第50話「敵か味方か!?忍び寄るふたつの影!」
町田「タコパせんか?」
早朝7時開口1番、町田が皆に聞いた。
龍驤「タコパ?ええやん!やろややろや!ここ務めてから粉もんあんまり食うてへんし!」
雪風「タコパってなんですか?」
電「タコ殴りパーティの事なのです。」
吹雪「嘘こいてんじゃねぇぞ電。てか誰をタコ殴りにすんだ。」
電「司令官をなのです。」
睦月「えぇ…。」
タコパ…たこ焼きパーティーの事である。
それ以上でもそれ以下でもない。
たこ焼き器さえあればポンポン作れるので身内などで盛り上り、人気が高い。
大淀「まぁ!いいですね!私実はたこ焼き食べたことなかったんですよ!それにしてもなんで急に?」
手を合わせ喜ぶ大淀。
その質問に対し町田は得意げに答える。
町田「よく聞いてくれた!吹雪ちゃん!今日何の日かわかるか?因みに子日ちゃんとちゃうぞ!」
吹雪「わっーてますよ。今日で私ら2人ここに務めて半年…っすよね。」
なるほどー、と周りが納得する。
ちなみに町田一行に有給などは無い。
というかそもそも給料が無い。
この鎮守府は完全に家賃無料の家である。
赤城「タコパタコパタコパァァァァァァァッッッッッッッ!!!!」
加賀「うるさい!耳元で叫ぶな!」
神通「さいっこうの酒の宛じゃねぇか!!!!」イエーイ!
川内「酒飲みたいだけじゃん…。まぁ…いっか。」
みんな「やるぞー!!!!」オーー!!!!
既に材料は町田が買っておいたらしく、用意を始めようとした時だった。
ピンポーン
チャイムが鳴った。
町田「あら?誰かしら。仕事かな?」
赤城「今日はお休みにしましょう。いや〜、仕事したかったなぁ〜。」
神通「いやぁ残念残念。酒飲まねぇといけねぇからなぁ。」
肩を組み笑い合う2人。
どうやら気が合うようだ。
利根「安心せぇ。仕事が優先じゃ。働けるぞ。」
霧島「そうそう。お酒なんていつでも飲めるしね。」
天龍「俺行ってくるわ。」
後ろでキエェェェェという叫び声が聞こえるが無視し玄関に向かう天龍。
暫くすると天龍が慌てた様子で戻ってきた。
天龍「お前ら!!!特に北上!加古!」
北上・加古「?」
みんな「???」
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大井「球磨型軽巡洋艦4番艦、大井と申します。」
古鷹「古鷹型重巡洋艦1番艦、古鷹です!」
元気よく2人の艦娘が挨拶をする。
檻巌鎮守府に所属したいとの事であった。
みんなは喜び盛大に迎え入れる。
ちょうど姉妹艦が居るので面接はしないらしい。
本音は早くタコパしたいだけであろうが。
町田「ええ日やでこれは!!!宜しくなぁ2人とも!今からタコパするんよ!それに良かったなぁ北上ちゃん、加古ちゃん!!!」
北上「大井っち…………。」
加古「古鷹ぁ…………。」ウルウル
喜びながらそれぞれ姉妹同士ハグをする。
わかる。わかるのだ。魂子である。
何故かはわからないが、確証はないが、心でわかるのだ。
睦月「いいにゃあいいにゃあ!!!」
最上「来て早々だけど!みんな食べようよー!」
それぞれ椅子を用意し、大井と古鷹に手招きをする。
妖精たちもミニチュアのお酒を用意し楽しんでいる。
ガヤガヤ ワイワイ ガヤガヤ
筑摩「おふたりは今までどうされてたんですか?」
大井「鎮守府に務めたことが無くて…2人でルームシェアしてました。」
古鷹「それで色々調べてたらここの事を知ったんです。」
北上「えぇ!マジで?!私らと一緒じゃん!!!」
加古「なんかバイトとかしてた?私病院で看護助手してたんだけど。」
古鷹「凄いじゃん加古!私はスーパーのレジやってたよ。大井はお花屋さん。」
北上「いいねぇ〜。オシャレだね〜。因みに私は風俗だよw」
大井「風俗!?凄い…働けるもんなんですね…。」
町田と龍驤がたこ焼きが出来たぞとそれぞれの皿に盛り分ける。
夕立がゴミ捨て場で拾ってきたジュークボックスを起動し順番に歌い出す。
加賀「パパイヤ、マンゴーだねぇ〜。」
イイゾー!ヒューヒュー!ブボボッ!
クセェェェェ!!!!!!
大井「愉快な鎮守府ですね…北上さん。」
北上「うん。良いとこだよここは〜。わびさびよね〜。」
大井「私たち…………ずっと探してたんです…。」
北上「えっ?何を?」
大井「姉妹をです。北上さんを…。」
ふと加古の方を見る。
古鷹と何やら楽しくおしゃべりをしていた。
2人とも笑顔でとても楽しそうである。
北上「……………そうなんだ…。でも良かった…。こうやって会えれて…。」
大井「えぇ。本当に。」
北上「木曽っちにはさ、会ったんだよ。」
大井「…………………そう…なんですね………木曽…かぁ…。」
北上「球磨姉と多摩姉にはまだ会ってないなぁ…。」
大井「…………………。」
北上「どったの?大丈夫大井っち?」
右手で少し頭を抑える大井。
目をつぶり少し辛そうである。
大井「えぇ………大丈夫です…。ちょっと疲れてて…。」
笑いながら答えるものの、少し無理をしているのがわかる。
北上「遠いとこから来たんでしょ?ゆっくりしてってよ。ほら!たこ焼き食べよ!」
大井「えぇ!食べましょう北上さん!」
初雪「おいひぃおいひぃ。」
金剛「美味しいデース!」
龍田「雪風ちゃ〜ん、頬張りすぎてリスみたいになってるわよ〜。」
雪風「ふんごももがごもも。」
電「喋んじゃねぇのです…。」
天龍「今日くれぇいいだろ!神通!かんぱーい!」
神通「おっ!!!良いねぇ!!!かんぱーい!!!!」
比叡「まだお日様出てるのに〜。」
全員が全員、新しく来た2人と檻巌鎮守府に町田が務めて半年記念を祝いタコパや催しを楽しんだ。
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町田「写真撮ろうや!!!集合写真!!!」
手にはカメラが握られていた。
町田曰く、スマホの写真ではなくしっかりとしたカメラで撮りたいとのことだった。
そもそもカメラ好きというのもあるだろう。
電「写真あんまり好きじゃなねぇのです。」
睦月「大丈夫にゃしい!電不細工じゃないよ!」
電「別にんな事言ってねぇだろうが。思ってんのかコラおぃ。」
ワッハッハー!!!!
校庭に集まり台座を用意する。
町田が3脚スタンドにカメラを設置し、タイマーをセット。
町田「撮るでー!」タッタッタッ
それぞれ姉妹で並び、肩を組んだりピースをしたりしている。その中で北上も笑顔で大井の方を見るが目が落ち込み暗い表情をしていた。
北上「大井っちほんと大丈夫?写真後にしてもらおっか?」
大井「いや…大丈夫ですよ!元気です!ほら!それに………私も写真撮ってもらいたいんですよ!」
北上「…………だったら良いんだけどね…。」
町田「大丈夫か?そかそか!ほな撮るでー!!!ハイ、チーズ!!!!!」
全員「ピース!!!!!」
パシャッ!!!
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時刻は13時。
町田は写真をプリンタで現像し、全員に配り終えた。
町田「ハッハッハー!みんな大事にしてくれよ〜!」
睦月「ちょっとー!睦月目瞑って変な顔してるにゃしぃぃぃ!!!」
電「大丈夫なのです!www不細工じゃないよ!www」
ワーワー!!!ギャーギャー!!!
大井「おかしいwww」
北上「ねー。」
町田「せやせや!姉妹で散歩して来たらどうやろか!北上ちゃんに加古ちゃん案内したりぃや!」
町田の提案に全員が賛同。
他のメンバーはどうするのかと聞いたが姉妹水入らずで行ったらどうかとと言い、4人を見送った。
姉妹間で話したいこともあるだろう。
1周年ではなく半年記念ではあるがこんなめでたい日に来てくれたのだ。
姉妹でゆっくりして欲しいとの事だった。
それに仕事の依頼も来ているので他のみんなはそれぞれ仕事に向かった。
最初は4人で街を散歩していたのだが、途中で別れることに。
北上と大井はアクセサリー店に入り、たくさんのオシャレなシュシュやペンダントなどを眺めていた。
それだけではなくリボンやネクタイなども置いてある。
北上「可愛い〜これ!大井っちに似合うんじゃない?」
大井「これだって北上さんに似合いますよ!」
北上「あぁ〜!これもいいじゃんいいじゃん!」
大井「ほんと!可愛い〜!」
傍から見たら仲のいい姉妹のショッピング。
戦争の光景が微塵も見られない。
ここの地帯は以前深海棲艦に襲撃されたが、かなり復興が進んでいる。
なのでまだ瓦礫などは残っているが普通に買い物後できるくらいには回復していた。
大井「っ………………。ごめんなさい北上さん…ちょっとトレイ行ってきますね…。」
北上「うん。そんな謝らないでよ〜。行ってきて!」
大井「失礼しますね。」
タッタッタッ…
北上「…………………。」ニィ
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大井「ハァ…ハァ…。辞めろ……辞めて………。やっと…やっと北上さんに会えたのに…。素敵な鎮守府なのに…。」
大井「落ち着いて………辞めて…………。」
顔を抑えながら苦しむ大井。
顔と目に血管が浮かびかなり無理をしているようである。
5分くらい格闘していると次第に落ち着いてきたのか、血管が引き、汗をハンカチで拭いトイレを出る。
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北上「おっ、こっちこっち〜。」手招き
大井「お待たせしました。じゃあそろそろ行きましょうか!」
2人は仲良く鎮守府に戻った。
その日の夜は流石にたこ焼きではなく職人顔負けの腕で、町田と龍驤がお好み焼きをパフォーマンスの如くみんなの前で作っていた。
それを楽しく美味しく食べた後は北上は自分の部屋に大井を招き入れる。
6畳の部屋で可愛いぬいぐるみやクッション、ボロボロのカメラなどが置かれているだけで同居人が1人増えても余裕があるくらいだ。
北上「大井っち!これあげる!」
大井「ん?なんですか?」
ある紙袋を渡す北上。
開けてみて!と催促するので中を開けると可愛いビーズブレスレットが入っていた。
先程大井がトイレに行っている間に北上が買ったのだ。
大井「わぁ……!!可愛い!!!これ、貰っていいんですか?!」
北上「当たり前よ〜!そのために買ったんだから!大井っちに似合うよ!付けて見て!」
大事にします!と早速腕に付けてみる大井。
キラキラした可愛いらしいピンク色のパールが大井にとてもよく似合っている。
その後は仲良くたわいも無い話をし、布団に潜る。
明日は一緒に仕事である。
楽しみだね〜とお互いに言葉を交わし、眠りについた。
時刻は午前2時数分。
北上はすぅすぅと寝息を立てて寝ているが、横に大井の姿がない。
頭を抑えつつ机に向かって何か手紙のようなものを書いていた。
大井「頼む…お願い……お願い……辞めて……。ぐ………!!!」
またしばらくすると痛みが引いたのか汗だくで平静を取り戻す大井。
タオルで汗を拭き、北上の布団に入った。
北上「うぅ……………大井っち………。」
大井「……………………。」
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次の日、北上と大井は朝一の配達を終え、鎮守府に戻るところであった。
北上が鎮守府に帰る前に大井に見せたい場所があると言い、手を繋ぎ誘導する。
その見せたい場所と言うのは鎮守府から2kmほど離れた森であった。
木々が美しく、間から零れてくる陽の光はまるで星屑のように見える。
空気も美味しく、木や花といった植物のいい香りが漂う。
大井「わぁ…………。綺麗……。」
北上「どっかな?大井っち鎮守府でもゆっくりしてたけど、自然の中でもゆっくりしたら大分回復するんじゃないかなぁ〜って思ってさ。」ニシシ
大井「北上さん……私のためにわざわざ…。」
北上「私も好きだからさ、ここ。良いとこっしょ?」
大井「えぇ…とっても…。ありが………………………と…。」
また頭を抑える大井。
しかも今度は立っていられないほどらしく、その場にしゃがみこむ。時折苦しそうにうぅ…うぅ…と唸る。
北上「大井っち!!!大丈夫!!?ごめん!疲れてるのに連れてきちゃって……。」
大井「北上さん……………………もう………限界です………。」
北上「えっ?」
大井がすくっと立ち上がり泣きながら北上の方を向く。
北上「限界って…………何が……?」
大井「北上さん…………。お願いが…あるんです…。」
北上「何!?なんでも言ってよ!」
大井「私を……………………。」
大井「今すぐに殺してください。」