体から出る水蒸気。
かなりの熱を帯びているのか、陽炎がユラユラと揺らめく。
そこまでは以前と変わらない深海化。
しかし、少しづつ変身の度に紋様と突き出す棘の大きさと鋭利さが変化している。
町田「そういや、すぐにまた会える言うてたな黒ちゃん…。」
黒乳首「おう、話は聞いてたぜ。アイツお前の親友なんだってな。」
町田「おうさ。」
深海日棲姫「あれが深海化か…。それに何をブツクサ言っているんだ…?」
深海日棲姫や周りの信者どもにはどうやら黒乳首が見えていないらしく、独り言をブツブツと呟いているようにしか見えていなかった。
黒乳首「ありゃまだフルパワーじゃねぇな…。まだ獣状態…。ビーストモードってところか。アスタロッサとか言う奴と闘った時になったろ?」
町田「ビーストモード?アレが俺のビーストモードか………色々聞きたいけども今は………」
町田「とにかく今は幼なじみと水入らずのどつきあいやぜ。」
日畑藤「キィィィィィヤァァァァァァァァッッッッ!!!!!!」
ビュンッッ!!!と風を切るように突撃する日畑藤。
それに合わせ町田も突撃。
バキィィィィ!!!!!
ドゴオオォォォォ!!!!!
またもやお互いに右拳のクロスカウンターが命中。
よろけあうも、すかさず左フックを入れる町田。
しかし浅く、顔面に頭突きを喰らいよろめく。
そこに飛び蹴りがみぞおちにめり込む。
町田「ゴバッッッッ!!!!」
ガシッッ!!!
日畑藤「!!!!」
町田はワザとめり込ませたのだ。
腹の筋肉が収縮し、日畑藤の足はめり込んだまま。
すぐに引っ込めることが出来ない脚をそのまま掴み、上段蹴りが日畑藤の右側頭部にヒット。
日畑藤「ガッッッ…………」
町田「ドゥラッッッッ!!!!」
右肘で顔面を叩き、左チョップを鎖骨に入れる。
悶える日畑藤にそのまま回り込み、コブラツイストをかける。
日畑藤「グ…………グギガァ……!!!!」
町田「どないや大輝!!!!!このままやったら腕へし折れんど!!!!」
ナニヤッテンダァァァァ!!!!!
シッカリシロオオォォ!!!
深海日棲姫「何をやってるんだ日畑藤!!!!」
町田「やっかましい外野やの…………!!!!!」
少しづつ圧力をかける町田。
このままでは確実にへし折れる。
日畑藤も綺麗な整った顔が大きく歪む。
町田も余裕ではない。ギリギリで技をかけているのだ。
すると日畑藤の体から町田同様煙があがってきた。
町田「熱ッッッッッッッッ!!!!」
バッ!!!!!
あまりの熱さにコブラツイストを解く。
すると日畑藤は四足から二足へと変わる。
町田「あ…………あれが………。」
黒乳首「あぁ………間違いないねぇ………。アイツの流れてる血の持ち主だ…。」
ゴゴゴゴゴゴゴ
日畑藤の後ろには黒乳首を真っ白にしたような深海提督が浮かび上がった。
[newpage]
オオオオオオオォォォォォォ!!!!!!!
歓声が湧き上がる。
どうやら立ち上がった日畑藤に興奮しているだけのようで、深海提督の姿は町田と黒乳首にしか見えていないようだ。
日畑藤「この姿にならなあかんとはな…………流石や…慎太郎。」
町田「喋れるんかい。」
日畑藤「あぁ。こっからが本領発揮やぜ…。行くぜ、白乳首!!!!!!」
黒乳首「ネーミングセンスが一緒おおおぉぉぉ!!!!」
町田「突っ込んどる場合とちゃうぞ!!!!」
弾丸のように突っ込む日畑藤。
カウンターを狙いストレートを放つもかすりもせず、そのままボディブローを叩き込まれリングサイドまで弾き飛ばされる。
ロープが軋み、バウンドする直前に日畑藤の手刀が目の前に。
しゃがんだ事により回避するも、リングロープごと床と後ろにいた信者どもが切り裂かれた。
ウワァァァァァァ!!!!!!!
リングガコワレタァァァァァ!!!!!!
町田「このタイミングか……!!!!わかったぞ大輝!!!」
ドゴッッッッッッ!!!!!!!!
ボガァァァァァァッッッッッッンンン!!!!!
町田がリングに拳を叩き込む。
すると床が崩壊し、会場ごと揺れる。
深海日棲姫「そんな!!!!深海玉棲姫が作ったリングが!!!!」
日畑藤「ソラッッッッッッ!!!!!」
ズバァァァァァァッッッッッ!!!!!!!
ウワァァァァァァッッッッッ!!!!!
ニゲロオオォォォ!!!!
マキコマレルゾオオオォォォォ!!!
深海日棲姫「日畑藤!!!!リングから出るな!!!水晶玉も巻き込む気かッッッッ!!!!!」
日畑藤の蹴りが真空の刃と化し、信者どもがゴミのように蹴散らされていく。
町田も同じく様々な技を繰り出す。
闘いが次第に激しくなる。
殴り殴られ、蹴り蹴られ。
日畑藤が低姿勢で町田にタックルをしかけ、リングの外に両者とも弾き飛ばされる。
町田「ウオオオオオオオォォォォォォォォッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!」
日畑藤「ディヤァァァァァァァァァァァァァッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッーーーーーー!!!!!!!!」
ズガガガガガガガガガガガッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!
深海日棲姫「聞こえてないのか……!!!!戦闘本能が私のマインドコントロールを上回っているのか……。」
信者どもを巻き込みながら激しくぶつかり合う2人。
衝撃に耐えきれず、弾けバラバラに吹き飛ばされていく。
逃げようとする者も間に合わず、押しつぶされていく。
深海日棲姫「こ…………こいつら…………あまりにも激しすぎる………!!!!!ここまで強いとは計算外だった……!!!」
深海日棲姫「信者どもはこの際どうでもいい!!!数ならあるからな…!!!!!」
深海日棲姫「しかしこのままでは水晶玉が巻き込まれる…………。避難しなければ………。」
深海日棲姫(あいつらからは距離がある…。今のうちに…。)
深海日棲姫が水晶玉に触れようとしたその瞬間であった。
ビュンッッッッ!!!!!!
深海日棲姫「えっ。」
目の前に2人。
町田「ダラァァァァァァァァァァァァァッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!」
日畑藤「チェストオオオオオォォォォォォォッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!」
深海日棲姫「ンブグウツヌヌヌゥェッッッッッッッ!!!!!!!!」
町田に顔面、日畑藤にみぞおちを殴られ壁にめり込む深海日棲姫。
日畑藤「よしっ!!!!慎太郎!今だッッッッ!!!!」
町田「合点承知之助よッッッッ!!!!」
2人が水晶玉に触れる。
そして一気に気を送り込む。
深海酋長「!!!!!!!!!」
ゴボッッッッ!!!!と口から大量に吐血し、全身の穴という穴から血を吹き出す酋長。
椅子から吹っ飛び転がる。
周りにいた幹部たちが一斉に駆け寄り、血相を変え心配していた。
町田「へへへっ!作戦大成功やのぉ大輝!!!!」
日畑藤「ちょっと無理したけどな………。にしてもボコボコにしてくれやがってよぉ〜慎太郎。」
町田「お前かて肘入れてきたやんけ!!!」
お互い傷だらけで肘でつっつき合っている。
いい笑顔だ。
深海日棲姫「う…………うぅっ…………。何が…どうなって………………はっ!!!!!!」
頭を抑え徐に立ち上がる深海日棲姫だが、一気に顔色が悪くなり2人を無視し水晶玉に駆け寄った。
町田「あっ、死なんかったんか…アイツ。」
日畑藤「あの程度じゃあ死なんさ…。」
深海日棲姫「酋長…………!!!!深海酋長どのっっっ!!!!!」
顔面蒼白で汗が滝のように流れている。
水晶玉を通して深海酋長の身を案じているのだ。
しかし酋長はピクリともしない。
しかし町田と日畑藤は油断せず、じっくりと真剣にそれを眺めていた。
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日畑藤(頼む……動かんといてくれ……。今まで回復のエネルギーとして酋長に流してのを一気に攻撃性のあるエネルギーに変換したんや……………。)
日畑藤「頼む…………そのままくたばってくれ………!!!」
町田「……………………。」
酋長「……………………。」
深海日棲姫「酋長どの!!!!!酋長どのッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!」
酋長「……………………。」
ムクッッッッッ!!!!!
町田「なっ!!!!!起き上がりよった!!!!!」
日畑藤「チッ…………!!!!!甘かったか………!!!!」
深海日棲姫「よ…………良かった!!!!酋長どのッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!」
徐に立ち上がる深海酋長。
心配する幹部を腕で払い除け、水晶玉を見つめている。
顔中に血を流しているが、血管がはち切れんばかりに浮かんでいるのが取ってわかる。
深海酋長「どういうつもりだ………………日棲姫…。」
深海日棲姫「酋長どのッッッッ…………………。」
体はフラフラと揺れている。
相当なダメージにはなっているはずだ。
深海日棲姫は心配していた顔から一気に怯える表情に変化。
深海酋長「艦娘と艦娘をぶつけるのは失敗…提督と提督をぶつけるのも失敗………挙句の果てには信者を大勢死なせた上に私をこんな目に合わせるとは……………………。」
深海酋長「どういう見解だ……………?」
ガクガクと震え怯える深海日棲姫。
町田と日畑藤は腕を組みながらそれを眺めていた。
深海日棲姫「も………申し訳ございません酋長どのッッッッ…………!!!!にしても……何故………何故お前………!!!騙していたのか……………!!!!!」
日畑藤「今更かいな。人芝居打ったんや。親友との。」
ニッシシと笑う町田。
実を言うと町田は日畑藤とリングの上で立ち会った時に全てを理解していた。
日畑藤が町田に見せた、舌を出し指で数字を表していたのは昔に二人の間だけで作ったボディランゲージだったのだ。
それを見た町田は人芝居に協力。
しかしここまでの殴り合いは芝居だけではなく、お互いの強さをぶつけ合いたいという男比べも入っていたであろう。
男のさがである。
深海日棲姫「何故………何故だッッッッッッッッ!!!!貴様は私のマインドコントロールと薬を飲ませていたはずだ!!!!!」
日畑藤「まだわからんのかお前…………。相当アホなんやな。」
深海日棲姫「まだわからんだと!!??!!貴様は…………………はっ………!!!!」
深海日棲姫(ま………まさか…………。奴に薬を投与させていたのは駆逐棲姫…………………。)
深海日棲姫「………………裏切ったのかあの小娘………!!!!!!!」ググググ
深海日棲姫「じゃあアイツが駆逐艦どもの元に向かったのは…………!!!!!」
日畑藤「今頃手当てしてくれてんやろうな…。」
町田「そうなんか!!!ええ子やのぉ!!!」
深海酋長「日棲姫。」
バッッ!!!と水晶玉に向き合える。
自分を無視し、相手に顔を向ける行為も許せなかったのだが何よりも不甲斐ない部下に対する怒りが大半だ。
深海酋長「降格だ。」
深海日棲姫「えっ………………。」
深海酋長「度重なる失態…。本来ならば処刑であるが、お前の深海教のお陰でここまで回復したのも事実…。まぁまた傷をおわされた訳であるが…。」
深海日棲姫「そ…………そんな…………!!!!!酋長どのッッッッ!!!!!」
深海酋長「黙れ。」
指を2本、バッバッと動かす。
すると深海日棲姫は急いで左手を大きく開く。
数字の11の上から黒く✕と描かれていく。
深海日棲姫「あぁっ……!!!!アァァァァァァァッッッッッッッッ!!!!!!!」
深海酋長「そいつらの首を持ってこい…。そうすれば許してやる。それまで…………………二度と面を見せるな。」
ガシャァァァァァッッッッン!!!!!
水晶玉が砕け散る。
皮肉にもガラスの破片がキラキラと輝き、美しい情景であった。
日畑藤「備えろよ慎太郎…。」
町田「わっーてる。」
佇んでいた深海日棲姫であったが、次第に体がプルプルと震え太い血管が全身に浮かび上がる。
ゆっくりと2人に振り向く顔は淡い青色から打って代わり血のように真っ赤に染め上がっていた。
深海日棲姫「やる……………コロしてやるぉまえらぁぁぁぁぁぁあぁぁぁ…………………!!!!!!!!」
町田&日畑藤vs深海日棲姫