第59話「最上の過去!!!」
町田「………………きっしょいの…。」
テレビを見ている訳では無く、タバコを吹かし新聞を広げているのだ。
新聞の端っこに小さいながらも堂々と深海教の3文字。
邪教そのものである。
龍驤「ほんっまに舐めとんの。誰が戦ってる思てんねん。」
神通「で、んな事言ったら誰がそんな事頼んだ〜とか抜かしやがるらしいな。」ズズズ
川内「コーヒーとか飲むんだ。」
神通「そらそうよ。」
霧島「売国奴ならぬ売人奴かしら。」
天龍「どっちでも一緒だ。」
大淀「どうやら掲示板の書き込みを見たらメシアに命を捧げようとかなんとかで、各方面での集団自殺も呼びかけてますね…。」
カタカタとパソコンのキーボードを打ち、マウスを動かす大淀。
今年1999年に出たばっかりのVAIO、PCV-R70TV7である。
いい値段をしたもののアルバイトしてなんとか買ったのだ。
なんと42万円程である。
町田「掲示板にか…。……………。」
吹雪「なんで政府は動かないんすかね。」
大淀「動いてるには動いてるんですよ。でも…なんだか…力を入れてないような…。」
皆が頭を抱える中、ピンポーンとチャイムが鳴る。
依頼かはたまた深海教か…。
噂では他の鎮守府に深海教がデモ行為をしているらしい。
矛先がついに来てしまったのか…。
町田は1番部屋が近い赤城に出てくれと頼むも、どうやら部屋でアニメ・モンスターファームを見ているので聞こえていない。
長門は睦月と雪風とデ・ジ・キャラットを見ている。
仕方なく町田が出ようとすると電と最上が着いてきた。
ガチャ…とドアを開ける。
因みにインターホンカメラなどは無い。
ここは完全に妖精の手によって作られている。
カメラ付きを頼むと可愛らしい見た目で大きくバツと腕を交差させた。
どうやら専用のコインが必要らしい。そんなもんはここには無い。
あきつ丸「あ………良かった…。居たのであります。」ニコリ
そこにはあきつ丸、神州丸、熊野丸が居た。
あきつ丸「わたし…」
電「なんんんんにしに気やがったクソコマンドー野郎ぉぉぉぉぉぉっっっっ!!!!!!!!」
胸ぐらを掴み激しく揺さぶる。
あきつ丸は動揺し、混乱していた。
あきつ丸「ワッワッワッ!!!!ま、待って欲しいのであります!!!!」
最上「んだとてんめぇゴルァ!!!!!」
ポンッ、と町田と初雪が電の肩に手を置く。
初雪「よく見ろ電。あのあきつ丸たちじゃねぇ。」
電「あぁぁ!?!!!」
チラッとあきつ丸をよく見る。
あのコマンド・アーミーズと比べて顔が柔らかく優しい。
それに目もクリクリである。
それを見て胸ぐらを離し頭を軽く下げた。
あきつ丸「び…びっくりしたのであります…。どうされたのですか…?」
熊野丸「や…やはりここは怖い鎮守府なのか…。」
神州丸「怖いのであります…。」ガクガク
初雪「悪い。ちょっと前にオタクら陸自のコマンド・アーミーズに世話になってな。」
あきつ丸「………!!!!アイツらでありますか…!!!」
熊野丸「なるほど…、そりゃ警戒もするな…。」
神州丸「それは申し訳ないのであります…。」
町田「取り敢えず中入ったらどうやろか?美味しいものとか出されへんけどゆっくりしてってよ。なんか話あるんやろ?」
3人はコクリと頷き檻巌鎮守府に入っていった。
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全員リビングに集まる。
あきつ丸「……………であります。なので陸自からも恐怖と憎悪の対象として見ているのでありますよ。コマンド・アーミーズは。」
熊野丸「コーヒーもいただいて…ありがとうございます。」
神州丸「おいちぃ。」ズズズ
やはりコマンド・アーミーズは同じ陸自からも嫌われていた。お互いに睨み合っているものの、特殊中の特殊部隊。
その強さのせいで陸自は肩身の狭い思いをしていた。
町田「ところで何しに来たんや?まさか遊びに?」
あきつ丸「はっ!そうでありました!お尋ねしたい事があるのです!!!」
そう言うとカバンを漁りファイルを取りだす。
その中には資料が入っており、内容は深海棲艦についてだった。
あきつ丸「この中で見たことがある深海棲艦は居るでありますか?」
テーブルの上に広げられる資料。
比叡「コイツは榛名と雪風ちゃんと倒しましたよ。」
あきつ丸「運河棲姫。」
赤城「うわっ!見たくなかった!!!」
熊野丸「肥満補給棲姫。」
天龍「コイツは俺と神通で始末したぜ。」
神州丸「軽巡鋼鉄棲姫。」
他は?と聞くあきつ丸であったが他には見たことが無い深海棲艦ばかり。
大淀でさえ知らない顔だらけである。
筑摩「それで…これがどうしたんですか?」
あきつ丸「これは所謂ナンバー落ち…。幹部から外された者たちであります。」
榛名「な〜んかそんな事言ってましたねあのクソブス。」
あきつ丸「檻巌鎮守府殿がこの3人を倒したと言うことは…もう型落ちは全員倒したと言うことになるでありますね。」
町田「ん?!他の5人は陸自が倒したんか?!」
コクリと頷く3人。
大体コマンド・アーミーズが片付けたらしい。
北上「…………………この中に人と艦娘を改造するやつって居た…?」
あきつ丸「え…………、それは…居なかったであります。」
資料を事細かに見るも該当する深海棲艦は居ない。
つまり現在の幹部の誰かである事は明確だ。
加古「そうか…………。で、今幹部ってわかるだけで何人居るんだ?」
あきつ丸「恐らく16人。それぞれが体のどこかに番号が振り分けられているであります。」
熊野丸「恐らく強さの順なんだろうが…そこまで詳しくはわからなかった。それにどこに潜伏しているのかも…。」
神州丸「わかり次第、お伝えするであります。」ビシッ
それを伝えると3人は帰っていった。
帰り際に何か資料を渡されたが、その場では読まず町田が部屋に持って行った。
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大淀「幹部…………か…。一応私たち海自になるから大本営は陸自の情報を教えてくれないんでしょうか…。」
筑摩「私たちは海自ですけど、管轄は陸ですもんね。」
利根「海の方には幹部はおらんのか?」
大淀「どうでしょうか…。調べておきましょう。えっと………この辺に…。」
本棚を漁る大淀。
全ての鎮守府の連絡先が載っているノートを探る。
しかし、車椅子のままでは届かない位置にあるらしく町田がそれを手伝う。
すると一冊の本が落ちた。
町田「ん?なんや…。あっ!!アルバムかぁ。」
檻巌鎮守府の思い出1と記された一冊の本。
中を開くと町田が鎮守府に務めてからの8ヶ月、撮った思い出の写真がいっぱい挟んである。
風景などの写真もあるが、艦娘たちのショットが主である。
吹雪「懐かしいな…。まだ1年も経ってないっすけど。」
長門「良かったら……また私も含めた集合写真を…………。」ドサァ
龍田「長門ちゃん!また貧血?!」
町田「ん?誰なこれ。知らんどこの人。」
テーブルの上にアルバムを置き、一斉にみんなが覗き込む。
そこには白い大きなバイクの前でヤンキー座りをしている金髪のレディースであった。
その横には2人のそっくりな女性が2人。
確かに見たことがない。
すると突然最上が顔を真っ赤にしてそれを急いでぶんどった。
最上「挟んでたの忘れてた…。」ボソボソ
夕立「もしかしてそれ…昔の最上さん?っぽい?」
町田「マジで?」
最上「うぅ………………。」
天龍「めちゃくちゃヤンキーだったんだなお前。」
龍驤「えっらいイメチェンしたんやな〜。」
最上「びっくり………したでしょ…?」
皆「いや、全然。」
最上「えぇぇ!?!!!なんでぇぇ!?!!!」
吹雪「いやぁ………だってよ…。」
霧島「怒ったらヤンキー言葉になるじゃない。」
金剛「顔もキンピラみたいになりマスシ。」
雪風「チンピラ?」
利根「口調でわかるじゃろて。」
最上「そ…………そっか……。バレてたんだ…。」
町田「それに…隣におる2人誰や?艦娘か?」
吹雪「伊勢と日向、っすね。何処で会ったんです?」
最上「…………………………。」
最上はものの数秒黙っていたが、徐に口を開いた。
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僕は…僕は最初に大本営で生まれて…気がついた時には待機所に居たんだ。
だから他の姉妹は知らないや…。
でも一行に鎮守府から連絡は来ないし…来たとしても面接で落ちるしさ…。そりゃそうだよ。艤装持てないんだから。
それでも…一旦は所属出来たんだ…。鎮守府に。
でも労働環境クッソ低レベルでさぁ。
艦娘も性格悪いし、提督も手柄しか考えてない典型的な昔の人間って感じで…。
それで殴り合いになって辞めたんだよね…。
言ってもクビだけどさ…。
それでその後…
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ドンッッ
肩がぶつかる。
最上は相手を睨みつけるももう既に後ろ姿が離れていく距離であった。
最上「おいっっっ!!!!テメェぶつかっておいて詫びも無しかゴラァッッッ!!!」
??「ん?ぶつかったか?瑞雲。」
軽く手を前に出しごめんね、といった動きを取る。
??「いや瑞雲じゃないでしょ。ごめんなさいね。気をつけるから。」
最上「舐めてんじゃねぇぞボケが。な〜にが瑞雲だクソアマ。俺に舐めた態度取って生きて帰れると思うなよ。」
??「ちゃんと謝んなよ日向。」
日向「あぁ、伊勢。瑞雲。」
伊勢「ハァ…………。」
最上「伊勢…、日向…?」
腹を抱え笑う最上。
顔は大きく歪んでおり、派手にメイクをし金髪なので人目では最上と分からない。
最上「だから馬鹿みてぇに瑞雲、瑞雲って言ってんのかwww」
最上「そりゃあいいや!!深海棲艦なんざ見たことねぇし、艦娘の駆逐艦如きじゃ相手にならねぇ。軽巡と重巡でも俺とタメ張れる奴ァ居なかった…。」
最上「そろそろ戦艦と喧嘩したかったとこなんだよ。」
拳をゴキィバキィと鳴らす最上。
日向「……ん?もしかしてお前、最上か?」
最上「だったら………なんだってんだよぉぉぉっっっ!!!」
日向にストレートを放つ最上。
簡単に躱されるも続けざまに回し蹴りを放つ。
日向「提督からは喧嘩するなと言われているんだが…仕方ない…。下がってろ伊勢。」
伊勢「さっさと終わらしてあげてよ。」
最上「舐めてんじゃねぇぞボケがッッッ!!!」
隙のない攻撃の嵐。
喧嘩に明け暮れていたというのは本当であろう。
バックステップで下がるもののそれに合わせカウンターをしかける最上。
日向「!!!」
腕で防ぐも少し痺れる感覚が残る。
日向「思ったよりやるなぁ…。」
最上「余裕ぶっこいてんじゃねぇぞボケカス野郎!!!」
日向「……………。」
左フックをパシッッ!!と掴まれたと思うと次の瞬間最上の体は半回転していた。
最上「なっっっ!!!!」
日向「大丈夫だ、殺しはせん。」
パァァァァァァッッッッッッッンンンンン!!!!
日向の拳が顔面にめり込み、回転しながら周りにある廃車などを巻き込みながら100m程吹き飛ばされた。
最上はそこで意識を失った。