艦これevolution   作:銀ノ森 睾

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第40話「財宝」

足音が鳴り響く。

 

初雪「…………んぁ……。」

 

吹雪「!!!初雪!目さめたか!!!」

 

初雪には道中、携帯修復剤を飲ませていた。

傷があまりにも深いので完治とまではいかないが意識を取り戻す程度までは回復したのだ。

 

初雪「……………姉ちゃん……私…。」

 

吹雪「言いてぇ事はあるだろうけども、今はとにかく天龍先輩たちと合流しねぇと。」

 

初雪「………………。」

 

それっきり何も話す事はなくなった初雪。

 

夕雲「血の匂いがしますね。」

 

吹雪「ってことはもうちょいで先輩がたと合流か。急ぐぜ!!!」

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

町田「30分くらい経ったか。」

 

あぐらをかく町田。

周りには深海棲艦の遺体が転がっていた。

とっくの昔に軍服なんざボロ雑巾のようになっており、上半身は裸である。

決して無傷では無いがなんとか勝利したのだ。

トラップの嵐も何故か急に止まり、深海棲艦に集中することが出来たのだ。

電も上半身スポーツブラ状態である。

 

町田「大丈夫か電ちゃん。ボロボロやけどワイのタンクトップで隠しなさいな。」

 

電「臭いから要らないのです。」フゥーッ

 

タバコを吹かす電。

下着姿であっても町田の前なら全然恥ずかしく無いのであろう。

 

神通「はぁ~………………こんなクソ労働させられるたぁ思ってなかったぜ。」

 

利根「吾輩にもタバコくれんか電よ。」

 

利根「にしてもかなり激しい地響きじゃったの~。下の方からしてたぞ。」

 

手を差し出す利根。

上はサラシ、下はふんどし一丁。

 

電「雪風が暴れてたんじゃねぇのです?」

 

タバコを利根に放り投げる。

 

利根「ん?なんじゃぁ〜これ!!1mmじゃねぇか!!!シケてるもん吸うとるのぅ電。」

 

電「人から貰っておいて偉そうなのです。じゃあ返せ。」

 

利根「可愛い後輩からのぷれぜんとじゃからの。やる訳にゃいかん。電の事じゃから14mmでも吸うてるもんじゃと思っとったわ。」

 

電「んなもん死んじまうのです。」

 

すると後ろの方から足音が響く。

町田が片膝をつき、警戒態勢を取る。

皆も同じく振り返る。

しかしその正体は川内を背負った夕立であった。

 

町田「夕立ちゃん!!!!」

 

神通「姉貴!!!!」

全員が駆け寄る。

追手は全員倒したと報告。

川内も笑顔でピースサイン。

 

町田「よぉやった!!!お手柄やで2人とも!」

 

神通「姉貴がここまで追い込まれるたァ…。何と戦ったんだよ…。」

 

川内「ちょっとね…。また後で報告するよ。……………吹雪たちは…?」

 

町田「大淀ちゃんからの無線で天龍ちゃんとこ向かったわ。帰ってきて早々やけど、俺らも行くで。」

 

夕立「ぽい。」

 

電がタバコを捨て足で火を消す。

利根も吸い始めたばっかりなんじゃがのぅと言いつつ全員で吹雪の後を追う。

 

[newpage]

 

天龍「これで全員か。」

 

刀を鞘に納め胡座をかく。

町田一行同様、足元には大量の深海棲艦の遺体。

加古と北上には少量ではあるが修復剤を飲ませてある。

少量の理由は先程の戦闘で修復剤の大部分が壊されたからだ。

 

金剛「2人は大丈夫デス。皆さんお疲れ様デシタ。」

 

睦月「ん!!!なんかこっち来るよ!!!」

 

木曽「まさかまたアイツらか……!?」

 

睦月「任せるにゃしい!」

 

睦月が構えを取りつつ細道に向かう。

足音を聞きながら真剣に見つめる事数秒。

大きく目を開きここだっ!!!と貫手をしようとするが…。

 

吹雪「ダリャァァァァァッッッッッ!!!!

 

その足音は吹雪と夕雲のものであり、吹雪の蹴りが睦月の顔面にクリーンヒット。

睦月は堪らず吹き飛び気絶。

 

吹雪「あっ!!!!睦月か!!!!悪い!!敵かと思った!!!!!!」

 

睦月に駆け寄り心配するものの白目を向き鼻血を垂らす睦月であった。

 

天龍「何してんだよお前はァ………。大丈夫か睦月。」トントン

 

龍田「大淀ちゃんから無線で聞いたわぁ~。その細道と繋がってたのね~。」

 

霧島「ていうか…初雪ちゃん大丈夫なの?」

 

初雪「………えぇ…なんとか…。」

 

吹雪「ゆっくりしたいところですが、時間も無いですし急ぎましょう。大淀先輩!!!こっからどうすりゃいいんですか!!!」

 

大淀「そのまま出口に向かって雪風ちゃんたちが入った入口に向かってください!!!」

 

天龍「そりゃ無理だ。入口はとっくに崩落してらぁ。」

 

大淀「えっ……………えっと…じゃあ…。」

 

また細道から声がする。

町田一行であった。

 

町田「大丈夫かみんな!!!」

 

金剛「テートクー!!!私たち頑張りましたよーー!!!」\キャー/

 

電「そっちも大変だったのですね。」

 

吹雪「取り敢えずは……っすけど。これで雪風ら以外メンバーはそろい踏みっすね。」

 

事情を話す吹雪。

首をかしげる町田。

う~んと悩むが利根が任せろ!!と胸を叩く。

利根が川内の方を向く。

川内がコクンと頷き、地面に耳を当てながら手のひらで宛てがう。

 

川内「あった!ここだよ!」

 

利根「流石じゃあ!!!皆の者離れておけ!!!」

 

利根「土砂岩堀(どしゃがんくつ)!!!」

 

ドゴオオォォッッ!!!とけたたましい音を発し、利根が殴った地面に大きな凹みが出来る。

そのあと手を貫手に変え、地面を斜めに掘り進む。

 

利根「何しとるんじゃー!吾輩に続かんかー!!」

 

町田「凄いなぁ…。こんな事も出来るんか…。」

 

神通「ホントなんなんだよこの鎮守府はよ…。ビックリ人間とビックリ艦娘の集まりかよ…。」

 

最上「常識を疑え、ってね。」ポンッ

 

神通の肩に手をおく最上。

 

電「とにかく今は急ぐのです。」

町田「よしっ!!行くぞみんな!!!」

 

[newpage]

 

浜風(………………戦闘音がしない…。終わったのか…。)

 

カツカツッ

カツカツッ

 

浜風(………!!)

足音が近づく。

1つでは無い。2つだ。

比叡と榛名が勝ったのであろう。

普通に考えたらそうなのだが不安は拭えない。

それに不安になる理由はそれだけでは無かった。

 

カッカッ

カッカッ

 

浜風(…………!!!!!)

 

比叡&榛名「………………。」ヒョコッ

 

曲がり角を顔を覗かせながらこちらをうかがう2人と目が合った。

 

浜風「あぁ………!!!勝った………勝ったんですね…!!!」

 

榛名「えぇ。もう大丈夫ですよ。」ニコッ

 

比叡「大丈夫ですよ。安心して下さいね。」ヘヘヘ

 

安堵からまた力が抜ける浜風。

しかしすぐにまた不安な顔に変わる。

 

浜風「お姉ちゃん……!!!お姉ちゃんが……!!!」

 

榛名「雪風ちゃんがどうしたんですか!!!!」

 

浜風が後ろに寝かしていた雪風に目を向ける。

傷が一切治っていなかった。

そればかりか体からキラキラと光るエクトプラズムがあがっていた。

 

榛名「雪風ちゃん!!雪風ちゃん!!!!!!」

 

比叡「雪風ちゃん!!なんで………。ちゃんと修復剤を飲ませんたんですよね!!?」

 

浜風「飲ませました!!!なのに…なのに…。」

 

榛名が雪風を抱き抱える。

するとエクトプラズムが濃くなり、足先から雪風は消えていく。

 

榛名「なっ……!!!雪風ちゃん!!ダメ!!!死んじゃダメ!!!!!」

 

比叡「しっかりして雪風ちゃん!!!!」

 

浜風「……………。」

 

3人が大粒の涙を流しながら雪風を心配するも、雪風は完全に消えてしまった。

 

榛名「雪風ちゃん……………雪風ちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!!!!」

 

比叡「雪風ちゃんーーーーッッッッッッッッッッ!!!」

 

浜風「う………うわぁぁぁぁぁぁッッッッッッッッッッ!!!!!!」

 

榛名「なんで………なんで……!!!!!」

 

雪風に被せていたタオルケットを握りしめる。

 

比叡「うわぁぁぁぁぁぁッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!」

 

浜風「お姉ちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!」

 

比叡「生きて帰るって……言ったじゃ無いですかぁぁぁぁぁぁぁッッッッッッッッッッーーー!!!」

 

榛名「うわぁぁぁぁぁぁッッッッッッッッッッッッッッッーーー!!!!」

 

雪風「うわぁぁぁぁぁぁッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッーーーー!!!!!」

 

浜風「うわぁぁぁぁぁぁッッッッッッッッッッーーーーーーーー……………って………えっ…?」

 

比叡「あえ?」

 

後ろを振り返ると無傷で素っ裸の雪風が泣き叫んでいた。

 

雪風「なんでみんな泣いてるんですかぁぁぁぁぁぁぁ!!!!雪風も悲しくなってくるじゃないですかぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

 

榛名「…………。」

 

比叡「…………。」

 

浜風「…………。」

 

雪風「……………あれ?……なんで雪風は裸なんでしょうか?さっきまで寝てたはず………。」

 

雪風「???」

 

雪風に駆け寄り抱きしめる3人。

痛いです!と言いながらも笑顔の雪風。

 

雪風「私たちの代わりにアイツを倒してくれたんですね……!!!!ありがとうございます!!!!」

 

雪風「ん!!浜風!!そういえばあの扉の鍵はどうしたんですか!?」

 

浜風「持ってますよ。これです。」

 

早く行こうと雪風が足早に先陣を切る。

 

榛名「雪風ちゃん待ってください!!すっぽんぽんはいけません!!!せめてこのタオルケットを!!!」

 

比叡「良かった……。にしても…。」

 

比叡「さっきの雪風ちゃん…なんだったんだろ…。」

 

[newpage]

 

背丈をはるかに超える鉄扉に鍵を刺しまわす浜風。

しかし、途中で鍵がへし折れてしまった。

元より錆だらけで腐っていたのだ。

 

浜風「なっ………。……!!!」

 

イラダチを隠せない浜風。

握りこぶしをワナワナと震わせていると上の方から何か音が響く。

4人が警戒しながら上を見あげているとドゴッッッ!!!と音と共に利根が顔を覗かせた。

 

比叡「利根さん!!!」

 

利根「良かった!!!生きておったのかお主ら!!!!」

 

利根「ん!??!なんじゃなんじゃ!!!お主ら押すでない!!!!落ちる落ちる!!!!!」

 

榛名「………?」

 

雪風「!!!!」

 

利根「うわぁぁぁぁぁっっっっ!!!!!」

 

利根が町田たちとともに落ちてきた。

その中には海賊たちも居たのだ。

 

浜風「お前ら!!!」

 

町田「途中で会うたんや……。こいつらがトラップ解除してくれたみたいでな…。それぞれ仕事して大変やったの……。」

 

木曾「良かった…。生きてたのか…。」

 

浜風「キャプテン…。それに潮、夕雲…。」

 

みながホッとし、いい笑顔である。

体や顔には汗と傷。

それぞれの勲章であろう。

 

利根「早くどかんかお前ら〜!!!!重たくて敵わん!!!!!」

 

町田「おぉ!悪い悪い!!!」

 

それぞれが事の事情を話した。

雪風が頑張ったこと。

深海棲艦を倒したこと。

運河棲姫を倒したこと。

ちょっとうんこ漏らしたこと。(町田)

そして今からお宝を手に入れること。

 

浜風「でも鍵が…。」

 

神通「その扉ぁ、あれだよな?」

 

神通が天龍に声をかけ、扉の前まで歩く。

すると神通がなるほどな…。と一言、天龍と息のあった連携で左右の扉の間に一太刀入れた。

扉は大きな音が響き、それが扉が開いた何よりの証拠だった。

 

神通「クソ硬ぇカンナが刺さってただけだ。それよりも!!!!!」

 

ワクワクしながら扉を開く神通。

ゴゴゴゴと洞窟内に鈍く響き、その中のお宝が大衆の前に現れる。

 

雪風「なんでしょうなんでしょう!!!」

 

木曾「やっと……か…。」

 

海賊「長かったっすね……。」

 

浜風「………。」

 

突然先陣切って入った神通が叫び声を上げる。

 

神通「なっっっっ!!!!なんじゃこれええええぇぇぇぇっっっっっ!!!!!」

 

町田「ん?!なんや!俺らも行くぞ!!!」

 

町田たちが中に入る。

神通は左右の手に何か缶のようなものを持っており、何か叫んでいる。

 

吹雪「ぁ………。あれって…。」

 

天龍「そういう事か。」

 

神通「どれもこれもミルクの粉だのオムツだの赤ん坊の食いもんばっかじゃねぇかぁぁぁぁッッッッ!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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