大勢の海賊とともに歩みを少しづつ進める雪風。
時折浜風に話しかけるが全て無視されていた。
海賊「なぁ、副キャプテン…。実の姉妹なんですし少しくらい答えてやったら…。」
浜風「黙って歩け。」
海賊「っっ!!は、はっ!」
比叡「うん…。実の姉妹でも仲悪いなんて事人間でもザラにありますしね…。難しい問題です。」
榛名「私たちがどうこう言える立場ではありませんね…。電ちゃんは怒ってたけど…。」
雪風「………。」
雪風はもういちいち気にする事は辞めたらしく、めげずに時折話しかけ、探照灯で洞窟を照らしながら進む。ここまで大分進んできた。
15~20分程度であろうか。
洞窟自体大きいが、明らかに地下に進んでいる。
傍にある鍾乳石が歪に光る。
さらに10分ほど進むと目の前にはボロボロで今にも朽ち果てそうな吊り橋が。
雪風「今にも壊れそうな橋ですね…。」
榛名「1人ずつ渡るしか無いでしょうか…。」
比叡「でもこの橋…100m以上はあるわよ。かなり時間かかるわね。」
海賊「副キャプテン!!俺が先に渡って安全を確かめてきます!」
浜風「わかった。行ってくれ。」
1人の海賊団が慎重に吊り橋を渡っていく。
下には大量の水が流れており、落ちたら最後である。
脂汗を流しながらゆっくりと渡る海賊。
ギシギシと軋み、弄ぶかのように揺れる吊り橋はまるで生きているかのようである。
歩くだけで何分かかるかわからない。
1歩1歩慎重に歩く下っ端海賊。
浜風「りだ………。そう…。」
浜風が何を言っているのか耳をすませる雪風。
浜風「そうだ…。ゆっくり渡るんだ…。確実に1歩1歩…。無理せずに…。」
はっ、と気がつく浜風。
すぐ後ろには笑顔の雪風が。
雪風「やっぱり心配なんですね。素直になったら良いのに!」
浜風「盗み聞き…。随分といいご趣味をお持ちで…。」
雪風「お!!やっと喋ってくれました!」
またもや、はっ!と気がつく浜風。
雪風は笑っており、少しだけ1本取られたと心のどこかで感じる浜風であった。
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榛名「もう少しで着きますよ!!」
2人はすぐさま下っ端に目を向ける。
周りが固唾を飲む中、やっとのこさ下っ端は向こう側へとたどり着いた。
下っ端「なんとか渡りましたぜっー!!ゆっくりと時間はかかるかもしれやせんが1人ずつならなんのか渡れまさあ!!!!」
口元に両手をつけメガホン替わりに大声で叫ぶ下っ端。
浜風「良し。次さっさと渡れ。」
海賊「えっ、副キャプテンお渡りにならないですか?!」
浜風「最後で良い。さっさとしろ。別にお前ら…」
雪風「大事な皆さんを見守った後に渡りたいんですって!」
割り込むように物申す雪風。
ツンデレというやつです!と自信満々に胸を張る。
周りの海賊がガハハと爆笑している中汗を垂らしながらほんのちょっぴり焦る浜風。
浜風「うぅ、うるさい!!!さっさとしろお前らぁっ!!」
ヘイヘーイ!と1人ずつゆっくりと渡っていく海賊たち。
皆笑顔である。
もちろん雪風たちも。
浜風はクールさを取り戻すべく深呼吸をしたが
海賊「お嬢ちゃん。副キャプテンがツンデレなのは皆知っての通りだぜ。」
と小さな声で雪風に語りかけたが浜風に聞こえていたようで尻に蹴りを入れられる。
それでまた周りに笑いがおき、ペースを乱されまくった浜風であった。
1時間過ぎた頃であろうか、残るは雪風、浜風、榛名だけとなった。
雪風「さて!誰から渡りましょう?」
比叡「榛名最近食べ過ぎだから太ってんじゃなーい?!最後にしといたらー?!」
榛名「ぶっ飛ばしますよ!!!!でもまぁ…その…最後にしておきます…。」
皆「ガハハハ!!!」
浜風「くだらない…。あなたからどうぞ。」
ぶっきらぼうに雪風に催促する浜風。
元気よく、ただゆっくりと渡る雪風。
時間はかかるも確実に向こう側に足を進める。
榛名「元気でしょう?雪風ちゃん。」
浜風「?」
榛名「どんなにボロボロになって、深海棲艦にボコボコにされても立ち上がって…。その度に笑顔でひょうきんに振る舞うんです…。それが私たちにとってどれだけ救いになってきたか。」
浜風「…………。」
榛名「ですから貴方にもそう接してしまうんですよ。姉妹なら尚更。鬱陶しいと思われるかもしれませんが、許してあげてくださいね。」
浜風「………別にどうでもいいです…。」
雪風「渡れましたよー!!」
私の番なので、と一言榛名に伝え渡り始める浜風。
榛名はどこか嬉しそうである。
しかしその時であった。
比叡「な………なに!?地震!?!!」
ゴゴゴゴと揺れ始めたのだ!!
ボロボロの吊り橋の上でしゃがむ浜風。
海賊が心配したが来るなと大声で伝えその場を静止する。
しかし、榛名の方の吊り橋の繋ぎ目が大きく断裂したのだ!!
既に限界を迎えていたのであった!!!!
浜風「なっ!!!!!」
榛名「邪魔はさせません!!!!うおおおっっらぁぁっっ!!!!!」
落ちかけた吊り橋を両手で持つ榛名。
バランスの問題かかなり苦しそうである。
足にふんばりを入れ、両腕には血管が浮き出る。
榛名「早くわたってください!!!!!!!」
大きく頷く浜風。
しかし揺れは収まらず次はなんと海賊たちの頭上に大きな岩が落ちてきたのだ!!!
海賊「うわぁぁぁぁっっっ!!!!!」
比叡「どいて!!!!!!」
比叡「金剛流空手!!!戦艦突き!!!!」
正拳突きのアッパーカット版である。
その岩を砕いた比叡に一同はおぉ…、と声を漏らす。
浜風も安心し吊り橋を走ろうとしたその時……。
浜風「なっ…………」
浜風の頭上に先程よりも大きな岩が降ってきたのだ!!!!
海賊「副キャプテンーーーー!!!!!!」
雪風「浜風えええええぇぇっっ!!!!!」
その瞬間とてつもないスピードで浜風の元にかけつける雪風。
浜風をさっさと抱き上げ瞬時に走り抜ける。
しかし!!落石に間に合わず、直撃は免れたものの吊り橋ごと真下の激流に落ちていったのだ。
榛名・比叡「雪風ちゃんんんん!!!!!」
海賊「副キャプテンーーーー!!!!!」
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【木曽サイド】
天龍「進めど進めど何もねぇ洞窟だな…。だんだん明かりも薄暗くなって来やがった。」
左手に持つ探照灯が少し頼りにならなくなるほど奥へ進んでいた天龍一行。
北上「なっさけない話だけどさ……疲れてきた…。酸素も薄いし…。」ハァハァ…
加古「鎮守府に務めて……あんまり日にち経ってないからな…。」ハァハァ…
龍田「木曽ちゃん…。少し休憩しない?私達も疲れてきたわ。」
木曽「もう少しで大きく開けたところに出る。そこで少し休憩しよう。」
睦月「助かるにゃしい。その後はどうなってるの?」
木曽「そこを抜けたらまた細い道に続くんだが……。そこで恐らくではあるがアイツらが屯してる。」
金剛「忘れてマシタ…。深海棲艦も居るんですよネ…。」
霧島「戦闘は避けられない……と。」
その時である。
ゴゴゴゴと地響きがおこる。
一行は足元もおぼつかず、しゃがんで時を過ごそうと思ったが。
ドガガガガガッッッ!!!!
天龍「うわっ!!!!お前ら走れ!!!!」
天龍たちが通ってきた道が落石で塞ぎ込まれてきたのだ!
こっちに確実に早いスピードで迫り来る落石。
急いで細道を抜けるように走る一行。
北上「勘弁してよっ!!!!疲れてんのにさぁ!!!」
焦りながらも細道を全力で抜けた先に待っていたのは木曽が先程言っていた開けた場所であった。
ただオマケで深海棲艦がウヨウヨと存在していたのだが。
潮「チッ……。読まれてたか…。」
天龍「おいおい……労災だろこれ……。手当出んだろうな?」
龍田「こういう時の手当は500円よ〜天龍ちゃん。」
睦月「アルフォート買えるにゃしいっ!!!やったね!!!!」キレ気味
木曽「トラップ解除のほうか向こう側に力を入れると思っていたが………。こっちを念入りにしやがったか…。」
北上「ハァ……ハァ……次から次へと…。」
金剛「北上!加古!みんな!!次から次へと大変だケド!!!!殺るしかナイデス!!!!腹括りマシタカ!!!???!」
加古「んなもん鎮守府に務めてから括ってらぁっっ!!!!!やってやらぁぁ!!!」
霧島「改の実力…………お見舞いしてやるわ!!!」
天龍「軽巡ホ級にツ級…雷巡もいやがる…。」
睦月「オマケに重巡リ級………。数にして凡そ40~50体…。」
龍田「これでレベルアップ出来るわね〜。みんなも戦ってることだろうし、私達もお仕事しなきゃ…………ね♡」ギロリ
深海棲艦「侵入者発見…………。抹殺開始。」
天龍一行「うおおおおおぉぉぉぉぉっっっ!!!
!!!!!!」
深海棲艦「キシュァァァァァァッッッッッーーーーー!!!!!!」
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町田「………なんや今の揺れ……。地震か…?それともどっかでドンパチやり始めたんか…?」
大広間で身をかがめてやり過ごしていた町田一行。
電「んだったらさっさとブツ回収して応援に行かねぇとなのです。」
吹雪「死ぬなよ雪風……。」
川内「ところで………さっきから着けられてる気がするんだけど…。」
後ろを振り向く川内。
すぐ後ろには利根でおり、そうなのか?とさらに後ろを向く。
しかし、何も無い。
川内「…………ダメだ。ごめん利根っち。先言って。」
利根「?どういう事じゃ。」
川内「提督たちに伝えて。早く走り抜けてって。はいコレ。」
探照灯を利根に手渡す。
川内はそもそも私にそんなものは必要ないと後ろを駆け抜ける。
利根「死ぬなよ川内ッッッ!!!提督よぉぉぉっっー!!!!」
町田「!!?!なんや利根ちゃん!!!」
利根「追われておる!!!着けられておったのじゃ!!!川内にこれを渡された!!先を急ぐぞ!!!!!」
町田「なんやと!!!!!」
ものの1秒考え込んだ町田であったが川内に後ろを任せ走り出す。
一同も心配はしていたが、神通が返って自分たちが居たら川内の邪魔になってしまうと伝え、後ろを任せることに。
それを考えた上で先を急ぐのであった。
夕立「……………。」
町田「どないしたんな夕立ちゃん!!!はよ行くど!!!!」
夕立は町田に近寄り頬にキスをしたかと思うと──
夕立「慎太郎さん。先に行って欲しいっぽい。」
脱兎のごとく川内の元へと走るのであった。
最上「………大胆…。」
初雪「夕立普通に喋ったらいいのに…。」
吹雪「眠てぇ事言ってる場合か初雪ぃ!!さっさと行けボケェェ!!!」
全員が行ったことを確認した川内。
フフっと笑みをこぼした後振り返り真剣な眼差しになる。
しかしこの暗闇ではその顔を覗くことはできない。
川内「私に夜戦を挑むとはね……。命知らずにも程があるよ…。」
川内「さぁて…夜戦しよっか。」
深海棲艦「………………。」