「凄いなあんた…。」
潮「何がついでだ少しだっっ!!!1週間分の食料全部食いやがって!!!!」
木曽「そんなに食いやがったのか!?!!?!」
町田「にしても赤城ちゃん。なんで…。」
赤城「私も………まぁ一応………この鎮守府に世話になってるので……。何か貢献しないとと思って…。」
少し歯がゆそうに頭をポリポリとイジる赤城。
町田「赤城ちゃん…。」
龍驤「でもとてつもないスピードやったであの艦載機…。ウチでもあんなん出されへんで。あんたスロットひとつしかない代わりに超スピードの艦載機出せるんとちゃうんか。」
加賀「それでこそ赤城さんですよ。」ニコッ
鎮守府の皆が優しく微笑む。
木曽「……………なんかいい雰囲気で終わらせようとするなっっっ!!!!島に着いたんだ!!!さっさと降りろ馬鹿ども!!!!!」
海賊たちも野次を飛ばしまくる。
電「おやおや〜?先程のクールさはどこにいったのです〜?」フシギナノデスー
吹雪「もしかして演じてただけっすか?」ニシシ
木曽「んのクソ野郎どもっ…………!!!同じ艦娘だからって調子に乗りやがって……!!」
浜風「やっぱり鎮守府に勤めている艦娘はダメですね。」イライラ
町田「お〜っと!!俺らも降りらなあかんわ〜!!!皆ほらいくど〜〜!!!」
木曽たちを遠目に足取り勇ましく降りていく町田一行。
木曽は少しだけコイツらを船に乗せたことを後悔したのであった。