スタスタと歩き、途中で止まる金剛。
目の前には戦艦タ級。
金剛の身長189cmに対し、タ級は200cmはあるだろう。
長門よりも大きい。
タ級「あ?艦娘一匹?おっかしいなぁ〜…2匹生体反応があったはずなんだけどなぁ〜。」
可愛く首を傾げるタ級。
しかし可愛いのは見た目だけ。
何もかもが邪悪そのものである。
金剛「お前子供たちはどこデス。」
タ級「あ?ガキ?知らねぇよ、んなもん。ん?!あれれ〜?」
タ級「もしかしてこれの事かな〜?」
ぶらん、と頭よりも高い位置で何かをぶら下げるタ級。
それは子供と思わしき足であった。
金剛は既に頭に来ており、地面を蹴り上げタ級に向かうもそれに合わせその足を投げつけてきた。
べたんっ!と顔に当たり思わず目を閉じる金剛。
気がつくと金剛の左横腹にタ級の重い回し蹴りがめり込んでいた。
タ級「フヒヒッ」ニヤァ…
間髪入れずに連続で拳と蹴りを入れる。
その威力のせいか、河川敷で戦っているせいか砂煙と小石が飛び散り金剛の姿が隠れてしまっている。
タ級「フヒヒヒャァァァッッッ!!!!!!戦いに情なんて挟んでんじゃねぇよクソビッチがよぉぉぉぉっっっ!!!!!」
ズガガガガガガゴッッッッッッ!!!!!!!!
次にタ級は思いっきり前蹴りを鳩尾に入れる。と、思ったのだが次の瞬間タ級の顔面は金剛の拳がこれでもかという程めり込んでいた。
タ級「ンブベバッッッッッ!!!!!」
派手に回転しながらこけるタ級。
途中復帰し、急ブレーキを掛けながら顔を上げる。
タ級「……………は?」
金剛「恵比寿活坤泰(えびすかっこんたい)。」
〜艦娘解体新書 「技の巻」〜
恵比寿活坤泰
金剛が七福神の恵比寿様を見て考案。
呼吸のコントロールにより血中の鉄分を充満させ、体を鋼鉄と化する技である。
短時間しか発動出来ないものの、タ級の攻撃はまるで効いていない程の硬さを誇る。
因みに金剛からするとこの技は中級レベルらしいが、比叡は習得出来ていない。
鋼鉄になるとは言え、体が鉛色になるとかではない。
タ級「思ったよりやるなぁ…まぁ?私も別に本気…」
金剛「可哀想に…。隆ちゃんたちじゃ無いとは言え、純粋無垢な子供をこんな目に…。」
金剛は足を丁寧に持ち上げ雑木林のところに埋め、手を合わせた。
タ級にはその行動が理解出来ず、背中を向いているから絶好のチャンスにしか見えなかった。
タ級「戦闘中に敵に背中見せるやつがあるかよド低脳!!!!!!」
メリィィィィィッッッッッ!!!!!!
金剛は後ろを振り向くことさえせず、バックブロー(裏拳)を的確にタ級の顔面に命中させた。
鼻がへし折れ大量の血を流す。
反撃を試みようとするも目の前に金剛が居ない。
タ級「うわっっっ!!!!!」
後ろであった。
ドゴォォォォォォォッッッッッッッ!!!!!!!
左横腹に回し蹴り。
深海棲艦ないし戦艦でもなければ確実にバラバラに吹き飛ぶ威力。
そのまま吹き飛び川まで転がる。
金剛「川に入んな。水神様に迷惑デス。」
タ級「ガハッッッッ……………!!!ハァハァ………!!!!クソ野郎…………目ん玉引っこ抜いて………手足ちぎって殺してやる……………!!!!!!」
タ級はそのまま体を真っ赤に染め上げる。
eliteだ。
タ級「怒らせちまったなぁ………!!!もう楽にゃ死ねねぇぞ………!!!!!」
金剛「……………。」
[newpage]
次は金剛から仕掛ける。
正拳突きや蹴りなどを華麗に繰り出すも先程と違いタ級にはかすりもしない。
パンチを放ったところにクロスカウンターで顔面に一撃を入れられ、そのままボディブローを3連発。
顎に膝蹴りを受けた後、前蹴りを喰らい吹っ飛ぶ金剛。
タ級「グヒヒヒヒッヒャハッ。」
首の骨をポキポキと鳴らし、鼻を抑え血を吹き出す金剛。
血は流れて居るものの闘志は消えていない。
またもや金剛がタ級にラッシュ。
しかしどれも躱され、反撃を受けてしまう。
タ級「アホがっっっっっ!!!!私は回避率と命中率が高ぇんだ!!!!!eliteになりゃ尚更なぁぁぁぁっっっっっ!!!!!」
ドガガガガガガガガガガガッッッッッッッッ!!!!!!
タ級「調子乗ってんじゃ……………ねぇぞクソ女ァァァァァァァッッッッッッ!!!!!」
笑いながら連続で金剛を殴り蹴る。
金剛は硬くガードしつつも、そろそろ綻びそうである。
タ級「まずは目ん玉ぁぁぁぁぁぁっっっっ!!!!!!アーヒャッヒャッヒャッヒャッ!!!!!」
金剛のガードが壊れた瞬間を逃さず貫手で目を狙うタ級。
しかし、その右手に対しクロスカウンターが顔面にクリーンヒット。
タ級「ンガッッッッ!!!!!!」
タ級(マグレか…………!!!でもそんなラッキーパンチじゃあ……)
ドズッッッッッッ!!!!
ドカッッッッッッッッ!!!!
バゴオオオォォォォォッッッッッ!!!!!
顔、右胸、左太腿、左肩、鳩尾を確実に入れられたタ級。
タ級「ゴボッッッッッ」
タ級(間髪入れずに殴ってきやがった………!!!!でもそんな運は長続きしねぇぜ………!!!!)
バックステップで距離を取り、足が地面に着いた瞬間に急接近。
タ級(あの連撃で私を仕留められなかったので命運付きたなぁぁぁぁッッッッッッ!!!!運を使い果たして………!!!)
タ級「死ねカス…」
パァァァァァァァァァァァァッッッッッッッンンンン!!!
パンチが顔面にヒット。
歯が抜け落ち、何が起きたのかわからないタ級。
そんなもん気にもとめず金剛のラッシュは続く。
タ級は先程の動きで翻弄しようと試みるも尽く殴られる。
タ級(は??!!?!!!は!?????!!!!)
挙句の果てには背負い投げをまともに喰らい、河川敷に叩きつけられた。
ドゴォォォォォォォッッッッッッッ!!!
タ級「て……………てむぇ………なんで………私の……回避が……。」
金剛「慣れタ。」
タ級「………………は?」
金剛はタ級のラッシュを受け続け、動きを完全に把握。
最初こそ着いていけず殴られっぱなしであったものの、動きとスピードに慣れればなんの問題も無い。
金剛「………。」クイクイッ
指でかかってこいと挑発。
見下ろす顔と合わさって殺意が込み上げてくるタ級。
フルパワーで殺すために力を解放。
全身黄色に染まる。
flagshipだ。
タ級「まさかflagshipにならねぇとはな………。どうやって虐めちゃおうかな〜?」
金剛「…………………。」
金剛も拳に力を入れ、足元から突風が吹き上がる。
[newpage]
タ級(改か………。深海棲艦で言うところのeliteに当たる…。でもなぁ…。)ニヤァ…
目の前からタ級が消えた。
そう思うと金剛の側頭部にタ級の蹴りがぶち当たりそのまま吹き飛ぶ。
金剛「ガッッッッ!!!!!」
吹き飛んでいる最中にも関わらず物凄いスピードで追いつかれ、連撃を受ける。
木々をへし折りながら金剛ごと辺り一面を攻撃。
とてつもない衝撃である。
ドガガガガガガガガガガガッッッッッッッッ!!!!
タ級「オラオラオラオラ!!!!!どうしたイカレマンポがよぉぉぉぉぉぉッッッッッッ!!!!!!」
タ級「為す術もねぇかぁぁぁぁ!!!!??!そりゃあそうだろうなぁぁぁぁ!!!!私のflagshipはそんじゅそこらのレベルじゃねぇ!!!!!」
タ級「ドクター曰く元幹部レベルに匹敵すんだからよおおおぉぉぉぉッッッッッッ!!!!!!」
金剛の腹に弾丸のような飛び蹴りを食らわせ巫女服を真っ赤に染め上げる。
金剛曰く町田に繕ってもらった最後の服らしい。
大切な人に作ってもらった大切な服。
ビリビリに引き裂かれ、この血の染み込み具合は洗ってももう落ちないだろう。
その勢いで岩盤に激突。
タ級は余裕ぶっこいてジリジリと金剛ににじり寄る。
タ級「大人しく殺されたらいいもんをゴキブリかテメェらはよぉ!!!!!次から次へと私らの邪魔しやがってよぉ!?」ハッヒャッヒャッヒャッヒヤッ!!!!
タ級「でもここまで歯ごたえある奴はお前が初めてだなぁ!!!今までは艦娘も人間も畜生どももカス見てぇなヤツらばっかりだった!!!」
ガバッ!!と大きく手を広げ自分を誇張する。
まるで自分はメシアの遣いとでも言いたいかのように。
自分が正しいと思わんばかりに。
タ級「全てはメシアのためだ!!!!あの方こそ全て!!!!あの方こそ私たち深海棲艦を導く神そのもの!!!!」
タ級「邪魔なんだよ…………!!!!お前ら艦娘はよぉ…………!!!!!便所の糞食らってるクソムシかテメェらはよ!!!!!」
タ級「メシアのために命を捧げなきゃならねぇ……!!!テメェも供物にするが、特にガキどもが良いんだ…………!!」
金剛「……………………。」
タ級「生きてる状態で腕を引きちぎって、目ん玉引っこ抜いて!!!!ドタマカチ割ってよォ!!!!」
タ級「ギャーギャー泣きわめいて!!!お母さーん!!お父さーん!!って無様に小便漏らして!!!その姿がメシアを喜ばせる!!!」
タ級「手足ちぎってのたうち回る時ゃ虫見てぇでスゲェ笑えんだ!!!!!!!」
タ級「なんの価値もねぇようなカス生命でも役に立つんだなぁ……!!世の中良く出来てるぜ!!!!!」
ダーヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッ!!!!!
タ級「それに私の勤めが認められる!!!番号を貰い!!!名前も頂ける!!!!やっと私が報わ「うるせぇよ………。」」
タ級「………………あ?」
徐にムクリと起き上がる金剛。
陽炎がユラユラと揺れている。
金剛から発せられる殺意が目に見える形となり現れている。
金剛「私も嫌な女デスね…………。お前みたいなヤツはすぐにこの世から消さないといけないノニ………。」
金剛「どうしても…自分の力がどこまで通じるのか…試したくなるんデス………。」
金剛の足元から先程よりも強い突風が吹き上がる。
次の瞬間拳が見えなくなるほどタ級の胸がめり込んでいた。
[newpage]
タ級「ガハッッッッッッッッッッ!!!!!!」
胸骨粉砕骨折。
タ級が胸を抑えようとしたのだろう。
その前にワンツーが3連続で炸裂。
ドドッッッッ!!ドドッッッッ!!ドドッッッッ!!!!!
タ級「ンブブブンンンゴボオォォォォッッッッ!!!」
全肋骨粉砕骨折。
ビュンッッッ
タ級の右脇腹に一撃。
内部から破裂する音が響く。
胃袋破裂。
口からどす黒い紫色の血反吐を大量に吐血。
なんとか反撃を試み、貫手で金剛の目を狙うも冷たい目で拳で防がれる。
左手指複雑粉砕骨折。
金剛「毘沙門荊棘紅天(びしゃもんばらくてん)。」
ザンッッッッッッッ!!!!!!!
手刀で肩から胸にかけて大きく抉れ裂かれる。
肩甲骨粉砕骨折ならびに筋肉断裂方肺裂傷。
〜艦娘解体新書〜 「技の巻」
毘沙門荊棘紅天(びしゃもんばらくてん)
七福神の毘沙門天を見て考案。
金剛には槍を使う才能が無かったため手を刃と化する修行をし、習得。
切れ味だけは最上の瑞雲流を上をいく。
全身を痛めつけられ死にかけのタ級。
反撃以前に金剛の動きが全く見えない。
一方的に痛めつけられる。
次の瞬間金剛のローキックがタ級の両足に直撃。
両足の骨がバラバラに折れ、肉を突き出しグチャグチャに。
両足複雑骨折。
タ級「ガァァァォォォァァォオオオオォォォォァォッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!」
金切り声を上げその場に倒れる。
生きているのが奇跡に近い。
それもそのはず。深海棲艦は心臓を潰すか首を切り落とすしか殺す手段が無い。
ぼろ雑巾のようになっていくタ級を見る金剛の目はとても冷たく情が微塵も感じられない。
もしかしたら檻巌鎮守府で1番怒らせたら怖いのは榛名では無く、金剛なのかもしれない。
タ級「な…………………なんで……………いきなり………お前…………改二になれんのか…………。」
金剛「What's?改にしかなれませんヨ?」
タ級「………………はぁ………??!!」
金剛「お前がflagshipになった時に見せたのはタダの気合いデス。私はさっき初めてお前と対峙して改になったんデス。」
金剛「サテ…………正直さっさとお前をこの世から消したいんデスが………聞きたい事がいっぱいあるんデスよ…。」
[newpage]
金剛「深海教ってなんデス?」
タ級「………………………誰が教え…」
グシャッッッ
右足首を踏み潰す金剛。
タ級「ギャァァァァァァァァァッッッッッッ!!!!」
金剛「立場分かってんのかボケ。私も拷問は好きじゃありまセン。さっさと答えろ。」
タ級「メシア…………メシアを祭り上げる…宗教だ………。」
金剛「メシアって誰デス。」
タ級「わ………わからん……。」
腕組みを辞め、少し動く金剛。
タ級「知らない………!!!!ホントに知らないんだ!!!!!」
金剛「ハァ?さっきから散々メシアメシア言ってたヤツがなんで知らないんデス?とぼけんなよ。」
タ級「この仕事終わら………せて……。それでついでにお前ら殺して…………それ……で…メシアのご尊顔を拝める予定だったんだ……………!!!!!お前のせいで…………何もかも台無しだがなぁぁぁぁッッッッッッ!!!!」
金剛「その糞宗教の支部は日本だけなんデスか?いくつあるんデス。」
タ級「それも知らん…………。日本以外にも、あ………あるにはあるらし……い……………。」
金剛「お前らのアジトは?」
タ級「教えても行けんぞ………。ハッハッ…………!!し………深海棲艦じゃねぇと行けねぇ異空間にあんだからな……!!!」
金剛「………………、なんで特に子供たちなんデス?」
タ級「…………あ………?」
金剛「お前が言ってたんだろうが。供物には子供が1番ってヨ。」
タ級「…………エプスタイン………。」
金剛「エプスタイン…………。」
タ級「聞いた事ある顔してんな………。ハァ…ハァ……。日本やアメリカ…………色んな…く………国で……裏の………上級国民ってやつがやってる…………生きてる子供……を…拷問した時に出る………エキスを………啜るって…………やつだ…。」
タ級「お………お前らの仲間も…………みんな最後は………バラバラになって…………人間…の…ガキどもも……!!!頭かち割られて………脳汁啜られて……死ぬんだよ!!!メシアは復活する!!!!!あ………アッハッハッハッハッ!!!!!今頃あのガキどもも仲間が殺してるだろうなっっっ!!!!」
金剛「…………………………。」
スタスタとタ級の上半身の位置まで歩く金剛。
タ級「な………何してんだ……辞めろ…おい!!辞めろ……何すんだ!!!!おい!!!!!」
タ級の体を踏み、左腕を根元から引きちぎる金剛。
声にならない叫び声を上げのたうち回るタ級。
金剛「どんな気分デス…………。助けて欲しくても助けて貰えない………。痛くても辞めてくれない…………。少しづつ体を壊されていく感覚は………どんな気分デス?」
金剛「お前が殺してきた人間…艦娘…動物………地獄の閻魔様に絞れるが良いデス…。」
首をはねようと腕を振るう。
タ級「!!!!!お前ら良くやった!!!!そのままガキどもを殺せ!!!!!!!」
金剛「!!!!!!!!」
後ろを振り向く。
しかしそこには何もない。
気がつくと金剛の足元にある先程ちぎった腕が爆発。
ブラフだったのだ。
砂煙を上げるも次第に落ち着いてきた。
金剛「………………チッ………逃げられた……。」
そこにはタ級は既に居なかった。