艦これevolution   作:銀ノ森 睾

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第72話「修行!!!それぞれの道!!!」

スーッ……………………

ハァーッ…………………………

 

高雄神社の近くの小山。

心を落ち着かせ、ゆっくりと深呼吸。

へその少し上の丹田(たんでん)、おでこの中心にある第3の目に集中しつつ美しい自然と一体化する。

そう、自分はここにいる限り自然…もとい宇宙と1つなのだ。

 

加古「…………………………。」

 

利根「…………………………。」

 

最上「………。」チラッ…

 

どうしたの?と小さな声で呟く女性、高雄。

周りには高雄4姉妹が最上たちと岩の上で瞑想をしている。

 

最上「なんていうかさ…集中出来ないんだよね…。」

 

摩耶「………………早く鍛えたいのにこんなことやってられっかって?」

 

最上「いや…そういう訳じゃ…。」

 

鳥海「大丈夫ですよもがみん。これも立派なトレーニングそのものですから。利根さん見て見てください。」

 

チラッと視線を利根の方に移す。

利根は深く集中しているのか、まるでリラックスし寝ているかのような呼吸をしている。

流石は歴戦の利根だ…と思いつつしっかりとよく見る。

 

利根「…………zzz。」

 

寝てた。

 

ドサアッ!とこける最上と鳥海。

 

最上「寝てんじゃん…。」

 

愛宕「でもねぇ〜最上ちゃん。寝るほど深くリラックスしてるって事なのよ〜。」

 

最上「寝るほど…?」

 

愛宕「そう。ガチガチに固まってちゃ出せるものも出せないのよ〜。あっ!下ネタじゃないからね!」

 

高雄「わかってるわよそれぐらい…。めちゃくちゃに望みながら鍛えるのももちろん大事。でもね、それくらいにリラックスして望むって言うのもすごい大事なのよ。」

 

最上「………………。」

 

摩耶「大丈夫だ。これはほんの入口に過ぎねぇ。また別のトレーニングも考えてる。私らを信用して今は心を落ち着かせるんだ。」

 

優しい声と笑顔で諭す摩耶。

少し離れた所では加古もかなり深く瞑想をしている。

別に高雄たちを疑っている訳では無い。

瞑想も大事だとわかっている。

リラックスすることによって、自然もとい神仏と繋がる最高の手段だとも。

内心時間が無いので最上は焦っているだけなのだ。

 

高雄「にしても…………また最上が来てくれるとはね…。提督も喜ぶわ…。」

 

鳥海「もがみんを瑞雲流を破門した後、提督2ヶ月くらい下痢が止まらなかったんですよ。自分から破門にした癖に。」

 

愛宕「まさか本当に山を降りるとは思ってなかったみたいね〜。本当にパンパカパーンな人よ…。」ヤレヤレ

 

摩耶「今頃お前らの提督が瑞雲流の修行してるだろうよ。メッタメタのギッタギタにシバかれてんだろうな。」

 

ニッシッシと笑う摩耶。

ここにいる高雄姉妹はもちろん、今檻巌鎮守府が修行をつけてもらっている艦娘は元檻巌鎮守府のメンバー。

その所属メンバーの提督が、過去に最上に瑞雲流を教えた張本人なのだ。

どういった繋がりがカルマか。

やはり全ての出会いは還元されていくのであろう。

気を取り直してあくびをし、リラックスした状態で瞑想に入る最上。

家族たちを信じて。

 

高雄「フフフ。」

 

[newpage]

 

「ワンツーワンツー!!!ハッピー・ユー・アー・ワールド!!!」

 

可愛らしくチアガールのように踊る艦娘たち。

大和と武蔵、天城と葛城が先頭でフリフリとした素敵な服を着て踊っている。

周りには清霜、朝潮、漣、千歳、千代田が息のあった動きを披露する。

見ている分にはとてもいい光景である。

いい汗をかき、脇を見せ、揺れる胸とお尻には男も女もときめくであろう。

しかし、その場所が問題であった。

 

大和「はーい!休憩ー!どうしたのーみんなー?そんなんじゃ改二になれないわよー!!!」

 

比叡「そ………………そうは…………言います………けどね……!!!!!!!」

 

加賀「これは……………ちょっと…………!!!!!!」

 

金剛「かなり…………ヘヴィね……!!!!!」

 

長門「可愛いなぁ駆逐艦…………。」

 

葛城「もしかしてキツイ?ちょっと下げようか?」

 

ここは天城神社境内のとある一角。

しめ縄と御札、紙垂で囲まれたその空間はなんと………。

 

龍驤「じゅ…………重力100倍はキツいて………!!!!」

 

重力が異常な空間であった。

本来1G(グラビティ)とは自分の体重×1が単純計算で使われる。

例えば70kgの人が1Gの場所に居るとかかってくる重さはそのまま70kg。

しかしこの場は100G。

つまり70kgの人は7000kg。つまり7tの重力がかかる。

加賀たちの体重はトップシークレットなのでわからないが、とてつもない重さがかかっている事がわかる。

にも関わらず大和たちは華麗にチアダンスしているのだ。

 

武蔵「だから言ったろう。最初は少しの重力で慣れさせて軽い筋トレなどをさせろと。このままだとコイツら全員潰れるぞ。」

 

大和「うげっ、やっぱり…?」

 

なんとか金剛と霧島は背中を曲げつつも立ってられる。

他の者はしゃがみこみ、赤城に関してはうつ伏せで地面にめり込んでいた。

重力を解かれ息切れを起こす一行。

チアダンスなんてとてもじゃないが出来ない。

しかもこの後に控えてあるメニューには本気の組手があるのだ。

このままでは戦艦勢の大和や武蔵はおろか、駆逐艦の清霜にすら敵わない。

それに天城は最終的に1000Gをクリアしてもらうつもりらしい。

他の修行場と比べてここが一番の地獄かもしれない。

 

天城「さて!一旦休憩にして、ご飯食べましょうか!ここから近くにraizuっていうお店があるんです!」

 

可愛らしく手を合わせるが、天城も軽々と100Gの中で踊っていたのだ。

ご飯と聞きめり込んでいた赤城が顔を起こし、はしゃぐ。

龍驤たちは現金なヤツと思いつつ、少し気が楽になったのであった。

 

[newpage]

 

コトッ

 

お供え物をして手を合わせる男、町田。

ここ丹生川上神社に来てから、朝一にお供え物。

その後は境内の掃除。

そして瞑想。

そして軽いトレーニングの毎日。

まだ来て全然日にちは経っていないものの、町田は何故か深くリラックスしていた。

 

町田「気持ちぇぇなぁここ…。」

 

「そりゃあそうだ。なんせ天空龍が主祭神として祀られているんだからな。」

 

町田「伊勢師匠!日向師匠!」

 

後ろを振り返ると伊勢姉妹が立っていた。

 

伊勢「師匠は辞めてよ〜町田さん。わたしらそんなんじゃないから〜。」

 

困り顔で、ただ笑顔で断りを入れる。

 

日向「そうだ辞めてくれ。君に言われると気持ち悪い。」

 

伊勢「あんたねぇ…………。」

 

町田「ほな普通に呼んだらええんか…。今日の修行内容は?」

 

日向「昨日と同じだ。君はかなり腕が良いからすぐにでも瑞雲流拳法をマスターするだろうな。」

 

町田「そうっすかねえ?」アッハッハッ!!!!

 

伊勢「んじゃ!そういう事だから待ってるね〜!!!」

 

2人は外に出ていった。

町田もヨシっ!と気合いを入れ、もう一度天空龍もとい高龗神に挨拶をかわしその場を後にする。

途中何か気になる部屋があった。

一見普通の部屋である。

しかし、何故か心に響くものがあったのだ。

不思議に思いつつ襖を開ける。

かなり広い部屋で、6部屋くらいの壁をくり抜いて作ったかのような空間。

その真ん中に鎮座する影ひとつ。

だだっ広い空間で何故ど真ん中に存在するのか。

 

町田「マネキンか………?彫刻ではないわなあ…。」

 

町田はすぐに部屋を後にし、お供え物の用意と濡らしたタオルを持参。

部屋に戻り、その像から少し離れたばしょに一旦お供え物を置き濡れタオルで像の顔を拭く。

 

町田「今綺麗にしますからね〜。っにしてもよぉ出来てんなぁ…………。何でできてんやろ。」

 

顔を綺麗に拭いた後、お供え物を目の前に置き2礼2拍手1礼。

 

町田「ほな!行ってきますわ!!!」

 

「いやワシ神様じゃねぇから!!!!!」

 

像が喋った。

 

町田「キイイィィエエエェェェェ!!!!喋ったぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

ビックリして腰を抜かす町田。

目をかっぴらき像?は流暢に喋り出す。

 

「いやワシ寝てただけじゃから!!!なんか冷たいなぁと思って起きたら顔拭かれとるし!!!でもなんか肌の質良いわ!あんがとね!!!」

 

「でもワシ人間じゃて、この飯は満足出来んわ!!!」

 

町田「生きてはる人間やったんか……………!!!!!精巧に作られた像やと思った………。」

 

「触ったらわかるじゃろ!アホ!!!!」

 

町田「すんません…………ところで貴方様は…………?」

 

「ワシは麻田郁照(あさだいくてる)!!!元檻巌鎮守府の提督じゃて!!!」

 

町田「えぇ!!!!?!まさか…!!!先代……!!!!!」

 

これは失礼な事をしてしまったと何度も頭を下げる町田。

わかったらええんじゃと笑顔で頭をガシガシと撫でるその男、麻田。

 

町田(ごっついゴツゴツとした手やな…。見た目の年齢からしてかなり鍛えとるの…それに…)

 

町田(安心する…。まるで親父みたいや…。)

 

麻田「お前さんが次の檻巌の提督なんじゃなぁ。噂通り男前じゃのぅ。ま!ワシには負けるけどの!」

 

ガッハッハ!!!と豪快に笑い飛ばす麻田。

町田もそれに合わせ笑う。

 

麻田「状況はわかっとるぞ。お前さん鍛えに来たんじゃろ?」

 

町田「はい!!!そうなんすよ!!!この間深海提督が襲ってきて……!!!」

 

麻田「…………………何故このタイミングでアイツらが復活しとるんじゃ……………。」

 

麻田「じゃあもう時間が無いの。酋長が復活するのも時間の問題…いや、もう既に復活しとるかもしれん。」

 

よっこらせっと立ち上がる麻田。

背伸びと軽いストレッチをしつつ、これから来るであろう恐ろしい未来を見通すような目をする。

 

町田「なっ!!!復活しとるて!?ほなもう間に合いませんやん!!!そいつ強いんでっしゃろ!!?」

 

麻田「無論強いが…それ以上に恐ろしい能力があるんじゃ。」

 

町田「なんすか…………!!!!」

 

麻田「奴はな…………」

 

麻田「今までに倒してきた深海棲艦を全員復活させる能力があるんじゃ。」

 

[newpage]

 

町田「なんやて……………!!!」

 

麻田「じゃが今はまだその段階まで回復しとらんじゃろ。そうじゃなきゃ、深海教なんざとち狂ったもん作らずにさっさと復活させとる。………ウッ…!!!!」

 

ゴホゴホと咳をする麻田。

町田は駆け寄り心配するも、麻田の口から血が出ていることに気づく。

 

麻田「大丈夫じゃて…。これもアイツらの能力じゃ…。今の深海酋長は2代目じゃ。先代であるそいつの親…初代深海酋長と2代目をあと一歩…あと一歩で倒せたんじゃが…………。」

 

麻田「死ぬ間際に呪いを檻巌鎮守府のワシらにかけたんじゃ。じゃからワシも艦娘ももう寿命がほとんどない…。」

 

冷や汗を垂らし、驚きながらも真剣に話を聞く町田。

今の2代目は必ずと言って良い程、親も復活させるはずだと。

親は麻田たちが倒す。だから今の2代目はお前ら現役の檻巌鎮守府が倒せ…と。

麻田が言うにはこの呪術のせいで元檻巌鎮守府のメンバーはほとんど寿命が残っていないらしく、現存の深海棲艦の襲撃を見ていることしか出来なかったらしい。

戦えば戦うほど寿命は縮む。だから自分たちが戦えない代わりに全国を行脚し、様々な人間と艦娘を鍛えていったとのこと。

そのうちの一人が最上らしい。

そして2代目となる檻巌鎮守府のメンバーは必ず初代の元に修行をしにくると多摩が予言。

修行の場としてそれぞれのゆかりのある神社仏閣で待ちつつ、その場を守ることに徹していたのだ。

因みにソングギャングの那珂は全員の修行をクリアしているらしい。

 

町田「そやから那珂ちゃんあんな強いんか…………。」

 

麻田「那珂ちゃんはかなりセンスがあったからの………。情けなく不甲斐ない先代を許してくれ…。」

 

町田「何言うてはるんですか!!!頭上げてください!!!それに、許されへんのは深海棲艦でしょう!!!」

 

麻田「すまん………。お前さんにはワシとは違うものを感じとるんじゃ…。」

 

町田「えっ……なんです…?」

 

麻田「お前さんの中におる存在じゃよ。」

 

町田「黒乳首ですか……。」

 

麻田「えっ、何それ…。お前さんの乳首の色じゃ…。」

 

町田「あぁ、いやぁ…深海提督の名前ですわ。僕が付けまして…。」ヘヘヘ

 

麻田「素敵な名前じゃ………そうじゃ、拾熄の者たちにはあったのか?」

 

町田「いえ、まだ会ってません…………。」

 

麻田「心配じゃな…………。奴らはお前さんらよりここに来て半分は修行をクリアしとる。今何しとるんじゃ………。」

 

町田「僕も心配ですわ…ってどこ行きはるんですか?」

 

麻田「お前さんがここに居るんじゃ。ワシもゆっくりなんぞしてられん。」

 

麻田「鍛えるぞ。外に出るんじゃ。」

 

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