川内「……………。」
川内(提督たちもドンパチやってるか…。)
川内(私が追っ手を受け持つ形に持っていきたかったんだけどな…やっぱり上手くいかないか…。)
川内「でもまぁ…。」
川内「あんたらだけでも片付けられるなら話は違う。」
目の前にはヲ級が13体。
しかし暗闇の中なのでハッキリしているのは青白く光る2つの眼光の集まりである。
ヲ級「カッコつけたつもりかもしれんが、暗闇の中で死体が1人出来上がるだけだぞ。」
川内「へぇ…。喋れるんだ。随分とお高い知能だこと。」
川内「ギャーとかワーとかしか言えない獣みたいな低知能の集まりかと思ってたや。」フフフ
ヲ級「この暗闇でその無駄口が何時まで叩けるか…。」
真っ暗で確認は出来ないがヲ級が一斉に持っていた杖の形状を変化させ刀に変える。
その後すぐさま川内に切りかかった。
ヲ級「私たちはこの暗闇の中でもしっかりと見えるぞ。」
ヲ級「深海から来たんだからな。一方お前は全く見えないだろう。」
一斉に切りかかるも面白いほど躱され全く手応えがない。
やけになりながらも連携を取り川内を追い詰めるもそれを嘲笑うかのように躱しヲ級に少しづつダメージを入れる川内。
ヲ級「!!!!!何故当たらん!!」
ヲ級「貴様まさか見えているのか……!!!」
川内「残念。逆だよ。」
川内「見えないんだよ。全部。」
ヲ級「………!?」
川内「生まれながらに盲目の私に夜戦を挑むとわね!!!!!!」
ボキィィッッッ!!!
ガッッッ!!!!
2人のヲ級の首をへし折り、後ろから心臓を貫きまずは3人を片付ける川内。
青い鮮血が川内の腕や足に付着。
それに驚愕したヲ級がすぐに斬りかかるも空中で避け1人のヲ級の首を360℃回転させる。
川内「残り9人…………。」
ヲ級「…………!!!!!」
さすがにマズいと思ったのかすぐさまeliteに変化するヲ級たち。
川内(あまりにも遅い超化…。わざとかバカなのか…。それより…。)
川内(リーダーは誰だ…。この数だから絶対に居るはず…。)
川内は警戒しつつも警戒な動きでヲ級を翻弄。
すでに町田と同行していた最中に改に超化していたので最初から有利に戦えていたのだ。
しかし、なんとも言えない流れを怪しむのは辞められなかった。
川内(いつになったら【アレ】をするんだ…。まさかしないつもりか…?)
訝しむ川内を他所に前方に5人、後方に4人の配置をとるヲ級たち。
川内「挟み撃ち?そんなんやっても無駄だっての。」
ヲ級たちが川内の言う通り一気に攻め込んできた。
片手には鋭く光る杖刀。
川内が得意げに高く飛び上がった瞬間!!!
ドドドドドドドドドド!!!!!
川内「来たッ!!!!」
紙一重で躱す川内。
先程から警戒していたのは艦載機であった。
川内「艦攻の方か…。艦爆を警戒してたんだけど…。」
連続で飛んでくる艦載機。
またもや華麗に躱し手裏剣で艦載機を次々と撃ち落とす。
ヲ級「……!!!!当たらん!!!!」
川内「あんたら玉砕覚悟とか刺し違えとかそんな考え無いんだ?艦爆だったらこの洞窟ごと攻撃して崩落させたら私を殺せるのに。」
川内「こんな事で死にたくないって感じ?」
ヲ級「当たり前だ。我らは上に上がらなければならない。」
川内「上…?提督のとこか…。仲間と合流して侵入者排除に力入れたいんだ。でもさ。」
川内「私一人ごときに手間取ってるようじゃ、行ってもすぐ殺されるよ。」
川内「ま、あんたら今ここで私に殺されるんだけど。」ダッ!!!
ヲ級「キイエエェェェェ!!!!」
川内が艦載機の中をくぐり抜け正面のヲ級に向かい走り抜けようとしたその時!!!
川内の腕がまるで爆発したかのように皮膚が裂け血が飛び散ったのだ!!!!
川内「!!!!!!!!!」
[newpage]
突然のことに驚きを隠せず片膝をつく川内。
それを眺めながら気味の悪い笑みを浮かべるヲ級たち。
川内(どこから……!!!?全く見えなかった…!!!)
川内(艦載機は全部避けてたはず…!!!艦攻の弾の軌道も確実に読めてた……!!)
状況が理解出来ずにいたが、艦攻の嵐は止まない。そればかりかヲ級たちもチームアップで斬りかかる。
しかしそれはさほど問題では無い。
先程の爆発は一体何だったのか。
疑問を抱きつつもまた一体のヲ級を屠る。
川内「残り8人…。」
目の前に艦攻が迫り来る。
それを避けようとしたその時!!!
川内「がっっっっ!!!!!」
川内の足が爆発。
激痛に耐えながらサイドステップで艦攻を避ける。
川内(ま……まただ…!!!!どこから…!?ステルス………?いや、ステルスだとしても気配までは消せないからわかるはず………!!!)
川内(何か………何か引っかかる………!!!)
川内(洞窟…空間…艦載機…艦攻…ヲ級…暗闇…。)
川内(どの要素も私からしたら読み取れる範囲…。私でも読めないとするなれば…。)
川内(ま……………まさか………。でもそれしか考えられない!!!!!)
何かに気がついた川内。
艦攻が川内に迫っているなか川内はその場で手裏剣で艦載機を撃ち落としたあとすぐに服を脱ぎ捨てた。
ヲ級「!!!!」
川内「やっぱりか………。信じられなかったけど……。あんたらの艦載機…。ダミーだね。」
川内「厳密に言うと本物だけど、その裏がメインだ。」
川内「亜空間艦載機だな。」
[newpage]
ヲ級「…………!!!」
動揺し、汗を流すヲ級たち。
川内「メインと思わせておいて艦載機での艦攻。でもその裏では亜空間からそれに重ねて攻撃。」
川内「で、混乱させるため時折重ねずに単体での艦攻。艦爆も混じってたけどね。」
川内「信じたくなかったけど…さすがに私でも亜空間は察知出来ない…。それしか考えられなかった…。」
おっそろしい武器だねぇと零す川内に対し、ヲ級たちは動揺を抑えつつ不敵な笑みを浮かべる。
ヲ級「お見事だ…。ただの艦娘ではないようだな。しかしそれがどうした?」
ヲ級「バレたところで防ぎようなど無いだろう。それに…。」
目線は川内の足元に変わる。
先程の艦爆で足は肉が吹き飛び骨が見えるほどであった。
先程の俊敏な動きは出来ない。
それは川内が1番よく分かっているだろう。
ヲ級たちは勝ち筋が見えたのか、残りの8人が1箇所集まりまわりには艦載機がウヨウヨと浮いている。
川内は手裏剣ではなくクナイを取り出し、狙いを定め投げつける。
投げた瞬間に血が周りに飛び散る。
しかし、簡単に避けられ艦載機で反撃。
足を負傷しつつもなんとかそれを避ける川内。
だがそれも転がったり前に低姿勢で飛んだりで避けるので艦攻の弾丸が掠り、また亜空間からの艦爆も多少受けてしまう。
ただ動きは減ってきていた。
川内(やっぱりね…。)
それに動じず負けじとクナイを投げる。
しかし、やはり躱される。
川内「あんたらも…亜空間の艦爆くらうんでしょ…その様子じゃ…。」
川内「私の血……あんたらにもかかったもんね。」
川内は考えていた。亜空間艦載機の法則を。
そして気がついたのだ。
それは【川内の血】に狙いを定めて駆動していた事に。
周りに血を撒き散らした事により壁やヲ級の杖刀が爆発していたのだ。
それにより、先程から亜空間艦載機は動いていない。このままでは血が付着したヲ級も巻き込まれてしまうからだ。
ヲ級「…………。」
全身から血を流し息も絶え絶えの川内。
またクナイを投げようとする川内だが、もうすでに全て投げ終えクナイ入れには1本も残っていなかった。
川内「あれが最後の1本か…………。まぁいいや…。」
川内「準備も整ったし。」
ヲ級「諦めたか。残念だが一思いに殺してやる。時間が無いものでな。」
ヲ級が艦載機に指示を出そうとしたその時。
川内が手のひらを前に出しその場を静止。
ヲ級「なんの真似だ…。まさか艦娘であろうものが命乞いか?」
腹を抑え笑うヲ級も居れば嘲笑うヲ級もちらほら。
川内「勘違いすんじゃないよ…。周りを見てみな。」
ヲ級「…………!!!!!お前……これは…!!!まさか!!!!!」
川内「ご名答。私がさっきから投げてたクナイはあんたらに向けてじゃない。」
川内「機乙険戒(きおつけんかい)。」
~艦娘解体真書~
機乙険戒(きおつけんかい)
かの武将、武田信玄の家来・柳洞院義隆(りゅうとういんよしたか)が考え出した戦法である。
戦国時代、武田軍が敵軍の攻撃押されていた最中義隆が敵軍の半分を洞窟におびき寄せ壁にいくつもの短刀を投げつけた。その短刀肉眼ではまず見えない糸が繋がっており投げた先は万物に存在する穴(けつ)である。この穴を付くことにより洞窟を崩落させ武田軍を勝利に導いたが敵軍とともにそのまま息絶えた。
武田信玄は義隆を永遠に忘れまいと立派な石碑を立てたという。
ちなみに余談ではあるが、関西の「気をつけんかい」はこの機乙険戒の罠を発見したものが仲間に伝えるために叫んだことが由来とされているのではないかと今研究者たちで議論されている。
川内「その様子じゃ知ってんのかな?どっちでもいいけどね。」
川内「お前ら全員私と一緒に生き埋めになってもらうよ。」
ヲ級「貴様………!!!!!」
川内「狼狽えんじゃないよ情けない…。この線を引いたら一気に崩落するよ。」
ヲ級たちが一気に艦載機を飛ばす。
川内「やまとなでしこ魂舐めんなよ。」ピンッ
地響きが起きる。
[newpage]
洞窟が崩落。
川内とともにヲ級たちは生き埋めに……ならなかったのだ!!!!
ヲ級たちは全員首を刎ねられ、艦載機も一気に爆発。
その正体は川内ではない。
そう──────────夕立である。
先程の地響きは夕立の走る音だったのだ。
もちろん機乙険戒はブラフであった。
川内「ピュー、助かったァ…ありがとう夕立ちゃん…。」ヘナヘナ~
夕立「ぽい。」
川内「さっすが改二。わたしじゃなくて夕立ちゃんが行った方がすぐ片付いたんじゃないの?」
首を横に振る夕立。
夕立「私だったらあの艦載機に気がつけなかったっぽい。それにeliteのヲ級。しかもあの数。流石は川内さんっぽい。」
川内「へへへ……嬉しいねぇ…。………って!!!!」
ヲ級や壁、地面が次々と爆発。
命令を出す者が死んだために亜空間艦載機が暴走し始めたのだ。
無論次は川内。目には見えないが艦載機が迫る。
すると夕立は目を閉じ全身をリラックスさせたかと思うと一気に力を解放し髪は真っ白に顔には骨を彷彿とさせる部分が浮かんだ。
夕立は口を3m程横長く開いたかと思うと何かを口に頬張った。
少し経つと夕立の口でボンッ!!と爆発音が聞こえ口から黒煙を吐く。
川内「……え…。まさか…食べちゃった……?」
夕立「ぽい。」
川内「……何それ…?てか口大丈夫なの?」
夕立「ぽい。【グラタンガール】。」
川内「へ?」
夕立「能力の名前っぽい。【深海化】したら誰しもが何かの能力を使えるようになるっぽい。」
夕立「夕立は鉄でも毒でも空間でも食べれるっぽい。つまりグラタンガール。」
川内「食いしん坊……ってか…。にしても深海化って……そんなんあるんだ…。」
夕立「後々全員深海化してもらうっぽい。もちろん完全にコントロールして貰えるようになってもらうっぽい。」
夕立「そうじゃないとこの先戦えないっぽい。」
立てる?と手を伸ばす夕立。
川内「……………。ふへへ…。ごめんね…。いっぺんに情報が出てきたからわかんないや…。それに足こんなんだから立てないや…。」
夕立「夕立がおぶるっぽい。」
夕立が川内を背負い、洞窟を走り抜ける。
川内vsヲ級団
───夕立のサポートにより川内勝利───