町田「潰れろや……………!!!!!!」
地面にへんばりつき、身動きが取れない深海日棲姫。
力を入れているのが分かるが、微動だにしていない。
日畑藤「流石………やな…慎太郎!!!それに……して…も、なんで分かったんや……?」
町田「あいつ…最初の火口…、マグマを避けるように動いとった…。でも最初はその場から動いてなかった…!次の深海はあいつら元々海から来たんやから動けんのは当然……!」
町田「それだけやない…!あいつ瞬間移動に体力使うんか、肩で息してやがった!俺らが重力で潰されそうになってんやったらさっさと首を切り落としたらええもんをその場から動いてなかった…!一か八かの賭けやったけどな…!!!」
深海日棲姫はうつ伏せに潰されながら2人を睨んでいた。
しかし、なんと町田と日畑藤は徐々に起き上がっているではないか。
深海提督には様々な能力がある。
特出するのはなんと言っても【適応能力】であろう。
どんな環境においても、時間は少しかかるもののその場に適応出来るようになるのだ。
火山では熱に。
深海ではエラ呼吸に加え水圧に。
そしてここガリューでは低酸素と重力に。
しかし深海日棲姫は適応能力が深海提督程では無いのかそもそも存在しないのか。
ジリジリと2人に近寄られる。
なんとか力を振り絞り手刀をつくる町田。
町田「俺らが相手で良かったぜ…。もし艦娘と人間が相手やったらついて行かれへんからな…。とんでもないバケモンや………。」
日畑藤「でもこれで…………終わりじゃ!!!!」
深海日棲姫「!!!!!!!!!」
ビュンッ!!!
手刀を振り下ろす瞬間、やはりというか能力を発動する深海日棲姫。
町田(やっぱりな…次はどこや……!!!!)
町田「ん?」
2人「ウワァァァァァァァァァァァォァァァッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
とてつもない爆弾のような風の塊に体を切り刻まれる2人。
深海日棲姫は周りにオーラが浮き出ており、その場から移動していないのでダメージを受けているのは町田と日畑藤だけだ。
町田「なっ………………うぶっ……………!!!!!!」
日畑藤「うぇっ………!!!!」
確信した。
全身に力を入れ、筋肉を固め身を守る。
とてもではないが目を開けていられない。呼吸もできない。
ここは………………
町田「ここ木星か!!!!!!!!!」
Jupiter。木星。
風速670kmの超爆弾気圧と風圧が2人を襲う。
そればかりか周りにはとてつもない電撃が迸っている。
落雷だ。
町田(あかん!!!何が何だか全くわからん!!!目も開けられへんし、呼吸もままならん!!!)
日畑藤(なんとか凌ぐので精一杯やぜ!!!日棲姫の位置も掴めん!!!)
その時深海日棲姫は自分の周りにバリアーを張っており身を守っていた。
しかし動くこともしなければガザを飛ばす事もしない。
ブチ切れてはいるものの、肩で息をしている。
ここで少しでも体力を回復しているのであろう。
町田(クッソ!!!このままじゃ………はっ!!!一か八か………!!!!)
日畑藤(何する気や慎太郎!!!)
町田(昔っから今に至るまで俺らのヒーローの真似事よ!!!頼むぜ黒ちゃん!!!)
黒乳首(おうよ!!!!!)
すると町田はなんと体の筋力を緩めそのまま体を超回転。
木星の台風は町田の身の回りにだけ穴が空いている。
まるで風を友にしているかのようだ。
日畑藤(回ればなんとかなるか!!!光の巨人……!!!)
町田・日畑藤(ウルトラマンや!!!!!!)
町田の見よう見まねで日畑藤も回転。
風と電が2人に纏わりついている。
深海日棲姫「何ッッッ!???!!?」
町田「おった!!!!!そこかぁぁぁぁぁッッッッッッッッ!!!!!!いくぞ大輝!!!!!」
日畑藤「おう!!!!!」
町田・日畑藤「深海ウルトラハイスピンッッッッッッッッッ!!!!!!!!!」
バッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!
[newpage]
チュン………チュン…………
町田「おぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」
日畑藤「うべえぇぇぇぇぇぇ!!!!!」
その場の勢いだけで回転したせいか、三半規管がやられ吐いている2人。
町田は口直しに傍にあった植物の蜜をすすっている。
その状況からみて、深海日棲姫が体当りを食らう前に瞬間移動したのであろう。
町田「気持ちわり……………やっばマン兄さんは凄いわホンマ…………てかここどこや…。」
日畑藤「綺麗なとこやな…。緑は深いし、空も綺麗…………………ん?空の色緑すぎへんか?」
シュルシュルシュル…………………
町田「………………ん?」
蜜…というか植物が動いている。
顔を上げると鋭いまるで猛獣のような牙を持つハエトリグサが口を開いていた。
町田「うわぁぁぁぁぁぁッッッッッッッッッッッッ!!!!!!」
バクンッッッッッッ!!!!!!!
間一髪のところで回避する2人。
周りを見渡すと植物が意思のある動物のように動いている。
大きさは15mからそれ以上だ。
町田・日畑藤「うんびゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッーーーー!!!!」
深海日棲姫どころではない。
周りの恐ろしい生き物から逃げるので必死である。
町田「どこやねんここぉぉぉぉぉぉぉッッッッッッッッッ!!!!!!俺ら人類で初めて降り立ってんとちゃうんかぁぁぁぁァ”ァ”ァ”ァ”ァ”!!!!」
日畑藤「どっかの惑星やろおおおぉぉぉぉッッッッッッッッッッッッ!!!!地球の植物があんなに動くかよおおおおぉぉぉぉぉぉッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!」
深海日棲姫「フハハハッッッッ!!!無様だなぁお前らァ?そのまま逃げて朽ち果てろぉぉ!!!!」
バッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!
氷の惑星━━━━━━━━━
町田「ざっっっっっっっっむ!!!!!!!!!」
日畑藤「こ…………凍え死ぬ…………!!!!!!」
四次元空間━━━━━━━━
町田「なんなこれぇぇぇぇぇぇぇ!!!歪むうぅぅぅぅぅ!!!!」
日畑藤「ヤプールの気分やぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
ガム惑星━━━━━━━━━
町田「なんやこれぇぇ!!!めっちゃベッタベタやねんけど!!!!!」
日畑藤「チン毛に絡まった!!!!いでぇぇぇ!!!」
チョコ惑星━━━━━━━
町田「む!!!甘い!!!ボーナスステージか!!!」
日畑藤「叢雲らに持って帰りたいわ!」
怪獣惑星━━━━━━━━
町田「うわぁぁぁぁぁぁッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!」
日畑藤「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!」
ガス惑星━━━━━━━━
日畑藤「クッッッッサ!!!屁こくな慎太郎!!!」
町田「こいてへんわ!!!(ブボボッッ)ごめん!!!」
アステロイドベルト━━━━━━━━
ドサァッッ!!!!!
隕石の上で倒れる2人。
連続の瞬間移動でくたびれている様子だ。
しかし深海日棲姫も同様かなり息が上がっている。
膝まづき、手を地面に置いている。
町田「あ…………あかん…。いくら適応能力ある言うても死んでまう…………。」
日畑藤「あかんぞこれ……………。どうにか移動を止め…………ん……?」
何かに気づく日畑藤。
日畑藤「分かったぞ………!!慎太郎!あの光輪や!!!瞬間移動の前と後!その時にあのリングが光っとる!!!恐らくやが…………!!!」
町田「ほなそのリングを壊しゃあええんやな!」
深海日棲姫(アイツら…………私の技に気づいたか………だが…………)
今ここで壊してしまうともう瞬間移動は出来ない。
つまりこのアステロイドベルトで移動先は終わりになってしまう。
それでは地球に帰れるかもわからない。
もし帰れたとしてもどれ程の時間がかかるのか。
何光年離れた場所に居るのかも知らないのに。
深海日棲姫「どうにかして地球に戻るつもりなんだろう………?しかしお前らはここで死んでもらう………!!!!!そうすれば酋長どのは安泰!!!深海棲艦が全てを支配する!!!」
町田「クソ…!!!読まれとったか!!!」
日畑藤(慎太郎…………!!!)
町田(ん!?なんや大輝!?)
日畑藤(今から俺の言う通りに動いてくれ………!!!上手く行けば地球に帰れる!!!)
町田(………………………わかった!!!)
なんとか重い体を起こし、フラフラと立ち上がる。
2人はなんとか隕石の間をジャンプしつつ日棲姫に向かう。
当然日棲姫もガザを飛ばしてくるのであるが最初ほどのキレが全くない。
慣れない宇宙空間だが実力を考えれば十分に避けれる。
パシッ!!!
パスッッッ!!!
0Gでのパンチや蹴りなのでダメージが入らない。
しかし手数を増やし手元を緩めることなく2人は日棲姫にラッシュをかける。
深海日棲姫(やはりコイツらもキレがないな…。しかしいつ適応するかわからん!!!隙を見て……………。)
日畑藤の横腹が開いた瞬間であった。
深海日棲姫(刺す!!!!!!!!!)
手のひらから鋭利なガザを発射。
日畑藤「二ッ……。」
深海日棲姫「??!!」
ドゴオオォォォッッッッッ!!!!!!
町田が渾身の一撃をお見舞いしたのだ。
深海日棲姫「グッッッッッッッ!!!!」
しかし浅い。
拳はめり込むことなく、掠っただけであった。
町田「クソッッッ………!!!」
日棲姫はすかさずに槍を2人に振るう。
その時日畑藤の指が3本切断されてしまった。
日畑藤「グッッッッッ!!!!!」
深海日棲姫「ハッッッッッッッッッ!!!!!!」
ドガァァァァァァァッッッッッッンンンン!!!!
発勁をマトモにくらい隕石に叩きつけられる2人。
間髪入れずにガザを飛ばしまくる。
爆発する隕石に、衝撃で砂煙が舞う。
深海日棲姫「ヌゥン!!!!!??」
町田「ディイイリャァァァァァァァッッッッッ!!!!」
20m程の隕石を思いっきり投げつける町田。
しかしダメージが大きいのか、スピードが無い。
この程度のことなら深海日棲姫にとって屁でもなく、ガザを纏った拳で隕石を粉砕。
するとその後ろから大量の岩が飛んできた。
町田が先程叩きつけられた時に粉々になった隕石の欠片である。
深海日棲姫「デカイ隕石に身を隠して投擲か!!!とことん甘いクズだなぁ!!!!!!」
町田「グアァァァァァッッッッッ!!!!!!」
衝撃波が襲う。
なんとか防ぐものの隕石の欠片が身体中に刺さり血が流れる。
その傍には倒れている日畑藤。
このままでは日畑藤にも刺さってしまう。
なんとか力の限り跳ね返しているときであった。
町田「なっ………………………」
深海日棲姫「ゲームオーバーだ。」
ザンッッッッッッッッ!!!!!!!
町田「……………………………………………」
ゴロッ………
ドサァッッッ………………………
首を切断され地に伏せる町田。
日畑藤も同様に首からしたが繋がっていない。
深海日棲姫「フフフフフハハハハハハッッッッッ!!!!」
ハーハッハッハッハッハッッッッッ!!!!!!!!!
アーハッハッハッハッッッッッッッッッ!!!!!
イッヒッヒッヒッヒッヒッヒッッッッッッッッッ!!!!!
地球から遥か遠く、何光年離れているのかさえ定かでは無い宇宙空間。
不気味で邪悪な笑い声がこだまするのであった。
[newpage]
地球━━━━━━━━━━
シュバッッッッッ
2人の首を持ち地球に帰還した日棲姫。
最初に居たあべのハルカス、深海教の本部である。
これでやっと帰れる。
やっと見直してもらえる。
幹部の座を手に入れることが出来る。
あわよくば位が上がるかもしれない。
とにかく頭は深海酋長と自分のことでいっぱいであった。
2人の頭部を蹴り飛ばしたい衝動にかられるも、出来れば綺麗な状態で持ち帰りたい。
そう思い祭壇の上に乗せる。
深海日棲姫「……………ん?」
自分の首あたりがおかしい。
何か異物が入っているように感じる。
腕を和服の襟に突っ込み確認する深海日棲姫。
深海日棲姫「指…………。あの時切り落とした日畑藤の指か…………。」
出てきたのは指2本。
そこで先程の戦いを思い出す。
確かあの時切り落としたのは3本だったはず。
出てきたのは2本。ならばもう一本は?
まぁそんな事どうでもいいと口では言うものの、少し考えてしまうと気になってしまう体質からか割れた水晶玉の欠片を覗き込む。
深海日棲姫「光輪に刺さっているな………気味の悪い。」
欠片からは左半身しか映っていない。
全身を確認したいという衝動にかられ、右半身も確かめる。
そして目を大きく開いた。
なんと右後ろには町田と日畑藤が居たのだ!!!
振り向こうとするも間に合わず。
町田「ダァァァァァァァァァッッッッッッッッ!!!!!!!」
アントラーの顎をへし折ったウルトラマンみたく、光輪を鷲掴み。
そして見事にへし折ったのだ!!!
深海日棲姫「なっ!!!!!!!!貴様らッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!」
日畑藤の上段回し蹴りを側頭部に叩き込まれ、激しく転がる深海日棲姫。
深海日棲姫「グ……………!!!な……なぜ!?!!なぜ生きている………!!!!それにどうやってここまで移動したんだ!!!!!!!!!!!」
ふざけた態度でなにも答えない2人。
変わりに説明をするならば、内容はこのようになっていた。
町田が深海日棲姫にパンチを仕掛けた時、まともに当たらずに掠ってしまったのはわざとである。
わざと掠らせたのだ。
以前利根から聞いていた秘孔の1つ。
感覚を麻痺させる[高感穢 こうかんえ]を点いたのだ。
そしてその後に大量の隕石の欠片を投げていた時に日畑藤の指を投げ入れ、そのタイミングで日畑藤が印を組み土遁で泥人形を巧拙に作り上げた。
言わば隕石は目隠し。
その隙に地面を掘り進み身を隠したのだ。
指を投げ入れたのは日畑藤が瞬間移動をするためである。
深海日棲姫と違い、好きな時に好きなところにいけるレベルのものでは無く何かマーキングをすればなんとか移動出来る程度である。
何度も瞬間移動をする深海日棲姫を見て日畑藤が覚えたのだ。
高感穢を点かれた深海日棲姫は泥人形と本物の区別もつかず、指が服の中に入っていることも知らず。
ノコノコと地球に帰還し、見事光輪を壊されたのである。
町田「部位破壊は基本やからなぁ〜?」
日畑藤「最初は地球で戦って、何回も移動した後に最後は地球で決着。小洒落とんなぁ?」
深海日棲姫「どこまでも…………どこまでもどこまでもどこまでもどこまでもどこまでもどこまでもお前らはぁぁぁぁぁぁぁぁッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!」
光輪を壊され移動もできず、かといってガザを飛ばす力も残っていない。
半狂乱、いや全狂乱になりながら全力で突っ込む日棲姫。
町田と日畑藤は手のひらを上にした手刀を構えた。
深海日棲姫「シネェェェェェェェェェッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッーーーーーーーーー!!!!!!!」
町田・日畑藤「!!!!!!!!!!」
ザンッッッッッッッッ!!!!!!!
ゴトッ…………………
深海日棲姫の胴体から上は
見受けられなかった。
決着である。