艦これevolution   作:銀ノ森 睾

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国民救出大作戦編
第85話「どさんこ救出大作戦!!!」


バダバタバダバタバダバタバダバタ!!!!!!!!

 

茨城県鹿嶋市から北海道釧路市。

およそ1310km。

今乗り込んでいるヘリコプターは自衛隊のCH-47Jという機体であり、普通のヘリでは無い。

操縦士を含め53人乗りで、その吹雪たちが乗り込んだ周りに6機編隊を組み釧路市を目指していた。

 

「お久しぶりですですね…電。」

 

電「…ん。」

 

右斜め前に座る隊員から話しかけられた電。

最初こそ沈黙していたが次第に目が大きくなる。

吹雪も同様であった。

 

「もしかして私の顔をお忘れかしら?フフフ。」

 

電「おめぇ………………………野分!!!!!!!」

 

野分「良かった。覚えててくれて。」

 

野分。檻巌鎮守府の所属艦娘が吹雪と電だけだった頃、仲間集めと称し参加した拳闘大会。

その開催者である那珂の右腕、野分。

電と戦い辛くも負けてしまった、良きライバルである。

 

野分「吹雪もお久しぶりです。……………姉さんは居ないんですか…?」

 

吹雪「姉さん…あぁ、雪風の事か…。あいつ末っ子みたいだから一瞬わかんなかったぜ…。」

 

機内に少し笑いが起きた。

雰囲気を少しでも和らいだ方がみんなの気持ち的にも良い。

 

電「あいつは茨城県の鹿島神宮で復興支援してらぁ。にしてもなんでギャングのお前がこんなとこに居やがんだ?」

 

野分「あきつ丸たちが訪ねてきてね…。もう私たちは自衛隊を辞めたって…。それで少しでも戦力…まぁ、要するに手伝って欲しいって言ってきたんです。」

 

野分「隣に居るモンブラン須和田も元々自衛隊出で、ボスに協力しないかって相談したんです。」

 

モンブラン須和田「へへへ、どうも!」

 

電「そうなんか…。てか前々から思ってたけどその名前の前に付いてるあだ名何なのです???」

 

どうやらこのヘリや編隊を組んでいる周りの隊員の中にはギャングのゴロツキたちもいるらしい。

因みに那珂は別件でここには居ない。

 

野分「うちのギャングの艦娘も居ますけどね。そちらの方々は…お初お目にかかりますね。よろしく。」

 

叢雲「どうも。」

 

初雪「頼んますわ。」

 

暁「うむむ…なんか私よりもレディね…。」

 

野分「今回の出動…、北海道の特に釧路市の住民の避難です。わかっているでしょうができる限り戦闘は避けなければなりません。」

 

電「言ってられっか、んな事。」

 

野分「あくまでもできる限り、です。私たちのこの編隊だけでなく反対方向からも空挺部隊が釧路市付近に接近。つまり挟み撃ち…もっと掻い摘んで言うと…。」

 

叢雲「私たちは囮って事ね。」

 

頭を縦にふる野分。

地図を広げる。今回の作戦のルートを赤いマジックで書かれている。

他の隊員は知っているが一応覗き込む。

 

初雪「なるほどな…。これで敵本拠地スレスレの所を横断…。ホントに命懸けの囮だな…。」

 

隊員「はい。我々は陸から、他の部隊は空からの挟み撃ちになります。」

 

暁「待って!どうやって住民を避難させるのよ!確か今の釧路の人口は7万人よ!」

 

野分「………………もうそんなに居ませんよ……。」

 

暁「…………え…?」

 

苦しそうな顔をしつつ、重い口を開く。

 

野分「釧路市周辺の地区を含めて現在の人口はおよそ9000人…。7万人のうち半分は本州に移動。半分は殺されました。」

 

暁「………………。」

 

野分の話を聞くと、北海道に陸型深海棲艦の侵攻は本州と比べ圧倒的に少なかった。

ほとんどが海からの侵攻。

念の為にあきつ丸などの揚陸艦を率いた陸上自衛隊を太平洋側の釧路市に設置。

しかし本州の駐屯地と比べ小さく、しかもその戦力で間に合っていたのが返ってマズかった。

いきなり大量に増えた深海棲艦に攻められ、その駐屯地は壊滅。

本州から応援が駆けつけ敵の殲滅に成功するものの、被害数がとんでもない事になってしまったのだ。

因みに戦力を増設しなかったのは総理大臣の縁原が首を縦に振らなかったからである。

それ以来北海道の陸地には深海棲艦は現れなかった。

そしてその半数の死者を出してしまった情報を表に公表しなかったため、この事を知る一般人は少ない。

軍関係の者の一部しか知らないのだ。

そのせいで北海道市民からの不満は爆発。

政府は信用ならないものとなってしまった。

 

野分「だから海自に協力してもらってイージス艦で避難してもらうわ。素直に乗ってくれるかは…わからないけど。」

 

叢雲「良くそんな因縁があるのに自衛隊に緊急要請の連絡があったわね…。それ程まで切羽詰まってるのかしら…。」

 

操縦士「そろそろチェックポイントに着きます!………ん!??!!」

 

隊員「何だあれは!??!!!」

 

ビュンッッッッッ!!!!!!

 

[newpage]

 

窓を覗くと6本足の機械が数機、4本足の機械が一機下に待機しておりこちらに向かいミサイルを発射してきた。

 

電「おい!!!狙われてんぞ!!!」

 

あきつ丸「特殊合金のサジタリウムで覆われているのであたったところでどうと言うことはないであります!!!」

 

神州丸「しかしそれはボディに限っての話!!!」

 

暁「テールローターとかにぶつかったら墜落するわ!!!」

 

現在地…つまり只今のチェックポイントは釧路町。

救助しなければならない住民がいる所は白糠町の左側の釧路市である。

そこに塔もあるのだ。

一気にそこまで行くと大量に引き連れたヘリに気づき、何かしらの攻撃を仕掛けてくるかもしれない。

そう思い、わざと数歩手前の釧路街に向かっていたのだが…荒廃し、瓦礫の山となったその場所には謎の見たこともない機械が臨戦態勢で待ち構えていた。

 

操縦士「メーデーメーデー!!!こちらインジエントII!!!下に待機していた未確認の深海ロボに

狙われている!!!後続のヘリは二手に大きく避けろ!!!いいな!!!繰り返す…………」

 

ドガァァァァァァァァッッッッッッンンンン!!!!!

 

ボディにミサイルが命中。

あきつ丸の言う通り、少し傷が出来た程度で大きな損傷は無い。

しかし連続で当てられればいつかはプロペラに当たる。

 

初雪「一方的にやられんぞ!!!!!こっちも反撃しねぇとやられんぞ!!!!!!」

 

野分「クソッッッッッ!!!!!!ハッピー梅岡!ラッキー貞!機関銃で応戦してください!!!」

 

ハッピー梅岡・ラッキー貞「了解!!!」

 

ドドドドドドドドドドドドッッッッッッ!!!!!!

 

ヘリから下のデスストーカーに反撃。

しかし、窓を開けつつ砲撃しているのでそこを狙われてしまう。

あまり同じ場所に待機は出来ない。

 

ドガッッッッッッ!!!!

 

神州丸「クソッッッッッ!!!」

 

吹雪「………………あきつ丸…。隊員の人らが武装してる服装と

武器、それもサジタリウムで出来てんのか?」

 

あきつ丸「えッッッッッッ!??!!そうでありますが!!?!!」

 

吹雪「わかった!!!!!ここで降ろせ!!!ここから前進する!!!」

 

隊員「???!!!!!?!」

 

その吹雪の一言を聞き、電たちが座っていた状態から一気に立ち上がる。

野分がスイッチを押しハッチを開く。

 

電「下の奴らは電たちに任せるのです!!!」

 

叢雲「敵を撹乱しておいて!!!!!」

 

ウィーーーーーン…………

 

ハッチが開き、そこから吹雪たちが飛び降りた。

あきつ丸たちは動揺しつつも、操縦士に命令。

 

吹雪「ミサイルにぶち当たんなよお前らッッッッッッ!!!!!」

 

吹雪「艦空丸ッッッッッッ!!!!!」

 

位置エネルギーと艦空丸を合わせ、デスストーカーにめり込ませる。

そしてそれを蹴り上げると後方で爆発。

風のごとく戦場を駆け抜ける。

 

叢雲「灘斬りッッッッッッ!!!!!」

 

電「雷龍脚ッッッッッッ!!!!!」

 

初雪「おらよっっっ!!!!!」

 

ガゴンッッッッッッ!!!

 

初雪が掌底でストーカーの蓋を抉り開け、中に入っていた深海棲艦たちを内側から張り倒す。

暁も同じように動く。

上からの攻撃に加え、パラシュートも無しに突然降りてきた吹雪たちの動きに全く対応出来ず次々に壊されていくストーカーたち。

 

ドォォォォッッッッンンン!!!

 

野分「速いけど…………。」

 

ビュンッッッ!!!

 

紙一重で躱す野分。

どれだけ速いと言えど、所詮は直線上にしか危険は及ばない。

そのまま後ろに回り込み、パワーコアを粉砕。

ストーカーは爆散。

およそ6分程の戦闘の末、その場に居た敵を殲滅。

野分が部隊を誘導し、その場に降ろさせる。

 

野分「こんな機械見た事ない…。これも死柱と一緒に埋まってたのかしら…。」

 

暁「これ使えるかな?」

 

ガチャガチャとストーカーをいじくる。

初雪と共にわざと機内に潜り込んだのは後々使えると思いリクルートするためであった。

初雪「…………………ダメだこりゃ…。指紋認証式になってやがる。」

 

暁「使えないわねー!もう壊す?!」

 

あきつ丸「待って欲しいであります!!!後で解析したいので置いていて欲しいのです!」

 

駆け寄り壊そうとしていた2人を制止。

礼を言い、本土の自衛隊に連絡。

後で回収に来るらしい。

 

吹雪「さて…と。こっから釧路市か…遠いな…。」

 

野分「私たちが連絡を受けたのはアイヌの方と暮らしている響からでして。まずは合流しなければ。」

 

電「姉ちゃん………………?」

 

暁「響!?響からなの!??!」

 

隊員「我々が誘導します。行きましょう。」

 

[newpage]

 

佐渡島━━━━━━━

 

北上と加古、そして阿武隈があきつ丸たちと上陸。

こちらも北海道同様、ストーカーたちが数機跋扈していた。

しかし、魚雷拳使いの北上と阿武隈の敵では無く為す術もないままに破壊された。

 

ザッザッザッザッザッ………

 

北上「めちゃくちゃ武装してるかと思ったらこれか…。何考えてんのかね。」

 

加古「それにこいつらflagshipどころかeliteですらねぇただのノーマル深海棲艦だぞ。こいつらに死柱守らせてんのか?」

 

阿武隈「どうせ壊されないから弱い奴らに守らせてるんだと思う。それに死柱付近の地中に埋まってる兵器回収も兼ねて。」

 

佐渡島。

自然美しい島のはずである。

しかし、歴史を辿れば昔島流しの刑に選ばれていた島。

無念に死んで行った魂がここに眠っていることにもなる。

その亡くなった仏さんの為に鎮魂の行事もある事からか、島は仲良く島民が営みを行う素晴らしい場所である。

この不気味な死柱が出てくるまでは。

 

加古「青葉1人に本土任せちまって悪いことしたな…。」

 

阿武隈「まだ筋肉痛治ってないからね。でも大丈夫、青葉はしっかりもんだから。」

 

北上「それに〜、大好きな彼氏さんと連絡も取り合わなきゃいけないしね〜。」

 

佐渡島の島民約3000人。

海自と協力し、全員の救出が任務。

しかし、今に至るまで人っ子一人も居ない。

それどころか敵のての字もない。

気味悪いのを感じつつ、一同は歩を進めるのであった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

徳島県徳島市━━━

 

長門、霧島、金剛、龍驤、大鳳が向かっていた。

その後から隊員たちが追いかける。

 

ダッダッダッダッダッッッッッッ!!!!!!!!!

 

長門「かなりの激戦区だな!!!!」

 

霧島「徳島ホールに向かってくれって言われたけど!!!キツいわね!!!三式…………!!!!!」

 

龍驤「辞めぇ霧島!!!幹部見たっちゅう報告があるんや!!!力は温存しとけ!!!!!」

 

ババババババババッッッッッッ!!!!!!

 

隊員たちがサジタリウムで出来たライフルで敵と応戦。

住民の避難、歩兵との戦闘、そして幹部撃破。

戦艦と空母だからか、昔から今に至るまで人生の戦いにおいてどの艦種よりも激しめに思える。

ストーカーから放たれるエネルギー砲やミサイルを避けながら徳島ホールを目指す。

走り抜ける後ろでは大爆発が起きている。

良いのは見栄えだけだ。

何故こんなにも激戦をくぐり抜けなければならないのか。

普通なら自分の人生を恨むだろう。

 

金剛「あった!!!!あれデース!!!!!」

 

目の前に徳島ホールが見えた。

しかし、当然のごとく大量の敵がお待ちかねだ。

 

龍驤「しゃあない!!!ウチと大鳳が相手するわ!!!みんな乗り込んでぇな!!!!!!」

 

大鳳「了解ッッッッッッ!!!!!!」

 

隊員「構えろッッッッッッ!!!!!」

 

バッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!

 

式神に乗り、上空から攻撃を仕掛けようとする2人。

しかし………………

 

龍驤「なんやアイツら……………。」

 

深海棲艦たちはなんと長門たちを中に迎え入れるように入口をどく。

 

長門「………………何を考えてる…。」

 

軽巡ツ級「我らが隊長のお待ちだ。」

 

金剛「そんな馬鹿げたtrapに引っかかるとでも?」

 

重巡リ級「我らの隊長は強き者との戦いを望む。それもサシでな。」

 

隊員「信じられるかお前らの戯言なぞ!!!!!」

 

龍驤「ほな後ろでドンパチやってる奴らはなんやねん。そっちから攻撃して来たやろがアホンダラァ。」

 

戦艦タ級「それは我らの隊では無い。中にいるもう1人の幹部の隊員だ。」

 

なんとホールの中には幹部が2人。

どうしたものかと悩んだ一行であるが、目の前の深海棲艦は深海棲艦らしくない。

こちらから手を出さない限り手を出してくる気配すら感じない。

悩んだ挙句、龍驤と大鳳は後ろの自衛隊の応援。

 

霧島「…………私が行きます。」

 

金剛「霧島……………!」

 

隊員「霧島隊長………!!!」

 

長門「………………。」

 

霧島「感じるんです………。人を殺したいとか、弱いものいじめをしたいとかじゃなくて、この中からただただ純粋に強いやつと戦いたいと願う気配が………………!!!!!」

 

長門「ではもう1つの邪悪な気配が………もう片方の幹部か…。」

 

金剛「わかりまシタ。そちらは霧島に任せマース。」

 

隊員「…………………銃を降ろせ。」

 

手を下に振り、周りの隊員たちの構えを解く。

 

戦艦ル級「決まったな。霧島と言ったな。案内する。」

 

ザッザッザッザッザッ……………

 

中に入る一同。

大きく二手に別れる廊下に出た。

左が霧島、右が長門と金剛。

絶対に死なない事を誓い、その場を後にする。

 

軽巡へ級「長門と金剛と言ったな?気をつけろ…、その先に居る幹部はゲス野郎だ。どんな手を使ってくるか分からんぞ。」

 

長門「…………………心配無用だ…。礼を言う…。」

 

振り返ることなく手を振り、廊下を進む2人と隊員たち。

 

ツカツカツカツカツカツカ…………

 

金剛「真っ直ぐな深海棲艦たちでシタね…。出来れば…違う出会い方が…したかったデス…。」

 

長門「…………………………そうだな…。」

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

雷巡チ級「この扉の先に隊長が居る。周りに隊員が居るが気にするな。手出は絶対にせん。」

 

隊員「………………………一応信用するぞ。しかし、少しでも変な動きがあれば撃つ。いいな。」

 

雷巡チ級「勝手にしろ。」

 

ギィィィィィ……………

 

重いドアが開かれ、その大きな部屋の構造が目の前に広がる。

 

隊員たち「こ…………これは!!!!!!!!」

 

霧島「………………なるほどね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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