第57話「ビッグ7・長門登場!!!」
腕から血を流す長門を急いで鎮守府のドックに運ぶ金剛たち。
金剛「急がないといけまセーン!!!」
電「いや、別にドッグじゃなくても良いと思うのです。」
雪風「いぇ?」
見ると長門の傷は知らぬ間に完全に塞がっていた。
とりあえずは鎮守府の休憩室にでも運ぼうという事になり、長門を引きずる3人。
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町田「でー…この子があのビッグ7と名高き戦艦長門?」
電「ホントなんも知らねぇんだな。」タバコプハァー
加古「利根、筑摩、どうなんだ?大丈夫なんか?」
2人が優しく丁寧に長門を触る。
脈もあるし息もしてるしなんなら意識もある。
問題は何もないとの事。
大淀「にしてもなんで流れてきたんでしょう…。」
長門「ここは………どこだ…。」
吹雪「気が付きましたか長門先輩。」
長門「……?あぁ………なんて可愛い駆逐艦なんだ…。」
町田「大丈夫か?なんか食べるか?」
龍驤が長門に肩を貸し、食堂もといリビングに連れていく。
この時間ならば比叡が朝ごはんを作り終わっているはずだ。
余っていた椅子を用意し、全員座る。
今日はミートスパゲティである。
赤城は口から大量のヨダレを垂らし、神通は相も変わらず酒を飲んでいる。
全員揃ったので手を合わせいただきますと合掌。
フォークを手に取った瞬間であった。
ズバァァァァァァッッッッッッッッ!!!!!
町田「え…………なんの音や…。」
龍田「何してんの!!!!!!」
不思議に思い龍田が叫んだ方向を見る一行。
するとどうだ、長門がフォークで手首を切っていた。
鮮血が迸る。
加古「うわぁぁぁぁッッッッッッッッ!!!!私のスパゲッティ真っ赤じゃねぇかよおおおぉぉ!!」
町田「何しとんねん!!!とりあえずドッグ運ぶぞ!!!」
綺麗な顔をしながら目を瞑りうなだれる長門。
急いで長門を担ぎドッグに向かう町田たち。
電「はぁ……………今度はそういう事か…。」
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金剛「………つまりは自殺常習犯デース?」
初雪「でもさぁ………。」チラッ
切れた手首に視線を落とす。
完全に塞がっている。
ドッグに入れた訳では無い。
自然に塞がったのだ。
長門「ハァ……………またダメだったか…。」
龍驤「ダメだったか…とちゃうわボケェ!!!いくら何でも飯時はアカンやろが!!!!」スパァァッッンン!!!
スリッパで頭をどつく。
長門「ほっといてくれ………私はもう……生きている価値などない……。」
川内「なんでそんな事言うのさ…。」
町田「何があったんや…。良かったら聞かせてくれへんか…。」
長門「………………。」
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長門は東京にある水瑚海(すいこみ)鎮守府に所属していた。
因みに今更だが檻巌鎮守府の舞台は滋賀県である。
そこで長門はとある激戦を終え後片付けをしていた。
長門「物凄い戦いだったな…。」
陸奥「えぇ。でもなんとか終わって良かったわ…。それに…死者数が0ってのは奇跡に近いわ。」
負傷者でこそ多いが死者数は0。
提督の判断と艦娘たちの動きが良く、上手いこといった賜物である。
あぐらをかき瓦礫の上でチョコレートを食べる長門。
すると小さい子供が寄ってきた。
男の子「お姉ちゃんありがとう!!」
長門「ん?ウヒャァァァァァァ!!!可愛いなぁ可愛いなぁ!!!!」スリスリスリ
男の子「痛い痛い!!」
抱きしめながら頬を擦り付ける姿に陸奥はため息をはくもどこか優しい顔をしていた。
すると数人の子供たちがやってきて陸奥や長門に抱きつく。
長門は鼻の下を伸ばしつつ全員を抱きしめた。
グ〜…と男の子のお腹が鳴る。
長門「おぉ!お腹空いてるのか!良かったらチョコレートを食べないか?多分全員分あるぞ!!」
鞄をまさぐりチョコレートを取り出す。
陸奥「ダメよ長門。心身ともに大丈夫か健康チェックしないと…。」
長門「大丈夫さきっと!具合悪い子は居るか〜?」
全員が首を横に振り長門から手渡しでチョコレートを貰う。
瓦礫に気をつけるんだぞーと大声を出して見送った後であった。
陸奥「もぅ…。仕方ないんだから…。」
長門「ハッハッハッハ!!真面目だなぁ陸奥は!」
チッチッチッチッチッチッチッ
陸奥「……………なんの音…?」
長門「ん?何がだ?」
陸奥は先程の子供たちをしばし見つめると駆け足でその場を離れる。
そして子供たちに追いつき最初に長門に抱きつかれた男の子を急いで抱き抱えた。
長門は不思議ながらも振り返りその光景を見た瞬間であった。
ドガァァァァァァッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッンンンンンン!!!!!!!!!
長門は爆風で吹き飛びながらも受身を取り何が起こったのか判断するために陸奥たちを確認する。
地面は大きなクレーターが出来、陸奥と子供たちは跡形もなく吹き飛んでいた。
何が起こったのか理解出来ない長門。
呆然としていると他の艦娘や自衛隊が駆けつけた。
そこからはあまり良く覚えていない。
提督から告げられたのは残酷なものだったことを除いて。
男の子の腹には深海爆弾と言われる特殊な爆弾が仕込まれていた。
それは何か食べ物が入ると爆発する仕組みだったのだ。
健康チェックをしていれば助かった命。
それも一つだけでは無い。
大勢の子供たち、そして最愛の妹。
一度に全てを無くした長門は何もかも耐えられなかった。
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長門「それからだ…自殺未遂を始めたのは…。」
町田「それで鎮守府をクビにされて今に至る…か。」
龍驤「……難儀やなぁ…。」
長門「だから………誰でもいい…殺してくれ…。」
神通「死なんでいい。あんたは生きなきゃならねぇ。」グビグビ
酒を飲みつつ長門の前にしゃがみこむ。
神通「私も人さんを助けることが出来なかった。それで酒に逃げた。あんたは自殺に逃げたんだ。違いはあれどあんたの気持ちは痛いほどわかる。」
長門「……………………お前も…。」
神通「そうだ。」
しばし見つめ合う2人。
すると静かに涙を流し始めた長門。
電「それにそんなもんじゃ艦娘は自殺出来ねぇのです。めちゃくちゃ頑丈だからよ。」
町田「返って傷つくかもしれんけども、今日祭りあるんやけども一緒に行くか?保育園も参加するんやけども、どうやろか?」
長門「…………………行ってもいいのか……?」
町田「もちろんや。」
重い腰を上げてとりあえずは食堂に向かう一行。
ミートスパゲティは全て赤城に平げられていた。
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ワイワイ…ガヤガヤ…
小さな祭りではあるが賑わいは十分である。
その参加すると言われていた保育園はずいずい保育園。
瑞鶴、愛宕、能代と人間の保育士からなる。
子供たちははしゃぎにはしゃぎ、楽しんでいる。
赤城「おいひぃおいひぃ。」
加賀「まぁーたそんなに食べてぇ……。」
赤城「いいじゃないですか!お祭りですよ〜!」
加賀「いつもでしょうが!!!」
筑摩「盛り上がってますね〜。」
利根「祭りごとじゃからな!楽しまんとの!!」
町田「おぉ!燕尾さん!こんちわ!!」
燕尾「久しぶりじゃのぅ。元気しておったか?」
町田「えぇ!お陰さんで!今日は楽しみましょうや!」
燕尾「あぁ!戦ごとばっかりで心身ともに皆疲れておるからの…。これくらいいいじゃろて…。」
睦月「長門さん!こっち行こうにゃ!!!」
長門「あっ……………。」
駆逐艦たちに手を引かれあちらこちらに向かう。
出店で美味しいものを食べるのはもちろん、的屋や金魚すくい、型抜きなどで遊んでいた。
天龍は保育園の子供たちに大人気である。
利根は興奮しふんどし一丁に。
筑摩が必死に止めるも何処吹く風。
色んな男たちが見とれていた。
霧島「さ〜て!!!やるわよ〜!!!」
ポンッッッッ!!!!
ポン菓子が爆発。
子供たちも大人も大はしゃぎ。
そして霧島のメガネが吹き飛ぶ。
大丈夫かぁぁぁ!!!と霧島のメガネに駆け寄る。
本体はおざなりであった。
霧島「本体こっちですからぁぁぁ!!!!」
ワーワー!!!ワーワー!!!
長門「……………フフッ。」
夕立「やっと笑ったっぽい。」
長門「あ…………。」
電「さっさと自殺趣味なんざ辞めるのです。ウチは鎮守府であって精神病棟じゃねぇのです。」
初雪「でもまぁ訳わかんない人しか居ない鎮守府だけどね。丁度いいや。」
向こうから天龍が園児たちを引き連れてやってくる。
長門たちもそれに合わせ祭りを楽しんでいる。
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大人たちはタバコをふかしながら休憩している。
男「戦争なんざ嘘みてぇだな。このまま平和に行けば良いんだけどな…。」
男2「あぁ、全くだぜ。頼むから今日は深海共くるんじゃねぇぞ…。」
グジグジとタバコを捨て足で踏み潰す。
男「さ〜てと、俺らもそろそろ動くか!」
男2「おうよ!」
大人たちは休憩所を後にし持ち場に戻る。
タバコの火が完全に消えていない事に気が付かずに。
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利根「うむ!!!やはり日本男児たるものふんどしじゃ!!!」
町田はふんどし一丁になり祭りごとを勤しんでいた。
町田「ハッハッハー!そりゃあそうよ!!!」
するとどこからか焦げ臭い匂いが漂う。
天龍「ん…………なんか焦げ臭くねぇか…。」
神通「なんだぁ?焼きイカか?」ゴクゴク
天龍「いや……なんか違ぇ…。」
瑞鶴が保育園の厨房でカレーを作っているのでそれではないかと尋ねるもののそれでもない。
まぁいいかと気にせずにいこうとしたその瞬間。
ドバァァァァァァァァァッッッッッッッッンンンン!!!
保育園と出店が爆発。
メラメラと炎が吹き上がり、全員パニック状態に。
燕尾「火事じゃ!!!!早く消火栓を持ってこい!!!」
男「水だぁぁぁ!!!バケツに水をくめ!!!」
金剛「早くこっちに避難するデース!!!」
金剛たちが避難経路を作り誘導。
しかし保育園の中から声が響く。
園児「うわぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!」
榛名「中にまだ子供たちが!!!!」
町田「火の周りが大きい!!!はよ助けらな!!!龍驤!!!!」
龍驤はほかの火災箇所に艦載機で放水中でありそこまで手が回らない。
利根「吾輩がかき消す!!!流砂じ……。」
最上「待て待て待て待て待て!!!!!」
利根に猛スピードでタックルを決め動きを止める最上。
最上「バカやろぉぉッッッッッッッッ!!!中にいる子供ら全員生き埋めにする気かボケェェェッッッッッッッッ!!!!考えろやッッッ!!!」
利根「す、すまん!!!!!!」
火は益々燃え上がり保育園は崩れる1歩手前である。
しかも校庭には祭り用の花火玉が置いてあり引火すれば一巻の終わりである。
吹雪「ここからじゃ間に合わねぇ……!!!」
ブオンッッッッッッッッ!!!!
吹雪「!!!!!」
物凄いスピードで何かが横切る。
吹雪「長門先輩…………。改二じゃねぇか………。」
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町田「花火は俺がどないかする!!!誰か子供らを……」
長門「提督!!!私に任せろッッッッッッッッ!!!」
町田「長門!!!!」
保育園の施設に入る長門。
そして次の瞬間施設が爆発。
大人たちが大声を張り上げる中、メラメラと燃える施設から長門が不燃性の布で園児たちを包みそれを背負い出てきた。
長門は煤や火傷を負っているが園児たちは皆無傷である。
それに駆け寄る大人や親たち。
長門「煙を吸っているかもしれん。早く病院に!」
町田「長門…。」
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園児は多少煙を吸ってしまったが全員命に別状はなく、後遺症なども残らないだろうとの事。
祭りは火災活動で一旦中止されたものの、後日また火元に十分注意しつつ開催された。
町田「みんな大丈夫やったんやってよ。流石ビッグ7やの。」
龍驤「それどころかチビ共怖い目にあったのに祭り祭りー!言うて叫んでるらしいで。肝座ってんなぁ!」
バンッと長門の肩に手を置く。
長門「もう…………失いたくないんだ…。大切な命を…。」
吹雪「司令官。」ゴニョゴニョ
町田「ん…、そうやな。なぁ長門ちゃん。」
長門「なんだ…?」
町田「もし良かったらなんやが…、ウチに所属せんか?」
長門「………艤装も出せないし何も出来ないんだぞ…。それに…自殺常習犯だ。」
艦娘がそろぞろと集まり、ここはそんなヤツらが集まる鎮守府なので問題ないと長門に伝える。
長門「……………。」
長門(陸奥……………、みんな………。)
町田が手を差し出す。
それに長門は笑顔で握り返す。
24人目の艦娘であった。
檻巌鎮守府所属艦娘
吹雪・初雪・電・睦月・雪風・夕立
川内・神通・天龍・龍田・大淀・北上
最上・利根・筑摩・加古
龍驤
加賀・赤城
金剛・比叡・榛名・霧島・長門
提督
町田慎太郎
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後日、祭りと片付けを終えた一行は朝からトレーニングをしていた。
今日は仕事が入っていない。
訓練日である。
龍田「あれぇ?長門ちゃんは〜?」
天龍「あれ?そういや居ねぇな。」
雪風「んぁ、あれ。」
雪風が指を指すのは鎮守府の屋上であった。
そこから長門が綺麗な顔をし、胸の前で腕をクロスさせ飛び降りた。
それはどこか儚げであり、かつ美しい。
見た目はまるで16世紀頃の絵画である。
長門はそのまま下に叩きつけられ、砂埃が舞った。
吹雪「それは治らんのか…。」
電「だからそんなんじゃ艦娘は死ねねぇっての…。」
夕立「やっと……………………24人そろったっぽい…。」ボソッ