艦これevolution   作:銀ノ森 睾

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第5話「幻壊蛇喰拳」

 

睦月「ハァ…………ハァ………………」ポタ…ポタ…

 

野分「諦めなさい。ここで棄権したとて決して恥ずかしく無いわ。この私をここまで追い詰めたのだから。」

 

睦月「くっ………その構え、技……幻壊蛇喰拳…………!!!!!」

 

野分「よく知ってるわね。拳法に通暁しているのかしら?なればあなたの拳が通用しない事もご存知のはず。幻壊蛇喰拳は芯楼空裂拳に対抗して生まれたものだから。」

 

会場がどよめく。

ただのゴングタレどもの喧嘩とは違う。

拳法家同士の激しい戦いが目の前で繰り広げられているのだから。

 

観衆「そうだ…!!野分様がいらっしゃるんだ!!!!これで野良共に勝ち目はねぇぜ!!!」

 

観衆「まさか野分様が参加していらっしゃるとは…。」

 

観衆「しかし良くあそこまで野分様を追い詰めたもんだ…。やるなあの駆逐艦。」

 

睦月「何がどうあれ相手にとって不足なしにゃしい!!!!!」バッッッ

 

睦月が猛スピードで野分に突っ込む。

そしてその勢いで貫手を繰り出す。

 

ビュンッ

 

それを数ミリ単位で躱し睦月の顔に手刀を叩き込む野分。

 

睦月「ガッッ…!!」

 

野分「踏み込みが足りない。」

 

睦月「ヌウウウゥラァァァァァッッッ!!!!芯楼空裂拳奥義!!!銑鉄螺巌照(せんてつらがんしょう)!!!!!!!」

しゅばばばばばばばっっっっ!!!!

 

先程の単発の貫き手とは違い目にも止まらぬスピードで貫き手を繰り出す睦月。

だが相手の野分は涼しい顔をしながら

 

野分「幻壊蛇喰拳奥義………。近喰蘭貫葬(こんじきらかんそう)!!!!」

 

真正面からの貫手のぶつかり合い。

お互いの姿があまりの勢いで見えなくなるほどであった。火花は迸り、観衆は叫ぶもの、固唾を飲んで注目するもの。様々であった。

 

電「…………ダメなのです。睦月のヤロー。全部弾かれるでも防がれるでもない。流されてるのです。」

 

吹雪「とてもない貫手だが完全に読まれてる…。」

 

睦月(当たらない………!!!全然通用してない……!!!!!!)

 

野分「焦ってますね睦月さん。蜃気楼を魅せる術者が惑わされてどうするんですか?」

 

直後、睦月の両腕が上に弾かれた。

そして間髪入れずに野分が睦月の胸と腹に手を当て

 

野分「蛇発掌。」

 

ドオオオオオォオォォォンンン!!!!!

 

睦月はたまらずリングサイドまで弾き飛ばされた。

野分の掌からはその威力からか蒸気が出ている。

 

睦月は白目をむき、頭と口から吐血していた。

鮮血が地面の土色を紅く染める。

 

野分「あなたは決して弱くない…。ただ私と相性が悪すぎる…。」

 

うぉぉおおおおオオオオオオオォォォ!!!!!!!!!!!

 

観衆「野分様ばんざーーーい!」

 

観衆「野分様に勝てるわけがねぇんだ!!」

 

観衆「なんつってもボスの右腕だからなぁ!!」

 

観衆が湧き上がる。

誰がどう見ても野分の勝ちであった。

野分は睦月をあとにし、観客席の方に目を向け

 

野分「次の相手は貴方でしょう。駆逐艦電。せいぜい努力しなさい。私と向き合う気力があるなれば。」

 

電「その前に今の対戦相手に目を向けたらどうなのですこのオクトパス。」

 

野分「!?」

 

観衆「なっ………まだやんのかよ…。」

 

観衆「し…死ぬぞ…このままじゃ…。」

 

ザワザワ…ガヤガヤ…

 

後ろを振り向くと瞳孔が開いている睦月がゆっくりと確実に野分に近づいてきていた。

 

野分「なっ…!確実に倒したはず…!!」

 

睦月「む…睦月…は……ハァ…ハァ…鎮守府に…帰る…にゃしい…。」ボタボタボタ!!!!

 

睦月からは大量の血が流れている。

足もびっこ引いており、折れているのは確実であった。

睦月はまともに握られていない拳を野分に叩きつける。とはいえ力も入ってないので撫でているといったほうが正しい。

 

野分「よしなさい。あなたはよくやったわ。」

 

睦月「………。」トンッっ………トンッっ……

 

野分「何故そこまでして。何故そこまでして帰りたいのです?貴方も私同様捨てられたのでしょう?」

 

睦月「睦月の…居場所…居場所は…鎮守府しか…ないから…。」

 

野分「それこそ幻想、蜃気楼ね。貴方は鎮守府にしか居場所が無いと言い張る。それは違うわ。」

 

野分「新しい居場所の見つけ方を知らないだけでしょう。」

 

野分「使い捨てのティッシュのように用が無くなれば……………捨て去る鎮守府の事なんざ!!!!!もうどうでも良いでしょうが!!!!!!!!」

 

睦月「…………。」

 

睦月の手が止まった。

野分の言葉が刺さったのであろうか。

野分は少し激昂してしまい、らしくもない自分に腹がたつも睦月を見なおす。

 

野分「……………………。とてつもない方ですね。」

 

吹雪「……………。構えたまま気絶してやがる…。」

 

電「なかなかできる事じゃないのです。天晴れなり。」

 

野分「スタッフの方、この駆逐艦を緊急医療室へ。」

 

ゴロツキ「え…。しかしボスの許可無しには…。」

 

野分「…………………。」スっ

野分が腕を徐に下ろした。

 

ゴロツキ「!!!!!わ、わかりました!!!」

 

そしてゴロツキどもの手によって睦月は担架に乗せられ運ばれていった。

 

観衆「……すげぇ戦いだったな…。」

 

観衆「やっぱり野分様は最強だ!」

 

パチパチパチパチパチパチ!!!!

どこからともなく拍手が聞こえる。

吹雪と電だ。

それにつられ観衆も次々と拍手をした。

 

??「うん。中々に面白かったかな〜☆センスは良いんだけどね、あの睦月って子。でも純粋過ぎるかなぁ。」

 

??「野分ちゃんを感情的にさせるとは。面白い子〜☆次の試合が見ものだね〜。」

 

準々決勝 野分vs睦月

 

野分の勝利である。

 

 

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