艦これevolution   作:銀ノ森 睾

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第65話「深海人間」

朋乃「ハァ………ハァ………。」

 

隆たちが先程まで居た滝までたどり着く朋乃。

桜が言っていた通りに山を登ると最終的にたどり着く地点。

しかし滝があるだけでこれと言ったアジトらしきものが見当たらない。

どうしたものかと思いつつ、周りの岩盤や川を調べる。

 

朋乃「……………水質が下がってる……。」

 

川に手を突っ込み確認。

何故わかるのであろうか。

ひとつ上げられるのが、ヤマメやイワナがプカプカと浮かんでいる。

明らかにもう事切れていた。

川の次は岩盤だ。

 

朋乃(特に何も変わってないか………ん!?)

 

ある1箇所だけおかしな点がある。

本当にお菓子な点なのであるが。

そこには昇が大好きなお菓子の1つ、トップガムがベットリと貼り付けられていた。

噛んだ後のガムを貼り付けたというより、そのまま包装を破り押し付けたように見える。

 

朋乃(あのお菓子好きの昇がこんな勿体ないことするわけが無い…。これは何かある…。)

 

思い切ってその箇所を押してみる朋乃。

すると素直にガゴンッと音を立てながらその部分が引っ込んだ。

巨大な音を立てながら滝が左右に開く。

なるほど、と思いながらその滝の中に入っていく。

 

朋乃(なんだこの施設…。いつの間に…。)

 

カツンカツンッ………

 

鉄の廊下を歩きつつ周りを見渡す。

暫く歩くと橋になっている廊下に出た。

下は地下になっているのだろう。

舌を覗き込むとそこは悲惨な状態であった。

 

朋乃「!!!!!!!!!!!」

 

少しだけ後ずさりする。

祭壇の上にはバラバラの遺体。

まるで人間や動物などを何かに祭り上げているかのように。

こんな言い方はどうかとも思うが、唯一の救いはそこには隆たちの遺体がなかった事だ。

階段を降り、周りを見ると更に地下に通じるであろう鉄扉があった。

鍵が掛けられている。

 

朋乃「…………。」

 

ドガァァァァァァッッッッッンンン!!!!!

 

その分厚い扉を蹴り潰す朋乃。

奥に進む。

 

朋乃「暗いな…………。」

 

手で壁を触り確認しつつ階段を降りる。

すると明かりがだんだん強くなってきた。

 

朋乃「なっ!!!!!!!!隆!!昇!!淳子!!」

 

そこには顔が腫れ上がりズタボロの隆たちが磔にされていた。

 

[newpage]

 

深海信者「誰だお前!!!!」

 

深海信者「どっから入ってきた!!!!!」

 

朋乃「お前らこそ誰だ………。だがその前に……。」

 

深海信者「ウヴェッッッ!!!!!」

 

深海信者「オボッッッッ!!!!」

 

深海信者「ピィヤァァァァァァッッッッ!!!!!」

 

10数人は居た信者たちを一瞬で片づける。

動きが人間のそれでは無い。

ロープを解き、全員を抱きしめる。

怪我や骨折はしているものの、欠損などはしていなかった。

泣きじゃくる淳子と昇を宥め、リーダーの隆に事情を聞く。

 

隆「あいつら………メシアに俺らを捧げるとか何とか……。」

 

朋乃「メシア………?」

 

昇「深海教って言ってた!!!!」

 

朋乃「深海教…。巷で有名になってきた邪教か…。」

 

淳子「に………にして…もっ……ヒグッ……なんでここが…?」

 

朋乃「昇のおかげだよ。岩盤のスイッチ部分にガムを貼ってくれただろ?」

 

泣きつつ、鼻を垂らしながらエッヘン!と胸を張る。

淳子と隆はやるじゃんか!と昇を小突く。

それに対し昇は笑っていた。

こんな所じゃなんだと言うことでこの気持ち悪い施設を後にした。

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

外に出るのでお日様の明かりにやられないようにと注意を促しつつ、ゆっくりと滝の外に出た。

 

朋乃「なっ!!!!!!!!!」

 

周りには30人程の信者たち。

それぞれ血がこびり付いた刀や剣、バットなどを所持しておりジリジリとこちらに近づいている。

 

信者「神聖な協会を汚しやがって…。久々にそのガキどものアドレノクロムを捧げられると思ったのによぉ!!!!!」

 

信者「テメェら全員殺してやる…。」

 

隆「ヒッ…………!!!」

 

隆「グ………!!!!淳子!昇!俺の後ろに!!」

 

鼻水を垂らし、小便も漏らしているもののリーダーシップを忘れない隆。

其の姿を見て信者たちは腹を抱えて笑う。

 

ハッハッハッハッッッッッッ!!!!!

見ろよションベン漏らしてやがる!!!

カッコわりぃ!!!!!!

アレでカッコつけてんのかwwwwww!!!

 

朋乃「何がおかしい…。」

 

信者「あ?」

 

朋乃「体張って仲間を守っている1人の男の………何がおかしい!!!!!!!!!」

 

信者「うわっ、空気読めねぇ奴じゃん。キッショ…。」

 

信者「さっさと殺して祭壇にお供えしようぜ。」

 

全員で一斉に襲いかかる信者。

朋乃は俺から絶対に離れるなよと言い、隆には淳子と昇を守るんだぞと看破。

 

[newpage]

 

信者「うげぇ!!!!!」

 

信者「ゴボッッッッッ!!!!!」

 

信者「ギャァァァァァァァァァ!!!!!」

 

俊敏な動きで一人一人確実に仕留める。

格闘技をやっていたのか、素人の動きでは無い。

信者が半分程度くたばった所であった。

 

信者「なんだこの化け物おおおぉぉ!!!!」

 

信者「しっ!!死にたくねぇ!!!!!」

 

朋乃「クタバレ腐れ外道がぁぁぁぁっっっっっ!!!」

 

「待て!!!!!!!!!!!」

 

朋乃「!!!!!!」

 

滝の上から声がし、見上げるとボロボロの捕まった累が吊るされていた。

 

朋乃「累!!!!!!」

 

信者「深海・ベゼル様!!!!!!」

 

信者が一斉に膝まづく。

そのベゼルと言われた男だけ覆面を被っておらず、顔には気味の悪い刺青が入っていた。

隣にはワ級。

 

ベゼル「これ以上は許されんぞ貴様。コイツがどうなっても良いのか?」

 

朋乃「…………………。」

 

腕を下ろす。

 

隆「なっ!!稔兄ちゃん!!!」

 

ベゼル「やれ。」

 

信者たちが武器で朋乃を殴り、切り刻む。

しかし側が硬いのかなんとか耐える朋乃。

 

淳子「辞めてええぇぇぇぇ!!!!!」

 

昇「もう辞めてよぉぉぉ!!!!!」

 

血溜まりに倒れる朋乃。

なんとか生きている。

 

朋乃「お………俺はどうなっても………良い…。だ………だが………隆たちには………手を…出す…な…。」

 

ベゼル「それは約束出来んな。メシアのために子供は必要なのだ。」

 

朋乃「てめぇ……………。」

 

信者どもがトドメを刺そうと武器を振り上げる。

それと同時にベゼルが累のロープを手から離した。

 

シュバッッッッ!!!!!!!

 

ベゼル「ん?」

 

ベゼル「ウブァァァッッッッ!!!!!!」

 

何かに殴り飛ばされたベゼル。

累を抱き抱え、隆の元へと運ぶ。

 

隆「た…………龍田…姉ちゃん……。」

 

龍田「み〜んな良く頑張ったわね〜。立派よ〜。」

 

Iカップの爆乳で抱きしめられる隆たち。

累は気を失っていたのが目を覚まし、隆と昇は鼻の下を伸ばしつつ喜んでいる。淳子は嬉しいのは嬉しいが胸の格差にショックを受けている。淳子は隆の事が好きなのだ。

そして朋乃はというと、周りの信者を一掃。

龍田のサポートを見逃さずに瞬時に動いたのだ。

 

龍田「すごい動きね〜。なんか格闘技でもしてた〜?」

 

朋乃「ハァ………ハァ……ありがとう…助かったよ…。アマチュアだけど…総合格闘技のチャンピオンだったよ。」

 

ベゼル「グググ………………テメェ………!!!!!!」

 

ワ級「情けない………。そんなんでメシアに使えようとしてるのか?」

 

ベゼル「ウルセェ!!!!!お前はあの艦娘を殺れ!!!俺はアイツを殺す!!!!!」

 

ワ級「命令形するな…。」スッ…

 

滝から一気に飛び降り、それぞれが対峙する。

 

龍田「あら〜?補給艦はお腹が出て足が無いものだと思ってたけど………陸型はみんなあるのねぇ…。」

 

ワ級「無駄話をするつもりはない。死ね。」

 

龍田「自分に言い聞かせてるのかしらぁ?」

 

龍田「ここじゃ隆ちゃんたちを巻き込むわ〜。」

 

龍田「龍切堅(りゅうせつけん)。」

 

槍を十字に降ると衝撃波がワ級目掛けて飛んでいく。

しかしあっさりとこれを回避。

高く飛ぶと上には龍田がもう既におり、槍による突きの嵐。

その勢いでその場から離れさせる。

それを両腕でガード。

よほど硬いのか、あまり皮膚が切れていない。

 

龍田(硬いわね……。だったら…。)

 

改に超化。

先程よりも早く、強いラッシュがワ級を襲う。

皮膚は確実に切れており、流石にマズいと思ったのかeliteになる。

龍田の腹に蹴りを入れ、川に叩きつける。

 

ワ級「調子に乗るなよ。」

 

龍田「じゃああなたは地球の上に乗らないでくれる?」

 

隆「す…………すげぇ…。」

 

[newpage]

 

林の中を駆け抜けながら殴り合う朋乃とベゼル。

実力的には朋乃の方が上だ。

しかし先程のダメージがあるので押され気味になっていた。

 

ドドドドドドドドドッッッッッッ!!!!!!

 

ベゼル「この力………お前も深海の血が入っているのか!!」

 

朋乃「全身に浴びちまってな…。テメェもかゴミ野郎…。」

 

ベゼル「ハッ!!!バカかお前?深海の血が流れているのにも関わらずなんで人間サイドに居るんだぁ??!」

 

ベゼル「この力は良いぜぇ!!!気に入らねぇヤツは殺せるし、好きな女は犯せる!!!それにメシアの事を知っちまったらもう二度とクソつまらねぇ人間に戻れねぇ!!!!」

 

朋乃「それを聞いて安心したぜ…。躊躇なくお前を殺せる。」

 

ベゼル「抜かせやぁぁぁッッッッッッ!!!!!」

 

朋乃を蹴り上げ吹き飛ばすベゼル。

木や岩をなぎ倒しながら転がるも、その最中で朋乃は心を落ち着かせ回復させていた。

 

朋乃(格闘技の経験無し…喧嘩慣れはしてるがブンブンパンチばっかりだ…………。)

 

岩を蹴り上げベゼルの顔面に肘鉄を入れる。

歯をへし折り、間髪入れずにラッシュ。

そのまま腕ひしぎの形に持っていき、下に叩きつける。

 

ドガァァァァァッッッッッッッ!!!!!!!

 

ベゼル「舐めんなぁ!!!!」

 

ブゥン!!!!と腕を振り払うもそれに合わせベゼルの上に移動しマウントを取る朋乃。

そのままアームハンマーで顔面を連続で殴打。

マウントポジションなのでベゼルは何も出来ない。

喧嘩慣れはしていたのであろうが相手は元アマチュア王者。

一方的にボコボコにされるベゼル。

もはや顔面の原型が無いほどに腫れ上がる。

このままトドメを刺せる所まで持ってきたのだが朋乃の股間に鈍痛が走る。

 

朋乃「ぐっ…………!!!!!」

 

膝を入れられた。

 

前蹴りで飛ばされ股間を抑える。

タマの方は幸い避けられ、逸物の方に痛みが残る。

 

朋乃「な…………!!!」

 

前を見るとベゼルの顔が見る見るうちにに再生されていく。

 

ベゼル「貴様格闘技やってたな?良くもまぁ散々やってくれたなぁ!!!」

 

朋乃「早い!!!!!だが!!!」

 

川に人差し指を突っ込み、ベゼルの動きに合わせ水滴を飛ばす。

それは眼球に命中。

目を抑えるもスピードは死なず。

その勢いのまま腹を殴られ川面に飛ばされる。

だが!これで終わらないのがこの男。

両手で川面の石に手を当て、追いかけてきたベゼルの顔に浴びせ蹴りをお見舞い。

 

ベゼル「グオッッッッ!!!!」

 

怯んだ隙を逃さず、チョークスリーパーに持っていく。

 

ベゼル「ガッッッ………!!!!カッッッハッッ…!!!」

 

朋乃「フィールドが悪かったな。ここは昔からの俺たち遊び場だ…。」

 

朋乃「曽祖父…祖父…親父、そして俺や隆たちが紡いで世話になってきた思い出が詰まった大切な場所だ。」

 

朋乃「その場を汚し、人の血を流したお前らに慈悲はねぇ。」

 

ゴギィィィィッッッッ!!!!!!

 

首をへし折った上で360°捻り、ベゼルは白目を向き舌を出し絶命。

少し疲れたので休憩してから隆たちの元に行こうと思ったが、それは叶わなかった。

 

隆「兄ちゃん!!!」

 

[newpage]

 

朋乃「隆!!!それにお前らも!!!!」

 

ヒョコッと顔を出す可愛い顔の少女は桜であった。

傍には龍田とあのジャーナリストと名乗る福田の姿も。

 

福田「情けねぇな………。あんたの方が大怪我してんのに…それも女に肩貸されるたァな…。」

 

龍田「何言ってるの〜。困った時は助け合いよ。」

 

福田「あんた…カッコイイな…。やっぱり…………艦娘は俺ら人類の味方だ…。」

 

龍田「フフフ。」

 

龍田はあのワ級になんとか勝利。

相手はeliteではなくその上を行くflagshipまで超化したのであるが、近くに咲いていたトリカブトを摂取し新たな毒を生成した龍田に辛くも敗北。

相手がeliteどころでは無い事もあり、龍田は左目・両耳・右手首から先が欠損。

しかしこんなものはさっさと風呂に入るか修復剤を飲めばいい事。

 

金剛「ヘーイ!!!みなさーーん!!!大丈夫デスかー!?」

 

向こうから金剛が手を振りつつ走ってくる。

白い綺麗だった巫女服は真っ赤に染め上がっていた。

 

昇「金剛姉ちゃん!!!」

 

金剛「ハーイ!ミナサーン!ワォ!!!龍田大丈夫デスか!???!!」

 

龍田「そんな事言ったら金剛ちゃんだって………。」

 

累「取り敢えず山を降りましょう!!!」

 

全員生還し、山を降りる。

道中龍田が何度か転けそうになるものの、福田が支えた。

福田も腹が大きく切れているのではあるが、中々タフな男だ。

なんとか山を降り、他の子供たちや親が心配しつつ帰りを待ってくれていた。

隆たちの親はそれぞれの子供を抱きしめ、金剛と龍田を柿田が抱きしめた。

 

親「ありがとうございます皆さん…!!!」

 

柿田「こんなになってもうて…………ゆっくり休んで行きな!!!ありがとう………ありがとうねぇ……!!!!!それにアンタも……。」

 

朋乃「いえ、当たり前ですよ。昔からこの村の大切な、神聖な山です。子供たちは宝。それを汚す奴はゆるしません。」

 

衣笠「心配させないでよ…………アナタ…。」

 

朋乃「ごめんな………。」

 

赤子と衣笠を抱き寄せる朋乃。

それを微笑ましく見守る金剛と龍田。

2人は柿田に電話はあるか?と聞いた。

深海教の事を大本営に伝えるつもりだ。

しかし、それを制したのは福田であった。

 

福田「辞めといた方がいい。政府の一部がアイツらとつるんでやがる。」

 

金剛「えっ………。本当デスか…?」

 

福田「紹介が遅れたな、すまねぇ。俺は福田年春。ジャーナリストだ。」

 

名刺を渡す福田。

 

福田「俺の携帯の番号も書いてある。いつでもかけてくれ。」

 

福田「こんなに人が集まってんだ。みんなに聞いて欲しい。政府の一部に深海側の人間が居る。それも官房長官レベルの人間でな。もちろん下っ端どもにもいやがる。」

 

無精髭をさすりつつ、険しい顔で語る福田。

 

福田「これからは深海教との戦いにもなる…。敵は深海棲艦だけじゃねぇぞ…………。どこに潜伏してやがるかわからねぇ人間もアイツらの仲間だ…。」

 

福田「深海棲艦と艦娘だけの戦いじゃねぇ。深海棲艦と艦娘、それと全人間を巻き込んだ全面戦争だ。」

 

 

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