少し時間は遡る。
ハァ…………ハァ…………
全身から紫色の鮮血を流し、今にも死にそうな虫の息で壁伝いを支え歩く影、戦艦タ級。
タ級「クソ…………クソがっ………!!!!!私がこんな無様な姿を晒すとは…………!!!!金剛…!!!絶対に殺してやる…
!!!!!」
細い廊下を歩くタ級。
すると壁にもたれ腕を組んでいる戦艦ル級が見えた。
ル級「おぅ、おかえり。なんともまぁ酷い姿だなぁ。」
タ級「ど……………どけや…今お前に関わってる場合じゃねぇ………。」
ル級「ま〜さかメシアに捧げる最後の仕事がゴミみてぇな姿になって醜態晒すこととは………お見逸れいったよ。」
タ級「いじわるすんなよぉル級…………。前言ったことは悪かったからよ………。今は早く回復…」
ドンッ!!!!っと長い脚で細い廊下を遮るル級。
タ級「頼むよぉ…悪かったから………お前もすげぇやつだよ………。」
ル級「威勢がねぇなぁ………、そうだ。メシアが後1時間ぐらいで復活するらしいぜ。」
タ級「!!!そうなのか!!?」
ル級「良かったなぁ…今までの苦労がやっと幸をなすんだ…喜べよタ級。」
タ級「やっと……やっとか……!!!ハハハッ!!!メシアが復活する………!!!遂に私が報われるんだ……!!!」
それはそうとして脚を退けてくれと頼むタ級。
それに合わせ話しがもうひとつあるとル級は徐に話始める。
ル級「書斎を漁ってたんだ。幹部のヤツらとか、メシアについてな……それで面白いことが1つわかったんだよ。」
タ級「な……なんだよ………後で聞くよ…だから今は……」
ル級「すぐに終わるから聞けや。深海棲艦にはeliteやflagshipがあんだろ?それで終わりだと思ってたんだがどうやら違うみたいでな。」
ル級「上があるんだってよ。flagshipの上が。その名も深く解放するっていう意味で深解(しんかい)。」
ル級「その深解ができるやつらがナンバーを貰えるらしい。」
そういうといなや脚を退けるル級。
タ級はそれに合わせメディカルドックを目指す。
タ級「そ………そうか!面白いな………!!貴重な話を聞かせてくれてありがとうな……!!!」
少しづつではあるものの、先を急ぐ。
すると後ろでボソボソとル級が何か呟いている。
ル級「人間と艦娘喰っても上限はflagship止まりだ……。で、その深解が出来るようになるにはだな………………。」
タ級「ま………また後で…………聞くよ……。」
タ級(クソ野郎が!!!!!こっちは死にかけてんだぞボケッッッッ!!!!!!くだらねぇ話に付き合ってられっか!!!!)
ズボアッッッッッ!!!!!!!
タ級「ガッ…………ゴボッ……………!!!!!」
後ろからル級に体を貫かれ、心臓を握られる。
タ級「な……………なにす…………!!!!!」
ル級「その深解の条件はなぁ………………………同胞を食う事なんだってよォ……。」ニチャァァァ
タ級「!!!!!!!!」
ル級「悪いな…私も幹部入りしてぇんだよ。だから………お前は私の中で生きろ。」
タ級「なっ………!!!!!辞めろっっ!!!!なっ!おまえっっ!!!!!!」
ル級「いっただっきま〜す。」
タ級「ひっ!!やめろ!!!うわっ!!!!なっ!!!!」
タ級「ギィィィヤァァァァァァァァァァァッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
[newpage]
鹿島「あのステージの最後にフラグがあるだろ?あそこにそれぞれお前の名前が書いてある。それを取ったら終わりだ。」
吹雪「フラグを…………。」
香取「鹿島ぁ、お前手本見してやれよ。」
鹿島「は?姉貴がやれよ………。」
香取「この間男娼代払ってやっただろ?」
鹿島「ハァ………しゃあねぇな………。」
よく見とけよと宙に浮くブロックを階段見たく上がっていく鹿島。
ステージ自体地獄であるものの、まず上がるまでが恐ろしすぎる。
地上300mはあるそのステージを数cm感覚で開いてあるブロックを登る。まず高所恐怖症の者は確実に出来ないであろう。
タッタッタッと駆け上る鹿島。
最初の地点に着き、クラウチングスタートを切り走り抜ける。
走りながら何かを軽々しく避けつつ、バク転や大ジャンプで様々なギミックをクリアしていく。
雪風「何を避けてるんでしょうか?」
電「槍…なのです。後は弾丸や大砲…。」
初雪「あん??見えねぇぞ…。」
吹雪「音速で飛んでんだ………。」
睦月「…………マジで?」
ギミックを蹴りやパンチで壊し、鹿島と書いたフラグを回収。
そしてその場から大ジャンプ。
着地時にドォォォォォンンン!!!と音が炸裂。
300mの高さから飛び降りたのだ。当然である。
手を払い、ゲホゲホと咳をしつつも平気な顔をしている鹿島。
鹿島「わかったろ?やれ。」
吹雪「……………マジかよ…。」
香取「途中落ちても大丈夫だ。竿池の弟池に落ちる。死にゃせん。」
そういうとどこから持ってきたのかラジカセをセット。
ボタンを押す。
香取「んじゃ、ミュージックスタート。」
ダカダカダカダカダカ!!!!!
フッフッフッ〜♪フッフッフッ〜♪
麻倉未稀のHEROである。
電「とても素敵な景気づけなのです。」
吹雪「よし……………やるぞお前ら!!!!!」
⟬Day.1⟭
睦月「わぁぁぁぁぁぁ!!!高いいいいぃ!!!!!」
電「下見んな!!!!前と上見てろ!!!!」
のっしのっしと確実に上がる5人。
柵もなければ最早足場もない。
高さ300mはあるそのステージ。目指すだけでも困難である。
下で何か叫んでいる香取。
香取「おぉぉぉい!!!!お前らさっさと登れやぁぁぁ!!!!HERO流し終わっただろうがよおぉぉ!!!!」
吹雪「…………………………ほっとこ。」
時間をかけつつもなんとかステージに上がった。
さて、ここからが本当の地獄である。
全員一斉にクラウチングスタートを切る。
3………2………1………
吹雪「行くぞ!!!!!!」
バァァァァァァァッッッッッッンンンン!!!!!
どこからともなく現れたパンチングマシーンに弾き飛ばされ、5人は竿池に真っ逆さま。
5人「うびゃぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっっーーーーーー!!!!!!!!!」
ドボォォッッッッーーーーーン!!!!!!
鹿島「やれやれ。先が思いやられるわこれ。」
[newpage]
⟬Day.2⟭
ホッホッホッホッ!!!!!
睦月「ブロック上がるのは慣れてきたにゃしい!!!」
初雪「問題はこっからなんだよなぁ……。」
電「よし、全員揃ったのです。あのパンチングマシーンにゃあ気をつけるのです!」
ダッッッッ!!!!!
全員がクラウチングスタートをきり、走り抜ける。
最初のパンチングマシーンを避け、目標のフラグ目指しただひたすらに走る。
初雪「振り子!!!!!」
斧が音速で何層を横切っている。
当たれば即死だ。
電「任せるのです!!!!雷来脚!!!」
吹雪「ゼリャァァァァ!!!!!」
飛び蹴りをかまし、斧の勢いを殺しその隙に走る5人。
雪風「むっ!!!」
目の前に大砲。先読みをしつつ、飛び上がる雪風。
ドオォォォン!!!
出てきたのは花束であった。
雪風「へ?」
目が点になっている雪風。
吹雪「雪風!!!それはブラフだ!!!!!本命はその上だ!!!!」
大砲の上には草木が絡んでおり、そこからメキメキと音を立て本物の大砲が現れる。
雪風「わぁ!!!!!!!」
ドォォォォォンンン!!!
大砲に押され、空中を舞う雪風。
場外。
雪風「わぁぁぁぁぁぁ!!!」
ドッボオオオオォン!!!!
睦月「雪風ちゃん!!!!」
ガチャン!!!!
睦月「ん?」
足元に現れたハンドマシーンに捕まれ、目の前には巨大扇風機。
旋回!!!!!
睦月「ふぶべれべべべべべっっっっっ!!!!」
唇が裏返り歯茎が見えるほどの突風。
睦月はそのまま吹き飛ばされた。
場外。
鹿島「場外になってもまた池から這い出て何回も挑戦していいからなぁ〜。」
⟬Day.4⟭
初雪「ハァ………ハァ………!!!!!なんかさ!!前から思ってんだけど!!!!!」
電「なんなのです!!!!!」
初雪「ギミックなんか変わってねぇか!!?」
吹雪「確かになっ!!!!最初と比べてクリアしたところが難しくなってやがる!!!!!!!!」
睦月「これ多分ステージ自体に学習能力があるんだと思うにゃし………うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
クルクルクルクルクルクル…………………
吹雪「睦月!!!!!!くそっっ!!!」
電「吹雪!!!!!これを!!!!!!!」
電は太い植物のツルを吹雪に渡す。
それを回転させ睦月に飛ばす吹雪。
ガシッッッッ!!!!!と捕まえる睦月。
後ろでは突風が吹いているが足腰に力を入れ少しづつ睦月を引っ張る。
雪風「む!!!!ここを押せ!?これで風を止めれるんでしょうか!!!!」カチッ
ウィーーーーン
ボタンの横にあった扉が開く。
顔が真っ青な目をひん剥いた血だらけの深海棲艦が飛び出した。もちろん作り物である。
雪風「マァァァァァァァァァッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!」
それに勢いよく殴られ飛ばされる雪風。
ドンッッッ!!!!!
吹雪と電にぶち当たる。
吹雪・電・睦月・雪風「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッッッッッッッーーーーーーー!!!!!!!!!!」
初雪「なっ!!!!!マジかよ!!!!!」
1人走り抜ける初雪。
初雪「なんだここ!!!ぬかるんでやがる!!!」
ドチャァ
ぬかるんでいるその場を思いっきり踏み込むと、そのまま下に落下する初雪。
初雪「げぇぇー!!!!!!!落とし穴かよおおぉぉぉっっっっーーーー!!!!!!」
ドボォォッッッッーーーーーン!!!!!!
ドボオオオォンンン!!!
なんとか竿池から這い出る5人。
全員顔を見合わせ、大いに笑い始めた。
時間も無く、余裕なんてものは持っていないにも関わらず何故か何処か楽しいのだ。
タカが外れていると言われればそうかも知れない。
ただ、一緒に居れるだけでも嬉しいのに一緒に鍛えているのだ。とても有意義な時間なのであろう。
香取「笑ってやがるアイツら………ハハッ……ん!!!ゴホゴホゴホッッッ!!!!」
鹿島「大丈夫か姉貴!!!!!」
ボタボタボタ………
吐血するもすぐに口を拭きなんともない顔をする香取。
香取「大丈夫だ………心配すんな……………。ただまぁ…時間はねぇな…。」
香取「さっさとクリアして…強くなってもらわなきゃ困るからな。」
時刻は16時を回っている。
池周辺から歩いて高御位山を登る吹雪たち。
山頂に着くと香取姉妹が今日はもう終わりだと告げ、さっさと帰って飯を食えとのこと。
疲れきったその体を無理やり動かし、トボトボと鹿島神宮を目指す。
吹雪「そろそろ…クリア出来そうなんだけどなぁ。」うーーん
背伸びをし、少し体を伸ばす一行。
電「クリア寸前で弾き飛ばされたりで、その上ギミックがレベルアップしてるんだからこんなもん無理なのです。」
睦月「おやおや〜?あの天下の電が弱音を吐いてるにゃしぃ〜。」ケッケッケ
電「付け上がんなよ睦月ぃ。別に諦めたわけじゃねぇのです。今に見てろ。」
雪風「こんな事言うのもどうかと思ってましたが…なんか楽しいね!!!」
初雪「ハハッ、そうだなぁ。鎮守府じゃあまず体験出来ねぇもんな。そろそろ鳥居が見えてくんじゃねぇか?」
千鳥足で鹿島神宮に着く。
鳥居の前で大きく一礼。
すると中にたくさんの人が集まっていた。
電「ん?祭りか?」
睦月「今日平日にゃ?なんだろ。」
「あんたらいつも見てるぞ!!!カッコイイな!!!」
「私らの…人類の為に…そんな怪我して…これ食べて!!!少ないけど!」
「寒いからね!マフラー編んできたよ!良かったら使って!」
吹雪たちの修行を下から見ていた村人たちであった。
そりゃあそうだ。あんなバカでかい物体が300mの高さに現れたのだ。最初こそ深海棲艦の仕業だと思うのが普通である。
しかし香取姉妹が艦娘に修行を付けていると知るや否や、全員で見守りつつなにか出来ないか模索していたのだ。
電「へぇ〜、あいつらそんなに信頼されてたのか…。」
睦月「ただの変態姉妹じゃないんだね。」
鹿島「だ〜れが。」
香取「変態姉妹だ〜????」
睦月「わぁぁぁぁぁぁ!!!!」
後ろから急に現れた香取と鹿島2人。
普段ならボコボコにするところを今回は村人の前だということで免罪だとか。
「これちょっとしかないけど、食べてくれ!!」
吹雪たちのために野菜やお菓子、様々な食べ物を集めたのだ。
自分たちが食べるものでも精一杯であろうに、ここまでしてくれるとは…。
申し訳ない気持ちと修行中なので素直に受け取れない吹雪たち。
鹿島「受け取ってやれよ。お前らポンコツどものためにわざわざこんなに集まってくれてんだ。」
吹雪「みなさん……………、ありがとうございます!!!!」
5人「ごっつぁんです!!!!!!!!!」
その日は境内でワラワラと盛り上がった。
祭りの日でも無いのにも関わらず…………。
全員が笑顔であった。
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深海日棲姫「これはこれはご機嫌麗しゅうございます…………深海酋長どの…。」
10m程の大きな水晶玉。
そこに写っているのは深海酋長。
深海酋長「あぁ、久しぶりだな…。お前が深海教たるものを作ってくれたおかげでここまで回復できた…。」
深海日棲姫「何をおっしゃいますか…………当然のことでしょう…。」
深深と頭を下げ、片膝を着く深海日棲姫。
深海酋長「ところで………憎き檻巌鎮守府の駆逐には成功したのか?」
深海日棲姫「いえ…それが全く…。しかし……クックックッ…………それはワザとでございます。」
深海酋長「ん?どういう事だ?」
深海日棲姫「貴方様に直接お見せしたかったのですよ。これから起こる惨劇を…。」
深海酋長「相も変わらずだな…。勿体ぶらず教えておくれ。」
深海日棲姫「ハッ、2代目となる干支鎮守府は陰と陽の鎮守府にわかれております。初代は一つだけで2つの要素を兼ねていましたがね…。」
深海酋長「……………それで?」
深海日棲姫「その檻巌鎮守府と拾熄鎮守府…2つの存在を……………………………。」
深海日棲姫「殺し合わせるのです。」フフフッ…
深海酋長「ほぅ………。中々面白いエンターテインメントだ…。具体的にはどうするのだ?」
深海日棲姫「もう既に拾熄鎮守府の艦娘は我が配下にあります。昔から私が最も得意とするマインドコントロール……………。それをかけた艦娘どもを檻巌鎮守府の艦娘共にけしかけます。」
深海酋長「面白い。やはり期待を裏切らないなお前は…。吉報を待っているぞ…………。」
次第に水晶玉から映像が砂のように消えていく。
後ろを振り向き、私とメシアに恥をかかせるなよと告げる。
そこには12人の影。
深海日棲姫「では……………………行ってこい。」