第58話「秋空の灼熱対決!!!電vs睦月」
バァァァッッッンンンン!!!!
テーブルを思いっきり叩く音が響く。
朝から一体なんだと言うのであろうか。
「だーーーーーーかーーーーーらーーーーー!!!!!!」
大声も響く。
声主は相当お怒りのようだ。
正体は睦月である。
睦月「なんべん言ったらわかんの!!!!!部屋片付けてよ!!!!!!!!!睦月の領土に電の私物がはいってきてるにゃしぃぃぃ!!!!!」
電「うるうぅぅぅっっっっせぇぇぇぇっっっっのですっっっ!!!!!!!後で片付けるつってんのにお前が先々に勝手に片付けてるだけだろうが!!!!!!するっつってんだろうが!!!!」
電と睦月は同じ部屋に寝ている。
ここ檻巌鎮守府自体かなり小さな建物であり、他の鎮守府と比べてもかなりこじんまりしていた。
それで相部屋というわけなのだ。
しかし、電は片付けが下手くそであり睦月のラインにまで私物が流れ込んでいた。
怒りのまま部屋を後にし食堂ないしリビングに移動する2人。
今日は炊き込みご飯である。
秋の野菜が米とともにいい香りを出している。
利根「ま〜た喧嘩しとるのか…。」
新聞を広げながらタバコを吹かす利根。
みんな2人の喧嘩には呆れていた。
町田「べっぴんさん方やめぇや。楽しくご飯食べようや。」
イラつきながらも席につく2人。
みんなが揃ったということでご飯をいただく。
電「おい…………何の箸で食ってんだ…。」
睦月「にゃ?」
電「お前の使ってる箸!!!電のハリネズミさんの箸なのです!!!!何勝手に使ってんだボケェェェッッッ!!!」
睦月「お箸なんかみんな一緒でしょ!!!」
ギャーギャー!!!ワーワー!!!
天龍「おいお前ら、いい加減にしとけよ。朝から喧しい。」
電・睦月「あぁぁんん!??!!」
天龍「………………ハァ…。」
長門「可愛いなぁ………………。」
2人の喧嘩はしょっちゅうである。
常々しょうもない事で喧嘩しているので周りもあまり気にしていない。
気がつけば仲直りしているからだ。
勢いよく朝ごはんを食べ終えリビングを出ていったと思えば2人の部屋で暴れる音が響く。
吹雪「めんどくせぇな………。」
町田「もぅ〜〜〜!!!!!!!」
初雪「喧嘩するほど仲いいんじゃね。」
雪風「そうでも無いと思います?」
初雪「なんで疑問形なんだよ…。」
部屋で取っ組み合いをしている2人を町田と駆逐艦勢が止める。
今日の喧嘩は中々激しい。
だいぶお互いに怒っている。
しかし仕方ないというのもある。
最近どうしてか依頼が少ないのだ。
鎮守府の戸を叩く音も無ければ、街に出かけても誰も何も頼まない。
近海では深海棲艦が全く出なくなり、アルバイトと依頼でどうにかもっていた檻巌にはあまりにも厳しい状況だった。
しかもそれだけではない。
テレビ「来年は2000年!ミレニアムという事で世間は盛り上がっておりますが、中には深海棲艦を祭り上げる宗教が今熱いとのこと!」
解説者「いやぁ、本来ならば深海棲艦は人類の敵のはず。それが人類と艦娘に鉄槌を下す本当の救世主…メシアとして祭り上げる宗教らしいですね…。」
キャスター「勢力は徐々に上がり、このまま各鎮守府にも抗議して行くのこと。」
信者「はぃ!!!深海棲艦様は我々のメシアです!絶対に艦娘を滅ぼしますよ!人類も!しかし我々は深海棲艦様に選ばれたよりすぐりの存在なんです!あなた方も…」
ピッ
最上がリモコンでテレビを消した。
顔は影で見えないがあきらかに血管が浮かんでいる。
そう、深海教というものが生まれたのだ。
内容は先程テレビで言っていた通り。
そのせいで依頼が少なくなり、そもそも鎮守府や艦娘に関わろうとする者自体攻撃対象にされる。
もちろん艦娘と仲良くしている人達はそのクソ宗教と対抗している。
龍驤「にしてもなんで政府も取り締まらんねん。宗教の自由とか抜かすんやないやろな。」
神通「連んでんだろ?政府の一部と深海どもが。」グビグビ
川内「だとしたら政府も内部紛争するね。案外神通の言うことも間違いじゃないと思う。」
天龍「そうか…?まだ実害がねぇから何もしてねぇだけで、どこもかしこも深海棲艦に手一杯なだけじゃねぇか?」
最上「艦娘とそれに関わる人ら襲ってんだぜ?実害出てんじゃねぇか。」
神通「政府なんざ信用出来ねぇからな。アメリカじゃ国民が政府に対して深海どもと絡んでるじゃねぇかって糾弾されてらァ。」
龍驤「その説は信用したないけど…、もしそうならけったいな話やで…。」
電と睦月は怒りながら鎮守府を出ていく。
仕事探しらしい。
因みに赤城はオカズが少ないと叫び先程飛び出して行った。
[newpage]
「だーーーかーーーらーーー!!!てめぇらがやってんだろぅがよぁ!?」
「違ぇつっっっっっってんだろうがポカホンタスがよぉぉぉッッッ!!!!」
ここでも大喧嘩。
ここは近くの港。
お互いライバル会社の漁業社。
大勢の社員を引き連れ睨み合う。
髭を蓄え左目に眼帯をしている男・「山口広正(やまぐちひろまさ)」。
スキンヘッドの大柄な男・「滝波醇雅(たきなみじゅんが)」。
この2人。
お互いに仕掛けた罠が破られ魚が取れないと喧嘩をしていた。
それが山口率いる山口漁業㈱と滝波率いる㈱滝波潜水業である。
言い合っているのだ。お前らの仕業だと。
山口「てめぇらこの間も社員こっちにスパイとして送ってきたよなぁ!?!せこいことしやがってよぉぉ!!!言ってやれでち公!!!!」
伊58「でちぃ!!!」
滝波「ふざけんなや!!!ンなこと言ったらテメェらもこの間変なもん持って社員送り付けてきただろうがボケェ!!言ってやれやイク公!!!」
伊19「なのね!!!」
お互い睨み合い火花が散っている。
山口「わっーた。じゃあこうしようや。1人ずつ代表決めて殴り合いだ。最後は拳で決めようや。」
滝波「おもしれぇ。乗ったぜその話。」
山口「場所はここ、時間は16時。逃げんじゃねぇぞ。」
滝波「こっちのセリフだクソ野郎。」
━━━━━━━━━━━━━━━
睦月「あんのクソボケ電ぁ…。仕事も見つからないし……………ん…?」
目の前には山口漁業㈱が用心棒を募集していた。
しかもかなりお給金が良い。
睦月は戸を叩き、働きたい旨を伝える。
社員「ん?女の子ぉ?艦娘と言えど無理無理!お金ないのは分かるけども帰んな。」
門前払いでまたもや腹がたち、ハイエースの下に潜り込む。
何をするつもりなのかと社員が近寄るとそのままハイエースを持ち上げた。
睦月「これでどうにゃしい?」
社員「あ、はい…………。」
━━━━━━━━━━━━━━━
電「仕事くれなのです。」
滝波「あ?艦娘か…。でも艤装で喧嘩するわけじゃねぇし、殴り合いの予定だからよ。」
社員「艦娘は艤装付けなきゃ弱いんだろ?じゃあダメだ。」
電は無言でその場を立ち去る。
諦めたのかと思いきや、その辺に転がっていた廃バスに思いっきり蹴りをかまし、ぶっ飛ばした。
思わず口からタバコが落ちる滝波。
社員も顎が外れているみたいに見える。
電「これでもダメなのです?」
滝波「いや…お願いします…。」
[newpage]
時刻は15時58分。
左に山口漁業㈱、右に㈱滝波潜水業。
対峙するは電と睦月。
伊58「頼むでちょ!!!」
伊19「やっちまうのね!!!」
「頑張れー!!!」
「いいぞぉーーーー!!!!」
野次が飛び交う。
電「なぁ〜んでオメェがこんなとこに居やがんのです。」
睦月「こっちのセリフにゃしぃ〜〜〜。」
お互いチンピラのようだ。
そして丁度16時になり時報が鳴る。
電と睦月が目を開き走り抜ける。
直後クロスカウンターでお互いにの頬に拳が命中。
電「んぶぅうぇぇぇっっっ!!!」
睦月「むぼぉぉぉあぁぁッッッ!!!」
━━━━━━━━━━━━━━━
町田「あいつらどこ行っとんのや…。」
大淀「こういう時のために携帯持たせたほうがいいかも知れませんね。」
筑摩「p501iっていう蜜菱がだしている携帯とかいいんじゃないですか?」
霧島「携帯…?ポケベルじゃなくて?」
龍田「霧島ちゃんポケベルなんて買ったの?使い辛くない?」
利根「もう今の時代は携帯じゃぞ。」
すると鎮守府の壁を壊しながら金剛が自転車で帰ってきた。
壁際に居た最上は大きく吹っ飛ばされた。
金剛「大変デース!!!」
長門「大変なのは壁の方だと思うんだが…。」
北上「もぅ〜!また妖精さんめちゃくちゃ嫌そうな顔してんじゃん〜!」
加古「何があったんだ?」
金剛「電ちゃんと睦月ちゃんが!!!!!」
[newpage]
お互いにボコボコ。
タンコブや青あざは勿論、電の熊さんの服は破け睦月のズボンは尻が破けお花の柄が見えている。
滝波「なんちゅう…殴り合いだ…。」
山口「す……すげぇ…。」
電「へ………へめぇ……いいはへんに……ひろよ……。」
睦月「ほっひの…へりふ…なひぃ……。」
電「まさは………おまえに…これ…ふあふとはな…。」
カチャッ、と剣靴を手にはめる電。
睦月「むつひも……。」
スッ、と貫手の構えを摂る睦月。
そしてお互いに高く飛び上がる。
電「ひひはいはい!!!!!」
睦月「へんへふははんひょう!!!!!!」
その時であった。
海からザバァァァァァァッッッンンンン!!!!!
と大きく音を立て深海棲艦と巨大イ級が顔を出した。
深海棲艦「今だ!!!!やっちまぇお前ら!!!!」
深海棲艦「うひゃぁぁぁぁ!!!!!」
デカすぎるイ級に大勢の深海棲艦に驚いた山口と滝波であったがさらに驚く事があった。
イ級の口に絡みついている網。
それはお互いの会社で使われていた網の1部であった。
つまりお互いの会社は何もしていない。
全て深海棲艦の仕業であったのだ。
山口「なっ!!!!ありゃぁ!!!」
滝波「アイツらのせいだったのか!!!」
電と睦月は深海棲艦の方を向くもそのまま殴り飛ばされる。
電「な…………何が何だか…。」
スッ…と手を差し伸べる睦月。
睦月「と…取り敢えず…今はあいつらが先…にゃしい。」
電はその手を取り、起き上がりそのまま睦月と深海棲艦に立ち向かう。
ホ級「アホが!!!満身創痍のお前らなんざ敵じゃ…」
すると後ろから伊58に網で絡まれる。
伊58「今でち!!!」
電の剣靴で切り刻まれるホ級。
後ろでは伊19と睦月の連携でカ級を倒していく。
それだけではない。
山口と滝波が小型船で深海棲艦を撹乱。
それに合わせ電と睦月が連携でバッサバッサと倒していく。
しかし数が多い。
ボコボコの電と睦月は次第に動きが鈍くなってくる。
それに狙いを定め不敵な笑みを浮かべるヲ級であったが、直後顔が吹き飛んだ。
深海棲艦「!??!!」
龍驤「喧嘩やったらウチらも誘ってや〜。おふたりちゃん。」
赤城「お腹…ずぎまじだ……!!!!」殺意
加賀「こっちの方が怖いですねこれ。」
電・睦月「…………みんな…。」
町田「最近イライラするからのぉ!!!!お前ら暴れたれやぁぁ!!!!!」
艦娘「ウォォォォォォォォッッッ!!!!」
━━━━━━━━━━━━━━━
山口「その………悪かったな…。」
滝波「いや、こっちこそすまねぇ…。俺の勘違いで…。」
伊58「でち…。」
伊19「なのね…。」
お互いに握手を交わし、社員たちもいい笑顔である。
どうやらこのままいがみ合っても仕方ないという事で会社を合併するらしい。
それでまた美味い魚をみんなに届けるとのことだ。
お金を受け取った町田たちは漁師たちに手を振り鎮守府を目指す。
山口「悪かったなー!睦月やーい!!!」
滝波「今度は飯でも食いに来てくれや電ー!!!」
睦月「にゃしぃー!!!」
電「海鮮丼用意しとけなのですー!!!」
町田「お前らも喧嘩すんなよ?わっーたな?」
笑顔で肩を組むゲバゲバコンビであった。
━━━━━━━━━━━━━━━
電「てんめぇぇぇぇよぉぉぉぉぉっっっっっ!!!!!」
電「靴下裏っかわにして洗濯物出すなっつってんのです!!!!!!!」
睦月「あぁぁぁぁぁぁ!??!!!そんなこと言ったら電もパンツとかブラジャーその辺に投げ捨てずに洗濯機に入れろにゃしぃぃぃぃ!!!!!!」
ギャーギャー!!!ワーワー!!!
榛名「ま〜たですか…。」ハァ…
町田「やれやれ。」