駆逐棲姫「はっ……………………!!」
暁「どうしたの?」
顔から汗が流れているものの、目には光がキチンと宿っている。
不思議がり駆逐勢が見つめる。
駆逐棲姫「日棲姫の気が…………………消滅しかかってる……。」
周りはビックリし、笑顔に満ち溢れる。
2人が、提督が、家族が勝ったのだ。
しかしまだ完全に消滅したわけではない。
油断は最後までできない。
喜ぶのはまだ早いと鹿島と香取が一喝。
それぐらい良いじゃねぇかと電がジト目になるも、またもや駆逐棲姫が口を開く。
駆逐棲姫「えっ……………いや………これは………。」
吹雪「どうしたんだよ…。」
駆逐棲姫「死にかけてるのに高エネルギーが集まってる…………。何をする………気………。」
皆が先程と打って代わり固唾を飲み見守る。
そして数秒立った後であった。
駆逐棲姫「マズイ。」
睦月「えっ…………?」
雪風「マズイ…………って?」
駆逐棲姫「みんな今すぐに何かにしがみついて!!!!!」
一同「…………?」
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町田「……………ップハァァッッッ!!!!ハァ……ハァ………!!!!」
日畑藤「ハァ……………ハァ…………。」
心身共に満身創痍。
2人はその場に四つん這いに。
しかし力を振り絞り、互いに傷だらけの顔でニヤリと笑い拳をぶつけ合った。
町田はフラフラの体に鞭を入れ、深海日棲姫の遺体に近づく。
そしてその遺体を抱き抱えた。
日畑藤「……………?何してんや…?」
町田「埋める。いくら敵やったとてもう死んだんや。弔わな。」
日畑藤「なっ………!!!!何言うてんねんや!!!まさか今までもそうしてきたんか!!?!!」
町田「おう。」
おぼつかない力で死体を叩き落とし、町田の両肩を掴み必死に訴える。
日畑藤「アホか!!!!もしアイツらに死体を回収されたらどないするんや!!!戦争において!深海棲艦と戦うにおいて!1番忘れたらあかんのが死体の処理や!!!」
町田「お……………おう…!」
日畑藤「ええか!!!深海棲艦を殺したらすぐに燃やすんや!!!アイツらには深海ドクターとかいうやつがおって、死体でもなんでも改造しよるんや!!!」
そう言うと胸ポケットからマッチを取り出す。
しかし、先程の戦闘で粉々になっており使い物にならない。
町田もポケットを探るもグシャグシャになったタバコと石が潰れたライターしかない。
燃やすものが何も無かった。
町田「ここ深海教の本部なんやろ?ロウソクかなんかあるんとちゃうか?」
日畑藤「せやな……………探さなあかんのか…。」
町田「どっちかが探そか。もう片方はこの死体を監視する「その必要はないぞ」」
町田・日畑藤「!!!!!」
飛び出した目ん玉をぶら下げながら喋る。
なんとまだ深海日棲姫は生きていたのだ。
町田「首切り落としたんやぞ!!!」
深海日棲姫「アホが……………下っ端どもや元幹部ではないのだ……。これくらいの生命力はある…………。それにしても………良くも………良くも……やってくれたなお前ら………。」
すると深海日棲姫の周りにとてつもない熱が帯びてきた。
何やら怪しい音も微かに響く。
深海日棲姫「酋長どのに………渡すはずだったこのエネルギー…………。しかし……私がこうなってしまった…以上…やむを得ん……………。」
町田「お前!!!!自爆する気か!!!!!!」
日畑藤「伏せろ慎太郎おぉぉ!!!!!!」
深海日棲姫「死………………………ね……………。」
………………………………………
ドッッッッッッッッッッッッガァァァァァァァァァァッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッンンンンンン!!!!!!!!!!!!!!!
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あべのハルカス屋上諸共最上階が吹き飛ぶ。
祭壇や壁、遮蔽物を巻き込み爆風が荒れる。
両腕をクロスさせ、なんとか頭部を守る2人。
とても長く感じるその爆発。
次第に爆風が落ち着き、砂煙がパラパラと床に落ちてきた。
町田「グ………………………最後の…………最後で……………!!!」
日畑藤「なんとか………………生きてるな……………俺ら……。」
町田「おう……………………でも最後にしたらそこまでの威力では無いような………………ん?」
何かに気づく町田。
日畑藤にその疑問をぶつける。
町田「アレ…………なんや?ブラックボール?」
目の前に浮かぶ5m程の黒球。
日畑藤もそれを眺め、目線を離さずに町田の肩に手を置く。
日畑藤「やりやがった………………慎太郎………飛び降りるぞ……。」
町田「えぁ………………わかった…………。」
日畑藤「アレ、ブラックボールやない…………………。」
日畑藤「ブラックホールや!!!!!!!!!」
町田「!!!!!!!!!!」
青ざめた顔でその場から飛び降りる2人。
体力も何もかもがギリギリなので黒乳首と白乳首になんとか力を極限まで貸してもらう。
町田「頼むぞ黒ちゃん!!!!!!!」
日畑藤「もう俺らも限界や!!!すまん!!白乳首!!!!」
黒乳首「わっーてる!!!!!!!!」
白乳首「貸すのは簡単じゃけぇ!!!おまんが耐えれるんか!!!!」
キュッ………………
町田「へ……………。」
日畑藤「な……………。」
何故か飛び降りている最中で止まった。
ふと上を見上げる。
そこには段々徐々に大きくなり更に上空に高く浮かび上がるブラックホールが。
吸引力がとてつもなく上がっていく。
ゴオオオオオオオオオォォォォォォッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!
町田「うわうわうわうわ!!!!!!!」
空中をクロールしながら進もうとするもだんだん上に吸い込まれていく。
下の建物や車、自転車や物体がどんどん黒い球に飲み込まれていく。
町田「なっ!!!!!!!!!人がおる!!!!!!」
日畑藤「一般市民か!!!!!!!!あの人らはなんとしてでも助けんとッッッッッッッッッッッ!!!!!アイアン・ロックッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!」
両腕からチェーンを出し、先端部分を地中深くに突き刺す。
もう片方で市民を繋ぎ止める。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
「怖いよぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」
「助けてくれェェェェェェェ!!!!!!」
しかしその数は数百人。
とてもではないが間に合わない。
すると赤ん坊がベビーカーごと宙を舞っている。
町田「あかん!!!!!!!!ダッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!」
両腕を前に突き出し、赤ん坊や市民をオーラで包み込む。
そして市民たちは地面へとゆっくり引っ張られていく。
クッションの役割と重りの性質を持つエネルギーである。
町田「はよ…………………消えろや…………クソが……よぉぉぉッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!」
日畑藤「もう少し…………!!!!もう少しや!!!耐えろおおぉぉぉぉ!!!!」
2人はもう既に限界の壁を何枚もぶち壊している。
細胞にも限度がある。
2人は目と鼻から血が吹き出る。
ふと小さな男の子と目が合う町田。
町田「大丈夫やからな…………!!!安心してくれ…………!!!」
男の子「お兄ちゃん………………。」
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吹雪「なんだこれ!!!!!!!浮かんでやがる!!!!」
駆逐棲姫「深海日棲姫が最後にブラックホールを引っ張り出したんだ!!!!!ここから離れてるとはいえ危ない!!!!!みんなしがみついて!!!!!!!」
暁「ひゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!」
電「暁ぃ!!!!」
当然のごとく、引力のせいで神社の建物が少しずつ引き裂かれていく。
本堂もめくりあがり、木々が根っこごと引っ張られる。
鹿島「クソがッッッッッッッッッッッッッッッ!!!離れてんのにこの威力かよ!!!!!!!」
駆逐棲姫「ウォール・バリヤーッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!」
鹿島神宮を覆うピンク色のバリヤー。
クラックが入るものの、なんとか持ちこたえる。
腕の血管は破け、出血する駆逐棲姫。
コメカミにも血管が浮いいる様子から、ギリギリなのだろう。
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檻巌鎮守府
黒部「お前ら建物にしがみつくんだぁぁぁぁッッッッッッッッッ!!!!」
時雨「やってるよ!!!!!!!!はっ!!!!みんな!!!!」
少しづつ浮かぶ村人たち。
このままでは吸い込まれてしまう。
しかし情けないことに時雨たちは自分たちの身を守るので精一杯である。
港湾棲姫「……………………………!!!!!」
港湾棲姫「深解…………!!!!!!!!」
村雨「港湾!!???!!」
港湾棲姫「バルバロス・ヴァルキュリア!!!!!!!!!!(絶対破壊の巨女)」
なんと30m程の大きさまでに巨大化する港湾棲姫。
爪も更に鋭く、全身が骨の突起で刺々しい。
そしてその大きな爪を地面に深く突き刺し、鎮守府付近で集まっていた村人たちを字のごとく体を張り受け止める。
ゴンッッッッ!!!!!
燕尾「」
浮かんでいた燕尾は胸の突起に激突。
少し額に血が流れ気絶。
村人「こんな時に何鼻血出してんだ村長おおぉぉ!!!」
村人「巨女のおっぱいに挟まれて喜んでる場合かよおおぉぉぉ!!!!!!!」
村人「羨ましいぞおおおぉぉ!!!!!」
涼風「いやどう見ても頭ぶつけたんだろ!!!」
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北上「これやばいっしょ!!!!!!!阿武っち!!!」
阿武隈「北上ちゃん!!!!」
ガシッ!!!と手を繋ぐ軽巡勢。
龍田「ここでこの威力なら…………現地はどうなってるのか………!!!!!」
神通「しっかり捕まってろよ夕張!!!」
夕張「わかってる!!!」
多摩は坊主と尼と協力しお寺とその周辺に結界を張る。
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大和「ここなら大丈夫だから!!!」
重力札の中に市民や神主たちを招き匿う大和たち。
金剛も他のものが心配せぬよう抱きしめながら大丈夫、大丈夫と声をかけている。
龍驤「けったいな技やでホンマに!!!」
赤城「私の体重でも浮かぶなんて!!!」
信濃「びっくら仰天ですぅ〜ッッッッッッッッッッッッー!!!!!!!」
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加古「青葉ッッッ!!!!!」
青葉「加古さんッッッ!!!!!」
最上「みんな手繋いで!!!早く!!!!」
摩耶「さっさと………終われや…!!!!!!」
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ブラックホールは益々大きさを増している。
どこまで大きくなるのかは不明であるが、このままいけば日本どころか全世界、地球を飲み込みかねない。
深海日棲姫も計画が崩れ、深海酋長にも見捨てられ気が狂ったのか。
はたまた計算のうちなのか。
黒乳首「……………………慎太郎……。」
町田「なんな!!!!!!!」
白乳首「多分じゃが…………ワシらの力を合体させりゃぁあのブラックホールは潰せる……。」
日畑藤「ホンマか!!!?!」
黒乳首「ただ………壊せるのは………………………」
黒乳首「内側からだ。」
その一言を聞き、理解する2人。
今回ばかりは本当に死ぬかもしれない。
ブラックホールに吸い込まれるとどうなるのかもすらわからない。
向こう側があるのか、ホワイトホールから出られるのか。
それとも圧縮されて死ぬだけなのか…。
それぞれの鎮守府の艦娘が頭によぎる。
今まで世話になってきた人たち。
守るべきひとたち。
しかしここで死ねば深海酋長は倒せない。
町田は日畑藤と顔を会わせ目をつぶる。
町田「行くぞ………大輝………。」
日畑藤「あぁ。」
吸引に逆らわず、勢いのままブラックホールに向かう。
そのまま印を結び、町田と日畑藤は手を繋ぐ。
町田「ウオオオオオオオオオォォォオォォォォォッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!」
日畑藤「ダリャァァァァァァァァァァァァァッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッーーーーー!!!!!!!」
シュンッ…………………
ドバァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッンンンンンンン!!!!!!!!!!!
上空で大爆発。
激しい煙が空を覆う。
爆風は地上にまで届き、吹きすさぶ。
しかし、町田と日畑藤が施したバリヤーはまだ生きており一般市民を守っている。
次第に爆煙が落ち着いてきた。
その場にはブラックホールの姿は無かった。
2人の存在を巻き込んで。
[newpage]
吹雪「し……………………司令……………………官……?」
電「アイツの気が………………………消えたのです……………。」
雪風「しれぇ…………………………………?」
それぞれが各々の場所でたたずむ。
提督の気が消えた。
それは死を意味していた。
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日向「…………………最悪のシナリオだ………。」
伊勢「………………………。」
麻田「いや、大丈夫じゃ。」
伊勢と日向は後ろを振り向き麻田を見る。
真剣な眼差し、ふざけた様子が一切見られない。
何故そんな事を言うのかと聞くも、それ以上は何も言わなかった。
ただ時間がかかると。
それだけを言い残し。
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「ふぅん…………………。」
飛行場姫「あいつめちゃくちゃするねぇ〜。で、どうする神ちゃま?」
深解酋長「浮いたな……………。それにあの衝撃で………………鬼門の蓋が開きかかった…。」
深海酋長「しぶとかったが………………提督が2人死んだ…。最後の最後で手柄を立てたな…日棲姫。」
港湾水鬼「それに各神社仏閣の結界が壊れております。一時的なものでしょうが叩くならば今でしょう。」
深海酋長が周りを見渡す。
そして数人の幹部に指を指し、命令を下した。
深海酋長「行け。」
その場からシュバッッッッと消える幹部数人。
深海酋長は不気味な笑みを浮かべるのであった。
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地上に降り立つ幹部たち。
それぞれが日本の支柱、鬼門を見下ろす。
港湾水鬼「アース・ク・エイク。」
思いっきり地面に腕を突っ込む。
そして日本は今までになかった以上の災害に見舞われることとなった。
1999年12月27日。
午後15時49分。
南海トラフ+三連動、東北大震災及び東日本大震災。
この日、日本全体が崩壊した。