ガッツポーズを取りつつ、地団駄を踏みはしゃぎまくる深海日棲姫。
腰を横に振り踊る姿は遊園地に連れていってもらった子供の様である。
深海日棲姫「見ましたか見ましたかぁぁぁぁぁ!!???!!アレですよォ!!!!!アレを見せたかったのですよぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!」
指をさし、もうひとつの10m程の水晶玉を通じて騒ぎ立てる。
深海酋長は微笑むものの、まだ何か言いたげだ。
深海日棲姫「これで!!!これで酋長どのは完全なる存在だぁぁぁぁぁッッッッッッッッッッッッ!!!!!バンザーイ!!!!バンザーーーーーーイ!!!!!」バッ!バッ!
飛行場姫「チッ………。」
他の深海棲艦と深海教の者共もおお喜び。
幹部たちも笑うものもいれば、手柄を取られたという事で快くないものもしばしば。
深海酋長「良くやった………。しかし…まだ油断は出来ん。最善を常に考えるのだ。首を切断しろ。」
深海日棲姫「ハッハッハッハッハッーー!!!やだなぁ酋長どのぉ。私めがそんな教育をしていないとでもぉ?ほらぁ見てください………。フッフッフッ…………。」
歪に邪悪なドス黒い顔が水晶玉を覗く。
そこには少しづつではあるが、倒れた吹雪たちに向かい歩く叢雲たちが居た。
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心臓が破裂し、口から血を流し虚ろな目で倒れる吹雪たち5人。
死んだのだ。当然ながら目に光は宿っていない。
うつ伏せで心臓部分に穴が空いている北上。
心臓と頭部をショットガンで撃ち抜かれた神通。
頚椎をへし折られた加古。
腹を裂かれ、全身蜂の巣の龍驤と加賀。
少し離れた所では赤城の頭部が割れていた。
恐らく脳挫傷。
鉄柱が胸に刺さり屍となった比叡と長門。
それぞれに対し、首を持ち帰るためにじり寄る。
叢雲「本当はこんな事したくなかったけど…仕方ないわね。残念よ…吹雪…。」
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ん…………なんだここは………。
少しづつ目を開ける。
とても優しく、同時に強く暖かい陽の光が両目を覆う。
最初こそ眩しがるも、段々慣れてきた。
目を大きく開く。
そこにはとても美しい空間が広がっていた。
よく見ると雲の上に横になっている。
そこから見下ろす世界。自然の数々。
崩壊していない街もある。
遠くには綺麗なお天道様がギラギラと輝いていた。
吹雪「綺麗ぇ……………………。」
どれもこれも心を魅了するものばかり。
吹雪「何が何だかよく分かんねぇけど………、そうだよなぁ………。こんな綺麗な世界があるんだ…。争うなんて馬鹿らしいよなぁ…………。」
ふわぁと欠伸をする。
その後に少しづつ涙が瞳を覆う。
そしてそれは雫となり頬を歌う。
吹雪「死んだんだ……………私…。」
左胸に大きな穴が空いている。
血こそ流れてはいないものの、心の痛みがしっかりと残る。
吹雪「妹助けて…アイツら倒して…仲良くしたかったんだけどなぁ………………。他のみんなも…………死んだんだよな……。」
段々涙が強くなり、大きな声で泣きじゃくる吹雪。
常々檻巌鎮守府の副将として体を張ってきた。
自分がしっかりしてみんなを先導しなければと肩肘張っていた。
ここに来ていっぺんに貯めていたものを吐き出しているのであろう。
吹雪「ごめんみんなぁ……ごめん叢雲ぉ…………ごめん司令官…………。」
吹雪「これで深海酋長も倒せねぇ……………また……大切な人たちを……………守れないのか………………。」
吹雪「うぅ…………うぁぁ………うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッッッッッッッッッッッーー!!!!!」
「うるせぇ耳元で!!!」
バゴンッ!!!!
吹雪「ふんべぇっ!!!!」
ボスンッと雲に顔を埋める吹雪。
なんだと後ろを振り向くとそこには自分を殴った正体が居た。
吹雪「あんた…………。」
白吹雪「アンタは私。私はアンタ。てか泣いてる場合じゃないっしょ。」
吹雪を深海棲艦のように真っ白にしたような女の子。
様子から見て敵では無い。
吹雪「でも私…………死んで…………」
白吹雪「死んだけど死んでねぇ。まだ生きてる。愛されてんなぁお前。」
吹雪「……?」
白吹雪「1人で突っ走りすぎだバカ。なんのために神社で鍛えてんだ。トレーニングルームじゃねぇんだぞ。」
白吹雪「力借りろよ。好かれてるぜお前ら。それに…」
横を振り向く。
そこにはブラウン管の途切れ途切れのようになっている叢雲の映像が流れており、泣きながら助けを求めている。
吹雪「叢雲!!!」
白吹雪「それが本当の思いだ。念が伝わってきてるんだ。な?しっかりしねぇと。妹泣いてんだから。」
スタスタと歩き、吹雪の大きく空いた胸に手を当てる。
するとどうだ。穴が完全に塞がったではないか。
次に指を立て、獣のような形をとり吹雪の腹に当てる。
そして鍵を開けるように左に回す。
ガチャン
吹雪の中の何かが外れた感覚が。
吹雪「あんた……………これ…………。」
白吹雪は二ッ!と笑い、吹雪の肩に手を置く。
白吹雪「行ってこい。またすぐに後で会うからよ。」
吹雪「……………………………。」
指を顎に当て不思議そうに眺める吹雪。
どうしたのかと尋ねる。
吹雪「いやぁ………心の中に自分が居たら大概敵で出てくる………みたいな…こう…心の闇の部分みたいな感じとかが多いと思ってたんだけど…………。」
白吹雪「ん?暴れようか?」
吹雪「いや!いい、いい!!!!!それでいい!!!!サンキューな!私!!!こっから飛び降りたら目覚めるんか?」
白吹雪「お前らの提督のおかげだよ。雲からダイブしろ。そんなら生き返る。」
吹雪「やっぱし司令官か!!!あんがと!行ってくるわ!!!!」
思いっきり雲から下に飛び降りた。
次第に吹雪の姿が見えなくなり、白吹雪は頭の後ろで腕を組みその場に寝転んだ。
白吹雪「まだアンタの力には耐えれそうにねぇかな………でももうちょいで頼んますよ…。」
白吹雪「志那都比古さん。」
隣には男前の髭を蓄えた男性が餅を食べていた。
とてもいい笑顔である。
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叢雲「アンタの分まで………世の中をいい方向に導くわ………。それじゃ………………また来世でねッッッッッッッ!!!」
叢雲たちが首をはねようとしたその時。
吹雪たちの全身からキラキラと輝く光が迸った!!!!!
叢雲「なっっっっっ!!!!!!!」
夏潮「なんやっっっっ!!??!」
夕月「うわぁぁぁっっ!!!!」
勢いに負け吹き飛ばされる5人。
しかし途中で復帰し、吹雪たちに何が起きたのかしっかりと見つめる。
叢雲「なっ………!!!!心臓は潰れたはず!!!!!!」
吹雪たちが起き上がったのだ。
傷も治り、目も生き生きとしている。
ここの吹雪たち5人だけではない。
他の拾熄鎮守府と戦っている仲間、flagshipと戦っている仲間も同様に輝く。
暁「あれは……まさか!!!!!!!」
叢雲「艦娘が本当に心から誰かを助けたいと思う時!命をかけて戦う決意をした時に体から出る輝き!!!!輝羅希来(きらきら)状態!!!!!!!!!」
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天龍「なんか良くわかんねぇけど…………あったけぇな………。」
龍田「本当ね…。」
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北上「アンタの姉ちゃんに会ってきたよ…。助けてあげてって…………目を覚ましてやってって!!!!!!」
阿武隈「な……………!!!!!」
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加古「私………も………!!!!!格闘技大好きなんだよね……!!!!」
青葉「なっ!!??」
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長門「子供たちを愛する気持ちは……………一緒のはずだ!!!!!!」
比叡「苦しんでいる人達に!!!私の美味しいご飯!!!食べて欲しいですからね!!!!」
山城「なにっ!!!!」
扶桑「……………!!!!!!!」
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神通「今度はこっちの番だぜ………ガンマンレディ!!!」
夕張「頭を撃ち抜いたのに!!!!」
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夏潮「それだけやない!!!!アイツら!!!全員改二になっとる!!!!!」
吹雪、初雪、電、睦月、雪風は改二になっていた。
無論、檻巌鎮守府の全員が改二と輝羅希来状態。
吹雪「良かった………お前ら生きてたんだな…………。」
電「こっちのセリフなのです!」
雪風「心の中の雪風に会ってきました!これでお姉ちゃんを助けられます!!!」
睦月「いくにゃしぃ!!!」
初雪「アンタらの絶望!!!私らがぶっつぶしてあげるから!!!!!!」
叢雲「ビビるな!!!!!!こっちの方が先に改二になってる!!!!!それに深海パワーもあるんだ!!!!行くぞお前らッッッッ!!!!!!」
叢雲「諳絶葬送おおぉぉぉぉッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!」
吹雪「行くぞおおおおおおぉぉぉぉッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!」
今、檻巌鎮守府が走り抜ける。
[newpage]
槍から発せられた風の槍の嵐。
バク転や側転、前周りなどで飛び交い全て躱す吹雪。
一瞬で叢雲の目の前に飛び出し、蹴りを放つ。
しかしギリギリで躱される。
それを逃さず叢雲の服を掴み地面に叩きつける。
叢雲「ゴバッッッ!!!!クッッッ!!!!」
すぐに起き上がり連続で吹雪を攻撃。
吹雪は後ろに後退しつつ全て躱す。
そして好きを逃さず叢雲の顔にドロップキック。
すると横から衝撃波が飛んできた。
それをジャンプで避けるものの、下には衝撃波の主・暁が構えを取っている。
暁「空中なら躱せないでしょ!!!!!」
ズガガガガガガガガガガガッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!
暁「えっ………なんの音…。」
物凄い衝撃波と砂嵐を纏い、電が暁の目の前まで接近。
電「雷龍脚!!!!!!!!!」
ドガァァァァァァァァァッッッッッッッッ!!!!!
勢いのまま飛び後ろ回し蹴り。
暁はモロに胸にぶち当たり吹き飛ばされ、岩に激突。
暁「つ………………強い………………。」
電「ニッヒヒ!」
ドヤ顔でポーズを決める電。
雪風「ダララララララッッッッッッ!!!!」
パンチの嵐。
普段の夏潮ならば足元をお留守だと言いつつ狙うのだが、今雪風は宙に浮きながら連続で殴りかかっている。
夏潮(なんじゃこいつ!!!!スピードも威力も跳ね上がっとる!!!!!!!)
夏潮「うっとおしいんじゃッッッッッッッッ!!!!」
雪風「ぶえっ!!!!!!」
夏潮の前蹴りを受け地面を転がる雪風。
ドガァァァァァァァァァン!!!と岩に直撃。
砂煙が舞う。
しかし、砂煙が落ち着いた時にはそこに雪風は居なかった!
夏潮「なっ!!!どこ行ったんな!!?!後ろかッ!!!」
雪風「ディヤァァァァァァァァァァァァッッッッッッッッッッッッーーーーー!!!!!」
すぐに後ろを振り向くも間に合わず、いや返って雪風からしたら丁度間に合ったのか。
したからカエルパンチを顎に受け、宙を舞う夏潮。
その後間髪無しに左斜め振り下ろしストレートが顔面にヒット。
バウンドしながら転がる夏潮。
華麗なバク転と動きで相手を惑わせる睦月。
そして睦月の得意技、螺巌照が炸裂。
夕月「遅いっっっ!!!!!」
ドズッッッッッ!!!!!
心臓をまたもや貫かれる睦月。
睦月「にゃぁぁぁぁぁしぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!」
白目を向き口を細長く叫ぶ睦月。
しかし次の瞬間睦月が綺麗な花に変わり散らばる。
夕月「!??!!!幻術か!!!!!なれば!!!!」
後ろに振り向き様に回し蹴り。
地面から飛び出した睦月は逆にこれを利用しドラゴンスクリューをかける。
夕月「なっ!!!うわっ!!!!」
バランスを崩し前のめりで宙を舞う夕月は顔面にアッパーカットを喰らい、その後飛び蹴りがヒット。
激しく回転しつつ吹き飛ぶ。
東雲「クソッッ!!!クソッッ!!!」
初雪「どうしたぁ!!余裕ねぇじゃねぇか!!!」
両手で地面を支え、両足を回転。
迂闊に近づけない東雲は攻撃を衝撃波に変え、初雪の顔めがけ発射。
しかしこれを初雪は両足を折りたたみ、まるで体操選手のような動きで衝撃波を蹴り返す。
東雲「!!!!!!!」
横に素早く移動し、蹴り返された衝撃波を躱すものの目の前には既に初雪が。
寸勁が迫っていたので体を弧を描くように回転させ回避。
その直後、胸に初雪の肩が触れた。
ドオオオオオォォォォォォッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!
東雲「ゴバァァァァァァァッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!」
初雪「肩寸勁。」
叢雲含む5人はバク転で高台に一時避難。
暁「どうなってるの!!!アイツらの動きが変わったわ!!!!!」
夏潮「まさか、ホンマに神仏の力が…………!!!!」
東雲「黙れ黙れ!!!!そんなことあるもんかいっ!!!」
夕月「深海パワーと艦力を全力にして決めるしかない!!!!!」
叢雲「行くわよ!!!!!!!今後こそ!!!!」
5人「くたばりやがれえええぇぇぇぇぇッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッーーーー!!!!!」
[newpage]
叢雲「諳絶葬送 ( なだそうそう)!!!!!!!」
暁「雷迅紅暴楼 (らいじんぐぼうる)!!!!!!!」
夕月「麝貫羅颯 (じゃがんらさつ)!!!!!!」
夏潮「夏死囐 (なつしがつ)!!!!!!」
東雲「綱昴血鬽 (こうこうけつみ)!!!!!!」
吹雪たち5人はそれぞれを真剣に見つめ、何やら指を組んでいる。それも一つだけの形では無い。複雑な動きをし、シュババッと気を溜めている。
吹雪「師匠には申し訳ねぇけど…………前の日の夜に聞いたんだよ宮里さんから………!!!」
電「艦娘も人と同様神さん仏さんの力借りれるってなぁ!!!ってことはよぉ!!!!!」
睦月「【印】も結べるってことにゃしぃ!!!」
雪風「出来ました!!!!」
初雪「全力で返さねぇとこっちが死ぬぜ!!!!!!行くぜみんな!!!!!!」
叢雲たちの攻撃に合わせ、印を結び終えた吹雪たち。
それぞれが手のひらに何か透明な丸い塊が出来上がる。
高くジャンプし、因縁の…ないし助けを求める妹の邪悪な念を断ち切るべくそれぞれが応える。
叢雲「死ねぇええええぇぇぇぇええぇぇぇぇッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!」
吹雪「艦術……………」
5人が夜布団で編み出した新必殺技…………。
5人「艦空丸 (かんくうがん)ッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!」
空気が吹き飛び、周りの岩肌が崩れ大木が倒れる。
地面も大きく抉れ、亀裂が入り火花と衝撃波がその空間を支配している。
吹雪たちは後退りはするものの、決して逃げることは無い。
正面切って姉妹を受け入れているのだ。
全てを助けるため、全てを許すため、そして何よりこれからの自分たちのため。
負けるはずが………………………無かったのだ!!!!!
吹雪「ダラァァァァァァァァァァァァァァァァッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!」
叢雲「そんな馬鹿な!!!!深海パワーが!!!!!」
暁「押されてる!!!!!」
夏潮「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!」
ドバァァァァァァァァァァァァッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッン!!!!!!!
叢雲たちは凄い勢いで吹き飛び岩盤に叩きつけられた。
そして亀裂の入った岩肌が崩れ、岩雪崩が発生。
スドドドドドドッッッッと音を立てあたり一面に散らばった。
檻巌鎮守府vs拾熄鎮守府
檻巌鎮守府の勝利━━━━━━━━━