艦これevolution   作:銀ノ森 睾

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第9話「Sing song sung」

那珂「知ってたんだね〜☆やっぱし那珂ちゃん人気者?キャハッ!」

 

うおおおおぉぉぉおおおお!!!!!

 

観衆「那ー珂ーちゃーん!!!那ー珂ーちゃーん!!!」

 

颯爽と演奏が響き渡り、激しく観衆を煽る。

 

那珂「どう?1曲でも聴いてく?」

 

吹雪「ホントに嬉しいんですけども、またの機会にでも。」

 

那珂「ざ〜んね〜ん。聴いて欲しかったんだけどなぁ……。ま、いっか!楽しかったよ!吹雪ちゃんといい、電ちゃんといい!!!」

 

那珂「睦月ちゃんも良かったんだけど〜、何処と無く惜しいよね〜☆伸び代はあるけどね!で!!!」

 

那珂「何がいいの?資材?それとも現金?全部は流石にダメだからね〜!!!一つだけ!」

 

吹雪「そうっすね…。それじゃあいいっすか?」

 

那珂「良いよ良いよ〜!!!言っちゃって!」

 

吹雪「それじゃあ遠慮なく…………。」

そういうと吹雪は那珂を指さし…

 

吹雪「那珂先輩のボーカルの座…とかどうです?」

 

那珂「…………………へぇ…。」

 

ドラムが叩かれギターが響く。ベースの音もそれに合わせ乗っている。

その発言にまた観衆が湧き上がる。

不思議と怒号などは無く、この先の展開が読めないといった具合の興奮である。

那珂のボーカルの座…つまりは那珂と戦うというご指名である。真正面からの宣戦布告。これに対し那珂はマイクをスタンドに刺し不敵な笑みを浮かべた。

 

那珂「宣戦布告かぁ………ほぉ…宣戦布告かぁ…」

 

ゆっくりと歩き出す那珂。

 

那珂「久々に滾るねぇ…。面白い…。面白いよ…。じゃあ……………」

 

那珂「殺ろっか!!!!!!」

 

すると那珂は舞台から飛び降り闘技場に立つ。

およそ50メートルほどのジャンプ。並大抵の脚力ではない。

 

那珂「怪我とか無いよね?那珂ちゃんフェアが好きだから。」

 

吹雪「大丈夫っすよ…その割には勝ち抜き戦の大会でしたけどね。」

 

那珂「それは度量試しよ!那珂ちゃんのファミリーに相応しいかどうかを測るのにね!」

 

そういうと那珂は服を派手に脱いだ。

憲法着風のジャージのスボンにスポーツブラ、そこには「四水戦」と書かれてある。

那珂と目が合った瞬間吹雪は全身の肌がピリピリと痺れる感覚に襲われる。

 

吹雪「目合っただけでこれかよ………!!」

 

那珂「じゃ、那珂ちゃんの雷武(ライブ)始めよっかー!!!」

 

那珂「アンコールは…………無しね…!」

 

カァァァァァァァァン!!!!!

 

ゴングが鳴り響く。

 

[newpage]

 

吹雪が構えをとる。

それに合わせ那珂も構える。

 

吹雪「その構え…………四水戦流…!!!!!」

 

那珂「知ってるんだ。詳しいね…。吹雪ちゃんのは………何?ボクシング?」

 

吹雪「大抵の格闘技なら出来ますよ…。先輩…。」

 

吹雪と那珂。

お互いが構え睨み合い、時が流れる。

静寂が2人を包む。この世界にはもうすでにまわりの観衆などは入っていない。

ただ、2人はお互いに動かない。いや、動けないのだ。吹雪は那珂に対し少しでも動くと負けるのを理解しているのである。それに対し那珂は負けはせずともタダでは済まない。強者であるからこそ、そう易易とは動けないのだ。

綺麗な顔をしている那珂。

額から汗が流れる吹雪。

固唾を飲み2人を見届ける観衆。

それは医療室で見てる3人もそうであった。

 

電「チッ……………自分から喧嘩吹っかけておいてなんてザマなのです………!!!!!」

 

野分「無理も無いでしょう。相手は四水戦の那珂なんですから。」

 

睦月「…………………………!!」ゴクッ

 

吹雪(う、動けねぇ…………!!少しでも動くと確実に殺られる…!!)

 

那珂「………………………。」ハァ…

 

すると徐に構えを解く那珂。

腰に手をあて

 

那珂「これじゃあギャラリーの皆退屈するよね〜。それに那珂ちゃん睨み合うの気が削れて疲れるし。」

 

腰のホルダーから青色のマイクを取り出す那珂。そのホルダーには後赤のマイクが刺さっている。

 

那珂「那珂ちゃん!歌います!!!!」

 

吹雪「………?」

 

深い呼吸をひとつ、口を開ける那珂。

 

那珂「君を〜私のベールで、そっと〜優しく包〜みた〜い〜♪」

急に歌い出したのだ。

バラードである。

 

その優しい音色に聞き惚れる観衆を他所に吹雪は

 

吹雪「んぶぐがっっっっがぁぁぁぁぁぁっっっ!!!!!!」

 

全身に血管が浮かび叫んだのだ!!!!!

悶え苦しむ吹雪!次第に全身の穴という穴から血が流れ始める。

そこに医療室からかけつけた町田達がいた。隣にはちょこんと雪風も。

 

町田「………………!?なんなあれ…!音波攻撃か!!!!!!」

 

ヘヴィボーイ「アレだよ……ボスにしか出来ねえんだ…。あれで深海棲艦どもを皆殺しにしたんだ…。」

 

海崎「大丈夫かよ吹雪の嬢ちゃん!!!!」

 

吹雪(なんだこれっっっ……!!!全身がクソ痛え!!!!!神経に作用してんのか!!!!!)

 

吹雪(い…………意識が…………!!!!!)ドサァァァッ

 

那珂「I〜Love〜You〜♪」

 

那珂「呆気なかったね。吹雪ちゃん。」

 

ワーワー!!!ワーワー!!!

 

うおおおおぉぉぉおおおお!!!!!

 

観衆が湧き上がる。手を出さずに歌うだけで倒したのだ。

 

観衆「やっぱりボスが最凶だぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

 

観衆「那珂ちゃんのファン続けますぅぅぅぅうぅっっっ!!!」

 

那珂「………………………。」

 

少し怪訝な顔をしながら吹雪に近づく那珂。

吹雪のまわりは血の海である。まるで鏡のように反射するその血はある意味美しいのか。

 

しゃがみこみ吹雪の顔を覗こうとしたその時

 

吹雪「気になるっすよね…死んでるかどうか……!!!!」

 

那珂「!!!!!」

 

吹雪は渾身のパンチを那珂に繰り出す!!!!

しかしガードされそのまま吹っ飛ぶ那珂。

 

那珂「あっぶな……、思ってた以上に頑丈なんだね。」

 

 

吹雪「ハァ……ハァ………ネームシップの…プライドありますからね…。」

 

那珂「じゃ、もう1曲やっちゃおっか!」

 

青のマイクを取り出す那珂。

またもや1呼吸し

 

那珂「ドス黒いその意思に鉄槌の一撃をぉぉぉぉ!!!!激しく燃える魂は砕ける事勿れぇぇぇぇぇっっっ!!!!!!」

 

ロックである。

 

吹雪「なっ…………!!!!!オエッッ!!!」

 

すると吐瀉物を吐き出す吹雪。

とはいえ何も食べてないので水だけであるが。

 

ワーワー!!!ワーワー!!!

 

吹雪(目が回りやがる…………!!!!三半規管か…………!!!!!!)

 

先程の攻撃で満身創痍の吹雪。

しかし先程の歌とは違い何とか動けることを確認した吹雪はそのまま那珂に向かい走った!!!

 

那珂「おっと………。歌ってる場合じゃあねぇな…。」

 

吹雪がそのままの勢いで那珂に殴り掛かる。

血が飛び散る。

しかしそれを意図も容易くヒョイッと躱し腹に膝をいれる那珂。

 

吹雪「うぶっっっ!!!」

 

そのまま回し蹴りで吹っ飛ぶ吹雪。

 

那珂「めっちゃ頑丈じゃん。タフっていいねぇ。」

 

那珂「もっかいバラード歌ってあげるよ。」

 

深呼吸をした那珂。

しかしその時吹雪は地面に入っているクラックに手を入れアスファルトの部分を抉り壁を作った!!!

 

那珂「なっっっ!!!!!!」

 

バラードを歌わない那珂。

それもそのはずだった。

 

吹雪「やっぱりな…………。」

 

吹雪「そのバラード……………。目の前の対象物にしか効かねぇ………。あんたの前にあんのは………あんただもんな。」

 

そう、そのアスファルトは鮮血に染まり那珂の姿が反射していたのだ!!!

そのまま歌うと那珂は自分に攻撃をしかける事になる。

 

吹雪「バラードは…気持ちいいもんだから歌手も目を瞑る………はっきり目開けてこっちガン見しながら歌いやがって………!!!」

 

那珂「分析力の塊だね……!!!」

 

吹雪「うんぬるるるらぁぁぁぁ!!!!」

 

そのアスファルトを那珂にぶん投げる吹雪。

それを蹴りで砕く那珂。

しかし吹雪の狙いはアスファルトを影に那珂に向かい走ることであった。

 

那珂「狙いは良いよ!でも距離があるよね!!」

 

那珂はマイクを口に近づけまたもや歌い出す。

いい音色を奏でようとする那珂の顔に拳を突き出す吹雪。しかし間に合わず那珂は歌いだした!!!

 

そのまま吹雪は

 

 

 

 

 

 

那珂の顔に拳をめり込ませた。

 

[newpage]

那珂「グブッッッッッ!!!!!!」

 

ワーワー!!!ワーワー!!!

 

観衆「ボスが殴られたぞおおおおお!!!」

 

そのまま吹っ飛ぶ那珂に間髪入れずに殴りかかる吹雪。この際効率などはどうでもいい。ブンブンパンチだろうがなんだろうが相手を殴れればそれでいいのだ!!!!!

つまり!!!ボッコボコタイム!!!!

 

吹雪「うおおおおぉおおおおおおおおおおおおぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

 

那珂「うおおおおぉぉぉおおおお!!!!!ぶち殺すぞてめぇぇぇぇ!!!!!!」

 

那珂のストレートが吹雪の鳩尾にヒット。

たまらずしゃがみこむ吹雪。

ボーナスタイムは終わりである。

 

那珂「ハァ…………ハァ…………オベッッ………なんで…ちゃんと歌は間に合ったはず………。」

 

吹雪「持ってるマイクちゃんと確認したらどうっふか………先輩!!!!」

 

殴られフラフラの那珂はゆっくりとマイクを見る。バラードを歌う時に使った赤のマイクであった。

しかし、ある事に気づく!!!!

 

那珂「…………………!!!赤色のマイクじゃねぇ………………血か……!!!!!」

 

急いで腰のホルダーを確認する。そこには赤色のマイクが確かにあった。

 

那珂「最初に殴りかかった時か……!!あの時お前は殴りかかったんじゃねぇ………青色のマイクに血を付着させたのか…!!!」

 

吹雪「ご名答………。あんたはわざわざマイクを変えてジャンルの違う歌を歌った………。ファンサービスなんかじゃねぇ………その音波攻撃専用のマイクの波長に合わせてたんだろうってな…。」

 

吹雪「も…もし違ってたらそのままお陀仏だったよ私は………。」

 

那珂「賢いねぇ…………。こうなりゃこんなおもちゃ使えないね。」

 

マイクを観客席に投げる那珂。

ファンはこぞってマイクをキャッチしようと騒ぐ。

 

那珂「初めからこれで行きゃ良かったよ…。拳法家らしくね………!!!!」

 

吹雪「お互いに満身創痍…………。殴り合いはもう体力的にも厳しい…………。お互いに一撃にかけるしかないっすね………………………………。」

 

またもや最初の場面に戻る2人。

お互いに構え睨み合う。

違うと言えば満身創痍で血まみれというとこであろう。

 

見守る観衆。

睨み合う2人。

静寂が支配する。

 

那珂「……………………。」

 

吹雪「………………………。」

 

観衆「ど、どうなっちまうんだ…………。」

 

海崎「こりゃあ…………どんでん返し来るか……。」

 

ヘヴィボーイ「わかんねぇよ………。」

 

町田「………………………。」

 

雪風「ん?てんとう虫さんです。」

 

鼻にくっつく虫さん。鼻がムズムズ。

 

雪風「ハァ…………ハァ……………」

 

 

 

 

 

 

 

 

雪風「ヴァッックショォオオオオオイイイ!!!」

 

那珂「!!!!!!!」

 

吹雪「!!!!!!!」

 

閃光が走る。

 

[newpage]

 

那珂「……………。」

 

吹雪「……………………ゴバッッッ」

腹から肩にかけ切られた吹雪。

膝をつき、吐血。

 

観衆「これは…………!!!」

 

うおおおおぉぉぉおおおお!!!!!

那珂の勝ちである。

と……………

 

那珂「吹雪ちゃん強いね〜☆これはウチでも抑えられないや。」

 

吹雪「ふふふ………先輩こそ…。」

 

那珂「油断ってさ………油を断つって書くもんね…。」

 

那珂「わたし…最後に油取ったのいつだっけか……。油切れかな……」フフッ

 

口から大量に血を吐く那珂。

横腹が陥没している。

吹雪の一撃が入ったのだ。

そのまま倒れる那珂。

 

吹雪「ごっつぁんです!!!!!!!!先輩!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

-決着-

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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